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当院は、耳鼻咽喉科、気管食道科、アレルギー科を専門とし、地域医療に貢献します。

TEL. 089-973-8787

〒790-0045 愛媛県松山市余戸中1丁目2-1

今月の疾患情報

1) ’99年9月のホームページ開設以来の「今月の疾患情報」のまとめへのリンクをコンテンツ欄にリンクしています。当院の月別の疾患情報を通して、耳鼻咽喉科外来の1年の様子が伺えると思います。ぜひご覧下さい。ブログ風ですが、ブログサイトが普及する以前からの当ホームページオリジナルの形式です。(^^)/
2) ’02年9月より疾患情報を復活させています。(^。^) 以前のスタイルとはちょっと趣を変えて、ショートコラム風にその時々の当院の診察室風景をお伝えします。時には、松山のチョットした風物も紹介出来ればと思っています。
  16日   1月に入り一般的な感染症の流行はほとんどなくなっています。唯一、オミクロン株のみが大流行です。当院でも年始からの診察開始1週間で、一般的な感染症では溶連菌感染症の方を1名見た程度です。近隣の保育園でアデノウイルス感染症の例ありとの情報もありましたが、インフルエンザの発生も含めて感染症の大きな流行の情報はありません。新型コロナのほうは、県内の複数の高校でクラスターが報道されて他にも、当院近隣の複数の保育園でもコロナによる休園が起こっています。オミクロン株は総じて軽症のイメージが強く、米国では発生のピークも越えたみたいですが、日本はいつピークを迎え、そしていつ収束に向かうのでしょうか?

 6日前に花粉症を発症した方を今年はじめてみました。1月後半に入り松山でもスギ花粉のわずかな飛散が始まっている模様です。当院のポールンロボは設置完了しました。来週ごろからはデータの発信ができると思います。

 亜鉛が新型コロナウィルス感染症に有用のエビデンスがあるとの論文が出ていました。耳鼻科領域では、微量元素の亜鉛の欠乏で味覚異常や嗅覚低下が引き起こされることが有名です。新型コロナに対する亜鉛の有用性について、1、亜鉛にはRNA ポリメラーゼ阻害による感染抑制や、インターフェロン産生抑制、ウィルス侵入抑制作用あり 2、呼吸器感染症のエビデンスとして、亜鉛不足で感染症リスク上昇、亜鉛が成人の風邪の発病期間を短縮。3、新型コロナ患者は、亜鉛不足で重症例や予後不良例が増加、亜鉛不足は日本人のコロナ重症化因子、亜鉛摂取で死亡率低下や症状改善 などののデータがあります。亜鉛以外にもビタミンCやビタミンDの摂取がコロナ感染に良いとのデータもあります。当院では亜鉛欠乏による舌痛症や味覚異常で多数の方が通院されています。新型コロナの感染予防や症状軽減のためにもプロマックなどの亜鉛製剤の服用が重要のようです。
 また亜鉛が急性ウィルス性気道感染症による感冒症状の発症を予防し、重症度スコアの低下や症状の持続期間の短縮をもたらす可能性を示唆するメタ解析の報告もあります。亜鉛投与群では風邪症状が2日早く消失、発症7日後の感冒症状が続く人の割合も少なくなるとの報告もあります。亜鉛はコロナだけでなく急性上気道炎の粘膜にも有用なのでしょう。

 川崎病は小児で発熱が続いたり全身の粘膜が反応することもあり当院でもまれに見ることがあります。病態については全身の血管炎が本態であることが明らかになってきました。新型コロナウィルス感染症でも小児が川崎病様の病態になることが報告されており、これを小児多系統炎症症候群(MIS-C)とも言います。また川崎病の発症のトリガーについても興味深い報告を目にしました。川崎病と小児多系統炎症性症候群は新型コロナ流行下では両者の鑑別が困難だそうです。スウェーデンからは、川崎病診断前に罹患した全ての感染症によって川崎病の発症リスクが有意に上昇したとの報告もあります。多くの異なる微生物が川崎病発症のトリガーとなり得ると言うことです。またわが国からも、川崎病の発症には呼吸器系の日の伝播物質または病原体が関与しているらしいとの報告がありました。2020年、コロナ流行下では川崎病の発症が優位に減少しました。コロナ流行下の感染予防でその他の感染症が減って川崎病が減ったということは、呼吸器系のコロナ以外の病原体が川崎病の発症に何らかの影響を及ぼすことを示唆するとしています。小人の風邪を診ることが多い当院では、小児の風邪でなかなか解熱しないケースでは常に川崎病のことも気になってきます。やはり呼吸器系の感染症が川崎病に影響を及ぼすと言うことであれば、私もより一層風邪症状の後に川崎病が発症しないかどうかに注意して診察を進めたいと思います。

 当院でも時に日常生活が制限されるほどの強い片頭痛の方を見ることがあります。昨年の新たな頭痛診療ガイドラインでは、片頭痛の予防投薬として遺伝子関連ペプチド(CGRP)抗体が強く推奨されるようになりました。これまで予防投薬にはミグシスが一般的でした。今後は、昨年日本でも使用が可能となったCGRP関連製剤の注射薬が予防治療としてより一層用いられそうです。予防療法の適用基準も変更になっています。これまでは片頭痛発作が月に6日以上となっていたのが3回以上に変更されています。週に一回程度片頭痛発作を起こす方には、高価な製剤ではありますがCGRP関連製剤を強く勧めたいと思います。 
  10日   遅くなりましたが、明日より本年の診察を始めさせて頂きます。年明けより私は昨年5月に続き2回目の療養を行っていました。前回の療養以降には、診察の折に時にお見舞いの言葉をかけていただきました。ありがとうございます。今回の療養で治療は終了しました。本年はバリバリと診療を行う所存です。

 皆さんもびっくりされていると思いますが、年始からのオミクロン株の急増には驚きました。年末の欧州や米国での感染拡大の状況を見るにつけ覚悟はしていましたが、我が国でも沖縄・岩国の感染拡大に始まり、ここ数日は愛媛県も確実に第6波の拡大期入りです。このままでは松山も2月にはすごい感染者数となりそうです。
 年末に参加していた日本耳鼻咽喉科秋季学会のウェブ講習で、新型コロナののど(喉頭)の所見の提示例がありました。その特徴は、喉頭の声門上部に白苔付着を伴う腫脹が見られるというものでした。これまで新型コロナで見られる症状で耳鼻科関連で特徴的なものとしては、嗅覚味覚の減退が早くから指摘されていました。これは嗅細胞周囲の支持細胞のACE2レセプターからウィルスが細胞内に侵入することにより引き起こされることが判ってきました。一方、局所所見として新型コロナに特徴的な点は耳鼻科領域ではこれまでほとんど報告がありませんでした。例えば内科領域では肺野のCTですりガラス様陰影が特徴的所見となります。喉頭の白苔様所見、明日からの診療の参考としたいと思います。
 今回急激に広がりつつあるオミクロン株はデルタ株よりも感染力は強いが重症化はしにくいことが判ってきました。デルタ株のように下気道の肺に広がる力は弱く、上気道炎の症状、喉の痛みや声がれが目立つことが多いようです。弱毒化したことによって、小児で喉頭炎を起こすパラインフルエンザウイルスのような所見に近いのでしょうか? また乳幼児で下気道の反応が強くなり重症化すると細気管支炎を引き起こすRSウイルス(これは昨年の夏コロナの第5波と軌を一にして流行しました)も、ウイルスへの免疫ができた成人で下気道ではなく咽喉頭や扁桃腺での反応が強くなります。弱毒化したオミクロン株の急性期の局所所見はこれらパラインフルエンザウイルスやRSウイルスのように上気道主体の所見になるような気がしています。感染対策上、喉頭所見を取ることは難しいのですが、耳鼻科的な所見が参考になる疾患になってきそうです。
 また、潜伏期もデルタ株の中央値が4~5日に対してオミクロン株では3日前後とインフルエンザまでは短くないですがパラインフルエンザウイルスに近くなっているような印象です。オミクロン株は普通のウイルスに近い増殖力となっている可能性もあるようです。
 しかし弱毒化したといってもやはり新型コロナです。ACE 2レセプターを介して全身の血管障害を引き起こしたり、T細胞系の免疫異常を引き起こすなど、後遺症を引き起こす面も含めて決して普通のウィルスではありません。私も医療従事者枠でコロナワクチンを接種してすでに7ヶ月以上経っています。来週3回目接種の予定ですが、現時点では新型コロナへの免疫はかなり落ちていると考えられます。ワクチン接種の2週間後に抗体がしっかり上昇することを考えると、私も少なくとも2月初旬まではコロナに感染すると怖いです。明日からの診察では、軽症や無症状でもコロナの感染が疑われる方に対しては、屋外の発熱外来で診察を行い、私を含め医療スタッフや他の患者様への感染をしっかりと防ぐような診療体制をとっていきたいと思います。

 今月からは受験のシーズンです。当院が休診の間に中学受験は終わりましたが、今後も共通テスト、私大入試、二次試験、高校受験と続きます。コロナ流行下の中とはなりますが、受験生の皆さんの体調管理の力添えができるよう診療に力を入れる覚悟です。

 当地のスギ花粉の飛散もすでに初観測日を迎えていることと思います。近隣の山口県の初観測日は1月5日でした。当院でも今週中にはポールロボによる花粉観測を始めます。私の印象では今年のスギ花粉の飛散量は少なめと思っていますが、実際の飛散量はさてどうなるでしょう。今シーズンも”生活の質を落とすことのないための最善の治療”を目指したいと思います。


 年末の紅白歌合戦、生活様式や視聴スタイルの変化などで視聴率は過去最低だったようですが、私は以前のような合戦ではない歌を中心に聞かせてくれる昨年からのスタイルの方が楽しめました。会場は東京国際フォーラムでした。ここは学会会場としてもよく利用されます。紅白ではアトリウムコートからの中継も何組かありました。YOASOBIのikuraさんが私も乗った記憶のあるエスカレーターから歌い始めた時は、思わずオオーとなりました。

 昨日、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」が始まりました。昨年の「晴天を衝け」では渋沢栄一について私はこれまでノーマークでしたので、幕府の下級武士を通しての幕末維新は本当に面白かったです。私も歳とともに歴史好きになってきました。年始の療養中には、鎌倉幕府関連の書籍2冊と、第二次大戦に至るまでの日本の政治経済の本を読みました。
 平家滅亡から鎌倉幕府執権政治の確立までの歴史は、権力中枢内の陰惨な抗争だらけですね。日本史の中でも1番おどろおどろしさが続いた時期ではないでしょうか。脚本の三谷幸喜さん、どうやって笑いもある大河にするのでしょうか? アプローチが楽しみでもあり心配でもあります。
 続いて、明治から昭和の戦前の日本についての歴史を読んで何時も感じることを。現代を生きる我々からみると、「満州事変 あんなの私だったら絶対賛成しない」「515事件226事件 絶対許せない」「あんなナチス何かと同盟するなんてありえない」「石油を牛耳る米国相手に開戦なんて馬鹿なのか」などの思いが皆さんの常識でしょう。なかなか難しいことですが、その時代その立場に立った気になってみると、人間なんて現代人も昔の人も本質は変わるものではありません。戦前の日本人一人一人が愚かだったとは決して言えません。政治家の、外交官の、軍人の、経済人の、マスコミの、大衆のヒストリーを別々に追うと、個々人の判断は決して愚鈍ではありません。私も同時代に身を置いていれば、きっと日本の国際連盟脱退に賛成し、ノモンハン事件に恐れをなしていたことでしょう。年始にはウクライナ問題がいよいよ緊迫してきました。米中の衝突も回復不可能にも思えてきます。第二次世界大戦終結から75年、世代も2世代以上回り、過去の記憶が薄れつつあることから、様々な立場での抑止力は低下しているのではないでしょうか。「多分大した事にはならないだろうから、多少の軍事行動はしないと自分の立場が危うくなる」という立場の為政者が相互抑止力の水面下で行動を起こすことは近い将来にあるように思えてなりません。南海トラフ地震、富士山噴火も怖いですが、ここ10年以内に小さく始まった国際紛争が大きくなる事態が起こる気がしてなりません。
 すみません、年始早々変な文章になってしまいました。私も歳のせいで昔語りが多くなってきました。診療は昔語りをしないことを肝に銘じて年始の筆をおきます。<(_ _)>


 道後平野間から見る雪景色の石鎚山です。左手が標高1982メートルの石鎚山頂、右手が二の森でしょうか。8日午前に松山市街地でもうっすらと雪化粧しました。首都圏では10cmの積雪です。松山で積雪10cm以上積もったのはもう20年前が最後だったでしょうか。ちなみに、昭和59年(1984年)の大雪では14 cm、明治40年(1909年)の34cmが観測史上1位でした。松山市で30cmの積雪なら屋根のヘリの家の周囲なら50cmは積もっていたのでしょうか。今では考えられません。


 散歩で春を見つけました。ソメイヨシノの蕾です。今頃にはもう蕾が出ているんですね。


 日当たりの良い場所では紅梅が1輪咲いていました。梅の蕾は初期から蕾自体に色があるのですね。今回、しげしげ見て初めて気が付きました。


「さざんか さざんか 咲いた道 焚き火だ 焚きだ 落ち葉焚き」 こちらは冬の花のさざんかです。さざんかもツバキ科の植物ですが椿とは異なり花弁は1枚ずつ落ちます。椿が「ぼったり」落ちるなら、さざんかは「さらさら」と散りゆきます。こちらの方が私は好きです。


 こちらは 文旦(ぶんたん)でしょうか? ミカンとは違うような。自信がありません。  
1月 1日   新しい年を迎えました。今年の診察は1月11日(火)より始めます。本年も当院を宜しくお願い致します。皆様の1年が健やかでありますように。


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