耳鼻咽喉科の外来手術 Day surgery ~当院での対応を中心に~
耳鼻咽喉科領域での外来手術(日帰り手術 Day surgery)について、入院設備の無いクリニックである当院での対応を中心にご紹介します。当院で対応していない手技(項目の頭に*を付けている手技)と悪性腫瘍が否定できないケースについては、高位の病院の耳鼻咽喉科・頭頸部外科、形成外科に適宜紹介しています。
耳科
鼓膜穿刺
鼓膜切開
鼓膜換気チューブ留置術:短期留置チューブ、長期留置チューブともに対応しています。
耳茸(外耳道ポリープ)摘出術
外耳道異物摘出術
鼓膜穿孔閉鎖術:キチン膜によるパッチ、コラーゲンスポンジ・リティンパによる閉鎖術、側頭骨筋膜+フィブリン糊による鼓膜形成術
耳介血腫枕縫合固定:耳介血腫の吸引、アルフォンスシーネによる固定が中心です。血腫の縫合固定は術後感染による耳介軟骨膜炎の心配もあり、多くは紹介しています。
*先天性耳瘻孔摘出術:膿瘍切開は当院でも行いますが、瘻孔は軟骨下まで伸びているケースが大部分ですので、紹介しています。
鼻科
下鼻甲介焼灼術:レーザー、サージトロンによるラジオ波凝固、化学剤凝固を行っています。
鼻茸(鼻ポリープ)摘出術:絞断器による摘出、シェーバーによる吸引で対応しています。後鼻孔ポリープの大きなもので絞断が難しいケースは紹介しています。
鼻出血止血術:後鼻孔出血に対するベロック・タンポンを用いた止血では、止血処置後に紹介しています。
鼻腔異物摘出術
鼻骨骨折整復術:成人で明らかな骨偏位がある場合には対応していますが、小児と骨偏位がわずかな成人では全身麻酔を要する場合もありますので、紹介しています。
*下鼻甲介粘膜下骨切除術)、鼻中隔矯正術、上顎洞嚢胞開窓術、内視鏡下副鼻腔手術:CTによる評価が必要で、術後出血の問題もあり紹介しています。
*鼻腔内腫瘤摘出術:良性の可能性が高い場合であっても血管腫などの大量出血の恐れもありますので、紹介しています。
*後鼻神経切断術:術後出血の観点から入院治療を行う施設が大多数ですが、全国的には日帰り手術を行う施設もあります。
口腔咽頭科
腫瘤摘出術
唾石摘出術:ワルトン管開口部近くに唾石のある口内法は行いますが、顎下腺腺内唾石を合併したり、ワルトン管深部の唾石は紹介しています。
口唇粘液嚢胞、舌下嚢胞摘出術:大きな舌下嚢胞やガマ腫は紹介しています。
扁桃縮小手術:急性扁桃炎の炎症軽減、いびきの軽減、扁桃膿栓症の軽減目的に行っています。口蓋扁桃摘出術は全身麻酔で紹介しています。
口蓋垂口蓋形成術(UPP):いびきの軽減手術として行います。口蓋垂口蓋咽頭形成術(UPPP)は全身麻酔で紹介しています。
扁桃周囲膿瘍切開術:穿刺排膿で炎症が軽減できない場合に行います。腫脹が高度で膿瘍扁摘も検討する場合には紹介しています。
舌小帯形成術
咽頭異物摘出術:舌根や下咽頭の異物には処置用ファイバースコープも用います。
喉頭科、気管食道科
*声帯ポリープ摘出術、喉頭蓋嚢胞摘出術:全身麻酔下の喉頭微細術(顯微鏡下のマイクロサージェリー)が一般的ですが、全国的には日帰り手術で行う施設もあります。
*声帯麻痺に対する喉頭形成術:全身麻酔下の手術が一般的ですが、局所麻酔科ファイバースコープ下で日帰り手術で行う施設もあります。
*喉頭異物摘出術、食道異物摘出術、気管支異物摘出術:食道異物、気管支異物については、消化器内科、呼吸器内科のファイバー下で行うことが多くなっています。
頭頸部外科
皮膚切開術:耳周囲、頚部の癤(せつ)、粉瘤、皮様嚢腫の摘出を行います。
*頚部腫瘍摘出術、頚部リンパ節摘出術:神経鞘腫などの神経を巻き込む良性腫瘍、血管腫などの大量出血の恐れのある良性腫瘍、悪性固形腫瘍、悪性リンパ腫などの血液疾患の可能性があり、摘出組織の迅速病理診断が必要となることもありますので、紹介しています。