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当院は、耳鼻咽喉科、気管食道科、アレルギー科を専門とし、地域医療に貢献します。

TEL. 089-973-8787

〒790-0045 愛媛県松山市余戸中1丁目2-1

風邪に罹患した際の再診の目安

 風邪に罹って当院を受診した方から、どのようなタイミングで再診したら良いのか、診察時に質問を受けることがあります。その際にお伝えしている再診の目安をご紹介します。

 一般的に“風邪は自然に治る”ものです。ゆっくりと休養して、睡眠を取り、しっかりと栄養をつければ徐々に治っていきます。しかし一方で“風邪は万病のもと”とも言われます。最初は風邪の様であっても、生活に支障をきたすようになる様々な病気の初期であることが後で明らかになる場合があります。以下のふたつの観点から病院を上手に利用して、再診する目途として下さい。
 ①自然に治る風邪かどうかの見極めるために、あるいは風邪をこじらせて長期化しないために再診する
 ②現在の苦痛な症状を早く軽減するために再診する


 では“自然に治る一般的な風邪”とはどのようなものでしょうか? かぜ症状をきたす病原微生物で最も多いウイルスは、冬季で200種類、夏季で70種類とも言われます。免疫の“たまった”大人は軽い症状のインフルエンザも含めて年間2回前後風邪に罹ると言われています。現在の医学では、風邪のウイルスの中で直接作用する薬があるのは、インフルエンザとヘルペスのふたつしかありません。その作用はウイルスの増殖を抑えることによって、徐々にウイルスが少なくなることによって治癒していきます。人は病原体に罹ることによって免疫ができて、再度その病原体に接触した際に、まったく増殖しない、わずかな増殖で抑えられる、などによって“風邪に罹らない”か“風邪が軽く終わる”かします。0才児、特に生後6ヶ月までは母親の免疫が残っていることから大人並みの免疫力を有します。1才頃からはその免疫が無くなることによって風邪に罹りやすいのですが、風邪に罹る度に免疫がついてゆきます。そのため、1~5才頃は“大人になって困らないために風邪に罹って免疫力をつける”ことが成長期の子供にとって大切なことです。この小児期に重要な病気に対して人工的に免疫力をつけるのが予防接種なのです。
 ウイルスに感染して体内の細胞が障害をうけた場合、一般的には、ウイルスが増殖する潜伏期が2~4日です。発症して増殖のピークを迎えるのが発症後3~5日で、その際に、体内で熱を産生してインターフェロンなどの一般的な防御因子が産生され始めるまでがピークですので、徐々に増殖するタイプのウイルスでは発症後3日後前後に発熱のピークが、インフルエンザのように増殖の強いものでは発症後1~2日で発熱のピークが、ゆっくり増殖するウイルスでは発熱が5日以上続きます。その後、ウイルスが死滅してゆき、障害された組織が再生することによって徐々に治ってゆきます。この修復に発症後4~7日程度かかるのが一般的なウイルス感染です。この過程で、個々の病原菌に対する免疫が体内に出来てきます。
 その際、一部の臓器の障害が強いと“風邪が治らない”“後遺症が残る”状態となり、障害された臓器に二次的に異なる病原体が付着増殖して障害が強くなった状態が二次感染です。その原因の多くは細菌によるもので、ウイルスとは違い大多数の細菌に対しては抗菌薬(抗生物質)が有効です。しかし抗菌薬が効きにくい耐性菌もあります。

 上記の点から、一般的なウイルス感染に対して直接効く薬はないので、発症後2~4日目のピークを迎えるまでは“ある程度しかたない”ことになり、その後、5~7日程度で自然に治れば“普通の風邪でこじれなかった”ことになります。この風邪の期間は、一般的なウイルス感染が疑われるのであれば、当院では対処療法で快適に過ごせることを念頭に治療します。このことから①の観点から再診が必要となるのは、一般的な風邪の経過からあきらかに外れた以下の状態 A)発症1~2日目に症状が激烈であったり多彩である場合 B)発症4~6日過ぎても症状が徐々に悪くなりピークを迎えない場合です。また②の観点からは、本人の苦痛が強ければ何時でも再診が望ましいことになります。

●新型コロナウイルスは、従来型コロナウイルスと異なり、インフルエンザよりも重篤な反応をしめす場合があります。免疫系の破綻によるサイトカインストームからの血栓形成や感染後の抗体が持続しないなどの特異な反応を示します。一般的なウイルス性上気道炎以上に慎重に経過を診る必要があります。(2020年7月現在)

以下は、当院でお渡ししている風邪の経過の注意点の抜粋です。ご参照下さい。

急性上気道炎(いわゆる風邪)について 「合併症の予防」 より

 扁桃腺が弱い体質やアレルギー体質などのない健康な大人が普通感冒にかかっても高度な合併症を起こすことはほとんどありません。しかし、インフルエンザ型や喉頭気管炎型、肺炎型は高度な合併症を起こしたり、治りが悪くなる場合があります。また、一方、子供や老人では普通感冒であってもしばしば合併症を引き起こしますので、用心深く観察する必要があります。子供は気道が狭く、扁桃組織も過剰に反応しやすいため、中耳炎、喘息性気管支炎、気管支肺炎、声門下喉頭炎(仮性クループ)などに注意します。また、まだ病原微生物に対する抗体も十分に備えていないため、家族で同じ病原微生物にかかっても症状が強くでるとともに、感染が広がる傾向があります。脳炎、髄膜炎、脱水症にも注意します。また、当初は一般的なかぜの初期にみえても様々な病気の初期症状であることもあります。小児では「なんとなくいつもと違って体調が悪い=not doing well」という印象が大事です。あまりにもウトウトして反応が鈍い、突発的な嘔吐を繰り返す、首や全身がこわばってひきつれている、水分を飲む元気もない、尿が半日以上全く出ない、などの症状に注意して下さい。老人は痰の排出能力が落ちることもあり、若い頃よりも容易に上気道の感染が下気道におよび二次感染を来たしやすくなり、 気管支炎が肺炎に進行する可能性が高くなります。若年者と異なり肺炎になっても高熱がでることなく、すぐに呼吸困難や心不全を起こすことがあります。
  一般的には、次のような症状がある場合には重症化の傾向ですので注意が必要です。
・3日過ぎても高熱が持続する時、5日過ぎても微熱が続く時、1~2日目で風邪症状が強い時
・水分摂取が不十分で尿が半日以上出ない時、強い頭痛や吐き気が持続するとき
・呼吸が浅く速く肩で息をするような時、睡眠中に呼吸が停止する時
・意識レベルが低下して反応がにぶい時
*初診時に病院で受けた説明の見込みより悪化したり、新しい症状が発現したり、長引いて良くならない場合には、 適宜再診が必要です。

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