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当院は、耳鼻咽喉科、気管食道科、アレルギー科を専門とし、地域医療に貢献します。

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アスピリン不耐症(過敏症)、NSAIDs過敏症

 アスピリン不耐症とは、アスピリンと同じような作用がある解熱鎮痛剤(解熱薬、頭痛薬、鎮痛薬、かぜ薬、坐薬)によって誘発される過敏症です。非ピリン系消炎鎮痛剤への過敏症を特にNSAIDs(エヌセイズ)過敏症とも言います。抗原抗体反応を介さない変調現象で30~50 歳代に発症することが多い後天的過敏体質であり,アレルギーとして発作が出るわけではなく、遺伝的な影響もなく、そのメカニズムは充分解明されていません。近年の研究でCOX1阻害剤という解熱鎮痛剤の一部の成分に最も反応することが解ってきました.。急性の喘息大発作やアナフィラキシーショックと呼ばれる重篤な全身反応を引き起こす恐れがあり、この体質が疑われる方は、市販の風邪薬の使用や、たとえ少量でも解熱鎮痛成分の入った湿布や目薬などの使用する際は、常に慎重を期す必要があります。

分類と症状
①皮膚型(蕁麻疹/血管浮腫):皮膚や全身の血管が反応するタイプです。 体の一部の蕁麻疹、目の周りや唇が腫れる(眼瞼浮腫、口唇浮腫)軽度なものから、声帯の周りが腫れて(喉頭浮腫、クインケ浮腫)呼吸困難を起こすタイプ、全身の血管が反応して低血圧発作から心機能低下や意識障害に至る(アナフィラキシーショック)重篤なタイプまであります。急性に呼吸困難や意識障害が起こる場合には、救急車を呼ぶ必要もあります。
②気道型(喘息/鼻茸副鼻腔炎) :鼻から気管支にかけての空気の通り道が反応するタイプです。「アスピリン喘息」と呼ばれます。
【典型的な発作の起こり方】
服用後2時間以内(30分以内が多い)に前駆症状[鼻炎症状(鼻閉、鼻水)、結膜炎症状(眼球結膜充血)、咳、顔面紅潮感、稀に皮疹、嘔吐、下痢]に続いて、喘息発作を起こします。軽症の場合は、軽い咳や鼻汁、眼の痒みだけの事もあります。

【アスピリン喘息の特徴】
典型的な例では、まず鼻炎が先行して発症し、通年性の慢性鼻副鼻腔炎および鼻茸(好酸球性副鼻腔炎)をきたし、鼻炎発症から約5年後に気管支喘息が加わります
1、成人喘息の約10%に出現。 小児ではまれ
2、20~50代に発症。女性にやや多い(男:女=2:3)
3、通年性であり、季節性はない。1年中いつでも起こる。大発作になりやすい
4、非アレルギー性の喘息であるが、アレルギーを合併する人もいる
5、鼻・副鼻腔症状:鼻茸(鼻ポリープ)(72%)・アレルギー様の慢性鼻炎(87%)および慢性副鼻腔炎(97%)の合併
6、初期から高度な嗅覚障害(75%)が見られ、経口や点鼻のステロイド剤が有効である
7、好酸球性中耳炎(30%)、好酸球性胃腸炎(10~20%)、好酸球性肺炎(10%)の合併
8、検査では血中好酸球の増多(90%以上)、RIST低値・ハウスダストなどのRAST陰性が多い
9、ロイコトリエン受容体拮抗薬(オノン)によって症状が軽減する
10、解熱鎮痛剤を避けるだけでは症状が軽快せず、重症難治化しやすい*発作誘発物質が解熱鎮痛剤以外にも多数存在するからと考えられてる

疼痛・発熱時の対処法
 基本的には酸性解熱鎮痛薬を徹底してさけ、食品・医薬品の添加物を除外することが治療となります。発熱時は原則として氷冷します。薬剤は解熱鎮痛効果は弱いが塩基性解熱鎮痛剤で対処するか、漢方薬を使用します。慢性疼痛疾患(関節リウマチなど)で鎮痛薬を連用する必要がある場合はアスピリン耐性誘導(アスピリンを少量から連続投与し、耐性を維持する療法)などの方法もあります。薬剤以外でも香水・化粧品はできるだけ避け、シャンプーなどの日用品も無香料・無着色のものを使うよう心がけます。 

ピリンアレルギーとの相異点~昔から言われるピリンアレルギーは:
ピラゾロン系(スルピリン、メチロン、アンチピリン、セデス・ハイ、ケロリン)へのアレルギーで、アスピリンなどのサリチル酸系解熱鎮痛薬には反応ない。

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院 長 山 口 幹 夫

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