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当院は、耳鼻咽喉科、気管食道科、アレルギー科を専門とし、地域医療に貢献します。

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子供の夏かぜ と 口内炎のできる風邪

 高温多湿の環境で増殖しやすいエンテロウイルスやアデノウイルスにより、夏を中心に口内炎のできる風邪が5才以下の小児を中心に流行します。両ウイルスともに血清型が90種類以上あるとされ、違うタイプにはまた罹ります。ヒトーヒト感染で1年中存在することから、冬に感染する場合もあります。感染を繰り返しながら大人になるにつれて不顕性感染が多くなり、発症しにくくなります。単純ヘルペスウイルスの初回感染でも口内炎が出来ます。

1、エンテロウイルス(EV):エンテロとは腸管を意味し、腸で増殖することから下痢や腹痛を来す場合があります。EVの亜型にコクサッキーウイルス(CV)、エコーウイルスがあります。潜伏期は3~7日です。咽頭から1~2週間、便から3~5週間はウイルスが排泄されるために、症状が改善しても感染力は残ります。学校保健法による登園制限の決まりはありませんが、夏の代表的な感染症であることから、症状軽減まで登園を制限する施設もあります。ウイルス自体に効くお薬はないために、咽頭痛や脱水予防などで対処療法します。(02年にプレコナビルという抗ウイルス剤が欧米で開発されましたが有用性の点から承認には至りませんでした)

手足口病:EV71、CV-A4.5.6.8.10.16が主なウイルスです。口内に散在する口内炎、手足に水疱が広がります。水疱は足に多く、時にはおしりや腹部まで広がります。かさぶたは出来ません。3割の小児で38度台の発熱が3日程度でます。口内炎による咽頭痛は強いものの、水疱で症状は認めないことから軟膏などの治療は不要です。CV-A16で脳炎、心筋炎の報告があり、EV71では無菌性髄膜炎を合併する場合があることから、強い頭痛や繰返す嘔吐には注意します。11年に、治癒した数週間後に爪が剥がれる爪甲脱落症を続発する新しいCA-16が流行しました。

ヘルパンギーナ:CV-2.3.4.5.6.10とエコーウイルスが主なウイルスで、CV-4が代表的です。39度台の急な発熱が3日程度、口蓋垂(のどちんこ)周囲に集まった多発性の口内炎が特徴です。皮疹は認めません。

2、アデノウイルス(AD):咽頭を中心とする気道、目、腸で反応します。潜伏期は3~7日です。多数の血清型があり、最も多いのは咽頭炎型ですが、結膜の反応が中心の流行性角結膜炎、咽頭と結膜の反応が強い咽頭結膜炎のタイプもあります。特にAD7型で反応が強くなります。流行性角結膜炎と咽頭結膜熱は学校保健法で主要症状が消退した後2日まで出席停止とされています。

咽頭結膜熱:夏にプールで感染が広がることからプール熱とも呼ばれます。38~40度の発熱が3~5日続きます。眼球結膜がゼリー状に腫れてくるなどで角膜の反応が強い場合は、角膜が混濁する点状表層角膜炎を続発することがあるため眼科的治療が必要になります。

3、単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1):初回感染でヘルペス性歯肉口内炎、カポジ水痘様発疹症を発症します。感染後、Ⅰ型は主に顔面の知覚を司る三叉神経節に潜伏感染し、免疫力の低下とともに再発すると口唇ヘルペス、眼ヘルペスで再発します。多くは生後6ヶ月から5才ぐらいまでに、家族が口唇ヘルペスを再発した際に初回感染しますが、90%が症状の出ない不顕性感染です。顕性感染でヘルペス性歯肉口内炎を発症すると、39度程度の高熱が3~5日持続し、歯肉が腫脹し、口唇や口内に口内炎が両側性に広がります。1~2週で治癒します。(帯状ヘルペスウイルスHZVは、水痘で初回感染し、再発で帯状疱疹を発症しますが、口内で再発した場合の口内炎は片側性です)治療薬としてヘルペスの増殖を抑制する抗ウイルス剤(ゾビラックスなど)があります。

4、突発性発疹(突発疹):発症時期は生後6ヶ月~1才6ヶ月が多く、赤ちゃんの初めての発熱であることも多いです。病原体はヘルペスウイルス6型、7型で3つ目のウイルスもあると考えられています。2度罹ることもあり、2回目はウイルス性発疹症と表現されます。潜伏期は約10日程度。不顕性感染といわれる症状が出ない例も20~40%あります。38度以上の熱が3日程続いた後に赤い点状の発疹が数日間体全身に広がります。軽度の下痢、眼瞼浮腫、リンパ節腫脹がみられる事もあります。発疹がでる前に両側の扁桃腺の上に小さな口内炎(永山斑)が出れば早期診断できます。まれに熱性痙攣、脳炎脳症、劇症肝炎、血小板減少性紫斑病などの合併症も認めますが、多くは予後良好で鼻や気管支が障害を受けることはなく、診断がついた時点で、発疹への軟膏も含めて投薬せずに経過観察できます。

★咽頭痛と脱水への対処法:必要に応じて対処療法を行います
咽頭痛;トラネキサム酸、アズノール含嗽など
口内炎;口腔用ステロイド軟膏、口腔粘膜表面麻酔薬など
発 熱;消炎鎮痛解熱剤屯用
脱 水;経口補液 強い咽頭痛は数日ですのでカロリー補給までは必要ありませんが、小児は糖分が不足すと自家中毒を誘発して嘔気嘔吐が悪化する場合がありますので、お茶だけの水分補給ではなく、イオン飲料やリンゴジュースなどで塩分・糖分・カリウムは補って下さい。
下 痢:整腸剤、高度な場合は止瀉剤

★出席の目安:施設単位で園医の意見で、手足口病とヘルパンギーナが「発熱や口腔内の水疱・潰瘍の影響がなく、普段の食事がとれること」まで。突発性発疹が「解熱し機嫌が良く、全身状態が良いこと」まで。帯状疱疹が「すべての発疹が痂皮化してから」まで、出席停止にできる疾患とされるが、登園許可証は必要としない。

★混同しやすい感染症
溶連菌咽頭炎:細菌感染で抗生物質が著効し、迅速診断キットがあります。口内の点状出血斑が特徴的ですが、所見の軽い場合もあります。嘔吐腹痛は認めても下痢はしません。

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