|
Contents
よく見られるページ
医療法人 大輝会
院長 山口 幹夫
〒790-0045 愛媛県松山市 余戸中1丁目2-1 089-973-8787 |
◆ 起立性調節障害と低血圧
起立性調節障害(orthostatic dysregulation:OD):自律神経の調節力が血圧の調節力を中心に低下した状態で、思春期の5~10%に認め、女子に多いです。心身医学的な不適応も合併しやすく、ODの3割に不登校が見られるとの報告もあり、学校生活への影響にも注意します。しかし成人になると改善することが多いために、程度の軽いODは治療の必要はありません。
症状: ① 立ちくらみ、めまい;小学生の25%、中学生の45%との報告があります。 ② 起立時の気分不良や失神;脳貧血の状態。起立直後の交感神経の機能が十分に働かず低血圧が続きます ③ 入浴時や嫌なことで気分不良 ④ 動悸、息切れ ⑤ 朝の寝起きが困難、午前中の体調不良;夜遅い就眠時間 ⑥ 顔色が青白い ⑦ 食欲不振 ⑧ 腹痛 ⑨ 全身倦怠感;午前中に強い ⑩ 頭痛;午前中に強い。片頭痛や緊張性頭痛の合併もあり ⑪ 乗り物酔い 起立試験(安静臥位とその後の立位の血圧や脈拍の変化を測定)での診断基準(部分) 1.脈圧(最高血圧と最低血圧の差)が16mmHg以上小さくなる 2.最高血圧が21mmHg以上下がる 3.脈拍が1分間に21以上増える 新起立試験での分類 本態性:循環機能自体に異常のあるもの;過剰反応型、脳血流低下型も提唱されています ①起立直後性低血圧;血圧回復時間が25秒以上。収縮期血圧の低下が15%以上で続けば重症型 ②体位性頻脈症候群;起立時の心拍数が115以上、または起立中の平均心拍増加が35以上 ③神経調節性失神 ④遷延性起立性低血圧;静脈の収縮力が弱い。起立直後は正常血圧で、数分後から収縮期血圧が15%以上または20以上低下 症候性;他に原因のあるもの;過敏性腸症候群、 睡眠覚醒リズム障害、適応障害・不安障害(分離不安、過剰不安、回避性障害、パニック障害)・身体化障害・抑うつ状態などの精神科疾患 治療: 生活改善;散歩程度の運動、ゆっくりと起立、就眠時間を正す、低血圧予防のために暑い場所を避ける、下半身へのうっ血予防の弾性ストッキングや加圧式腹部バンド、やや多めの塩分摂取 薬剤: メトリジン:動脈α1受容体に直接作用して収縮させる。心臓脳血管には作用せず、甲状腺機能亢進、褐色細胞腫は禁忌 エホチ-ル:交感神経α1β受容体を刺激し血圧を上昇させる。心不全は禁忌 リズミック:間接的に交感神経機能を亢進して血圧を上昇させる。高血圧,甲状腺機能亢進,褐色細胞腫,緑内障,前立腺肥大に禁忌 ジヒデルゴット:静脈系に作用して血管収縮+自律神経緊張抑制作用。閉塞性血管障害,狭心症,緑内障,妊婦禁忌 ハイゼット:自律神経調節作用 ★脳貧血:プレショックとも呼ばれます。起立性調節障害以外でも、過度の緊張などで自律神経失調から低血圧となり、顔面蒼白、脂汗、吐き気が出現します。重篤なショックに移行することは極めてまれですが、意識消失から転倒、頭部打撲に至る場合もあります。脳貧血が起こったら、速やかに場所を確保して、仰向けに寝て膝立てした姿勢(トレンデンブルグ体位)を取り、ゆっくりとした呼吸を心掛けます。 ★体位性頻脈症候群(postural tachycardia syndrome:PoTS):起立試験(10分間)またはヘッドアップティルト試験で脈が成人小児30思春期40以上増加し(または小児では脈115以上)、起立性低血圧がない病態です。1992年に米国メイヨー クリニックから提唱されました。起立時の静脈灌流減少の回復が十分でなく、心臓への静脈灌流の欠乏を代償するために心拍数増加が持続します。思春期に目立ち、脳の低潅流と交感神経の過剰反応による,鎮痛剤の効かない慢性頭 痛、不眠、めまい、腹部不快感、慢性疲労などが見られます。 治療は、水分1日2L以上、塩分1日12g以上の摂取、下肢弾性ストッキング、βブロッカー(心拍減少末梢血管拡張ブロック、インデラル)、αアゴニスト(末梢血管収縮、メトリジン)、ミネラルコルチコイド(塩分貯留血漿増量、リンデロン)、SSRI/SNRI(セロトニン調節改善 トレドミン)などです。 低血圧:高血圧のような診断基準はありません。一般的には成人で収縮期血圧100mmHg以下とすることが多く、80mmHg以下では症状が出やすくなります。血管や筋肉への血行不良から、頭痛、めまい、全身倦怠感、食欲不振、吐き気、腹痛、動悸、息切れなどの多彩な症状が見られますが、症状を認めない場合も多いです。 本態性低血圧:体質的な低血圧です。治療はODの治療に準じますが、症状が無ければ治療の必要はありません。 起立性低血圧: 症候性低血圧(2次性低血圧): 急性:精神的ショック、暑いところでの長時間の起立、空腹、降圧剤、向精神薬、食後性低血圧、透析低血圧、循環不全によるショックなど。 慢性:パーキンソン病などの神経変性疾患、糖尿病、腎不全、アミロイドーシス、アジソン病・低アルドステロン血症などの内分泌疾患、動静脈奇形などの循環器疾患、透析、寝たきりなど。 |
院長の疾患情報ブログ
花粉症・感染症情報
クリニック案内
|