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当院は、耳鼻咽喉科、気管食道科、アレルギー科を専門とし、地域医療に貢献します。

TEL. 089-973-8787

〒790-0045 愛媛県松山市余戸中1丁目2-1

今月の疾患情報

1) ’99年9月のホームページ開設以来の「今月の疾患情報」のまとめへのリンクをコンテンツ欄にリンクしています。当院の月別の疾患情報を通して、耳鼻咽喉科外来の1年の様子が伺えると思います。ぜひご覧下さい。ブログ風ですが、ブログサイトが普及する以前からの当ホームページオリジナルの形式です。(^^)/
2) ’02年9月より疾患情報を復活させています。(^。^) 以前のスタイルとはちょっと趣を変えて、ショートコラム風にその時々の当院の診察室風景をお伝えします。時には、松山のチョットした風物も紹介出来ればと思っています。
 
7月  5日   7月になりました。本来ならば今頃は、聖火リレーや各国選手団の国内合宿の開始、大会ボランティアの研修、大会予行演習、海外からの観戦者(感染者ではありません)のホテル受け入れ準備etc.の話題で持ちきりだったのでしょう。想像していると空しくなりました。新型コロナのおかげで隔世の感です。
 ちょっと気になったので調べてみました。安倍首相が対GDP比で世界最大と誇っていた補正予算による財政出動が230兆円に。日銀も国債買取枠が80兆円、株式買取枠が4兆円、企業の社債買取枠が20兆円、ゼロ金利資金供給オペ(公開市場操作)を23兆円にいずれも増額。日銀の資金供給を最大で計算すると、国民ひとり当たりの資金供給額は310万円です。一人当たり10万円の特別給付金が小さく見えます。国債を自国通貨で発行できる国ならではの安心感です。現代貨幣理論(MMT)の壮大な実験場です。

 梅雨後半期の梅雨前線が活発化しています。昨日未明の九州南部の短期間集中豪雨、時間雨量80mm超ですので、バケツの水をひっくり返すような雨が降ったのだと思います。被災された方々にはお悔やみ申し上げます。地元の消防関係者や災害派遣の自衛隊の皆様には敬意を表します。愛媛県南予ではちょうど2年前のこの時期、7月6日からの西日本豪雨(平成30年7月豪雨)で甚大な被害を受けました。当院でも被災して松山に滞在していた方々の診察をした記憶があります。他人事とは思えません。今の梅雨前線は中国湖北省から四川省まで伸びています。三峡ダムの増水も気になります。

 7月に入り、扁桃周囲炎、急性喉頭蓋炎の方の来院が重なりました。軽症であれば外来での穿刺排膿や点滴などで軽快しますが、増悪すれば呼吸ができなくなる場合もあります。複数の方で悪化すれば窒息する可能性もあったことから、総合病院の耳鼻科に緊急で紹介しました。いずれも入院による加療となりました。
 扁桃炎や咽頭炎の炎症が扁桃腺被膜周囲の軟部組織まで広がると扁桃周囲炎に、扁桃線と上咽頭収縮筋の間にウミがたまると扁桃周囲膿瘍となります。ほとんどが片側性で、扁桃腺が口内に突出し、口蓋垂が偏位します。耳の奥まで響く強い痛みが出現し、開口制限により食事が摂れなくなります。レンサ球菌、ブドウ球菌と扁桃腺や咽頭に常在潜伏しているバクテロイデスなどの嫌気性菌による複合感染が多いです。扁桃腺の下方へ腫れが広がる下極型では、喉頭蓋炎、喉頭炎への進行し厳重に注意する必要があります。入院した方も扁桃下極~咽頭側索~喉頭披裂部まで腫れが広がっていました。
 急性喉頭蓋炎では喉頭蓋が腫脹し、最悪の場合窒息します。耳鼻科救急の中でも最も緊急を要します。扁桃線周囲や舌根扁桃からの様々な病原菌の波及で喉頭蓋が腫脹します。特に髄膜炎の代表的な起炎菌であるインフルエンザ桿菌TypeB(Hib)で高度な腫脹を来します。喉頭蓋舌面のみの軽度腫脹は当院でも経過観察しますが、今回入院した方は、喉頭蓋喉頭面や喉頭披裂部まで腫脹が広がっていたため厳重な経過観察と治療が必要なことから緊急的な紹介となりました。
 7月に入っても、感染症のほとんど見られない外来が外来が続いています。それにも関わらず扁桃周囲炎や喉頭蓋炎の方が目立ったのは、夏に向かっての免疫力の低下により嫌気性菌が過剰に増殖しやすくなっていたためと思われます。暑さと冷房によう体温調節の不調、気圧の変化などが免疫力低下にも影響しています。

 新型コロナの発生が、東京で増加傾向にあります。いやらしい増え方です。想像したくないですが流行の第二波が思いもかけず早くやってくるかも知れません。
 最近の新型コロナに関する学術情報を見ると、関節リウマチの治療薬である顆粒球単球コロニー刺激因子(GM-CSF)受容体αモノクローナル抗体やアクテムラが有用である、新型コロナウイルスの受容体であるACE2の発現が低い喘息患者はCOVID-19にかかりにくい、小児のCOVID-19発症ではまれに川崎病または毒素性ショック症候群(TSS)の特徴を示す、死亡患者に脳炎と髄膜炎見つかる、ステロイドのデキサメタゾンで重症例の死亡を減少、ACE2を介して宿主の細胞に侵入する新型コロナのスパイク蛋白はSARSよりも10~20倍高い、新型コロナに感染後IgM抗体が長期間減らない症例では持続感染も疑われるなどの情報がありました。やはり新型コロナは、本来のヒトの免疫機構をすり抜けるようにもみえますし、サイトカインストームを引き起こしやすいようにもみえます。今現在、様々な作用機序のワクチンの開発が進んでいますが、新型コロナはワクチンの開発が難しい病原体にみえてしまいます。
 こんな学術記事も目にしました。独大チームや米検査大手の研究で、血液型型の人はコロナの重症化リスクが低いとの報告がありました。A型は平均に比べて発症率が45%高く、O型は同35%低かったとの報告が権威ある雑誌 N Engl J Med に掲載されています。別の米遺伝子検査大手の研究では75万人のデータを血液型別に比べたところ、O型で感染率が他の血液型と比べて9~18%低く、他の血液型では感染率に統計的な差は見られなかったとのこと。血液型の遺伝子がウイルス感染に影響している? 本当でしょうか? 私がO型なので、記事が目についてしまいました。 
     
  29日   今日の昼前に梅雨前線から発達してできた低気圧からのびる前線が松山を通過しました。梅雨前線の中でも停滞前線ではなく寒冷前線の部分だったこともあり、急な豪雨の後に寒気が流入しました。このような天気ですので、今日の診察でもメニエール病の悪化した方が目立ちました。
 昨日お伝えしていた中耳加圧装置ですが、今日、装置を開発した第一医科の四国地区の担当者の方に来て頂き、治療の段取りについて説明を受けました。装置の搬入設置も迅速に行って頂けるとのことで、これから当院で中耳加圧治療が行えることとなりました。この治療に用いる非侵襲的中耳加圧装置EFET01は、睡眠時無呼吸のCPAP治療と同様に、患者様が装置を機器メーカーからレンタルして在宅治療を行うことになります。当院に通われている方の中にも、長年にわたりメニエール病のめまい発作が続く方、遅発性内リンパ水腫でめまいが続く方がおられます。わが国で開発された中耳加圧装置の国内の臨床治験では、80%が1年以内の治療で臨床的寛解を得られたとのデータが出ています。海外で用いられている侵襲的中耳加圧装置Menietteと同等かそれ以上に良いデータです。どちらの中耳加圧療法も、手術である内リンパ嚢開放術でも、改善できるのはめまいであり、進行した難聴や耳鳴の改善は難しいのですが、一番患者様を苦しめるのがめまい発作です。EFET01は鼓膜を介して内耳に圧波を届るもので、陰圧陽圧を交互に外耳道にかけます。残念ながら鼓膜穿孔のある方は治療の対象にはなりませんが、1日2回片側なら1回3分で済む在宅でできる時間をかけない簡便な治療です。めまい発作で苦しむメニエール病の方が試してみる価値のある治療法だと思います。このホームページにも中耳加圧療法のページを設けました。 中耳加圧療法 によるめまい発作の抑制 へ

  急性喉頭蓋炎、下極型扁桃周囲炎、壊死性リンパ節炎、耳下腺腫瘍、舌潰瘍など。 
  28日   県境の移動制限が解除されて、街中でも県外ナンバーの車を見かけることが多くなってきました。
 6月後半になっても夏風邪の流行は見られていません。愛媛県の疾患情報を見ると感染症が軒並み少ない中で、小児の突発性発疹だけが増えています。突発性発疹の病原菌は単純ヘルペス6型と7型です。(未同定のウイルスもまだあるとも考えられており、突発疹の二度罹り、三度罹りもあります。二回目以降の罹患はウイルス性発疹症とも表現されます)このウイルスは市中に”うじゃうじゃと”存在していることから、赤ちゃんが生まれて初めて発熱する代表的な病気です。家族や保育園のお友達から感染するのではなく、お母さんから受け継いだ免疫が少なくなってくる生後6ヶ月から1才半ぐらいに、ちょっとした外出の機会に感染して発症することが多いのです。赤ちゃんが突発疹に罹ったら、そろそろお母さんからの免疫が減ってきて風邪に罹りやすくなるだろうという考えは、こういうところからきています。例年だと通年性に市中に”漂う”ウイルスですので、1年中コンスタントに突発疹は疾患情報として報告されます。ところが今年はコンスタントな発生ではなく、3月から減り始め5月になって平年よりも多く発生しました。赤ちゃんが自宅待機から外出を始めた時期に一致して増えています。もともと1年中市中に存在するウイルスであることから、外出制限の解除によって外での活動が増えることに伴って一番初めに増え始めた感染症になりました。

 梅雨の後半期に入り、九州では集中豪雨に見舞われました。松山でも気圧の変化の大きな日が続いています。蒸し暑さと冷房のせいで体温が外的な要因で変動する機会も増えています。例年より風邪症状の方が少ないこともあり、当院の外来ではめまいで受診する方の割合が相対的にも多くなっています。特にメニエール病の方が目立ちます。これまで聴力低下や耳鳴だけの蝸牛型メニエール病だった方が、めまいも発症してメニエール病の典型例に進行する方もおられました。
 この4月の医療保険の改定でメニエール病の治療にも大きな変化がありました。2018年秋に薬事承認されていた中耳加圧療法が、在宅中耳加圧療法指導管理料として正式に保険収載されました。小型の中耳加圧装置(鼓膜マッサージ器)を用いて自宅で1日2回内耳に圧刺激を与えるものです。睡眠時無呼吸へのCPAPと同じような在宅療法となります。
 内耳は内リンパ液と外リンパ液で満たされています。内リンパ液の中の細胞が動いて音や重力加速度を感じる仕組みになっています。外リンパ液は卵円窓と正円窓で中耳と接しています。卵円窓は耳小骨と繋がっていることから、音の振動が卵円窓→外リンパ液→内リンパ液→有毛細胞と伝わって神経の電気信号に置き換わっていきます。メニエール病では、内リンパ液の産生過剰や吸収抑制で内リンパ腔が膨張(圧の上昇)して難聴やめまいを引き起こします。低音は長周期振動であるために蝸牛(かたつむり管)の奥で共振します。蝸牛の奥の方が圧の上昇で障害を受けやすいことからメニエール病の初期では低音の難聴が先行するのです。中耳の圧変化が卵円窓や正円窓を介して内耳のリンパ液にも伝わります。そのため、中耳圧の変動が大きくなるダイビングでめまいを起こすこともあるのです。
 メニエール病の治療の主体は薬物療法です。内リンパ液を減少させる利尿剤が代表的な治療薬です。薬物療法でもコントロールできない重症例では、内リンパ嚢開放術という手術も行われます。中耳の骨を脳硬膜に達するまで削り、内リンパ液が吸収される場所とされる内リンパ嚢を中耳腔に開放して、内リンパ液が過剰に溜まるのを防ぐ手術です。周りの骨を減量して内リンパ嚢が大きくなるスペースを確保するだけでも有効なケースがあることから内リンパ嚢の開放までは必要ないとのデータや、内リンパ嚢を開放しても徐々に閉塞して再発する例があることなど、必ずしも全ての症例で著効という手術ではないのですが、内リンパ液を減圧する現時点では根本的な治療法です。
 今回、この手術が適応となるような重症例に、内耳に圧刺激を加える治療法が選択肢として増えたことになります。鼓膜チューブ留置がメニエール病に有効とのデータがあります。中耳の陰圧化が防げる→正円窓などの内耳窓を介して外リンパ液から内リンパ液の圧が減少するという機序が考えられます。中耳加圧療法がメニエール病に有効なのも、中耳から内耳への圧刺激によって内リンパ液が減少するためと考えられます。
 1970年代より中耳への圧刺激がメニエール病に有効との論文が出てきました。スウェーデンで中耳加圧装置が考案され1999年に米国でMeniettという治療器として承認されました。難聴や耳鳴には有効でないとのデータもありますが、4ヶ月の使用でめまいが減少した例が90%とのデータがあります。しかしこの治療は鼓膜チューブを留置するという侵襲的な治療を行った後に外耳圧をダイレクトに中耳に届ける治療法でもあったことからも、わが国での導入普及には至りませんでした。その後、わが国で富山大学耳鼻咽喉科のグループが中心となって、鼓膜に穴を開けない非侵襲的な圧刺激でもMeniett同等の効果があるとのデータが得られたことから、今回の薬事承認に繋がりました。当院でもこれまで鼓膜マッサージ器を中耳圧刺激に用いていましたが、2018年に小型化された装置が非侵襲的中耳加圧装置EFET(エフェット)01として開発されたことにより、自宅での在宅治療が可能になりました。当院でも早々にこの治療法を取り入れたいと思います。 
  24日  真夏のような一日でした。
 今日は午後から介護施設に往診に行っていました。当院ではこれまでも依頼があれば往診を行っています。在宅介護を行う病院や内科医からの紹介がほとんどです。依頼のある患者様の多くが寝たきりなどで耳鼻科外来の受診が困難な方々です。内科医では診断や治療が困難なケースが多く、患者様や紹介医のサポートが出来ることから、診療時間の合間を縫ってではありますが、これからも続けたいと思っています。今回往診した介護施設には数年に一度のペースで伺っています。今回は耳漏で困る方の診察の依頼が主でしたが、寝たきりの方もおられる介護施設では、思いのほか耳垢(耳あか)が詰まって聞こえが悪くなっているケースも多いですので、看護師さんや介護士さんが気になっている方の健診も行いました。やはり複数の方は頑固な耳垢栓塞を来していましたので、当日に耳垢の除去が出来かねた例では、耳垢を解きほぐす点耳薬を使用してもらった後に再診して除去しました。中には耳垢栓塞の奥で慢性穿孔性中耳炎や真珠腫性中耳炎を患っていた方もいました。今日、三回目の往診で全ての方の耳垢除去と中耳炎の急性期の治療は完了しました。ホッとしました。

 今日、東京では新型コロナ陽性者55名で会社でのクラスターも新たに発生していました。日本での感染は落ち着いてきていますが、やはり完全な終息は困難なようです。世界では、一昨日に一日当たりの新規患者数が18万3千人となり記録を更新ししています。一日当たりブラジルは4万人、米国3万人、インド1万5千人、ロシア、チリ、メキシコ、サウジでも感染爆発が続いています。日本の感覚とは違います。これからも国をまたぐ往来の再開は難しそうです。
 我が国で緊急事態宣言下に新型コロナに対する医療機関が受けた影響は甚大でした。基幹病院の財政の悪化は以前から伝えられていました。新型コロナ患者によるICUや感染病棟への影響だけでなく、外来診療や面会の制限、緊急性のない手術や検査の休止も収支を悪化させました。手術の無い外科医が感染病棟の清掃などのサポートに回る病院もあったそうです。さらに6月後半になり、当院のような診療所や中小病院に対する影響のデータも出てきました。医療情報総合研究所の処方データからは、外来患者数は全診療科で、4月は対前年度比84%、5月が80%です。4月の診療科別では、耳鼻科57%、小児科58%、一般内科85%、精神科と循環器科94%、糖尿病内科98%。年齢別では10才未満55%、10才代63%、20~30才代76~77%、40~60才代83~89%、70才代以上91~92%と小児の減少が目立ちます。その他の情報も勘案した私の印象では、上記以外の科では、歯科が60%代? 皮膚科、眼科が70~80%代? 美容外科100%以上?のような気もしています。
 なんと耳鼻科が小児科とともにダントツに患者数が減っています。3月の欧米での感染爆発の頃には新型コロナ患者の受け入れ困難による基幹病院での医療崩壊を心配していた私ですが、自院がこれほどの影響を受けるとは当時思ってもいませんでした。耳鼻科は、風邪症状の人はまず自宅待機した、病院受診による感染への恐れからの受診抑制、ネブライザー治療や内視鏡検査の抑制、インフルエンザの流行の劇的な早期終息、市中感染症が小児を中心に過去にないくらいに少ない、前年から一転しての予想以上のスギ花粉の少量飛散、学校健診の中止など、この4~5月には最も影響を受けたようです。当院は幸い医療情報総合研究所のデータ程の患者数減少ではありませんでしたが、病院で留保するキャシュは確実に減っています。無利子無担保の緊急融資も受けることにしました。非常事態宣言下、ヒヤヒヤしながらも献身的に診療に従事してもらったスタッフの雇用は絶対に守り抜こうと思っています。
 従来型コロナへの交差免疫により新型コロナの発症が抑えられている、新規感染者が少なくなった日本では治療薬やワクチンの臨床治験が遅れている、抗寄生虫薬クロロキンはどうやら有効でないなど、期待の持てる情報、期待の持てない情報など、ここ数日でも新型コロナの新たな情報は出続けています。ここ2~3年は、感染の第二波にヒヤヒヤしながらウィズコロナの診療を続けなければなりません。昨日、第二波がくると当院の経営も大変だとの話をある患者様としていたところ、その方も観光業でさらに大変とのことを伺いました。一日も早く、日本そして世界の人々が安心して暮らせるようになって欲しいです。 
  18日  梅雨本番です。今日は一日中雨模様でした。沖縄は一足早く先週12日に例年より11日早く梅雨明けしました。松山の梅雨明けも例年より早まるのでしょうか。
 低気圧の中、クーラーを本格的につける家庭も増えてきたようです。気道過敏症、メニエール病の増悪する人が目立っています。
 過去にないぐらいに感染症は少ないままです。溶連菌、アデノウイルスの散見が目立つ程度ですが、RSウイルス、感染性胃腸炎も見られます。
 明日、道後温泉本館が再開されます。徐々に日常が戻りつつあります。しかし日本人の新型コロナの抗体保有率が現時点で0.1%以下ですので、ここ1~2年は重症者の治療が十分に行えるように感染爆発を防ぎながら集団免疫を付けていくほかはなさそうです。この冬の再流行は避けられそうにありません。ウィズコロナの時代を迎えて、夏以降も診療時間の合間に時間に余裕が出来そうです。この時間を無駄にしないよう、今年の夏は例年以上にじっくりと院内研修を行いたいと思います。今日は早速、内耳機能検査である耳鳴のピッチマッチ・ラウドネスバランス検査とSISI検査の実習と、当院で処方される主な薬剤の一覧を縦覧しました。

 久しぶりに耳鳴順応療法TRTを導入する機会がありました。現在愛媛県下でこの治療法を行っているのは当院だけ?ですので、時には他の耳鼻科からの紹介もあります。先月、当院の横にミミタス補聴器店さんが開店しました。おかげで、TRTで用いるサウンドジェネレーターTCIを患者様にすぐに導入できるようになりました。TRTは、発生している不快な耳鳴の8割程度の音圧の快適な雑音を聞き続けることによって、脳内で感じる耳鳴を減じさせる訓練療法です。半年から二年かけて脳内の聴覚中枢を慣らしていきます。快適な雑音を発生させるサウンドジェネレータ―も長期間装用する必要がありますので、ジェネレーターから発生させる雑音の種類や音圧を必要に応じて調整していく必要があります。また中程度以上の感音難聴があるケースでは、補聴器の機能も兼ね備えたサウンドジェネレータ―が有効な場合があります。この場合は、補聴器の適合や調整も同時に行わなければいけません。認定補聴器技能者の資格をもつ方が近くにいて頂けて大いに助かります。 
  12日   ここ1週間、当院では溶連菌咽頭炎とアデノウイルスによる咽頭炎が散見されています。例年なら今の時期から目立ってくるヘルパンギーナや手足口病の典型例は見られません。今年はコロナの影響で学校健診が延期になりました。秋に実施される予定ですが、具体的な日程は流行の推移をみて今後決定されます。小中学校の水泳の授業も中止が決定しています。例年ならば6月は、健診の結果報告書を持って受診する小中学生や、プールが始まるに際して中耳炎の状態を確認に来る子供達が目立つのですが、こんなことからも今年はのどかな外来が続いています。
 小中学校の夏休みのスケジュールも決まってきました。愛媛県では夏休みを短縮して8月1日~23日にする地域がほとんどです。松山市は7月20日~8月31日まで従来通りの夏休みで、間に10日間補習学習をします。愛媛県でも松山市だけ夏休みが10日短い変則的な夏休み期間となります。県内で統一していないのも、教育委員会の独立性の現れですね。

 ソフトバンクグループが5月中旬から実施した新型コロナの抗体検査で、抗体陽性率は0.43%(社員や取引先は0.23%、医療従事者は1.79%)でした。これまでに実施された他施設の検査も同様の陽性率です。厚労省が実施した東京が最大0.6%、東北6県が0.4%。東京大学の都内が0.7%、神戸市立市民病院が3.3%です。一方、大規模な流行を起こした海外では、スウェーデン・ストックホルムは7.3%、ニューヨーク州12.3%、カリフォルニア州ロサンゼルス郡2.1%です。ソフトバンクの報道では抗体検査の詳細は発表されていませんでしたが、恐らくIgG検査だと思われます。IgG検査も試薬によって感度に大きな違いがあるとされていますのでなかなか評価は難しいのですが、低い抗体陽性率から判るのは、日本ではどうやら不顕性感染が広がっていたのではなく、感染拡大を防いでいたということのようです。従来型コロナに対する交差免疫があれば新型コロナに対する抗体が無くても軽い症状で収まるとの意見もありますが、これまでの日本は感染拡大を防いだことから感染数がピークアウトしてきているのであって、集団免疫が出来つつあるのではないようです。やはり、この冬や来年にむかって第二波、第三波の流行への備えが必要なようです。
 ここ二日の暑さで、ビニールシートを設置してある受付内が蒸し暑くなることが分りました。冷房の冷気はこれまで窓口越しに流れてきていましたので、ビニールシートがそれを防ぐことになってしまっています。猛暑に向かってシートを外したいのはやまやまですが、再流行の恐れはここ1~2年は続くことから、シートの設置は続けていくことになりそうです。こんなところまでコロナの影響が出るとは思っていませんでした。 
  7日   梅雨の合間、今日は真夏のような日差しでした。例年だと5月後半からエンテロウイルス系のヘルパンギーナや手足口病、アデノウイルスの咽頭結膜熱などの夏風邪が増えてくるのですが、今年はまだほとんど見られません。しかし、昨日、軟口蓋に3ヶ所口内炎が見られたヘルパンギーナの不全例を疑わせる小学生の来院がありました。学校生活も平常に戻りつつあります。これから夏風邪が徐々に増えると思われます。
 今年、一部の幼稚園ではプール遊びをする施設もありますが、小中学校の水泳の授業は中止となりました。例年だと今の時期から、滲出性中耳炎のお子様、特に鼓膜チューブを留置している方には、スイミング中に耳栓をするかどうかの指導を行うのですが、今年は指導の機会は減りそうです。2015年の滲出性中耳炎のガイドラインでは、常時耳栓を使用すると耳漏の頻度が優位に低下したとの論文もあれば、常時の耳栓で耳漏の頻度が56%から47%に減じただけとの論文もあることから、患児に過度の行動制限を行わないために“常時の耳栓装用は勧めるべきではない”としています。ただし“感染の機会の高まる湖や海での水泳・プールでの深い潜水・バスタブでの潜水は避けて、耳漏が反復したり水泳で耳痛を訴える患児では耳栓の使用を指導すべき”としています。私は幼稚園児や保育園児の水遊びでは、耳漏などの感染発現には注意しながらですが、耳栓なしでの水遊びも可能と考えています。

  壊死性リンパ節炎、舌白板症、鼻粘膜化学剤手術、口蓋扁桃焼灼手術、耳介血腫、耳介類皮様嚢腫、反回神経麻痺、三叉神経領域帯状疱疹、マイコプラズマ肺炎、突発性難聴、メニエール病など。
6月 1日   六月入りです。四国は昨日の5月31日に梅雨入りです。例年より5日、昨年より26日早いとのこと。30日の九州南部の梅雨入りから1週間ぐらいは遅くなると思っていましたが、四国も翌日に一気に梅雨入りです。
 梅雨は低気圧により気道過敏症やメニエール病、片頭痛が悪化しやすくなります。また、ダニやカビが増殖することからハウスダストアレルギーによる鼻炎や喘息が悪化します。枕の周りはダニの温床です。梅雨の合間の晴れた日には布団の天気乾しを心がけてみて下さい。冷房でダニやカビは増殖しませんが、エアコン内のカビの胞子やダニの死骸は刺激になります。エアコンのフィルター掃除も心がけて下さい。また、冷房に当たりすぎると気道が狭窄することから、鼻炎や喘息が悪化します。室外との気温の変化で、自律神経も乱れます。冷房のかけすぎにも注意ください。 
     
  29日   25日に全国の非常事態宣言解除です。高校生の部活の掛け声が戻ってきました。朝の交通渋滞も、少しずつ戻りつつあります。
 当院で利用しているインターネット受付システムのアイチケットですが、新型コロナへの対応のひとつとして、今日から受付時のWeb問診機能が利用できるようになりました。各クリニックで独自に問診内容を設定できます。当院では、体調が悪い方をインターネット受付段階で把握できるように設定しました。受付時の「今現在強い症状のある方はお知らせください」として、「38.5℃以上の発熱、耳痛、咽頭痛、嚥下困難、めまい、繰り返す嘔吐、頭痛、しびれや麻痺、呼吸困難、胸痛」のある方は、受付時点で把握できるようになりました。気になる患者様には、当院から連絡してスムースに診療が進むようにしたいと思います。
 私はよくトランサミン(トラネキサム酸)を処方しています。プラスミンという血液を溶かす物質の働きをおさえることによる止血作用があります。そのため、咽頭粘膜や中耳粘膜の発赤腫脹や鼻出血の出血予防の目的で処方します。のど風邪にトラネキサム酸配合と銘打って市販の風邪薬にも配合されています。トランシーノとして、シミ・そばかすや肝斑にも有効ですので美容系の皮膚科でも用いられます。このトランサミンの原料バルクのほとんどが中国で製造されていることから、現在、供給不足に陥っています。幸いにも、まだ松山市内では在庫があることから、どうにか処方を続けています。こんなところにも新型コロナの影響は見られます。一昨日、購入予約していたN95マスクを松山市医師会に取りに行きました。配給ではなく購入ですが、ネットで出回っている価格よりは安価でした。有難いです。しかし、これも中国製、前回手に入れたフェイスシールドも中国製です。先日ホームセンターで目にした箱マスクもアルコール除菌スプレーも全て中国製でした。アフターコロナに向けて、サプライチェーンの国内回帰や多地域分散が必要です。


 松山城は、4月27日から5月31日まで「新型コロナウイルス感染者の治療等に尽力していただいている医療関係者に敬意と感謝の気持ちを込めて」青色のライトアップ中です。
 今日は、ブルーインパルスが都心部を8の字を描くように2周しました。先日仙台での聖火到着式では強風のためスモークの五輪がすぐに流れてしましましたが、今日は快晴の中、純白のスモークが都心部の上空に広がりました。報道写真をみると、病院屋上の医療関係者の頭上に、スカイツリーや東京タワー、都庁ビル、渋谷のビル街をバックに流れるスモークは魅力的でした。税金の無駄使いと批判する人もいるようですが、コロナ禍に苦しむ人々の士気は上がったと思います。今回の粋な展示飛行、誰が企画したのでしょうか。
 私も以前、一度だけブルーインパルスをこの目で見たことがあります。岩国基地の航空祭です。先の愛媛国体では、診療の合間に空を見上げましたが、ジェット機の轟音しか聞こえずがっかりしたことを思い出しました。飛行機のメカ、私はワクワクしてしまいます。ぜひ、東京2020が開催されて、開会式での展示飛行を目にしたいものです。 
  24日  夕方の大街道、信号待ちの車窓からの印象ですが、人通りは結構戻っています。マスク着用率は95%といったところでしょうか。明日、緊急事態宣言が全国的に解除されます。流行の第二波や第三波に備えて、これからの少なくとも2、3年は「新しい生活様式」というニューノーマル(新常態)になります。院内の感染予防対策もしっかり続けようと思います。
 今日も夏を先取りしたような好天です。当院では、昨日から換気を行いながらの冷房を始めました。軽症の外耳炎の方が多くなってきました。マスク常用のせいで耳介の裏に湿疹を生じた方がおられました。アレルギー性の接触性皮膚炎や機械性蕁麻疹というよりは、摩擦が原因の間擦疹と思われました。蒸し暑くなってもマスクを連用する習慣はこれまで無かったことから、こんなところにも新型コロナによるニューノーマルが初まっています。 
  20日  日中はカーエアコンが欲しい陽気です。午後に立ち寄ったホームセンターで初めて箱マスクの在庫を見ました。ドラッグストアでも、初めてアルコール除菌スプレーの在庫を見ました。まずマスクから品不足は解消に向かいそうです。
 ここ1週間、学校伝染病はほとんど見られません。私がかつて経験したことのない状況です。また、ここ1週間は気温気圧の変化が大きな1週間でした。血管運動性鼻炎やメニエール病の増悪する方が目立ちました。やや蒸し暑くなってきたことから、外耳炎の方も増えてきました。外耳炎から伝染性膿痂疹化したり頚部のリンパ節が腫脹した方もいました。

 新型コロナの特例で、オンライン診療を広げた我が国ですが、世界でもオンライン診療が急増しています。米国では、高齢者向けの公的医療保険メディケアでオンライン診療の保険適用範囲を大きく拡大、州政府も民間保険会社に保険でまかなうよう指示したことから、新型コロナ前よりオンライン診療の実施件数が28倍となっています。英国でも国民医療制度NHSがAI診断も可能なオンライン診断アプリを保険適用。中国もオンライン診療アプリの利用者数が約3割増えて、代表的なアプリの登録者数は3億人を超えたそうです。診療では、実際に体を触れる検査や処置、注射などが必要ですが、アフターコロナの時代には、軽症者のトリアージや慢性疾患の経過観察ではオンライン診療が拡大しそうです。耳鼻科は、局所を視認して処置を行う比重の多い診療科です。アフターコロナで耳鼻科診療はどう変わっていくのでしょうか。

 アビガンの有効性明確化できずとのニュースです。薬剤の有意性の確認や、PCR検査を依頼するに当たっての偽陽性・偽陰性・特異度・感度の問題など、医療統計学の知識が今まで以上に実地臨床でも必要とされています。
 日本の新型コロナの致死率が低いジャパニーズミラクルが話題となっています。日本だけでなく西太平洋地域に共通の状況ともなっています。一般人の血液サンプルの40~60%でSARS-CoV-2反応性CD4 + T細胞が検出されたことから、従来型コロナウイルスとの交差反応のT細胞が西太平洋地域での低致死率に関与している可能性との論文、2003年のSARS-CoVの抗体が新型コロナSARS-CoV-2に対して強力な中和活性を有していることが明らかにされたとの論文もあります。西太平洋地域の人間はSARSの中和抗体を持っている割合が高いのでしょうか? 日本人の多くが、従来型コロナやSARSの抗体を持っていると思いたいです。 
  17日   最近はコロナの発生状況を確認するのが習いとなっています。今日の新規感染者は、東京5人大阪0人愛媛1人でした。このまま流行の第一波は一旦終息に向かって欲しいです。

 11日に当院の第二駐車場横に「ミミタス補聴器店」さんが開店しました。先日は、聴力検査装置や防音室を見学させてもらいました。
 当院でも補聴器の相談をよく受けます。加齢性難聴をはじめとする感音性難聴では、単に小さな音が聞こえにくくなるだけでなく、音が歪んだり割れたして聞こえる弁別能の低下、聴覚補充現象陽性の状態になります。そのため、音としては聞こえても会話が聴き取りにくくなったり、屋外の騒音環境下では不快に感じたりします。また、耳鳴りも生じやすくなります。このような状態になることから、感音性難聴では補聴器にも限界があります。その人の聴力像に合わせて、周波数帯域別に音の増幅の程度を変えたり、音が増幅し過ぎないようにリミッターをかけることが必要になります。補聴器メーカーでも、デジタル化をはじめテクノロジーの進化が進んでいます。小型化、イヤーモールドの多様化、オフライン充電、ノイズキャンセリングなどの機能も進化しています。日本ではリオンが頑張っていますが、スマホや製薬企業と同様に技術の高度化が進むにしたがって世界的にも生き残る企業が限られてきて寡占化が進んでいます。集音器や調整不可能なレディメイドの補聴器には安価な製品もありますが、高機能な補聴器は片耳で15~20万円はします。それでも補聴効果には限界があることから、店頭で気に入って両耳で40万円も50万円もする補聴器を購入しても、いつのまにか使わなくなってしまうケースも過去には耳にしました。そのため当院では、補聴器適合を相談された患者様には、しっかりとフィッティング(調整)を行ってもらい、ある程度の期間試用させてもらい、価格に納得して購入してもらうようにお話していました。
 ミミタス補聴器さんでは、入念にフィッティングして長期間試用して頂けるとのことです。また補聴器の故障にもしっかり対応して頂けるとのこと。当院ではこれまでも医療の立場から難聴の原因を突き止め、治療が可能かどうか見極めて、可能であれば治療をしてきました。しかし、感音難聴は急性期でなければ基本的には治療法はありません。加齢による加齢性難聴は徐々に進行します。(加齢による白内障に眼内レンズが劇的に効果があるのが羨ましいです)遺伝的な難聴や耳硬化症、反復性メニエール病など徐々に難聴が進行する場合も治療法は限られています。また、まれには人工内耳などの先進医療である程度聴力を回復させることが可能なケースもありますが、突発性難聴や外リンパ瘻などの急性難聴も発症1ヶ月で回復は難しくなります。やはり回復が困難な感音性難聴には補聴器が必要となります。
 当院ではこれまでも補聴器外来を行っていました。この外来では、認定補聴器技能者の方に出向して頂いて院内でフィッティングしたり、補聴器適合に関するデータをつけた紹介状もとに補聴器専門店を紹介していました。今回、近隣に補聴器専門店ができたことで、語音弁別能測定や補聴器の装用測定などの技術的な相談も迅速かつ密接にできるようになりました。
 
 「新しい生活様式」の巣ごもりで、私はAmazonオリジナル作品の「BOSCH / ボッシュ」にはまってしまいました。この作品、ふと見つけて、なにげなく第一話をみたら、引き込まれてしまいました。今日調べると、この作品は米国で40年前から人気のある刑事小説のドラマ化とのことでした。米国でのレビューは凄い高得点とのこと。サンフランシスコ市警を舞台にした刑事ドラマで、主演のタイタス・ウェリヴァーがものすごく渋いです。私もこれまで外国ドラマでは「24」「プリズン・ブレイク」「ハウス・オブ・カード」など見てきましたが、この作品には、CIAもホワイトハウスも先端科学技術も軍隊も出てきません。登場キャラクターが実在的で人間味があり、実に緻密なシナリオで、サンフランシスコの生活が仮想体験できます。現在シーズン6まで配信されていますが、他の作品でよく感じるようなシーズンを追うごとにだれるということがなく、シーズンを追うごとに登場人物ひとりひとりが好きになってきて、今日までにシーズン5まで見てしまいました。
 この4月には巣ごもり需要で、NetFrixやWOWOWの契約が激増したそうです。一昨年の米国アカデミー賞では映画作品を押しのけてNetFrixの「ROMA/ローマ」が作品賞にノミネートされ監督賞などを受賞しました。昨年度のアカデミー賞では、さらに多数の作品がノミネートされました。いまや、上質な作品の多くがストリーミング配信から出てくるようになりました。まず潤沢な製作費、映画のような製作委員会制度による多数の出資者からの注文がない、日本の地上波のように、まず主役ありきで脚本を作ったり芸能プロダクション抱き合わせの出演者などの無理がない、地上波よりも倫理面での制限が少ないなど、これからはますますストリーミング配信から名作がでてきそうです。以前このコーナーでも取り上げましたが、NetFrixの麻薬カルテルを描いたドラマ「ナルコス」の取材の下見でスタッフが暗殺されたということがありました。作品制作への気合が凄いです。GAFA同様、ストリーミング配信の世界でもNetFrix、Hulu、Amazonと寡占化が著しいのが悔しいですが、NetFrixでは豊富な製作費を用意して日本のアニメ作品も続々製作しているそうです。
 思い返すと、レンタルビデオで1週間1本100円につられてどっさりレンタルして、見切れずに返却を忘れてしまい延滞料金が高額で悔しい思いをした、、のが懐かしいです。今もネトゲやサブスク、ネット配信の無料お試し後の解約忘れやアイテム課金で思わず高額の出費、というパターンはあるあるでしょうが、ネット配信はその便利さと高画質化で今後もエンタメ界の寵児になりそうです。先の「ボッシュ」ですが、協賛する自動車メーカーがないことから、登場する車のメーカーが多様だっただけで新鮮でした。刑事は緊急出動の際にはシートベルトはしません。運転席のヘッドレストも常時外しています。殺人の事件現場で警察スタッフはみんなN95マスクを着けています。当院ではまだN95マスクは手に入っていません、、 
  14日   電話によるオンライン診療を利用される方がボチボチおられます。大半は過去に当院を利用したことのある方です。コロナ感染への懸念から病院の利用を躊躇する方もいると思います。過去に当院を一度でもかかったことのある方でしたら、カルテを元にその方の全身的な特質や耳鼻咽喉の体質は把握できますので、症状をお聞きしての投薬も可能です。(かならずしも万全とは言い切れませんが、、) オンライン診療を検討されている方は、まず電話にて相談下さい。

 今日、愛媛県をはじめとした39府県で緊急事態が解除されました。このまま発生が散発化して、冬に来るかもしれない第二波をクラスターをつぶすことで小さな波に出来れば、わが国の今までの方針が適切だったことになります。そうなって欲しいものです。
 緊急事態解除の矢先ですが、今日、松山市内の病院で17名の新規感染者が出ました。コロナの指定病院以外でのクラスター発生です。全国的に感染者が減っている中ですので、全国的にもかなり注目されそうです。
 昨日、WHOから「新型コロナはHIVウイルスのように収束させることは不可能かも知れない」との発言が出てきました。新型コロナは1月下旬の段階から、エイズウイルスに似た遺伝子配列があるとの情報もありました。WHOは発言するなら、その権威にかけて厳密な研究データを出してほしいです。振り返ってみると、今年のこのコーナーでは新型コロナへの言及がダントツです。それぐらい当院も私も新型コロナには振り回されています。このコーナーで最初に新型コロナに言及したのは1月16日でした。この時、武漢で発生したウイルス性肺炎の日本で始めての感染者が武漢からの渡航者から検出されたことから、私はこのウイルスが、獣肉→ヒト感染だけで済んで、ヒト→ヒト感染が起こらなければよいのにとお伝えしていました。しかしその後の経過は、ヒト→ヒトの二次感染以上で潜伏感染ありのパンデミックです。このウイルスが免疫システムに作用するなら、本当に厄介です。
 現在、新型コロナは感染症法上では、感染が判明すれば入院が必要な2類感染症に指定されています。現在は特例扱いで軽症者や未発症者は入院しない宿泊療養や自宅待機も認められていますが、全く症状のない不顕性感染者が実は多く(感染者の40%?)、経済活動を行いながら集団免疫化を待つ方針ならば、感染が判明した人が重症化しないかを厳重に経過観察したり、クラスターの厳重なフォローをしたりしながらも、入院せずに就業制限で済む3類感染症への格下げも視野に入れていかなくてはなりません。そうでないと、保健所や指定病院の負担は減りません。
  13日   明日、愛媛でも緊急事態宣言解除の予定となりましたが、今日、松山市では介護機関関係者からのコロナ感染が発生しました。明日から二日間、学校の分散登校も中止になりました。まだまだ緊張感は続きます。今日は水曜の午後ということで、私も昼間にホームセンターに立ち寄ることができました。最近は営業時間の短縮で、水曜日しか立ち寄れません。店内には、しばらく見なかったマスクが売れ残っていました。アルコール消毒液の在庫もありました。徐々に供給は戻ってきているようで、ホッとします。
 勝武士関のコロナでの死去、ご冥福をお祈りします。20代での死亡は国内初です。新型コロナの重症化は怖いです。昨日、このコーナーで、新型コロナに倒れるのは自分かもしれない、続けられるだけ外来を続けます、、などと書いていたら、なんだかこれまでの歩みを振り返るモードに入ってしまいました。私も新人類世代などと言っていたら、いつのまにかアラカンです。ちょっと嫌味な言い方を許してもらえるならば、私は小学生時代、新聞の政治欄を読むのが好きな”変わった”ガキでした。当時の私の最も尊敬する偉人は、足尾銅山の公害問題を明治天皇に直訴した田中正造代議士でした。その後の中高で私に人を統率するカリスマ性も、学力知力も無かったことから遠い夢に終わりましたが、将来なりたかったのは代議士であり、”男子の本懐”である中央官僚でした。戦前ならば国家を動かす気概が持てたのは高級将校や内務官僚、経済成長期には通産官僚や大蔵官僚でした。今の中央官僚は、本当に大変だと思います。仕事へのモチベーションを持ち続けるのも、往時の官僚の何倍も困難なのだと思います。中央の、そして地方の官僚の皆さん、タブーを恐れず、しかし無理をせず、国家国民の安念のために頑張って下さい。本当に感謝しています。今の私は、目の前の患者様に少しでも安心を感じて頂けるよう、地域にわずかでも足跡を残せれば、、と、続けられるだけ日々を過ごそうと思います。

  外傷性鼓膜穿孔、メニエール病、突発性難聴、頚部リンパ節炎など。


 初夏の陽気の中、黄砂が飛来しましたが、風が強いこともあり澄んだ青空です。公立図書館も一昨日から再開しました。写真は愛媛県立図書館前から望む松山城です。図書館では、私の目下のマイブームである信長の天下布武の流れをなぞる本を中心に借りてきました。 
  12日   はやぶさ2の地球への帰還が始まりました。ワクワクするニュースにはホッとします。
 外出自粛後のゴールデンウィーク明け、当院外来は、まるで例年のお盆明けのようです。溶連菌の散見と、エコーやライノウイルスと思われる軽いウイルス性上気道炎がほとんどです。当院外来は、のどか、のどかですが、一方、地域の基幹病院のICUでは壮絶な戦いが続いています。このギャップに、私は眩暈を覚えます。私は、新型コロナは、もうワクチンが普及するまでは終息しないとみています。(ワクチンの開発がこの冬までに間に合って、各国のオリンピック代表選手が事前にワクチン接種できなければ、来夏の五輪開催は難しいのではないでしょうか?) いつか当院でも、新型コロナで激症化する人の来院があるかもしれません。また、それが私であるかもしれません。今はのどかな外来ですが、少なくともここ2年は、気を引き締めて外来を続けられるだけ続けたいと思います。
 新型コロナの迅速抗原検査キットが、明日、承認されます。現在、インフルエンザで用いられているのと同じ作用の検査キットです。感染初期や上気道のウイルス量が少ないと陽性化しませんので、偽陰性もあることから検査が陰性であったとしても感染は否定できませんが、検査が陽性であれば感染状態であることが確定できます。まずは感染地域の重症者を治療している病院から使われるとのことです。承認されたのは1社のキットですが、今後、追随するメーカーは複数あると思われます。この冬には、当院のような地域の医療機関にも普及すると思われます。そうなれば、新型コロナの診断と経過観察には大きな武器となります。ウェブセミナーで、様々な重症度の新型コロナのCT画像を供覧する機会がありました。一気に重症化する症例には背筋が凍りました。他にも、”幸せな低酸素血症”からの激症化、サイトカインストームによる全身の血管炎化、副鼻腔から嗅神経を伝っての髄膜炎化脳炎化など、新型コロナは、本当にやっかいで脅威のウイルスです。 
  9日   連休の新幹線の利用者は前年の5%でした。連休中の街角は、毎日が元旦の早朝のようでした。また、連休中は恨めしいほどに好天が続きました。本来ならば、例年以上に観光地は賑わっていたのでしょう。新型インフルエンザは覚悟していたのですが、まさか非インフルのパンデミックをこの目で見るとは思いませんでした。阪神大震災、リーマンショック、東日本大震災の原発事故、今回のコロナ禍と続きました。富士山噴火、南海トラフ地震、温暖化による気候の大変動、思わず身構えてしまいます。金融市場からは、今回のコロナ禍は4月下旬で底を打ったとのヘッジファンドのレポートがありました。米国は先週、100兆円規模の減税という追加緩和策を発表しました。ヘリコプターマネーは凄いことになっています。この冬に向かっての新型コロナの再流行が軽いものであり、経済の二番底やハイパーインフレが起こらないことを願うばかりです。
 4月3日のスギ花粉に続き、ヒノキ花粉も4月30日頃に飛散が終了した模様です。これから梅雨入りまではイネ科花粉症のシーズンです。連休明けの診察では、連休中に風邪に罹った方はやかなり少なかったようです。溶連菌以外は目立った感染症は見られませんでした。冬から暖冬が続いて、ゴールデンウィークも過ごしやすい陽気で、感染予防対策が徹底されました。過去にない感染症の少ない4月5月になりそうです。(^^)
 連休明けの7日に新型コロナに対する緊急事態宣言が延長されましたが、愛媛県での感染拡大は見られていないことから、11日からは学校の学年別分散登校が始まり、道後温泉本館も開館されることになりました。図書館や美術館の再開が待ち遠しいです。アフターコロナの時代が少しでもコロナ前の状態に戻って欲しいです。
 昨日、厚労省は相談センターへの相談の目安を変更しました。「37度5分以上」の表現は取り止め、直ぐ相談する目安を、1、息苦しさや強いだるさ、高熱などの強い症状 2、症状が4日以上続く 3、高齢者など重症化しやすい人で発熱やせきなど比較的軽いかぜの症状がある 相談する目安を、発熱やせきなど比較的軽いかぜの症状が続く としました。体調不良や風邪症状が4日続けばPCR検査を行えるようになりました。当院でも、どのレベルで新型コロナを疑って保健所に相談すべきか、慎重に診察を進めたいと思います。連休中は、その他にも、レムデシビルの承認、アビガンの5月中の早期承認、国内での抗体検査の陽性率も報道されました。しかし、レムデシビルの有効性に有意差はないとの論文の発表や、コロナのIgG検査は、旧型のコロナも交叉で検出している可能性もあるとの報告もありました。新型コロナへの評価はまだ混沌としています。諸々、当ホームページの新型コロナの情報ベージも更新しました。

 連休、私は海外ドラマの視聴などでゆっくりと時間を過ごしました。呼吸器内科や胸部レントゲン読影の勉強も出来ました。また、雑誌「AIRLINE」のバックナンバーを読み込みましたので、航空のメカニズムには詳しくなりました。日経アーキテクチャの「東京大改造マップ2020-20XX」もしっかり読み込めました。年始に購入していたムックですが、まさにコロナ渦の直前に発行されたものです。東京横浜の大規模プロジェクト286件を網羅しています。いかに東京五輪に向けてのプロジェクトが多かったか。アフターコロナ、アフター東京2020の首都圏がどう変わっていくのか、興味深いです。 
5月  2日   五月入りです。全国的には30℃超えの真夏日の所も多い中、松山の最高気温も25℃と夏日になりました。これが例年のゴールデンウィークなら水遊びを楽しむ子供達の微笑ましいニュースが流れていたのでしょうが、、 とにかく恨めしいほどの好天でした。昨年の今日は、日本国中が剣璽等承継の儀、即位後朝見の儀のお祝いムードであふれていました。誰が1年後のこの事態を予測できたでしょうか?

 先月は、コロナによる外出制限、一般的な感染症の流行がほとんど無くなる、スギ・ヒノキの花粉飛散量が過去10年で最も少なく飛散終了も早かった、などの要因もあり、当院を受診される方が前年よりかなり少なくなりました。耳鼻科外来は例年ならば8月のお盆明けが最ものどかなのですが、冷房が欲しくなるような蒸し暑さもあり、昨日今日と当院は、まるでお盆明けのようなのどかさでした。気温や気圧の変化で、例年よりもめまい症の方の来院が目立ちましたが、風邪症状の方や中耳炎のお子様の来院が少なくなったことから、相対的にめまいの方が目立ったこともあると思います。

 当院は明日から4連休を頂いています。巣ごもりの連休、本来ならば図書館で本を借りて読書三昧としたかったのですが、県立市立ともに図書館は閉館中です。私にとって穴場の愛媛大図書館はさらに6月10日までの長期休館となっています。この休みは、呼吸器内科必修マニュアル、胸部X線写真読影などの書斎にある本で肺炎関連の知識の整理をしたいと思います。
 緊急事態宣言の延期で、大河ドラマ「麒麟がくる」の放映も5月末で一旦休止とのこと。今回の大河は、私にとって「篤姫」以来の見どころ満載の大河だっただけに残念です。ドラマの収録やコンサート、演劇活動が一日も早く平常に戻ることを祈ります。巣ごもりの時間が増えたこともあって、評判を聞きつけて連ドラをふたつ見ました。「テセウスの船」「恋はつづくよどこまでも」です。ラストに主題歌が流れて盛り上がって番組が終了しても余韻が残る、、往年のトレンディドラマを彷彿とさせる盛り上がりで、ワクワク、ドキドキしました。前者は推理小説が、後者はマンガが原作です。韓流ドラマ、華流ドラマなにするものぞ。日本の”本屋大賞”文化、マンガ文化、大切にしたいです。

  急性喉頭蓋炎、頚部腫瘤、亜急性甲状腺炎、外リンパ瘻、ハント症候群、好酸球性中耳炎、聴覚情報処理障害(APD)など。 
     
  25日   6月に予定されていた耳鼻科の中四国合同学会の中止が決まりました。延期でなく中止です。地方学会は、若手が症例報告などを発表する登竜門です。既に演題は募集されていました。残念です。
 今日、当院受付にビニール製のバーテーションを設置しました。オープンだった受付がものものしい雰囲気になってしまいましたが、飛沫感染予防の一助になりますように。
 松山の繁華街、銀天街入口の人の交通量が9割減、大街道入口が8割減です。松山の外出規制は有効なようです。台湾の屋台街は人で込み合っています。中国の国内旅行も回復傾向です。日本の感染も5月には確実に減って欲しいです。タイから抗ウイルス薬を早期に投与するほど回復が早いとの報告がありました。軽症者にはアビガン以外を使用し、重症者はアビガンを投与する方針とのこと。日本でも早くデータを集積して、安心して早期投与が出来るようになって欲しいです。 
  23日   今日も新型コロナを疑う患者さんの来院がありました。自家用車内での問診や動線を分けた診察など、当院でもピリピリした緊張感に包まれます。また、念のための胸部レントゲン検査を希望する方もおられました。幸いどの方も保健所に相談するケースには該当しませんでした。ある患者様から「先生も気を付けて頑張ってください」とのお言葉を頂きました。有難いです。
 新型コロナに関する学会発表やWEB講演会で、私のような地域医療医にも最新の情報が得られるようになってきました。PCR検査は、中咽頭からではなく鼻咽頭スワブからの採取が標準になってきました。しかし陽性率は30~60%とのこと。インフルエンザへの迅速検査でも発熱48時間後でも20%が陰性です。新型コロナでも迅速検査だけで評価するべきではないようです。退院の目安とするPCR検査も、症状消退後1週間、時には2週間陰性にならないケースもあるそうです。重症者のベッドを確保するためにも宿泊療養の制度拡充が喫緊の課題です。松山でもホテルでの療養への準備が始まり、これからの医師の応募が始まります。全国的にも療養用の部屋は確保できても医師看護師の確保がままならないようです。私も一人院長ですので協力は難しいです。忸怩たる思いです。治療薬の治験状況の状況も得られました。やはり確実に効果のある薬剤はいまだ見いだせていないようです。抗HIVカトレラは今一つ。アビガンも有効性は確定しない。オルベスコも評価はまだ。米国では抗マラリア薬のクロロキンが第一選択で、クロロキン+ジスロマックも有用か?というのが現状の様です。案外期待できるのが患者血清だが、血清の確保や調整に手間がかかるのが難点とのこと。やはり新型コロナのIgGを中心とする免疫グロブリンを有する患者血清は有効のようです。ウイルスの変異があれば限界はありますが、やはり決定的な治療法は、ワクチンということになるのでしょうか?

  外リンパ瘻、頚部リンパ節炎、反回神経麻痺、慢性顎下腺炎など。 
  22日   政府有識者会議がさらなる外出自粛を指示しました。スーパーや公園、ジョギングでの密集も問題視しています。帰省もオンライン推奨です。NHKニュースでは、普段では取り上げられることのないパチンコ店の休業問題が取り上げられていました。これからゴールデンウィーク明けまでは、戦時体制もどきが続きます。原油先物価格が急落です。これから原油現物受け渡しの際に保管施設がいっぱいなら保管ができす、保管が出来たとしても保管料が高騰することから、なんと期近の先物価格はマイナス価格になりました。1914年第一次世界大戦→1918年スペイン風邪流行→1929年世界恐慌→1930年昭和恐慌の再現は防がなくてはなりません。
 慶応大病院でコロナ以外の患者の約6%がPCR陽性、ドイツでも15%が抗体保有、ロサンゼルスでも2~4%が抗体保有とのことで、すでに首都圏や関西圏で感染拡大しているものの重症化率はかなり低いことから少し安心できるようでもあれば、今日の速報で、軽症だとして自宅待機中だった埼玉県の50代の男性が死亡とのニュースのように、新型コロナの怖さも再認識されます。抗ウイルス薬(アビガンは期待できそう?)やワクチンの普及、世界人口の集団免疫化には、どうみても2~3年かかりそうです。私は、コロナ終息後の旅行券や商品券による需要の回復に期待していますが、これだけの影響が出てくると、コロナ終息後も、消費行動、就業行動、学校生活、そして病院への受診行動も大きく変わりそうです。リーマンショック前・リーマンショック後と金融事情は変わりましたが、コロナ前・コロナ後は世界の人々の行動様式にも大きな変革が起こるでしょう。
 松山でも保健所によるドライブスルー方式によるPCR検査が昨日から開始されました。今日、当院では東京から来た人との接触後に発熱した方の来院がありました。新型コロナの検査対象には該当しなかったことから保健所との相談は行いませんでしたが、今後しばらくは新型コロナかどうかの鑑別(トリアージ)を必要とするケースも続くと想定されます。先日このページでも取り上げた「新型コロナウイルス感染症診療の手引き」を基にした新型コロナのページを、トップページからのリンクで掲載しました。当院への受診や電話での相談の際にはご参考下さい。
 新型コロナは、家具や紙の表面で5日間、プラスチックの表面では7日間感染力が持続するとの報告があります。咳や会話によるエアロゾル感染だけでなく、触った物から手を介しての感染も注意が必要です。しっかりした手洗いや、時には洗顔も心がけて下さい。



 
 今日は1日、目の覚めるような快晴でした。外出規制が恨めしいです。記録的な暖冬のせいか、病院のハナミズキやツツジも早くから咲きはじめています。ヒノキ花粉の飛散も終息間近です。 
  18日   新型コロナの感染拡大が続いています。日本感染症学会は、医療崩壊を防ぎ重症者を救うためにPCR検査は肺炎化を疑う例に限定すべきだとしています。この方針には、医師の間でも様々な意見があるようです。国内での感染拡大が確実になった今、私は重症者に医療資源を割きながら、広く集団免疫がつくまで耐えるしかないような気がしています。ワクチンの普及と、インフルに対するタミフルのような特効薬の一日も早い出現に期待をかけるしかありません。
 これからは、松山でも感染経路不明の感染者が増えることが予想されます。当院での感染予防対策ですが、これまでも、窓や玄関の開放による換気、院内の定期的なアルコール消毒、雑誌や子供さん用のぬいぐるみの撤去、スタッフのマスク着用の常時化、手洗いの励行、昼食時などのスタッフルームでの濃厚接触の回避、気管支へのネブライザー治療の中止、迅速検査時のフェイスガードや手袋の着用などを行ってきました。明日からはさらに、消毒用アルコールは玄関の外に置いて、患者様には手指消毒を院内に入る前に行って頂くように変更します。
 今日、当院では初めてオンライン診療を利用するケースがありました。当院の医療態勢も激変です。

 以前のライブカメラは、各サイトで視聴するのが一般的でしたが、最近は、YouTube上で簡単に検索視聴が出来るようになっています。私もライブカメラをBGVとして流しながら、本や新聞を読むことも多いです。この文章を入力中もライブカメラに接続中です。私のお気に入りは、旅情を誘う鉄道や空港、港、温泉、富士山のライブカメラです。中でも最もお気に入りは、Tokyo Live Camera Ch1 東京 汐留 鉄道 ライブカメラ です。首都高、新幹線、東海道線、山手線、京浜東北線、ゆりかもめの運行が一望できます。今現在の夜の首都高の交通量は、お正月並みに少なくなっています。 
  15日   今日は好天、日中は21℃まで上がりました。午後から病院周りの雑草の手入れをしましたが、直ぐに汗ばんでしまいました。こんな中、松山市内から望む石鎚連山はくっきりと雪化粧です。2日前の寒波と雨で、石鎚は結構な積雪だったようです。松山で、四月に汗ばみながら雪山が望めるとは、、なんとも変な感覚です。 
 昨日から県や市の施設の休業が始まりました。2週間を目途とのこと。松山城天守、ロープウェイ、萬翠荘、えひめこどもの城、とべ動物園、道後公園、県総合運動公園など広範です。私のお気に入りの県立図書館、コミセンの中央図書館、県美術館も利用できなくなりました。インバウンドどころか国内からの観光客も見当たらなくなりました。つい最近まで市内各所で外国語が飛び交っていたのが懐かしいです。
 雑誌サイエンスに、新型コロナウイルスの世界的流行を抑えるためには、外出規制などの措置を2022年まで断続的に続ける必要がある、との研究が掲載されました。インドからは新型コロナウイルスの変異の報告も出てきました。確かにこれだけ感染力が強く、変異しやすいのならば、来年に抗ウイルス薬やワクチンが普及したとしても、世界的に集団免疫を得るまでには2~3年罹りそうです。何時か罹るのか、その時、自分の免疫力はあてになるのか、終息の見通せない恐怖があります。

 こんな時に、ですが、スーパーライザーの増設をしてしまいました。(^^ゞ スーパーライザーは近赤外線を生体深部に照射できる光線治療器です。星状神経節照射により内耳血流量を増加させることにより突発性難聴や顔面神経麻痺、メニエール病をはじめとする内耳性めまいへの効果が期待できます。また、アレルギー性鼻炎や頚肩腕症候群に伴う緊張型頭痛頭痛への効果も期待できます。今回、より高出力で2か所同時に照射できる新しい機種を造設しました。耳鼻科における理学療法の手段のひとつとして、活用したいと思います。

 電話によるオンライン診療ですが、本格的な運用を始めたいと思います。当ホームページのトップページにも告知を出しました。「急病急変時の対応など対面による診療が必要と判断される場合は、電話や情報通信機器を用いた診療を実施した医療機関において速やかに対面による診療に移行するように」との厚労省の指導要件を鑑みて、やはり、対象とするのは、当院への対面の受診も可能な中予地区の方に限定したいと思います。

ヒノキの飛散もあと10日ほどです。来年は大量飛散が予想されますので、スギヒノキのみの花粉症の方は、余った内服薬は予防薬(来年2月初めから飲み初める)としても利用できます。 
  14日   10日に厚労省から発出されたオンライン診療ですが、早速、同日からの保険適応となりました。オンラインで初診も行う初めての方式です。今日、当院のレセコンにも新しい診療コードが送られてきました。新型コロナウイルスの流行時の時限規則ですが、当院でもオンライン診療に対応したいと思います。昨日は当院独自のオンライン診療用の問診表を急遽作成しました。
 当院でのオンライン診療は、電話によるオンライン診療とします。オンライン診療後の病状悪化時の対応や会計の点から、対象は中予地区の人に限定したいと考えています。今後、オンライン診療に対応可能な医療機関を厚労省の方で公表するとのことですので、しばらくは、電話で問合せのあった患者様に向けての対応としたいと思います。

 5月に予定されていた第121回日本耳鼻咽喉科学会学術講演会が延期となりました。例年、学会発表は木~土の3日間でしたが、10月6~7日の火水の2日間に短縮しての開催です。演題の多くがポスター演題に変更されるのでしょうか。今回の総会では、私の出身医局である徳島大学の武田教授の宿題報告が予定されていました。ぜひ生で聴講したいと楽しみにしていましたが、10月までお預けとなりました。初秋の10月には新型コロナの流行が終息していることを念じています。 
  12日   今日は1日雨模様で、当然、花粉は全く観測されません。蕭々とした霧雨の中、城山の新緑が一幅の日本画の様でした。一番町通りの車窓からみた限りでは、夕刻の大街道やロープウェイ街の人影はまばらでした。人出はいつもの90%減までいっているように感じました。

 日米欧の共同研究で、抗エボラウイルス薬のレムデシビルが新型コロナの重症肺炎の68%で症状が改善したとのことです。レムデシビルは核酸アナログ剤、抗HIV薬のカトレラはプロテアーゼ阻害剤、抗インフルエンザ薬のアビガンはRNA合成酵素阻害剤です。いずれもウイルスのRNAの増殖を抑える作用があります。RNAに作用しますので副作用には注意しなければいけませんが、これらの薬剤のカクテル投与で、重症肺炎はかなり抑えられるのではないでしょうか。現在は研究段階、超法規的適応ですが、この秋ぐらいからの早期承認もあり得そうです。効果に期待したいです。

 一昨日、中医協でオンライン初診が新型コロナウイルス流行期の時限処置として承認され、厚労省から事務連絡が発出されました。耳鼻科は局所の所見を見て判断できる病気が多いことから、これまで当院でのオンライン診療化には及び腰でした。しかし現下の状況を鑑みて、当院でもオンライン診療への対応を進めたいと思います。
 厚労省からは今後、具体的な対応法が示されると思いますが、現時点の情報を基にする当院の対応法としては、〇当院への受診歴のない初診や過去の受診歴の方に対しては、初診として対応。電話で、症状や基礎疾患などを受付で問診の後、私が追加で問診 〇定期的に受診している方の処方は再診として対応 〇保険証は電話の口頭やFAXで確認 〇処方箋を患者希望の薬局にFAX 〇会計は後日受付にて徴収 の流れでしょうか? 厚労省が保険証の確認手段を電話での口頭でも可するとするようです。緊急時の対応として思い切った判断です。オンライン診療とは直接リンクする事柄ではありませんが、会計の手段について、当院ではカード決済はまだ導入していませんが、導入を進めるかどうか悩ましいところです。

  
 今年、桜の写真が1枚もないのはなんなので。私の母校、勝山中学校の桜です。正門前の郵便ポストを利用するために立ち寄った際に、桜が目に入り思わずシャッターを切りました。ふと見ると、正門の横には別の門が。お恥ずかしい、私の在校時には全く気に留めなかったのですが。今の北高の前身の県立松山高等女学校の校門です。松山高女は明治33年に設立された北豫中学(秋山好古が校長を務めた歴史もあります)が大正12年に移行したものです。校舎は空襲で全焼したものの、この校門は残ったそうです。えっ、北高は昔から今の鉄砲町にあるんじゃなかったの? このあたりは練兵場に接しているのでやはり空襲では集中的にやられたんだろうな。この校門は移転されたの? 卒業生としてはお恥ずかしい知識のなさでした。


 ここ半年は美術展からも遠ざかっていました。千住博展で日本画を堪能してきました。千住氏代表作のウォーターフォールに変化する光を投影した作品です。この作品だけは撮影可&SNSへの投稿可でした。千住博氏はなかなかの革新者です。建築家の隈研吾氏もそうですが、革新的な視点があってこそのオリジナリティです。 
  11日   今シーズンのスギ花粉の飛散数は、平年の38%、昨年の13%となりました。かなり少ないと予想していたウェザーニュース社の予想下限も下回りました。新型コロナの流行予想もそうですが、年初にこれだけ少ないと予想していた人は私の知る限りいませんでした。自然現象の予想は難しいものです。ヒノキの飛散も際立って少ないようです。ヒノキの飛散のピークも3月19~22日で極端に早く、スギの飛散終了も4月3日と松山では過去最も早いようです。2月22日に飛来が予想されていた黄砂は、結局その日は日本に飛来せず、4月4日に今年初めて九州北部に飛来しました。ここ4日間の高気圧に覆われた晴天に誘われるように、ここ1週間ハンノキが大量飛散しています。今週、花粉症症状が強くなった方は、ヒノキ、ハンノキ、裸麦やハルガヤなどのイネ科花粉、黄砂などが原因だったと思われます。

 新型コロナはいつになったらピークアウトするのでしょうか? 終息宣言までの道のりはまだ見えません。私はこれまで、いつか来るであろう新型インフルエンザの流行に恐れをなしていましたが、今回の新型コロナウイルスのパンデミックは全くのノーマークでした。昨年秋に、これから注意する新興感染症として新型インフルと新型コロナを挙げていた研究機関がありました。先見のある研究者にとっては、あらかじめ危惧されていた流行だったようです。原因はどうであれ、これからも度々、変異ウイルスによるパンデミックは起こると思って人類は対応しなければならなくなるでしょう。インフルエンザ、今回のコロナ、そして一般的な風邪の原因ウイルスであるエコーウイルスやコロナウイルス、夏風邪や嘔吐下痢症の原因ウイルスのコクサッキーウイルスやエンテロウイルス、これらは全てRNAウイルスです。変異しやすいため、治療薬やワクチンの開発も追いつきにくい曲者です。今後、コロナだけでなく様々なRNAウイルスによる新興感染症にも注意する必要がありそうです。
 1918年に発生した新型インフルのスペイン風邪は、3月に米国で発生し、その冬と翌年の冬に二峰性に流行が拡大しました。2年間ほど広がった後に、世界人口の7~8割が抗体を持つと大流行は起こらなくなる、そんな流行のパターンのようです。スペイン風邪の拡散には第1次世界大戦による戦闘員の移動も影響したでしょうが、今回の新型コロナは、航空機による人の大量移動のせいでこれまでにない急速なパンデミックが起こりました。今回の新型コロナは、スペイン風邪の時代と違い、ワクチンや抗ウイルス薬の開発も迅速に進められるでしょうが、ワクチンが世界的に普及するのは早くても来年になるでしょうから、次の冬にもう一度流行のピークを迎えることは覚悟しなければいけない気がしています。(*_ _)
 新型コロナの医学的な流行とは別に、人類の心理が影響する金融市場の動きは別の興味深い動きをしています。ニューヨーク市場は、死者が急激に増えたニュースで高騰、失業者が記録的に増えたニュースで高騰しました。市場は二番底を迎えた後は、もう半値戻しです。世界の動きをいち早くキャッチするとされる市場は、夏には新型コロナが終息すると思ってるようです。1929年の世界恐慌は、3年かけて7番底まで暴落しました。新型コロナの流行が、市場の思惑通りにこの夏に落ち着くと思いたいです。
 国際政治の今後の変化も気になります。昨日の新聞の論調で、今回のショックをきっかけに国際政治は、米国と中国の覇権争いで冷戦時代のようになるよりも、もっと以前の英国の覇権が失われて米国とロシア、ドイツが台頭してきた1930年代の混とんとした時代までさかのぼるだろう、と主張していました。私も、なんだかそんな気がしてなりません。 
  9日   子供から大人まで全世代で感染予防の徹底が進んだおかげで、一般的な感染症は雲散霧消しています。(^^) それでも今日は、4月に保育園デビューした1才のお子さんが、早速、風邪の洗礼を浴びていました。恐らくはライノやエコーなどの一般的なウイルス感染だと思われます。1才になるとお母さんからの移行免疫が消失しますので、1~2才で集団生活を始めると、入園当初はさすがに風邪に罹りやすくなります。ひとつひとつの風邪をこじらさないでやり過ごして、大人に向かっての免疫をしっかりと付けていって下さい。

 今日は医薬品卸からマスク2箱100枚ゲットです! つい最近までのイメ―ジでは、一般的なマスクが50枚入り1箱で170円、百均で100円、サージカルマスクでも1箱3~400円でした。今回注文の通ったサージカルマスクは、1箱3~4千円です。政府からのマスクの支給はまだありません。聞けば、松山もドラッグストアでも朝4時半から行列ができているそうです。先週、アマゾンで1箱700円のマスクを7箱注文していました。国内に在庫ありでベストセラーの表示です。ポチった翌日には発送済みとなっていましたが、到着予定日の6日には到着しませんでした。急遽、追跡番号を照会したところ、国内在庫ありといいながら米国郵政ポストからの発送で、発送の登録なしでした。返金リクエストしたところ、翌日には返金されましたが。初めて通販でだまされました。(-_-) 今回の3~4千円が高いとはいっていられません。

 新型コロナへのドライブスルー方式のPCR検査が松山でも準備されています。フリーアクセスではなく、これまで通り保健所が必要と判断した人のみが対象となるようですが、来々週あたりからは全国的に検査件数が増えそうです。

 当院は地域での気道感染症を担うクリニックであると自負しています。そう遠くない時期に、当院にも新型コロナウイルスを発症した方の来院はあると思います。当院を来院された方への対応の指針としてのリーフレットを、厚労省作成の「新型コロナウイルス感染症 診療の手引き(2020年3月17日第1版)」より一部改変して作成しました。今後の流行状況を見ながら、随時更新していきたいと思っています。
~~ 本日の当院での対応 ~~
□ 新型コロナウイルス感染症の初期も否定できないことから、家族内への感染予防を心がけて自宅待機する
*体温の記録をお願いします。(熱型表をお渡しします)
*今後、咳や呼吸困難の悪化、嗅覚味覚の消失があれば、一般市民相談窓口(℡ 909-3468) 帰国者接触者相談窓口(℡ 909-3483)に電話、又は当院に電話で相談
□ 保健所に相談の結果、現時点ではPCR検査の必要性が低いと判断されたため、上記に準じて自宅待機
□ 保健所に相談の結果、新型コロナウイルス感染症による肺炎化を疑い、帰国者接触者外来(非公表)に紹介

*本日、当院では濃厚接触を避けるために、各種感染症の迅速検査はマスク・手袋・フェイスガード下に行い、ネブライザー治療は行いませんでした。
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 2019年12月に新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)が中国武漢市で集団発生し、都市封鎖にも関わらず感染は世界に拡大。WHOは緊急事態を2020年1月30日に宣言。日本国内では1月16日に初めて患者が報告され、2 月1 日指定感染症に指定、4月7日に7都府県に緊急事態宣言が出されました。

病原体・臨床像:従来からある旧型コロナ(HCoV-229E、HCoV-OC43、HCoV-NL63、HCoV-HKU1の4種)は、風邪の15~20%、冬の流行期では3割程度の原因とされます。2002 年に中国広東省よりコウモリ(あるいはハクビシン)のコロナウイルスがヒト- ヒト感染を起こしSARS(重症急性呼吸器症候群)で8千人を超える感染者を出しました,2012年にアラビア半島でヒトコブラクダからMERS(中東呼吸器症候群)が発生しました。中国武漢市で発生した新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)はWHOよりCOVID-19と命名され、SARS やMERS の病原体と同じ動物由来のβコロナウイルスと判明したものの宿主動物や起源は2020年4月時点ではまだ分かっていません。COVID-19はウイルス表面(エンベロープ)に王冠(ギリシア語でコロナ)様の突起を有します。SARS-CoV 同様ACE2 をレセプターとしてヒトの細胞に侵入します。環境表面での安定性は不明ながら5日程度は感染性を保つとされます。

感染経路・潜伏期・感染可能期間・季節性:
・飛沫感染が主体であるが、エアロゾル状態での感染もあり得る。空気感染の可能性は低い。
・有症者が感染伝播の主体であり,無症状保有者からの感染については現時点において確定的なことは不明。
・潜伏期は1~14日間であり,曝露から5日程度で発症することが多い。
・SARSよりも発症時から感染性が高い。
・PCR 検査では,咽頭より鼻腔のウイルス量が多く,発症日から5日程度持続し、発症から10 日前後で検出限界以下となった。(中国広東省)
・コロナウイルス感染症は一般に温帯では冬季に流行するが、COVID-19 にも当てはまるかは不明。

臨床像:多くの症例で発熱,呼吸器症状(咳嗽,咽頭痛,鼻汁,鼻閉など),頭痛,倦怠感などがみられる。下痢や嘔吐などの消化器症状の頻度は10%未満である。初期症状はインフルエンザや感冒に似ており,この時期に区別することは困難である。中国では発症から病院受診までの期間は約5日,入院までの期間は約7日と報告されており,症例によっては発症から1週間程度で重症化してくると考えられる。さらに重症化する例では10 日目以降に集中治療室に入室という経過をたどる。
・重症化のリスク因子は高齢者,基礎疾患(心血管疾患,糖尿病,悪性腫瘍,慢性呼吸器疾患など)である。
・40 歳代までは重症化は少なく、50 歳代から年齢が高くなるに従って致死率も高くなる。
・基礎疾患のある患者では,基礎疾患のない患者と比べて明らかに致死率が高い。
*嗅覚味覚の消失が、発症前段階や発症初期に見られるとの報告がある。
*ACE2レセプターを介して感染することから、降圧剤のABRやACE阻害剤服薬で悪化する、消炎鎮痛剤イブプロフェンやチアゾリジン系糖尿病薬でACE2の発現が上昇するという動物モデルの研究がある、など様々な報告がある。

診 断:鼻腔や咽頭ぬぐい液からのPCR法。感度は40~80%で、陰性でも感染の否定は出来ない。

血液検査所見:特異的な検査所見はなく、初期は軽度ウイルス感染を疑わせるのみ。
      ICU 入室あり  ICU 入室なし(武漢の41 例、検査値は中央値)
白血球   11,300 5,700
リンパ球    400 1,000
Dダイマー 2.4 0.5 (CRPに準じる)

画像所見:
・胸部CT 検査はX線検査より感度が高く,無症状であっても早期に異常所見を認めることがある。
・発症から1~3週間の経過でスリガラス陰影から浸潤影に変化する。第14 病日頃にピークとなることが多い。

肺炎の治療:感染が疑われる患者で,臨床的に肺炎と診断した場合には病原体診断の結果を待たずに抗菌薬を開始し、確定診断後であっても細菌感染症の合併が疑われる場合には,適切な抗菌薬を投与する。必要に応じて酸素吸入、人工呼吸管理を行う。ウイルス性肺炎に対するステロイド薬の有効性は不明である。重症例にはECMO(体外式膜型人工肺)や急性血液浄化療法(炎症性サイトカインなどの除去)を考慮すべき症例もある。

抗ウイルス薬:現時点では,COVID-19 に確実に効く抗ウイルス薬はないが、世界的に臨床治験がすすめられている。
 日本感染症学会では、抗ウイルス薬を検討するのは、呼吸不全の出現(通常は第7 病日以降)を必要条件とし、50 歳以上で、酸素投与を必要とする、糖尿病・心血管疾患・慢性肺疾患,喫煙による慢性閉塞性肺疾患,免疫抑制状態などのある患者としているが、より早期の投与も求められている。
薬剤の候補;カトレラ(抗HIV薬 プロテアーゼ阻害剤)、アビガン(抗インフルエンザ薬RNA 合成酵素阻害剤)、オルベスコ(吸入ステロイド薬)、レムデシビル(抗エボラウイルス薬 核酸アナログ剤)、クロロキン(抗マラリア薬)

*ワクチン、早期診断試薬の開発も世界的に進められている。

診断の流れ:大規模な感染拡大が生じていない現段階は、疑いのある者が相談センターに相談するか医師が保健所に相談し、必要とされれば帰国者接触者外来(非公表)を受診した後,必要と認めた場合にPCR 検査が実施される。
*4月2日、日本感染症学会が「新型コロナウイルス感染症に対する臨床対応の考え方―医療現場の混乱を回避し、重症例を救命するために―」を発表。重症者の命を守ることを最優先とするため、軽症者にはPCR検査を推奨せず自宅待機を促すこととしている。検査については、地域によっては感染者数が多数に上ることが予想されるため、PCR検査の原則適応は「入院治療の必要な肺炎患者で、ウイルス性肺炎を強く疑う症例」とし、「軽症例には基本的にPCR検査を推奨しない」と明記。
 また今後、地域の感染率に関するサーベイランスについては血中IgGIgMなどの抗体検査法を行うとしている。
*4月7日:東京都はPCR陽性の未発症者や軽症者のホテルへの移送による療養を始めました。
*保健所が必要と認めたケース限定で、ドライブスルー方式のPCR検査の導入が始まります。
  6日   遂に日本でも緊急事態宣言の発出が決まりました。諸外国のような都市封鎖や外出禁止令は無く、ライフラインは守られるとのこと。安心しました。日本人なら、このくらいの規制でも乗り切れると信じています。

 米国の耳鼻咽喉科頭頸部外科学会が「鼻出血管理のための臨床ガイドライン」を策定しました。この学会は、2年前には耳垢のガイドラインも出しており、随分と攻めるガイドラインを出してきます。このガイドラインでの鼻出血の処置としては、1、最初の診察時に迅速な管理が必要な患者と必要でない患者を判別 2、迅速な管理が必要な患者の場合 1)活動性出血は鼻の下部3分の1を5分以上しっかりと圧迫 2)鼻圧迫で出血部位の特定ができないは鼻腔内パッキングで対処。出血性疾患や抗凝固薬服用患者では吸収性素材によるパッキングを行い、パッキングの種類・除去のタイミングと予定・処置後のケア・再検査を必要とする症状について説明 3)出血部位が特定されている患者に対しては適切な介入治療 とまとめています。
 鼻出血の患者様を前にすると、私も緊張します。小児の鼻出血では、鼻炎を素因として鼻の入り口(キーゼルバッハ部)からの出血がほとんどですので、圧迫や薬剤塗布で止血しない場合でも、目視下に凝固用のピンセットでの止血は容易です。しかし、成人特に高齢者の場合は、糖尿病で毛細血管が脆弱、高血圧で出血の圧力が大きいなどで、鼻腔の奥から出血して内視鏡でも出血点が同定出来ない場合があります。さらに、近年は高齢者で抗凝固薬を服薬する人が増えていることもあり、止血困難なケースが以前より増えています。このガイドラインでは、出血点が特定できない場合の吸収性素材でのパッキングを積極的に進めているのが特徴と言えます。私も耳鼻科医のプライドにかけて出血点の検索をまず最優先しますが、残念ながら出血点が判明しない場合には、これまでよりも半歩早く吸収性スポンジによるパッキングを行おうと思います。

 スギ花粉の飛散終了日が、このまま飛散がなければ4月3日になりそうです。過去にない早い時期での飛散終了となるかもしれません。
 松山の桜ですが、まだ5分咲きの樹もあれば、日差しの良い場所にある桜の中には満開を迎えた樹もあります。風がそよぐと、舞い散る花びらが風流です。
  願わくは花の下にて春死なん その如月の望月のころ  西行法師 
  5日   今日は日本晴れでした。本来ならば絶好のお花見日和で、観光地は人でごった返しているところです。まさか、こんな事態が起こりるとは。今日の診察では新型コロナを疑わせる所見の方はおらず、ホッとしていましたが。どうも緊急事態宣言の発令がカウントダウンのようです。明日は首都圏や関西圏から全国各地に帰省する人も増えると思われます。全国的な流行の拡大も視野に入れなければいけなくなりそうです。
 こんな時に、ですが、今日の朝は車のフロントガラスが花粉で薄っすらと黄色くなっていました。今シーズン二度目のヒノキの大量飛散日だったようです。 
  4日   松山の桜、昨日は葉桜混じりかなとお伝えしましたが、スタッフからまだ満開じゃないよとの指摘が。今日の道後公園の桜は五分咲きとのこと。この週末、道後公園の桜が五分咲きで、仙台の桜が記録的な速さで満開です。今年は、東京が3月22日で全国最速で満開の後、名古屋が4月1日、大阪が4月3日に満開で、鹿児島の満開は4月7日の予想です。なんと桜前線は、関東以南では東から西に進んでいます。なんだか調子が狂います。

 今日は、急に味覚が利かなくなった方の来院がありました。調べてみると、確かに舌辺縁部にわずかな萎縮傾向が認められ、味覚が低下していました。新型コロナが、嗅覚や味覚の低下を前駆症状として発症したケースの報告もあり、患者様もそれを気にしての来院でした。しかし、ウイルス性上気道炎初期を疑わせる所見は無く、発熱や下気道症状もありませんでしたので、保健所への相談は行いませんでした。
 今後、新型コロナの感染初期を疑った場合に、ガイドラインに示された通り発熱2~4日目でウイルス性肺炎が疑われるまで待ってもよいのか、どの時点での検査が望ましいのか、私の方も少し混乱しています。
 一昨日、日本感染症学会が「新型コロナウイルス感染症に対する臨床対応の考え方―医療現場の混乱を回避し、重症例を救命するために―」を発表しました。これによると、重症者の命を守ることを最優先とするため、軽症者にはPCR検査を推奨せず自宅待機を促すこととしています。検査については、地域によっては感染者数が多数に上ることが予想されるため、PCR検査の原則適応は「入院治療の必要な肺炎患者で、ウイルス性肺炎を強く疑う症例」とし、「軽症例には基本的にPCR検査を推奨しない」と明記しています。また、地域の感染率に関するサーベイランスについては、イムノクロマト法による抗体測定法を用いることとしています。今、日本のPCR検査が少なすぎることに世界から様々な意見が出ています。しかし、医療崩壊を防ぐという点では、私は今の日本の方針を支持します。発症2週間以降の感染の有無や感染の既往を確認するには、IgMやIgGの抗体測定法が有用です。特にIgG抗体が陽性であれば、既に感染して抗体をもっていることになるので、医療者も含めてIgG抗体陽性者は隔離や感染予防対策の必要性は無くなります。新型コロナは、変異が頻回に起こる、抗体が出来ても潜伏感染化からの発症もある、との説もあるので、必ずしも絶対に安全とは言い切れないのですが、今後オーバーシュートを起こさずに、感染拡大期を過ぎた時点でのサーベイランスで早く国民の7~8割が抗体保有になって欲しいです。 なお、この抗体測定法は、残念ながらまだ研究所段階でしか調べられません。クラボウが中国から取り入れた試薬が発売されましたが、地域医療の現場には全く届いていません。(実は当院も既に発注しています)  保険適応になり各地の臨床検査センターで測定出来るようになるまでは、まだ時間がかかりそうです。
  3日  遠目で4分咲きと思っていた桜は、実は満開を過ぎた葉桜混じりでした。今週末は東北地方が満開だそうです。今年の私は、ゆっくりを愛でることなく桜のシーズンが終わってしまいました。昨日、ヒノキがまとまって飛散しましたが、今日はそうでもありません。ヒノキの飛散のピークも3月下旬となりそうで、記録的に飛散のピークの早いシーズンとなりそうです。

 今日、愛媛県では新型コロナでは初めての死亡例の報告がありました。PCR検査の精度の問題もあることから、新型コロナの感染拡大の勢いを判断するには、死亡者数の推移を見ることが重要との考え方があります。愛媛県でも、いよいよ感染拡大が差し迫ったものになってきました。大街道やロープウェイ街は金曜の夜とは思えないぐらいに閑散としていました。プロ野球、Jリーグ、大相撲とどれも開催の目途が立ちません。ゴールデンウィークまでは”ウイルス戦時下”となりそうです。
 当院でインフルエンザ陽性は2週間前のB型の方が最後でした。市中での感染予防対策の徹底により、インフル以外の感染症もここ2週間でグッと減りました。この勢いで新型コロナのオーバーシュートが阻止できればよいのですが。政府の対策委員会から、現状の2割人出の減る外出自粛ではオーバーシュートは防げないが、各国で行われている都市封鎖並みに外出を8割減らせれば、感染は終息に向かうとの試算が出されました。今日の午後、金融市場の閉まった後からは、政府からの情報もマスコミ報道も明らかに非常事態宣言が出てもパニックにならないようにとの思惑のあるようなニュアンスのものが多くなった気がします。この週末に東京や大阪で感染者数がさらに増えると、週明けの月曜日には緊急事態宣言が出るような気もしています。新型インフルには最初から抗ウイルス薬があるのですが、新型コロナには、まだ確実に効く薬剤もワクチンもありません。重症化しないためには、自分の総合的な免疫力と肺の強さ、旧型コロナウイルのへの交差免疫を獲得しているか?が大事です。私もこの週末は睡眠を十分にとって免疫力を落とさないように心掛けたいと思います。

 来院された方の中には手作りマスクを付けている方も目立ってきました。特に子供たちの手作りマスクは、お母さんやおばあちゃんの愛情がいっぱい注がれています。本当にチャーミングものが多いです。診察もマスクを介して行う場面が多くなりましたが、かわいい手作りマスクを見ると思わずホッとします。(^^)
 当院では来院される方が減って、時間帯によっては耳鼻科外来が1年で最ものどかになる夏休み後半のような雰囲気です。時には、患者様の途切れる時間帯も出てきました。そんな時間を活用して、プチ院内研修を行いました。昨日と今日は、新たに導入したDPOAE(歪成分耳音響放射)検査装置の実習です。スタッフ間で互いに被検者になりながらワイワイと実施しました。来週は、好酸球性副鼻腔炎の新しい注射薬デュピクセント関連文献の抄読会もしたいと思っています。また、レセコン操作にも空いた時間が出来ることから、診療報酬改定によるレセコン内の診療コードの整理がいつになく捗っています。 
4月  1日  4月入りです。新年度、そして桜の季節です。今日の2年振りの診療報酬改定作業は滞りありませんでした。例年なら希望に満ちた新年度入りですが、今年ほど陰鬱な気分で迎えた新年度はありません。遠目で見た城山公園の桜は4分咲きといったところでしょうか。松山市でも道後公園のお花見は自粛要請されています。当院ではこの時期、診察室のBGVは「桜」がテーマですが、満開の桜を見てもなかなか気が晴れません。
 志村けんさんがお亡くなりになりました。土曜夜8時、「8時だよ、全員集合」の計算された練習され尽くした予定調和の笑いと、裏番組の「おれたちひょうきん族」の予定不調和の笑いのバトルは懐かしいです。当時、私はひょうきん族派でしたが、恐らく今再放送をみれば、全員集合の方が笑えるのではないでしょうか。ドリフのメンバーの計算されつくした掛け合いは、今も色あせずに凄いです。志村さんの新型コロナの経過はまさに激症です。恐ろしいです。挿管前の前処置で意識を落とす際には、医療スタッフから説明を受けて、回復を信じて眠りに入ったのだと思います。無念です。お笑い界のトップを走り続けた志村さんの長年にわたるストレスは並大抵ではなかったでしょう。志村さんのご冥福をお祈りします。

 新型コロナに関しては、医療者向けサイトでも連日のように情報が発信されています。インフルエンザほどの爆発的なウイルスの増殖はないものの、気道末梢の細気管支や肺胞に向かって波及していく新型コロナの病原性は恐ろしいです。アビガンが効く、オルベスコが気道炎症を軽減化する、ACE2レセプターを介して感染することからABRやACE阻害剤服薬で悪化する、消炎鎮痛剤のイブプロフェンやチアゾリジン系糖尿病薬でACE2の発現が上昇するという動物モデルの研究がある、などそれこそ様々な報告が出てきています。今後の臨床データの報告に注視しています。
 様々な情報の中で、私が少し希望を見出したのが、「新型コロナと旧型のコロナの抗体には交叉反応性があり、旧型コロナの獲得免疫が強ければ新型コロナが重症化しない」との説です。従来からある旧型コロナ(HCoV-229E、HCoV-OC43、HCoV-NL63、HCoV-HKU1の4種)は、風邪の15~20%、冬の流行期では3割程度の原因とされています。新型コロナ(SARS、MARS、COVID-19の3種)に旧型コロナの抗体が活性を持つのであれば、旧型コロナの基礎免疫が強い小児は新型コロナが重症化しにくいことの合点がいきます。そうであれば、小児と接触する機会の多い小児科スタッフや保育園幼稚園のスタッフは重症化しないと考えられます。中国の報告でも小児内科医の重症例は、まだ私は耳にしていません。そうです、実は私を含めて耳鼻科スタッフも旧型コロナの免疫は高いと思われます。当院のスタッフは新型コロナに罹っても重症化しないと思いたいです。私は若年者ではありませんので、それでも怖いですが、、 また、今日は山梨で0才児の重症化が報道されていますが、、(0才児なので旧型コロナにも罹ったことがなかったことから交叉免疫が獲得されていなかったとも考えられます)

 TBSの新番組、カウントダウンTVライブ!ライブ!を視ました。これまでも土曜夜のCDTVは、あまり浦島太郎のなるのも悔しいので時には見ていましたが、この春からレギュラーのライブ番組になるそうです。昨今、音楽番組は減る傾向にありましたので、なんだか嬉しいです。髭男、リトグリ、三浦大地も圧巻でしたが、中でもテレビ初登場のUruさんの歌声には痺れました。YouTubeではいろんな人がカバー曲をアップしていますが、Uruさんの楽曲カバーは時にはオリジナル以上の情感があり私もメジャーデビュー前から聴いていました。自分が注目したミュージシャンがメジャー化するのは嬉しいものです。小自慢をひとつ。実は私のジャズ以外でのライブハウス・デビューは松山のサロンキティのmiwaさんです。特段、ファンという訳でもなく、当時はまだ大手を振っていたヤフオクに定価で出ていたチケットをゲットしてのことです。診察が終わって駆け付けましたが、もうステージは始まっていてスタンディングの位置は一番後ろでした。その後、あれよあれよとメジャー化して、紅白出場時はしたり顔で視ていました。
  【Official】Uru 「プロローグ」Premium Studio Live 
     
  28日   新型コロナの国内感染者が201人で最多となりました。東京はロックダウンの瀬戸際です。世界は、日本は、日本の医療は、当院はどうなるのでしょう。当院でも換気を心がけて、診察の合間には手が触れる場所の消毒を行うようになりました。私も発熱でどうしても気になる患者様には、フェイスマスク+サージカルマスク+手袋で迅速検査を行っています。私の心中にも鬱々とした気分が高まっています。志村けんさん、究極の人工呼吸器であるECMOでの治療でしょうか? ECMO離脱での回復を願っています。
 経済も凄いことになっています。外食産業、小売業、観光業、エンタメ業界は死活問題です。G7は550兆円の財政支出を決定しました。米国はリーマンショック時の3倍の220兆円の財政支出が確定(ボーイング社が生き返りました)、中国も特別国債の発行に踏み切りました。今回のコロナショック(私は早々とこう名付けます)では、リーマンショック時の中国による600兆円のような資金供給はありません。新型コロナの流行が長引けば経済恐慌に、早期に終息すれば金余りによる空前のバブルになります。政府は収入が急減した企業への税金と社会保険料の1年猶予を決定しました。前例のない処置ですが、これは素晴らしい政策です。


 3月25日にデュピクセント(デュピルマブ)の慢性副鼻腔炎への適応拡大が承認されました。耳鼻科領域では、花粉症を対象とするゾレアに続く生物学性製剤です。ゾレアは高価な割には対費用効果はどうかなという薬剤でした。当院でも花粉症の患者様には新しいお薬として紹介はしていましたが、希望する方はおられませんでした。今回承認されたデュピクセントは、重症アトピー性皮膚炎、重症喘息に続いて、「鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎」つまり好酸球性副鼻腔炎に対しての適応です。当院でも”治療に難渋する”好酸球性副鼻腔炎や好酸球性中耳炎の方がおられます。私も重症かつ難治性のケースでは新たな治療の選択肢として、ゾレア以上に期待しています。デュピクセントは、月2回の皮下注射(自宅での自己注射も可能です)で3割負担の人で月5万円の薬剤費です。指定難病に対する医療費助成制度や高額療養費制度を利用しても、やはり患者負担額は高価です。重症かつ難治性好酸球性副鼻腔炎の患者様とはよく相談の上、この新しい薬剤を活用したいと思います。
 デュピクセントは、開発の続く生物学的製剤のひとつで、抗IL-4及び抗IL-13の遺伝子組換えIgG4モノクローナル抗体です。好酸球性副鼻腔炎の病態は、2型炎症と呼ばれるIgE抗体や好酸球、サイトカインのIL-4及びIL-13を通じた炎症反応によって引き起こされることが近年解明されました。デュピクセントはステロイドに頼らずに、2型炎症反応を抑制します。私も、当院に通院される好酸球性副鼻腔炎かつ喘息の方が、重症アトピー性皮膚炎として皮膚科でデュピクセントの注射を始めたとたんに皮膚症状だけでなく気道症状も顕著に軽減した方を見ていますので、デュピクセントには期待大です。

 抗体医薬品である生物学的製剤は、関節リウマチ領域と気管支喘息領域でまず臨床応用が進み、続いてアトピー性皮膚炎や乾癬などの皮膚科領域に適応が広がりました。昨年からは耳鼻科領域でゾレアの臨床応用が始まり、今回のデュピクセントと続きます。以下に、生物学的製剤の位置づけをまとめておきます。

 炎症やアレルギー、癌の反応はサイトカインや受容体によって制御されています。この受容体にピンポイントで作用するのが分子標的薬です。この中で低分子化合物は化学合成で製剤化されます。これに対して、生物(チャイニーズハムスターの卵巣細胞など)を用いて抗体や受容体を遺伝子組換えにより作成したものが生物学的製剤です。抗がん剤の免疫チェックポイント製剤も、従来の化学療法薬と異なり標的分子を特定して遺伝子組み換えで作成することから、薬価が非常に高価です。特許が切れた生物学的製剤のジェネリックも出てきています。生物学的製剤は分子量が大きく構造が複雑であるために低分子化合物のような完全に一致したジェネリックの作成が難しいことから、生物学的製剤のジェネリックはバイオ後発品(バイオシミラー)と呼ばれます。先発の生物学的製剤との同等性を担保するために、先発品に準じた臨床試験、製造工程の確立、市販後調査が義務付けられています。
 生物学的製剤は、主に関節リウマチ領域とアレルギー性炎症(2型炎症)が関わる気管支喘息、好酸球性疾患、アトピー性皮膚炎や蕁麻疹、乾癬の領域で製剤化されています。
1、関節リュウマチ領域では、関節炎や骨の破壊に関係している重要な分子であるTNFα/βの働きを阻害するレミケード、エンブレル、ヒミュラ、シンボニー、シムジアが、サイトカインIL-6を阻害するアクテムラ、ケプサラが、関節リウマチの発症に関与するT細胞CD80/86の活性化を抑制するオレンシアがあります。
2、呼吸器、皮膚科、耳鼻科領域では、抗IgE抗体のゾレア(季節性アレルギー性鼻炎)、抗IL-5抗体のヌーカラ、抗IL-5受容体α抗体のファンセラ、抗IL-4/13受容体抗体のデュピクセント(鼻茸を有する慢性副鼻腔炎)、乾癬ではさらに抗IL-12/23p40抗体のステラーラ、抗IL-17A抗体のコセンティクス、抗IL-17受容体α抗体のルミセフ、抗IL-23p19抗体のトレムフィアがあります。

 このような位置づけの中で、今回、抗IL-4/13受容体抗体のデュピクセントが15才以上の成人に対して慢性副鼻腔炎への適応拡大となりました。デュピクセントの副作用と投与への注意事項は以下です。〇発赤腫脹や痒みなどの注射部位反応 〇0.1%未満でアナフィラキシー反応の発現 〇他のアレルギー性疾患の症状の変化 〇組織への好酸球の浸潤を阻害することによる一時的な好酸球増加症(血管炎性皮疹、肺症状の悪化、心臓合併症及びニューロパチー等の臨床症状の発現) 〇免疫シグナルに作用するため、寄生虫を含む感染症が発現重篤化する可能性あり 〇長期ステロイド療法を受けている患者でのステロイドの減量は行わない 〇投与中の生ワクチンの接種は安全性が確認されていないので避ける 〇ヒト抗体ながら非自己タンパク質であるため抗薬物抗体(ADA)による免疫原性の可能性がある 〇血中IL-4濃度がうつ病の重症度と関連する可能性があることから、うつ病や自殺企図の発現に注意 〇IgGは胎盤関門を通過し乳汁へ移行することから妊婦には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与、授乳婦は治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し授乳の継続又は中止を検討 〇高齢者は一般的に生理機能(免疫機能等)が低下していることから慎重投与

 医療費は3割負担月2回投与で診療費+薬剤費で54.000円です。医療費の助成制度(高額療養費制度、好酸球性副鼻腔炎に対する指定難病医療費助成制度、付加給付制度(健康保険組合等の独自制度)、学生などへの医療費補助制度、ひとり親への医療費補助制度)などが受けられる場合があります。
〇高額療養費制度:年収370~770万でひと月の世帯上限額80.100円+α(年間3ヶ月以上は44.400円)
〇指定難病医療費助成制度:年収 ~80万で月2.500円 ~160万で月5.000円 ~370万で月10.000円(年間7ヶ月以上は5.000円)~810万で月20.000円(年間7ヶ月以上は10.000円)810万~で月30.000円(年間7ヶ月以上は20.000円)
  27日   今日は一日雨模様で花粉は飛びませんが、ここ数日でヒノキ花粉の反応が強かった学生さんや社会人の方の来院がありました。スギは例年よりやや早く飛散数はごく少量になっていますが、ヒノキが3月19日~26日にかけてやや大量に飛散しました。スギ同様、ヒノキの飛散時期も早まるものと思われます。今回の飛散が今シーズンのピークとなる可能性もあります。

 新型コロナにBCGワクチンが有効との報告がオーストラリアの小児医療研究所から出されました。エイズ治療薬が有効、抗インフルエンザ薬が有効に続いて結核予防ワクチンのBCGの報告です。やはり新型コロナウイルスは、従来のコロナウイルスと違ってなにか変です。
 阪神の藤波選手はじめ3名の選手のコロナ感染が発表されましたが、症状として嗅覚と味覚の低下を訴えました。今日のNHKニュースでは、他のコロナウイルス感染者でも同じような症状のある例を取り上げていました。ある20才代の女性は、PCR検査陽性の前日から10日間ほど、強い嗅覚と味覚の低下を自覚したとのことです。これは耳鼻科関連の話題ではないかと、思わず耳をそばだてました。一般的なウイルス性上気道炎でもインフルエンザでも嗅覚低下や味覚低下は見られますので、必ずしも新型コロナに特異的な症状ではありません。嗅覚や味覚が低下する機序としては、脳内の中枢の異常というよりは、粘膜表層の障害が大きい場合に引き起こされると考えられます。新型コロナは気道上皮を、インフルエンザよりは緩徐ながらも、高度に障害する特徴があるのだと思います。徐々にかつ高度に気管支粘膜を障害しながら広がると考えれば、新型コロナが重症のウイルス性肺炎を引き起こすことも理解できます。
 細胞壁がある細菌感染では、その部位で強い障害を引き起こします。肺炎球菌による中耳炎、副鼻腔炎、肺炎は強く組織を障害します。細胞内寄生するインフルエンザ桿菌は中耳や副鼻腔、上咽頭、肺で潜伏感染化することもあります。溶血性連鎖球菌や毒素を産生するブドウ球菌も、扁桃腺や肺、腸管で強い障害を引き起こします。一方、細胞壁のないマイコプラズマやクラミジアは粘膜内に侵入し間質で増殖していきます。そのため気管支粘膜下の間質から肺に広がることから異型肺炎と呼ばれる細菌性よりも軽い肺炎を引き起こします。宿主の細胞核の遺伝子を利用して複製することによって広がるウイルス(そのためウイルスは生物ではないとの考え方もあります)は、宿主の細胞を破壊にながら増殖します。気道上皮で増殖するウイルスが気道感染を引き起こします。増殖のスピードが速いウイルスほど急激に症状を引き起こします。ヒトが感染するウイルスで増殖力の強いウイルスの代表がインフルエンザです。このため、インフルエンザによる上気道感染では、粘膜表層をたなびくように広がりますので、局所の粘膜は軽度の発赤やただれ(びらん)程度の所見です。増殖のスピードが弱いウイルスほど気道の一部分で集中的に増殖します。アデノウイルスや手足口病などのエンテロウイルスは、扁桃腺を中心に障害したり口内炎が出来たりします。インフルエンザとアデノウイルスの中間に位置して、ジワジワと気道を広がるウイルスではインフルエンザよりはややゆっくりと気管支粘膜を障害して広がっていきますので、喘息様の換気不良を引き起こすRSウイルスやヒト・メタニューモウイルスが有名です。
 ヒトが感染するコロナウイルスには、以前から知られていた軽い症状を引き起こすタイプ4種と新型のSARSウイルス、MARSウイルス、今回のcovid-19があります。今回の新型コロナcovid-19は、従来のコロナウイルスやエコーウイルス、ライノウイルス、アデノウイルスよりは粘膜表層を障害しながら広がる能力が強いのでしょう。インフルエンザよりは増殖スピードは遅いものの、RSウイルスよりは粘膜を障害する力が強いように思います。そのため、まだ人類が免疫を持たない新型コロナにたいして下気道の粘膜が弱い高齢者や基礎疾患を有する人には、重大な換気障害を引き起こすのだと思われます。上気道での増殖でも同様の特徴があることから、新型コロナは、ライノウイルスやエコーウイルスなどの増殖力の弱いウイルスよりも、匂いを感じる嗅上皮や味を感じる味蕾細胞を若者でも障害しやすいのだと勧化あれば、今回の若者の新型コロナ感染による嗅覚や味覚の低下が特徴的なことも理解できるように思います。(私がデータを取ったり研究する訳ではありませんので、あくまでも、思われる、との表現に留めます)
 新型コロナに特徴的な上気道所見はあるのか? が、耳鼻科医の間では話題となっています。恐らく特異的な特徴はないと思いますが、咽頭粘膜は「インフルエンザよりは発赤が強く、アデノウイルスやパラインフルエンザウイルスよりは粘膜を広範に広がるびらんが強い」程度の所見でありそうな気がしています。 
  25日  今日一日、暖かな春の陽光でした。松山は今日、桜が開花しました。例年ならばお花見に、年度が代わって新たな生活にとウキウキするのですが。東京都が新型コロナで外出自粛要請を発表しました。なかなか明るい気分にはなれません。
 午後からは新年度の診療報酬改定にむけてレセコンソフトの更新を行いました。12月に新しい機種に更新していることから、初めてのオンラインによるソフト更新となりました。CDを入れ替える必要もなく、スムーズに更新できました。今期の診療報酬改定では、耳鼻科外来関係では大きな改定はありません。12月のレセコン機種の入れ替えでは、移行に難渋しましたが、4月1日の改定作業はスムースに運んで欲しいものです。
 続いて、松山市医師会に立ち寄り、松山市から送られた災害時の備蓄用マスクを受けとりました。割り当ては1箱50枚だけです。医師会の職員さんに聞きましたが、新たな割り当てはないとのことでした。日本でマスク不足が起こってから2ヶ月近くになろうとしています。医療機関向けの供給不足がここまで長引くとは思っていませんでした。 
  24日   インフルエンザは例年よりかなりはやく減っています。2009年の新型インフルエンザ流行時に次いで早く12月に流行入りしましたが、愛媛県全体では結局警報入りせず、2月8日には注意報入りレベルを下回りました。3月に入り、愛媛県での流行のタイプはA型26%、B型(ビクトリア系統)74%と、B型が増えていますが、4月初旬には注意報も解除になりそうです。当院でも、A型を確認したのは3週前が最後で、B型も1週間前より確認していません。昨シーズンはA型が初夏まで発生するという息の長いシーズンでしたが、今シーズンは、新型肺炎対策が徹底していることもあり、インフルの流行は4月中には終息しそうです。

 当院でも、ここ2週間、新型肺炎を疑う方の来院が複数見られました。帰国者外来に紹介したケースもありましたが、新型コロナウイルス陽性のケースはありませんでした。今後も、新型肺炎が疑われる方の診察では、来院された患者様、当院スタッフ、私、全てで濃厚接触を起こさないよう細心の注意を払いながら診察を進めたいと思います。

 3月18日よりヒノキ花粉の飛散が始まりました。スギ花粉の飛散はわずかになっています。26、27日はゴールデンウィーク並みの気温になると予報されています。今週後半に、ヒノキの1回目の大量飛散が予想されます。ヒノキ花粉とこの時期に重なって飛散するハンノキ花粉は、スギ花粉より花粉が小さいこともあり、下気道に到達して咳が目立つ傾向もあります。新型肺炎対策としてのマスク着用が、ヒノキやハンノキ花粉対策としてもおおいに有用です。 
  21日   この度、新しい聴力検査装置DPOAEを導入しました。これは内耳の聴力を他覚的に検出できる装置です。新生児や幼児の聴覚スクリーニング検査や、加齢性難聴・突発性難聴・メニエール病などの内耳性難聴の評価、心因性難聴の評価に有用です。
 従来の自覚的な反応に頼る標準純音検査で把握しきれなかった聴力レベルを、他覚的かつ客観的に評価できます。日常生活に支障のないとされる30dB~40dBで内耳が反応しているかどうかがわかりますので、特に乳幼児で難聴が疑われるケースの早期発見に大いに有用です。これまでは、まず当院で遊戯聴検や条件詮索聴検で30dBで反応があるかどうかを乳幼児の体動や目の動きで評価したり、アブミ骨筋反射で50dBレベルの他覚的な反応があるかどうかを評価した後、反応がない場合には県立身障者センターなどの高位の耳鼻科に紹介の上、脳波聴力検査(ABR)で30dB以上の聴力レベルを10dB単位で評価して頂いていました。新しい装置DPOAEで十分な反応が得られれば、それ以上の検査は行わずに経過を見ることが可能になります。当院を受診されたお子様で感音難聴が疑われた場合には、大いに活用できると考えています。

~耳音響放射(OAE)検査~
 内耳の聴覚機能を他覚的に評価する検査法です。正常な内耳からは耳音響放射(OAE: Oto Acoustic Emissions)と呼ばれる微小な音が発生して外耳にエコーが返って(放射して)います。聴覚に異常があるとOEAの出力レベルが減少したり検出できなくなります。1978年英国のKemp博士により発見されました。

当院での測定法:歪成分耳音響放射検査(DPOAE: Distortion Product Oto Acoustic Emissions);特に内耳の外有毛細胞からのOAEを検出します。機種はダイアテックカンパニー社製タイタンです。

検査法:耳にイヤホン(測定用プローブ)を挿入後、12秒で測定が完了します。1.2.3.4.5.6kHzのDPgramを得られます。安静を保てない乳幼児はベッドにて行います。

検査の意味:DPgramで反応が得られれば、内耳では少なくとも40dBの聴力。DPOAEレベルが0db以上であれば最小可聴閾値は30db以下と考えられます。ただし、内耳よりも高次の聴神経や中枢(脳内)の異常は判定できません。

検査の臨床的な役割:
1)新生児や乳児の聴覚スクリーニング検査:DPgramで反応があれば「パスpass」であり、検査時点では正常の聴力があると考えられます。反応が見られなければ「要再検refer」であり、聴覚障害の精密検査を必要とします。聴性脳幹反応(ABR)または自動聴性脳幹反応(Automated ABR)を、高次の医療機関に紹介します。
2)加齢性難聴の評価:加齢により外有毛細胞が減少します。聴力が落ちるだけでなく、音が歪んだり割れて聞こえます(聴覚補充現象)。外有毛細胞の健康状態をチェックして、補聴器をフィッティングする際の参考とします。
3)突発性難聴やムンプス難聴、メニエール病などの内耳性難聴の評価や経過観察
4)心因性難聴などの機能性難聴、詐聴の評価

*耳あかや滲出性中耳炎、鼓室硬化などの伝音性難聴があると正確な検査は出来ません。診察にて外耳や中耳の状態を確認した上でOAE検査を行います。 
  18日   今日は汗ばむような暖かさでしたが、花粉の飛散は目立ちません。スギ花粉の飛散は例年より早いペースでしたので、これから10日間ほどパラパラと飛散して、4月上旬はわずかに観測されて、4月中旬に観測終了となりそうです。換わって、今週からヒノキの飛散が始まります。

 世界各地で国境の封鎖が広がっています。これから少なくとも4月中までは世界の人と物の流れが滞ります。約束手形に準じて本来は金利のつかないCP(コマーシャル・ペーパー)にも上乗せ金利がついてきました。社債市場の停滞で、企業の血液循環にも支障が出てきそうです。リーマン・ショック以上の激震になりそうです。(-_-)
 松山で2例目の新型コロナウイルス感染者がでました。イタリアからの帰国者とのこと。当院での感染防御措置も高めます。新型肺炎が否定できない患者様に対してのインフルエンザなどの迅速検査を行わざるを得ないケースでは、保健所への相談とともに、検者である私はフェイスシールドと手袋、サージカルマスク着用で対応することとします。
 今日、政府は1時間で診断可能な検査キットが開発されたと発表しました。まだしばらくは帰国者外来のある病院からのオーダーになると思います。昨日、15分で判定可能な迅速診断キットがクラボウから発売されました。中国で開発されたもののようです。新型コロナウイルスのIgM抗体、IgG抗体を別々に検出できます。まだ保険適応はありませんので、当院での採用は原始点では見合わせますが、新型コロナウイルスへの免疫が獲得されたことの指標となるIgG抗体が測定できますので、新型コロナウイルスが免疫が付きにくい特殊なウイルスでなければ、1~2年後の段階で、各個人に新型肺炎への免疫が出来ているかどうかの判定にも有用となりそうです。新型肺炎の終息は、世界の人々に免疫がつきワクチン接種が可能となる1~2年後との予測もあります。今後の発生が危惧されているトリインフルエンザから変異して発生するであろう新型インフルエンザ同様の終息パターンになりそうです。新型コロナウイルスも1~2年で旧型に格下げということです。新型コロナウイルスの治療でも、インフルに対するタミフルのような”特効薬”の開発も切に待たれます。 
  15日   今晩は晩冬の嵐が吹き荒れています。週末も欧州で新型肺炎が広がっています。フランスでは死亡者、重症者の半数が50才以下とのショッキングなレポートも出てきました。4日前に日本医師会がインフルエンザなどの迅速検査を控えるようにとの通達を出しました。群馬では70才代の医師が重症で、感染が判明する前の段階で微熱で診察を行っていました。私も検査をすることで濃厚接触者となることに十分注意しつつ、自らの発熱や肺炎症状発現の確認は怠らないようにします。

 当院でも熱性痙攣の子供さんを診る機会が年に複数回あります。今日は、熱性痙攣ガイドラインに沿って、当院での対応法を確認したいと思います。
1、来院時に熱性痙攣が止まっている場合には外来でルーチンにジアゼパム坐薬を入れる必要はない
2、痙攣発作が5分以上持続している場合には、呼吸抑制に注意して、可能であればジアゼパムを静注(体重10㎏あたり2-4㎎、注腸もあり)するか静注が可能な施設に搬送する。なお、坐薬が有効血中濃度に達するのは30分後であるが、静注が困難な場合に使用しておくことで二次医療機関に搬送する間に効果が見られることがある。
3、ジアゼパム坐薬の痙攣再発予防の有効性は高いが、副反応も存在することからルーチンに使用する必要はない。持続時間が15分以上の遷延性発作、焦点性発作(部分発作)、24時間以内の再発、熱性痙攣またはてんかんの家族歴、0才児、発熱後1時間未満での発作、38℃未満での発作では、坐薬を使用する。使用量は体重10㎏あたり1回4㎎、最大10㎎。
4、熱性痙攣の既往があれば、発熱時の鎮静性抗ヒスタミン剤は痙攣持続時間を長くする可能性があり推奨されない
5、熱性痙攣の既往者でも予防接種は可能だが、副反応への保護者の同意が重要。麻疹ワクチン(接種後7-10日、2週間以内)、肺炎球菌ワクチン(0-2日、1週間以内)での発熱率が高い。
6、 熱性痙攣のうち、焦点性発作(部分発作)、15分以上の持続、24時間以内に反復する のいずれかがあれば複雑性熱性痙攣。この場合にはCT/MRI検査、髄液検査、脳波検査を考慮。その他が単純性熱性痙攣。重積状態は30分以上の持続で定義されてきたが、ガイドラインでは5分以上の持続で薬物治療を開始すべき重責状態の実地用定義。熱性痙攣の既往児が無熱性発作を2回以上繰返す熱性痙攣後てんかんの発症率は2-7.5%で、一般人口におけるたんかん発症率0.5-1%より高い。5歳以降の発作反復や無熱性発作ではてんかんも念頭に専門医に紹介する。
 
 近々、当院で妊娠3週胎嚢6mmという妊婦さんの受診がありました。妊婦さん、授乳婦さんへの処方は、薬剤の公式の規定文書である「添付文書」では、妊婦授乳婦に言及する記載が少ないため投与が制限されがちです。妊娠中、授乳中に安全な薬剤に対しては米国FDA、オーストラリア処方薬諮問委員会、虎ノ門病院などのリストが有名ですが、我が国の各種研究会のリストも大変役に立ちます。今日は、私の確認や備忘の意味でも、愛知県薬剤師会 妊婦授乳婦医薬品適正使用推進研究班の「対応基本手引き」から、当院に関係の深い分野の薬剤を挙げておきます。
<妊婦>
解熱鎮痛消炎薬:アセトアミノフェン
鎮咳薬:デキストロメトルファン、ジメモルファンリン、ベンプロペリンリン、ペントキシベリン
去痰薬:ブロムヘキシン、アンブロキソール
抗ヒスタミン薬:クロルフェニラミン
第二世代:ロラタジン、セチリジン、フェキソフェナジン
気管支拡張薬:べネトリン、ブリカニール、スピロペント、テオフィリン、イソメニール(抗めまい薬)
止瀉薬、整腸薬:ロペラミド、乳酸菌
抗菌薬:ペニシリン系、セフェム系、マクロライド系、リンコマイシン系(添付文書には投与しないことが望ましいと記載)
ワクチン: インフルエンザワクチン
漢方薬:麦門冬湯、小柴胡湯、柴胡桂枝湯、小青竜湯(麻黄含有、長期不可)、葛根湯(麻黄含有、長期不可)
<授乳婦>
解熱鎮痛消炎薬:アセトアミノフェン、イブプロフェン、ジクロフェナクナトリウム、ロキソプロフェン
抗アレルギー薬:ロラタジン、フェキソフェナジン、点鼻薬
抗菌薬:ペニシリン系、セフェム系、マクロライド系、アミノグリコシド系、オフロキサシン、レボフロキサシン、トスフロキサシン
抗ウイルス薬:アシクロビル、バラシクロビル、オセルタミビル、ザナミビル、ペラミビル、ラニ
ナミビル
ステロイド:プレドニゾロン
甲状腺薬:チラーヂン、プロピルチオウラシル
精神神経用薬:SSRIのロキセチン、セルトラリン

 国盗り物語、少し時間がかかりましたが読破しました。司馬遼太郎氏が執筆した時点では、斎藤道三自身が京都妙覚寺の僧侶上がりの油商人とされていましたが、1960年代に発見された古文書「六角承禎条書写」によって、美濃の国盗りは道三一代のものではなくその父の長井新左衛門尉との父子2代にわたるものとの説が有力になりました。小説では、道三が油商人から成りあがる過程や、前半生の記録が消されている明智光秀の成り上がりを鮮やかに描いています。あくまでも小説上ですが、律令制の国司→幕府の守護→守護大名→戦国大名への権力の移行、足利将軍を利用した信長の中央への進出法、比叡山焼き討ちの背景、信長家臣団の中での光秀の立ち位置などを、司馬史観の中で実体験するが如くワクワクしながら読み進めることができました。光秀の本能寺での謀反については、現在でも諸説あって確定していませんが、それでも、このタイミング以外では実行不可能であったという状況がよく判りました。「麒麟がくる」を年末までじっくり楽しめそうです。 
  14日   WHOから新型肺炎のパンデミック宣言が出されました。エイズやエボラ出血熱のような新興感染症に対してWHOが過去に行ってきたような大規模な調査団をなぜもっと早期に派遣しなかったのか。この時期に至ってのパンデミック宣言なら、報道による情報だけでも誰でも出せます。
 当院ではまだ幸いに備蓄がありますが、医療機関に対するマスク、消毒液の流通不足は依然として解消しません。処置用手袋まで不足になってきました。この度、松山市が備蓄分のマスクを松山市の医療機関に配布することになりました。一般の医療機関向けには、マスクの在庫が10日以下の施設には、わずか1箱の割り当てです。政府の対応が待たれます。
 新型肺炎の北米や欧州での拡散が急速に広まっています。まさか2009年の新型インフルエンザ流行時を超えるとは思っていませんでした。欧州やフィリピンでの都市封鎖がこんなに広範に行われるとは、、 リーマンショックは信用の消失でしたが、こんどは世界的な消費の消失です。少なくとも今年の夏までは、影響は続いていくでしょう。夏の五輪はどうなるのでしょう。第一次大戦ではベルリン大会が中止になりましたが、第二次大戦でのロンドン大会は大戦終結後の4年後に開催しています。ベルリン大会も20年後には開催されています。今回の東京大会は、中止ではなく1~2年の延期に留まって欲しいのですが。

 当院のポールンロボでは、12日に今シーズン最多の花粉大量飛散を観測しました。雨上がり、温暖、風が強い、と大量飛散の条件を満たしている日でしたが、スギの大量飛散にしては時期が遅いので、アレっと思いました。ヒノキも、来週中に初観測日を迎える時期で大量飛散は考えられません。どうやら、スギの中等度飛散とハンノキの大量飛散が重なったようです。
 ソメイヨシノの開花宣言が、全国で一番早く東京で出されました。例年ならば暖流の当たる宇和島や高知、伊豆半島、長崎が一番になるのですが、東京が一番早いというのは意外でした。どのような要因が影響したのでしょうか? スギ花粉の飛散は桜とともに終わります。スギのまとまった飛散は、後10日程度と思われます。気象庁の「さくらの開花状況」を見てみると、面白いことが分りました。沖縄ではヒカンザクラで、北海道の旭川や帯広など札幌以北以東ではエゾヤマザクラで開花状況を見るのですね。

  細菌性耳下腺炎、ウイルス性耳下腺炎、バセドウ病、甲状腺嚢腫、複雑型熱性痙攣、突発性難聴、真珠腫性中耳炎、反回神経麻痺、吃音、鼓膜穿孔閉鎖術、耳介血腫開窓術、急性喉頭蓋炎、逆流性食道炎、ガマ腫など。 
  9日   雨上がりで昼間が快晴だった今日も、スギ花粉の飛散は少量でした。やはり飛散のピークは2月22~25日のようです。こらから3月末にかけて、さらに飛散は少なくなります。スギ・ヒノキの時期に飛散が重なるハンノキの飛散も続いています。ごく少量ですがイネ科雑草の飛散も始まりました。
 今日、発熱が4日続く方の来院があり、インフルエンザをはじめとする他の感染症が見られなかったことから、胸部レントゲンや血液検査で肺炎の可能性は少なかったのですが、新型コロナウイルスCOVID-19感染の懸念もあり保健所に相談しました。肺炎症状が見られないことから、帰国者接触者外来への紹介は見合わせるとの方針になりました。今後も発熱の経過や全身状態の経過を慎重に診ることとしました。
 新型コロナウイルスの検査法についても、医療関係者への情報提供が始まってます。RT-PCR検査で、・ウイルスは発症1~2日前から検出されうる ・中等症例では7~12日間、重症症例では2週間まで陽性 ・30%の症例では発症5日目から便中でも検出され、中等症では4~5週間まで持続するが、便口感染としての感染力は不明 とのことです。米国CDCの報告では、COVID-19が疑われた有症者210例でnCoV陽性例は11例、インフルエンザやRSウイルスなどの他の病原体検査が陽性であったものが30例でした。新型コロナウイルス感染とインフルやRSウイルス、hMPVウイルス、アデノウイルスなどの他のウイルス感染との鑑別診断は、早期には難しそうです。

 今日より、オンライン受付時間の延長を始めました。受付サイトのサーバーの設定を変更して、オンライン受付される方をお待ちしていました。今日の夕方には、早速、数名の方にご利用頂きました。オンライン受付は、受付や院内で待つ時間の短縮に有用です。当院を再診される方は、ぜひご利用下さい。 
  7日   今日もわが国で、世界で、新型コロナウイルスが拡散しています。ダイアモンド・プリンセス号の姉妹船での新型コロナウイルスの感染。米国はどう対応するのでしょうか?

 来週より、当院のオンライン受付の終了時間を延長することとしました。当院ではこれまで、患者様が多い日には、一度受付してして頂いた後にオンラインで順番を確認して再度来院頂くパターンが多かったのですが、現今の新型肺炎の流行を鑑みて、病院に立ち寄る機会を出来るだけ減らせるようにしたいと思います。再診患者様に限定ではありますが、これまでの月~土曜日の午前のオンライン受付終了時間を、午前10時30分より午前11時30分まで延長、月火木金の午後も同様に午後3時30分から午後5時30分まで延長します。特に夕方に受診される方には有用と考えます。学校帰りや仕事帰りにスマホで順番予約して頂ければ、オンラインで待ち時間を確認して直接来院することが可能です。これまで以上に、「オンライン受付待ち時間確認システム」のiTicketを活用頂ければ幸いです。ただし、初めて受診される方や日曜日に再診する方は、これまで通りの来院して受付する方法でお願い致します。スタッフとも検討しましたが、初診の受付や日曜日の受付は、事務的なキャパシティーの面で円滑なオンライン受付は難しいと判断しました。ご協力宜しくお願い致します。 
  6日   4日に松山市内で新型コロナウイルスの初の発症者が確認されました。30代女性感染者は過去2週間松山市外に出ておらず感染経路は不明です。翌朝には当院にも「当院で患者が出たのではないか」との問合がありました。今回の感染者は、当院は受診していません。松山の、そして当院の新型ウイルスへの対応は新たなステージに入りました。今後ですが、新型ウイルスに感染した方が当院を受診後に感染が判明するケースが発生した場合には、状況によっては私やスタッフも濃厚接触者となり、14日間の休診と経過観察が必要となります。当院でもより一層の感染防御対策が必要となりました。
 医療関係でも、学会や研究会、集会が軒並み中止や延期となっています。当院には幸いまだストックははありますが、医療機関でのマスクや消毒液の供給不足解消の目途は立っていません。トイレットペーパーの不足が起こりオイルショックの時のような状況がまた生まれるとは想像だにしていませんでした。トイレットペーパーは”無いと困るけれども家庭内の少々ストックされていても困らない比較的安価な商品”ですので、物不足の代表的な商品なのでしょう。また、中韓からの入国制限措置の発動で経済的にも新たなステージに入りました。今晩の日経平均先物は2月27日の一番底を超えて下落中です。熱帯地方のシンガポールでも新型ウイルスは拡散しています。一体、世界的な新型ウイルスの終息はいつになるのでしょうか? こんな状態が夏まで続かなければ良いのですが、、
 新型コロナウイルスには二系統の変異株があるとの中国からの報告がありました。こんなに早く変異が進むのでしょうか?  ソマリアで非常事態宣言。バッタの大量発生は東アジアから中東、インドへと迫っています。食糧危機も始まりました。トルコが国境を開放しました。数百万人の難民が欧州に再流入しそうです。中東のきな臭さは終わりが見えません。今日は惨憺たる気分でこれを書いています。
 しかし、様々な対策も出てきています。新型ウイルスの病態や治療に関する論文や報告も目立って増えてきました。迅速診断の検査法も続々と開発が進んでいます。今日から新型コロナウイルスの検査が保険適応になりましたが、実施が可能なのはまだ帰国者接触者外来のある基幹病院だけですが、夏にはクリニックレベルでも迅速診断が可能になるのではないでしょうか。治療法にもブレイクスルーがあるかも知れません。ここ数日では、吸入ステロイドのオルベスコが有効であったとの報告が我が国から出てきました。他の吸入ステロイドと違ってオルベスコはプロドラッグでないから有効なのか? など疑問はつきませんが、急激な肺炎の進行による呼吸不全の進行抑制に対しての有用性は期待できるかもしれません。 
3月  1日   ここ二日の雨でスギ花粉は全く飛散しませんでした。(^-^) 明日以降の雨上がりが今シーズンの最大飛散になるかもしれませんが、暖冬で飛散のピークが早い可能性があることを鑑みると、2月22日~25日が飛散のピークになる可能性が大です。そうなれば今シーズンの飛散は例年の50%弱で、松山で観測が始まった1988年以降では、過去五番目くらいに飛散の少ない年になりそうです。

 今週(愛媛県では4日水曜日)から全国の小中高校の臨時休業が始まります。まるで夏休みが3月に始まるみたいなものです。報道では、新型コロナウイルスの小児の罹患率が低いことや、幼稚園や保育園、地域によっては学童保育は続くことから、感染拡大への効果を疑問視する声もあります。しかし、地域での感染症を長年にわたり臨床の場で追っている私の印象で言えば、冬休みや春休み、夏休みで子供たちの集団生活の機会が少なくなると、感染症の流行は一気に終息します。今回の学校の臨時休業措置は、新型コロナウイルスの流行を食い止める有効な手段と思われます。迅速診断の保険適応にともなって感染者数の報告は一時的に増えると思われますが、武漢のようなパンデミックは阻止できると思いたいです。そう祈っています。 
     
  27日   小中高校の臨時休校処置、政府も思い切った手段に打って出ました。折しも今日、中国広東省では新型コロナウイルスの治療を受けて退院した人の再検査で14%から陽性反応が出たとの報道がありました。「若者は2週間以内に抗体ができるため、陽性反応が出ても感染を広げるリスクは非常に低い」が「高齢者の一部は抗体を作るのに時間がかかるためウイルスを排出し続け感染源になり得る」との見解です。我が国でも女性感染者で検査陰性後の再陽性の報告もありました。全国的な臨時休校が最善か?過剰な措置なのか? 私には判断がつきかねますが、新型コロナウイルスは、潜伏期が長い症例、症状の再増悪時に急激に悪化する症例などがあるとのことですから、旧来のコロナウイルスやインフルエンザウイルスよりは”感染により免疫力が低下する”作用が強いようにも思えます。わが国では、感染経路が不明な感染者が発生した地域を広範囲に封鎖するような大胆な措置はおおよそ取れないでしょうから、政府の判断も適切かも知れません。
 当院にも小中高校生を持つ立場のスタッフがおります。3月に向けての勤務体制の見直しを早急に行わなければなりません。 
  25日  今日は今シーズン初めて午前中からスギ花粉がまとまって飛散しました。今シーズン1回目の大量飛散となりました。花粉症症状の強い方も出始めました。
 インフルエンザはA型が散見される程度でした。今のところB型の集団発生は広がっていないようです。
 新型コロナウイルスの四国での陽性者の報告はまだありませんが、水面下での拡散には注意したいと思います。松山では常々医学関係の研究会や研修会が行われていますが、新型肺炎の流行にともなう研究会の中止のお知らせも届くようになってきました。5月には岡山市で日耳鼻学会総会が開かれる予定です。私も5月15日の参加を予定していますが、全国規模の学会も延期されるかもしれません。 
  24日   新型コロナウイルス肺炎が、イタリアやイランでも広がってきました。WHOのパンデミック宣言も避けられそうにありません。潜伏期が長く感染力が強い今回の新型肺炎、サイトカインストームで若年者でも急激に悪化するケースがあります。新型肺炎の感染者が学校ででれば、学校閉鎖が2週間とされそうです。深刻です。松山でもそのうち陽性例が報告される可能性は高くなりました。当院でも今週以降、ウイルス性肺炎の存在に気を配りながらの診察を行わなくてはなりません。

 好酸球性副鼻腔炎の中等度~高度の患者数は全国で2万人あまりとされています。当院でも、好酸球性副鼻腔炎で鼻茸(鼻ポリープ)摘出術を繰り返す方、好酸球性中耳炎で鼓膜留置チューブを留置しても中耳腔が乾燥しない方など、治療が困難な例が少なくありません。
 阪大耳鼻科が、好酸球性副鼻腔炎の鼻茸形成に関する新たな機序を発表しました。様々な細胞の膜表面に存在している蛋白セマフォリン4(SEMA4D)は細胞表面で刺激を受けて切断され、切断された遊離型のSEMA4Dは細胞間のシグナル伝達にかかわります。研究グループは、SEMA4D濃度が好酸球性副鼻腔炎の重症度に相関していることを明らかにしました。好酸球上に発現しているSEMA4Dが、好酸球の活性化に伴って細胞から遊離し、SEMA内皮細胞や鼻腔の上皮細胞に働きかけ、血管や上皮の結合を緩めて好酸球を通り抜けやすくすることで鼻茸が形成されやすくなると考えられます。グループはさらに動物モデルでSEMA4Dに対する抗体を投与すると好酸球性炎症が軽快するとのデータを得ています。
 難治性の好酸球性疾患の治療に新たな選択肢が増えるかもしれません。研究の進展に期待したいです。

 連休は「国盗り物語」三昧でした。ページをめくる度に、筆者の豊富な知識に驚かされました。司馬遼太郎氏が国盗り物語を執筆したのは、41~43才です。驚くべき資料収集力です。 
  18日   スギ花粉の飛散が本格化しています。季節性アレルギーの注射剤「ゾレア」がマスコミで取り上げられるようになったこともあり、当院での治療が可能かどうかの問合せが多くなっています。全国的にはクリニックレベルで治療を行う施設もありますが、基幹病院耳鼻科での治療が主流です、当院では現時点では、基幹病院への紹介による治療とさせて頂いております。 
  17日   今日はこの冬一番の寒波襲来です。終日雨模様でしたが、スギ花粉の飛散は見られました。15日の土曜日が今シーズン1回目の大量飛散のピークとなりました。今日は花粉症症状の強い方が目立ちました。寒波が緩む明後日以降は再び暖かくなります。今週後半からの2週間、スギ花粉の大量飛散が予想されます。

 全校閉鎖?ほんまかいな、、と思っていた堀江小学校ですが、やはり本当でした。15日~17日の3日間がインフルエンザの流行による全校閉鎖となっています。学級閉鎖、学年閉鎖、学校閉鎖を定めた法律はないですが、告示で「学級等における欠席率が20%に達した場合は、学級閉鎖、学年閉鎖及び休校等の措置をとる」との措置基準があります。堀江小の令和元年の在籍児童数は616人ですので、14日のバレンタインデーには124人以上欠席していたのでしょう。

 今日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が疑われる際の対応について、厚労省は風邪の症状や37.5度以上の発熱が4日以上続く場合に「帰国者・接触者相談センター」に相談するとの指針を発表しました。現在、インフルエンザはA2009年型の流行からB型の流行への移行期です。熱が出て2日以内に病院を受診してインフルエンザが疑われるとインフルの迅速検査が行われることが多いと思います。熱が出始めた直後や時には平熱でも迅速検査が陽性になるケースもありますし、迅速検査の綿棒の擦過の仕方によっても検出率は異なることもありますが、熱が出始めてから24時間後の陽性率3割、48時間後の陽性率8割とのデータもあります。季節性インフルの迅速検査が当初陰性で発熱が4日間続くケースも珍しくありませんので、指定医療機関にはかなりの患者が紹介されると思われます。国はPCR検査を1日3000件超の体制にしますが、それでも検査が回らない事態を危惧します。デンカ生検がインフルのような迅速キットの開発を始めたとのことです。一日も早い製品化と承認が待たれます。
 米国では検査にかかる医療にも高額なことから、A形でないインフルをB型としたり、迅速検査を行わずに臨床症状でインフルと判定して抗ウイルス薬を処方するケースも多いそうです。現在、米国で猛威を振るっているB型ですが、この中に既に新型コロナウイルスが含まれているとのCDCのレポートも出てきました。2009年の新型インフルエンザでは、わが国で初めて患者が確認された以前にも実は患者の発生があったことがその後の調査で明らかになっています。やはりわが国でも、新型コロナウイルスは1月初旬には入ってきていたのでしょうか?
 蛇足ですが、流感の名称について。以前は、スペイン風邪、香港風邪、ソ連風邪との名称でもよばれていました。感染者5億人死者5千万~1億人と爆発的に流行したスペイン風邪の発生源は、実は米国のカンザス州の小都市ハスケルで、当時全米で2番目に大きいアメリカ陸軍基地キャンプ・ファンストンから拡散されたとされています。ところが当時は第一次世界大戦中で米国やロシアなどの交戦国では情報が制限検閲されていました。そんな中で中立国のスペインから初めての感染情報が出たためにスペイン風邪との名称になりました。印象面でスペインにはえらい迷惑な話です。 
  15日   今日は吃音(きつおん、どもり)について取り上げます。
2010年の映画「英国王のスピーチ」は感動的でした。吃音に悩まされていたアルバート王子は、王冠を賭けた恋で有名なエドワード8世の退位に伴いジョージ6世として即位します。平民出身の言語療法士の奔放とも言える治療を通じて、ついにドイツへの宣戦布告での国民を鼓舞するスピーチを成し遂げるという実話に基づいた映画です。私は“実話に基づいた”映画には弱いです。
 吃音の相談は当院でも数年に一度程度でめったにありません。小児科健診や保健婦さんへの相談から言語訓練を受ける流れが多いと思います。当院でも「ことばの教室」の言語療法士の先生に治療をお願いしています。吃音に関してはこれまで標準的な治療方針はありませんでした。この度、国立障害者リハビリテーションセンターが診療ガイドラインを作成することになりました。耳鼻科医としてもガイドラインが作成されれば、判断に悩まずに、適切に対応できると思います。
 吃音は、2~4才で目立ち始めます。同年齢の5~10%に現れ、7~8割は言語能力の発達とともに2~3年後には改善します。しかし、8才で改善しにくくなり、成人の1%で吃音が続くことから、5才時の評価や治療が重要です。幼児期に見られる発達性吃音の7割は遺伝的な素因とみられており、子育ての影響は少ないと考えられます。最近有効とされる治療はふたつあります。 
1)リッカム・プログラム:会話をしながら流ちょうな発話を褒める訓練で、オーストラリアで開発されました。
2)DCM(要求能力モデル)に基づく治療法:言語要求を減らして能力に応じた滑らかな発話を促す方法です。
これらの治療を早期に始められるよう、当院でも言語療法士との連携を密にしたいと思っています。 
  14日   今日も花粉の飛散が続きました。13日の春の陽気で、西日本全域でスギ花粉の本格的な飛散が始まりました。明後日からは今年一番の寒波が襲来するとのことです。松山でも薄っすら雪が積もるのでしょうか。ここ1週間は最高気温の変動が10℃以上になります。気圧の変化も大きくなります。今日は当院でもメニエール病の増悪した方が目立ちました。皆様も体調管理に心がけて下さい。

 堀江小学校が17日に全校閉鎖になります。堀江小学校は各学年3クラスの規模の学校です。この規模で全校閉鎖は最近は聞いたことがありません。また、松前小学校も学級閉鎖になります。松前状学校ではB形インフルの流行による学級閉鎖です。2月9日にはA2009年型による愛媛県のインフルの流行は急減しました。堀江小学校もB型による全校閉鎖でしょうか?

 東京でタクシー運転手の方の新型肺炎への感染が明らかになっていますが、今日の報道では、1月中旬に中国人旅行者と同乗した屋形船で、同僚の人と共に感染した可能性もあるとのことです。新型肺炎はどうやら、潜伏期が2週間以上の場合もあり、その潜伏期間も感染力はあるようですので、政府が湖北省からの入国制限を始める以前から、日本国内で潜伏期の感染の拡散はあったのでしょう。政府の見通しが甘いというのは酷だと思います。新型肺炎の病原性はインフルエンザよりやや強い印象とのこと。抗インフルエンザ薬が普及する前のインフルエンザの流行期のような状態が、これから日本各地で起こりそうです。やはり高齢者や基礎疾患のある方の重症化が心配です。
 インフルエンザのワクチンの型は、前年の中国南部の豚のインフルエンザの流行株も勘案して決められます。東アジアのインフルは、冬にシベリアから飛来した鴨から中国南部の鴨に移り、豚などの家禽類から人にうつると考えられています。中国南部の小規模農家では、人と豚と鳥類が密接に接触して生活する生活様式があります。どうしても毎年、鴨インフル→豚インフル→ヒトインフルへの流行拡散が起こります。今回の新型コロナウイルスもSARSも、やはり野生生物が起源でしょうか? 人工ウイルスが拡散したとの陰謀論もやはり気になるのですが、、

  春立て 鴨の心の いそがしき  子規 
  13日   今日は昼前から春の陽気でした。今日より本格的なスギ花粉の飛散が始まりました。”雨上がりの翌日で暖かい”花粉が飛散しやすいタイミングでした。まだ症状は軽いながらも花粉を感じる方の来院が増えてきました。
  11日   当院スタッフの愛媛マラソンの成績ですが、女子参加者3千人余の中で数十番代でした。凄いです! 初心者で参加した人は、次の日は足が痛くてヒーヒー言っているイメージがあるのですが、スタッフはしっかりとした足取りでした。感心しました。 

 祝日の今日は一日穏やかな晴天でしたが、スギ花粉は観測されませんでした。本格的な飛散は10日後ぐらいからになりそうです。また、1月下旬よりハンノキの飛散も始まっています。ハンノキは街路樹にも用いられている木で、スギ+ヒノキの時期に重なって飛散します。花粉径が小さいことから、咳が目立つ傾向があります。また、果物による口腔アレルギー症候群も引き起こしやすいです。

 新型コロナ肺炎ですが、国立感染研の医師の印象では、インフルエンザよりやや病原性が強く、潜伏期が長くゆっくり発症するそうです。従来のコロナウイルスは冬のウイルス性上気道炎の代表的なウイルスですが、それよりも潜伏期が長いようです。軽い風邪が1週間以上長引いて、高齢者や基礎疾患のある人が急に重症化するイメージでしょうか。潜伏期でも感染力があることから、病原性は強力ではないものの、感染拡散力は強いかもしれません。日本でもジワジワ感染が広がらないか注意する必要がありそうです。東京オリンピック前には終息宣言が出て欲しいです。
 免疫系に変調をきたす人工ウイルスとの陰謀論的な論調も耳にします。クルーズ船の米国人乗客は米軍基地から直接本国に移送する計画があるそうです。米国ではまだ新型ウイルスの分離培養ができていないのであれば、ウイルス検体がなんとしても欲しいでしょう。ウイルスの完全な遺伝子配列が解っても、過去に作られた人工的なウイルスの遺伝子配列が公表できなければ、自然変異か人工的な改変かの確定はできないでしょうから、陰謀論は陰謀論のままになりそうです。 

 P.S. 新型肺炎の潜伏期が最長24日という論文が出ました。政府は検疫期間をどうするのでしょうか? 新型肺炎は再感染する可能性がある、結核のように飛沫感染ではなく空気感染の可能性がある、母子の垂直感染もある、など、新型肺炎がまるでSARSとHIVのハイブリットのようでもあります。新型コロナウイルスの迅速診断キットも開発が進められていると思いますが、従来のコロナウイルスと新型との鑑別が出来るキットの開発は難しそうです。今、松山で新型肺炎が浸透しつつあるのであれば、迅速診断は難しそうです。今日の祝日は、レセコンのユーザー設定の追加と国盗り物語の一気読みで過ごそうと思っていたのですが、、 どうも新型肺炎の情報が気になってしかたありません。

  機能性発声障害、聴覚過敏症など。
  9日   快晴の中、愛媛マラソンが開催されました。私は例年通り”健康的でない”日曜診療を行っていました。(^^ゞ 今年も知り合いの医療関係者の方々が参加しました。また、今年はついに当院のスタッフも大会に参加しました! 明日、みんなの記録を聞くのが楽しみです。

 インフルエンザは、1月末から減少に転じています。新型インフルエンザが秋に流行したことから冬の流行がなかった2010年1月以来の少なさです。今シーズンは流行の立ち上がりが10年ぶりに早かった、記録的な暖冬である、新型コロナウイルスへの対策として国民的にマスク着用や手洗いの徹底が図られた、などで流行が広がらなかったものと思われます。公衆衛生学的な感染予防は有効ですね。
 それでも今日の診察では、学級閉鎖レベルにまでには至らないものの、集団発生した子供たちも目立ちました。4日前には、当院で2家族目となるB型陽性の小学生の来院もありました。これから春に向かって、米国のようなB型の流行には注意したいと思います。

 6日の朝の診察で、朝のNHKの番組「あさイチ」の”声がれ”の特集を見て心配になって来院されたご高齢の方がいました。声帯は加齢や使わないことによって衰えて老化し「老け声」になるとの内容でした。「老け声」という表現は初めて耳にしました。専門的には声帯萎縮、声帯筋の萎縮が高度になったものを声帯溝症といいますが「老け声」とは、言い得て妙な表現のような、少し寂しい表現のような、、でも、判りやすい表現ですので、私も病状説明の際には、こんないい方もありますよ、とお伝えするかも知れません。

  喉頭痙攣、細菌性耳下腺炎、熱性痙攣、頚部リンパ節炎、頚部腫瘍、下咽頭腫瘍など。 
  7日   先週31日早朝に私が見た”チラホラ雪が舞う”が、松山の初雪だったようです。平年より41日、前年より34日遅く、明治23年の観測開始以来最も遅かった昭和29年を5日更新して、これまでで最も遅い初雪でした。4日の立春がこの冬一番の冷え込みとなりましたが、それでも松山の最低気温は2.2℃とのこと。久万スキーランドもメインゲレンデと子供用ゲレンデこそスノーマシンで滑走可能ですが、他のコースは積雪ゼロ、標高の高い石鎚スキー場ですら2日に営業再開です。今年の松山は、”薄っすら雪が積もる”も無く冬は終わるのでしょうか。

 中国やクルーズ船で猛威を振るっている新型コロナウイルスですが、国立感染研によると重症化させる特別な遺伝子は検出されていないとのこと。しかし、重症化しない分だけヒトーヒト感染は広がりそうです。横浜のクルーズ船内での広がりをみても、A2009年型が新型インフルエンザとして世界的にパンデミックで広がった時のような感染拡大は覚悟しなければいけないかもしれません。
 日本では流行拡大が見られずに、1月後半には早くも流行のピークを過ぎたインフルの流行ですが、米国ではB型インフルエンザが猛威を振るっています。今シーズンは既に2200万人が感染し、1万2千人が死亡したそうです。患者数4500万人、死亡者6万1千人に上った17/18シーズンと比べても感染拡大の勢いが強いとのこと。原因は、今年のワクチンがB型に完全に一致しなかったためと言われています。インフルはわが国でも例年100~200人の死者を出しています。やはりインフルエンザウイルスの病原性は格段です。いつ発生してもおかしくないとされる完全新型インフルエンザによるパンデミックには警戒しなければいけません。 
  4日   スギ花粉が毎日飛散し始めました。山口県の飛散開始日が1月29日、新居浜の飛散開始が2月2日、当院は2月3日でした。昨日からNHKの気象情報でも花粉予報が始まりました。NHKも絶妙なタイミングでの予報開始です。
 インフルエンザが全国的には、1月に入り急速に発生が少なくなっています。12月に流行の立ち上がりが早かったことで、A2009年型の流行の終息が早くなりそうです。松山でも、インフルの発生が、このまま注意報レベルのままで警報レベルまで到達せずに終息に向かって欲しいものです。
 1月下旬にはRSウイルスはほぼ見かけなくなりましたが、代わって松前町の保育園幼稚園でヒトメタニューモウイルスの集団発生が見られました。ヒトメタニューモウイルスはRSウイルスの兄弟分のようなウイルスで、例年は3~5月に流行します。昨年末に、市中でインフルエンザが流行すると他のウイルス感染症が抑制されるとの論文を目にしました。今年、ヒトメタニューモウイルスが早くから流行の兆しがみられるのは、暖冬であることとインフルの流行の終息が早いことも関係していそうです。

 新型コロナウイルスですが、大方の予想を超えて感染拡大が広がっています。新型肺炎の病態が徐々に明らかになってきています。潜伏期は当初の見解の14日以内から2~10日に短縮されてきました。従来の人に感染するコロナウイルスより潜伏期が長いのはどうしてかと思っていましたが、どうやら従来のウイルスに近い増殖能のようです。
 私が気にしていた新型ウイルスの遺伝子ですが、1月31日のLancetに遺伝子検査の情報が掲載されました。次世代シーケンシング技術を用いて新型肺炎のウイルスのDNA配列を解析しています。新型コロナウイルス(2019-nCoV)のゲノム配列10個はコウモリ由来のSARS様コロナウイルスににており、、SARS-CoV(約79%)とMERS-CoV(約50%)とは比較的離れていました。系統発生解析から、2019-nCoVはベータコロナウイルス属サルベコウイルス亜属に属することが明らかになったとのことです。ここ10年で商業ベースの技術になった次世代シーケンシングでは、数千から数百万ものDNA分子を同時に配列決定できる技術です。早速、新たな感染症の解明に役立っています。
 また1月31日に、国立感染研が、中国、オーストラリアに次いで新型ウイルスの分離培養に成功しました。治療薬やワクチンの開発にもおおいに有用ですが、インフルエンザで活用されているような迅速診断キットの早期開発にも期待が持てます。
  大いに気になる報道、情報がでています。今日の日経新聞「タイ政府 新型コロナウイルス 抗HIV・インフル薬で症状回復」 、インド工科大学の論文で「新型ウイルスにAIDSに類似した免疫を抑えるたんぱく質が含まれている」。2019-nCoVは免疫機能を低下させるウイルスなのでしょうか? 深刻です。

 
 当院の「椿まつり」期間のツバキです。今冬は12月より咲き始めて、椿さんの指揮には花のピークは過ぎていました。 
2月  1日   二月入りです。暖冬ですが、今日の朝は病院周辺でも短い時間ですが雪がチラホラ舞いました。伊豫豆比古命神社の椿祭りが、昨日から3日間開催されています。毎年、今年の椿さんはいつ始まるのかと、いつも混乱していたのですが、椿さんは旧暦の1月7日~9日の3日間にわたって行われます。近年、旧暦の元日でニュースになるのが、中国の旧正月春節です。中国の春節の休み期間は、元日の前日から1週間ですので、今年は1月24日~1月30日でした。椿さんは1月31日~2月1日です。これからは、ニュースで春節の話題がでれば、その後に椿さんが始まると覚えておこうと思います。

 私は例年、椿さんの時期にインフルエンザが流行し、椿さんとともにスギ花粉が飛び始めるとお伝えしていますが、今年は暖冬のせいかインフルは警報入りまでの流行にはなっていません。スギ花粉の飛散開始も、私が予想していた1月末よりはもう少し遅くなりそうです。松山の過去平均の飛散開始日は2月5日ですが、21世紀の飛散開始日はやや遅くなっています。当院のポールンロボでも、ここ二日は花粉を観測していません。今年の飛散開始日は2月5日前後でしょうか?

 今日は中国某都市から帰国後に発熱した方の来院がありました。保健所に対応方法を相談の上、診察を進めました。保健所も土曜日で休庁でしたが、迅速に電話応対して頂きました。幸い患者様は新型肺炎の可能性はほとんどないとのことから、新型コロナウイルスの検査には進みませんでした。私もホッとしました。

 「麒麟がくる」第二話、早速、盛り上がってきました。やはり戦国大河は製作費がかかっている感が半端ないです。当初は戸惑った画面の色彩ですが、合戦シーンの色彩にもすぐに慣れてきました。斎藤道三を演じる本木雅弘さんの怪演には釘付けでした。お茶に毒を持って娘婿の若き守護を容赦なく殺害です。本木さんがCMキャラクターを務めるサントリーの緑茶飲料「伊右衛門」まで、粋な公式ツイートを返しています。私は司馬遼太郎氏の戦国4部作の中で「国盗り物語」だけは読んでいません。この物語の主人公は、道三、信長、光秀とのこと。早く読みたくなりました。 
     
  31日   昨日と今日の午前で、市場からマスクが忽然と無くなりました。病院関係者からは「医療機関までマスクが調達できないとは、行政なんとか対応して」との悲鳴も聞こえました。当院でも地元の医薬品卸さんや医療機器卸さんに注文をかけましたが、朝一には注文を受付けますとのことだったのが、昼には、納入できません、次の納期は判りませんとの返事です。聞けば、マスクの多くは中国で生産されていることから日本に入らなくなっているそうです。供給不足のメカニズムに合点がいきました。ネットでは、医療機関がよく使う卸値300~400円のひと箱50枚入りのマスクが、8000円前後で売られています。それも、ほぼ全て売切れです。
 うる覚えですが、オイルショック時のトイレットペーパー不足の騒ぎがNHKのプロジェクトXで取り上げられていました。発端は、大阪千里のスーパーマーケットで、特売チラシのトイレットペーパーが無くなったところから、うわさがうわさを呼んで、次の日には、行列ができてもすぐ売り切れになり、この噂が全国に瞬く間に広がって、全国のスーパーで争奪戦がおこった、、の経過だったように記憶しています。
 新型コロナウイルスによる集団発生は、SARS(重症急性呼吸器症候群)が前例としてあります。2002年11月16日に中国広東省で非定型肺炎が報告されたのが最初で、4月16日に新型コロナウイルス(SARS-CoV)が特定されました。報告症例数は8096人で、774人が死亡しています。7月5日に終息宣言が出されました。元のコロナウイルスは冬季に流行する代表的な低病原性のウイルスです。SARSも春からは激減して、発生から7ヶ月半で終息しました。今回の新型肺炎も、暖かくなる4月には流行しなくなっていると私は予想しますが、さてどうでしょうか? その頃には、マスクも余り過ぎている気がします。
 コロナウイルスの大きさは30-50nmです。医療用のサージカルマスクの網の目は5μm、N95マスクでも300-400nmほどの網目ですので、ウイルスは容易に通過してしまいます。マスクが感染予防に有用なのは、ウイルスの侵入を防ぐからではなく、感染者のくしゃみや咳からの飛沫感染の減少や、感染者が自身の飛沫を手に付着させて周囲の壁や家具に付着させてしまうのを防ぐ意味合いの方が大きいと思われます。そうであれば、昔ながらの綿布で作られたマスクを、洗濯した上で、医療機関ならば消毒用サルコールを希釈させたものに浸した後に乾燥させたり、家庭であれば台所用のアルコールスプレーを噴霧して乾燥させた後にリユースしてもそれなりの効果は得られると思います。最悪、マスクが手に入らなければ、手作りのマスクのリユースもありでしょう。
 今、国立感染研の疾患症情報で「SARS」を勉強しています。厚労省からは「新型コロナウイルスに対する検査への対応」も送られて来ました。血液検査は保健所に依頼するとして、SARSの場合では、「一般的な血液検査で特異的なパラメーターはないものの、無症候の場合でもほとんどの患者で、最も早期で第3~4病日の早期に胸部レントゲンやCT上に変化が見られる」とされていました。「典型的な所見では、細葉の変化の所見や斑状 影が片側の末梢肺野に始まり、陰影の増多またはすりガラス様陰影へ進行する。移行性の陰影もある。さらに進行した病期では、時に自然気胸、気縦隔、胸膜下 線維症や嚢胞性変化などを含む所見がみられることがある」とのことです。当院でも、ウイルス性肺炎が疑われる場合には、早期に胸部レ線を確認し、呼吸器内科や保健所と連携したいと思います。 
  30日   当院のインフルエンザは年初より減少しています。今回のA2009年型は、12月の流行入りは早かったものの、昨年9月より徐々に流行が拡大した影響のためか、はたまた1月が暖冬のためか、1月下旬の流行拡大は見られていません。中学校や高校での学級閉鎖もありません。ホッと一安心といったところです。
 しかし、新型コロナウイルス(2019-nCoV)の拡大が凄いことになっています。新型肺炎との表現も出ています。今夜のWHO緊急委員会が「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言するかどうかを注目しています。
 今日、医師会より「感染の疑いのある患者は受診する前にまず電話等での確認をお願いする」ポスターの原案がFAXで送られてきました。今流行しているA2009年型が新型インフルとして恐れられていた際と同じような文面です。ドラッグストアからはマスクが売切れになっています。まるで、オイルショック時のトイレットペーパー騒ぎを彷彿させます。ネット通販を覗いてみるとマスクの値段は通常の数倍~十数倍になっており、しかもほとんどが売切れで在庫待ちです。マスク製造会社の株価は青天井です。
 医学雑誌LANCET電子版に24日、新型肺炎についての中国人医学者からの論文が掲載されました。(Clinical features of patients infected with 2019 novel coronavirus in Wuhan, China. Chaolin Huang et al, LANCET, Jan 24 2020) 私は当初の情報では、新型と言っても”旧型”の一般的なコロナウイルスのような病原性で、重篤化するのは高齢で基礎疾患のある症例だけだと思っていましたが、この論文をみると、患者総数の内で65才以上は2割で、最年少18才から上の年齢に広く分布しています。入院患者の内でICU管理されたものは、65才以上では半数に及びますが、65歳未満でも3分の1はICU管理を余儀なくされています。青壮年層でも重症化するのです。
 この論文では、最初の患者は12月1日に発生しています。海鮮市場の閉鎖の1ヶ月前です。入院患者41例は発症から平均7病日(日目)で入院、総数の51%が8病日に呼吸不全化、27%が急性呼吸窮迫症候群(ARDS)化、39%がICU管理となっています。入院と判断されるのは恐らく、発熱、摂食不良などで全身状態が悪い外来患者で、胸部X線で浸潤影などの肺炎の所見があり血中酸素飽和度が低下して呼吸不全が始まったとされる時点ですので、外来患者の中でも重症例だと思いますが、それでも入院患者の4割がICUに入らざるを得ないのは驚異です。
 2009年の新型インフルエンザ(H1N1pdm09)も、4月に最初に発生したメキシコがお祭り期間で、米国や欧米から観光客が多く集まっていたことがその後のパンデミックに繋がったとされています。新型インフルではその後、4月25日には早くもWHOの国際保健規則が定める「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」に史上初で決定し、WHOの緊急委員会は4月27日に世界的流行の警戒水準をフェーズ3からフェーズ4に引き上げ、4月29日にはフェーズ5に、6月11日にはフェーズ6まで宣言されました。今回の新型コロナウイルスは、インフルエンザほどの感染力はないと思いたいです。緊急事態は宣言されてもフェーズ4程度で収まることを願っています。
  27日  今日、当院で今シーズン初めてB型インフルの方が来院されました。1月上旬の愛媛のウイルスのタイプは、A09年型98.9%、B型が1.1%でした。今シーズンは、1~2月にA09年型が、3月にB型が流行するパターンになるかもしれません。今後の動向に注意したいと思います。
 マスコミ報道も広がってきたためか、「今年は花粉の飛び出しがはやいんですね」と、初期治療のお薬を希望する方が増えてきました。 
  26日   徳勝龍関、優勝おめでとうございます! 優勝インタビュー、インタビュアーの方も含めて素晴らしかったです。松山の街角では、マラソンの練習をする方が目立ってきました。愛媛マラソンも2週間後に迫ってきました。中国の新型肺炎、予想以上にシビアです。潜伏期が9-10日、感染で免疫機能が落ちるとの報道もあります。”旧型”コロナウイルスは、一般的な普通の風邪を引き起こすウイルスですが、”新型”の遺伝子解析の結果が待たれます。
 今日の診察では、明らかにインフルエンザという方が目立ちました。松山も今週には警報入りしそうです。僅かですがB型の報告もありますので、当院でも”インフルの二度罹り”にも注意します。 
  22日   山口県のスギ花粉の初観測日は1月1日、当院は13日、新居浜ではまだのようです。今日は一日小雨模様のため花粉の飛散はありませんでした、昨日は2個観測しています。元日からの積算気温が300℃を超えると飛散しやすいとの研究があります。記録的な暖冬のせいでスギ花粉が毎日観測される飛散開始日は早まりそうです。私の飛散開始予想を、当初の「2月初旬」から「1月末」に変更しました。さて、予想は当たりますでしょうか?

 5年あまりで情報収集のコンテンツはテレビからスマホに急激に変わりつつあります。総務省の情報白書では、18年のテレビのリアルタイム視聴時間(平日)は60代が248.7分となった一方で、10代は71.8分と若者のテレビ離れが顕著です。博報堂DYメディアパートナーズによると、メディアへの接触時間は10年にテレビが172.8分、携帯電話スマホが25.2分だったのが、19年にはテレビが153.9分、携帯スマホは117.6分と、スマホの使用時間が急激に増えています。テレビは高齢者のコンテンツになりつつあります。テレビで視聴率を稼ぐには、この冬クールのようにTVドラマは、刑事物か医療物が主流にならざるを得ないのでしょう。
 先日、赤ちゃんの診察の横で、上手にスマホをフリックやスワイプして見ているお兄ちゃんがいました。お兄ちゃんは3才ぐらいでしょうか。現在20~30才の世代をデジタルネイティブなミレニアル世代と言いますが、今の子供たちは生まれた時からスマホ世代です。絵本を読んでもらったりビデをを見るよりも、スマホのYouTubeであやしてもらう世代になりそうです。これはこれでいいのですが、ただ一点、おじさんは近視や斜視の早期化が心配です。


 このホームページの病気紹介のページ「なぜなに耳鼻科の病気」ですが、極力、Up Dateするように心掛けています。と言っても追いついてないこともありますが、、 アレルギーの記載と抗菌薬の記載を一部更新しましたので、このページでもご紹介します。

 アレルギー免疫学は病態解明も治療もここ10年さらに進歩しています。従来は下等動物は自然免疫、脊椎動物は獲得免疫が働くとされていましたが、人間も含む脊椎動物も、自然免疫から獲得免疫への橋渡しがあって免疫機構が形成されていることが解りました。自然免疫を担う樹状細胞のToll様受容体、制御性T(Treg)細胞、ゲノム編集技術であるCRISPR/Cas9の発見による遺伝子研究による抗体医薬品の開発、そして2010年には2型自然リンパ球の発見により自己免疫疾患とアレルギー疾患の関連性やアレルギー性炎症の病態が飛躍的に解ってきました。この分野の進歩はうれしいことに日本の研究者の働きが大きいです。抗体クラススイッチの制御機構や癌免疫療法を開発した本庶 佑氏ははノーベル賞を序章しましたが、その他にもノーベル賞候補者が日本には控えています。制御性T細胞を発見した坂口志文氏は昨年文化勲章を受賞しました。石野良純氏はCRISPR/Cas9の基礎となったDNAの繰り返し配列を見いだしました。審良静男氏はToll様受容体のノックアウトマウスを作製して9種類のToll様受容体とそのリガンドを同定しました。岸本忠三氏はアレルギー性に重要なサイトカイン、インターロイキン(IL)6を発見しました。この分野では京大と阪大の功績が凄いです。2型自然リンパ球は理化学研究所のグループが発見しました。以上の知見や、粘膜や皮膚が障害されていると抗原が侵入しやすいという知見を入れて、以下のようにアレルギーの項目を更新することにしました。
 
  <当院におけるアレルギー性鼻炎の対処法>
 ほこりや花粉などの異物蛋白(抗原)が、湿疹や感染した粘膜から侵入し、自然免疫を介して獲得免疫に記憶されて感作が成立します。IgE抗体が産生されるとともに、自然リンパ球や好酸球も活性化されてサイトカインも産生されます。抗原が再び侵入した際にIgE抗体を介した反応や2型炎症が引き起こされて、くしゃみ,鼻水、咳、痰がでます。刺激が続くと,細小持続性炎症化し、アレルギー性炎症の悪循環(リモデリング)がおこります。また体調や気温・気圧の変化といった非特異的な刺激に弱くなります。特に自律神経の影響で朝方や季節の変わり目に気道過敏症が目立ちます。これらの気道アレルギーがあると、かぜをひきやすく、また長引きやすくなります(感染後気道過敏性亢進など)。また中耳炎、副鼻腔炎、気管支炎を続発しやすくなるので注意が必要です。
  <当院で行う主なアレルギー検査 鼻汁好酸球>
 鼻粘膜上の細胞成分を観察して、抗原抗体反応、2型アレルギー反応の存在を類推します。好酸球は風邪などの一般的な炎症ではわずかしか見られません。細胞障害作用とアレルギー性炎症の悪循環(リモデリング)に関与します。以下の病態で出現します。1)ハウスダストや花粉による抗原抗体反応 2)30代以降の女性に多い2型自然リンパ球を介した2型炎症で、増悪すれば鼻ポリープ形成性の副鼻腔炎、気管支喘息を合併する 
  <小児・女性・高齢者の花粉症の特徴>
 生後3-4ヶ月までに非病原性細菌のエンドトキシンに暴露する機会がない清潔な環境だとアレルギーを抑制するTH1細胞が増えず、アレルギーを増悪させて2型自然リンパ球やサイトカインを活性化するTH2細胞が増える(衛生仮説)、清潔な衛生環境、乳児期の抗菌薬の服用、腸管免疫機能の低下、動物性蛋白の摂取が増える、環境汚染物質(PM2.5など)の増加で、1960年代から急速に発現頻度が増え、発症年令が低年齢化しています。
 アレルギー体質=異物蛋白の抗体産生力が強い体質の小児は、早ければ6ヶ月で食物、1才でハウスダスト、2才で花粉へのアレルギーを発症します。小学生の2割に雑草花粉3割にスギ5割にハウスダストの抗体が、20才台の7割、妊婦の8割に何らかの吸入性抗原の抗体があるとの報告があります。成長期は抗体産生力が強いので、15才前後まで徐々に症状が強くなる傾向があります。また、女性はホルモンの影響で妊娠後半期や出産後に症状が強くなる場合があります。一般的な花粉症の初発年齢は小学生~40歳代ですが、まれに60歳代でも発症します。逆に50歳代以降では年齢的な反応の減弱化によりアレルギー反応は弱くなり(アネルギーanerugy)ます。
  <アトピー体質、アレルギーマーチとは>
 IgE抗体を過剰につくる体質のことです。ある程度の量に達した段階で粘膜が過剰反応を起こすと発症します。親からの遺伝と環境の二つの要因によります。アレルギーが発現する部位が成長とともに変化していくことをアレルギーマーチといいます。乳児湿疹の傷から食物抗原が侵入して抗体が作られやすいこともあり乳児期には食物に反応するアトピー性皮膚炎、食物アレルギーが目立ちます。 2才前後からはハウスダストに反応してアレルギー性鼻炎、気管支喘息になりやすくなります。さらに小学生頃より花粉症としての鼻炎や結膜炎が目立ってきます。

 抗菌薬に関しては、抗菌薬の不適切な使用を背景として薬剤耐性菌が世界的に増加する一方、新たな抗菌薬の開発は減少傾向にあることが課題となり、2015年世界保健総会で薬剤耐性(AMR)に関するグローバルアクションプランが採択されました。2017年に厚労省が抗微生物薬適正使用の手引きを発表した。また、1989年に発表された不衛生な環境の方がアレルギーが発現しないという衛生仮説の支持が拡大しています。このような視点で、抗菌薬の項目を更新しました。

  <小児の抗生物質(抗菌薬)について>
 飲み始めでは薬が合わないために起こるアレルギー(湿疹,かゆみ,下痢など) が無ければ心配はありません。大人は胃を荒らすこともありますが,小児ではまずありません。抗菌薬特有の副作用としては,以下の3点に注意してください。
  下痢-腸内細菌を乱すことによる(特に血便には注意!)
  カビの繁殖-皮膚や粘膜の雑菌が死ぬ⇒雑菌を殺す白血球が皮膚にいなくなる⇒隠れていたカビが増殖する(抵抗力のまだ十分でない乳児)
  腸内細菌の乱れー腸管免疫の機能低下によりアレルギー反応を悪化させる可能性が指摘されています
 抗菌薬で一番の課題は、抗菌薬が効かない耐性菌の存在です。2016年の伊勢志摩サミットでも議題となり、政府は抗菌薬の投与を3割削減するとの目標を打ち出しました。細菌は分裂時の遺伝子変異により抗菌薬が効かなくなる耐性を獲得します。1964年にはメチシリンというセフェム系抗菌薬に耐性の黄色ブドウ球菌が出現、1996年にはバンコマイシン耐性のブドウ球菌が出現、2016年にはコリスチンというカルバペネム系の中でも最後の切り札とも呼ばれる抗菌薬への耐性菌が米国中国欧州で見つかりました。耐性菌は養豚養鶏や魚養殖に用いる抗菌薬や、人体にわずかに存在する抗菌薬耐性菌が生き残り過増殖することによる広まるとされています。中耳炎などの細菌感染の治療に際しては、細菌検査で耐性菌の存在を確認しながら、有効な抗菌薬を十分な量で充分な期間服薬することが望まれます。2010年代に入り我が国では小児用内服抗菌薬の新薬が2種類発売されました。このおかげで、セフェム系耐性菌が蔓延して治りにくくなった小児中耳炎が以前よりも治り、その結果、鼓膜切開の施行回数が全国的に減ったことが保険統計上も確認されています。世界的な視点で薬剤耐性菌の発生の助長には注意しながら、個々人の細菌感染に対しては、耐性菌の有無を確認しながら、病原菌のしっかりとした除菌を目指して、中途半端でないしっかりとした抗菌薬の服用が必要です。
 二番目の課題は、乳幼児が抗菌薬を服用することによってアレルギー体質を増強させる懸念です。生後3-4ヶ月にエンドトキシン(非衛生環境のマーカーである環境細菌由来の物質)の多い環境で育つとアレルギー疾患の発症が抑制されるという衛生仮説が支持されています。生後2才までに抗菌薬使用歴があると5才時にアレルギー疾患があるリスクが高いことを示唆するデータを2017年にわが国の国立育成医療研究センターが発表しました。今後の研究課題ですが、生育期に抗菌薬を服用すると腸管免疫の機能低下が起こる危惧もあります。
 よく飲み続けると効きが悪くなると心配される方もいますが、病原菌が消失したのに漫然と同じ薬を長期に飲み続けると他の細菌が増殖して菌交代現象が起こる問題、体内にわずかに存在する耐性菌のみが残って過増殖する耐性菌増殖の問題がありますが,耐性菌の市中での蔓延は、ウイルス感染による一般的な風邪の初期に二次的な細菌感染の予防のためとして抗菌薬を全国的に頻用したために増加したものと考えられています。耐性菌が原因で難治性反復性中耳炎になった場合には、中途半端に効きの悪い抗菌薬を服用しても効果は期待できません。有効な抗菌薬を、十分な量で十分な期間服用する必要があります。「鼻水が止まったから」「元気で痛みもないから」と自己判断で服薬を中止しないようにして下さい。
 2017年に国は抗微生物薬適正使用の手引きを発表し不用意な抗菌薬の処方を行わないよう指導しています。しかし、2018年でも1才児の15人に1人が抗菌剤を内服中とのデータがあります。私も「必要な場合に限り処方する」適正使用を心がけます。


 ここ1週間の私のマイブームは、雑誌「月刊エアライン」です。
 私も以前と比べて、フラッと本屋さんに立ち寄る機会が少なくなってしまいました。特に私には、フライブルク通り(松山以外の人には、なんでそんな名前の通りがあるのと怪訝に思われる方もおられるかもしれません。松山市とドイツのフライブルク市が姉妹都市で、この通りに入り口のある松山総合公園の頂上にはドイツの古城を模した展望塔があります。松山は中心部を見上げると松山城が、横を見るとドイツの古城が見られます。その昔には景観論争があったとのことです)にあった宮脇書店が昨年閉店してしまったのが大きいです。残念です。
 久方ぶりにある本屋さんを散策していて目に留まったのが「エアライン」です。航空機や空港、航空管制のメカニズムが、マニアックにして、かつ分かりやすく特集しています。久々に雑誌にはまりました。県や市の図書館には残念ながら蔵書されていなかったので、思わず、アマゾンでめぼしい古本を注文してしまいました。こんなんことをしているから本屋さんが減るのですね、、 (*_ _) 
  19日   センター試験が終わりました。昨日の朝は、試験会場である愛媛大城北キャンパスに向かう受験生を目にしました。当院にかかっている受験生達の顔が思わず浮かびました。心の中でエールを送りました。共通一次試験、センター試験の期間は雪が降るイメージが強いのですが、今年の試験は全国的に雪もなく穏やかな天候で良かったです。当院でも例年、試験直前にインフルエンザを発症して対応に追われることがおおいのですが、今年のセンター試験では試験に影響する受験生はおられませんでした。ホッとしています。中学受験とセンター試験は終わりましたが、これから私立大学入試、高校入試、国公立二次試験と受験シーズンは続きます。受験生のみんなの健闘をお祈りしています。

 センター試験で雪がないと述べましたが、今年の暖冬は凄いようです。これまでのところ東日本の平野部の積雪が例年の1%、西日本は0%です。富山国体のスキー予選が雪がないために長野での開催に変更されました。北海道道南のスキー場も雪不足で、日高からトラックで雪を運んでいます。近年、東北地方の温泉地は冬の予約がとれません。香港や台湾など雪のない地域の人が、雪の情緒を求めてツアーでやってくるそうです。しかし、今年は雪不足のためにキャンセルが続出しています。
 暖冬の影響は、スギ花粉の飛散にも影響しそうです。松山の飛散開始日は、過去最も早い日が1月17日でした。過去最も遅い日がバレンタインの2月14日です。昨年も2月14日でした。この暖冬のせいで飛散開始日は早まるかもしれません。私も予想を、2月初旬から1月末に変えたいと思います。ポールンロボの飛散データのグラフの当ホームページへの掲載を始めました。スギ花粉症の方の予防対策に活用頂ければ幸いです。

 難渋していたレセコンの移行作業ですが、ようやく完全移行に近づいています。導入前は、後継機種なので移行はスムースと高をくくっていたのですが、とんでもありませんでした。最新のレセコンの方が格段に機能が増えています。総合病院に対応して複数科、複数医師の診察に対応。電子カルテや検査データとの統合。介護保険、労災保険との連携。レセプトチェック機能の高度化。など、登録診療データや病名データ、出納情報の移行などで特別に変更を加えようとすると、ソフト内で迷子になってしまいます。私も分厚いマニュアルを読んで、どうにか頭の中に地図が出来て、対応のポイントが少しずつつかめてきました。企業のソフトを開発するシステムエンジニアは、ソフトの開発以外にも、バグの修正や機能の変更などで、時間に追われて大変だそうです。銀行の勘定系システムの移行には千億円単位の費用がかかるのを知ってビックリした覚えもあります。当院で使うレセコンでさえこれだけ複雑になっているのですから、大企業のソフトは凄いことになっているのでしょう。

 大河ドラマ「麒麟がくる」を見ました。私は「篤姫」で日本史に興味を持つきっかけを持ち、「龍馬伝」「平清盛」「軍師官兵衛」「真田丸」「西郷どん」は毎週楽しみに見ていました。「いだてん」は最初からパスでしたが、、今回の番組では、緑色を中心にギラギラした映像への違和感から始まりました。初のフル4K撮影で、BS4KではHDR、5.1chサラウンド放映とのこと。初期の4KテレビでHDRからSDR変換のために画面が暗くなっていましたので、その影響とも思いましたが、NHKが意図して効果を狙っているのでしょうか? 「平清盛」ではわざと色調を薄くしていましたが、今回はどのような理由があるのでしょう。また、衣装が色鮮やかなのにも違和感がありましたが、これは、チーフ・プロデューサーによると「戦国時代はくすんでいたのかと思っていたら、実は派手な色使いを取り入れた時代だったということで、そこのリアリティを取り入れて、色鮮やかな衣装を着ています」とのこと。色々な時代考証の背景があるのですね。 
  16日   中国重慶市で発生した新型コロナウイルスの日本国内で初めての感染者が確認されました。感染者は重慶市で感染発症したようです。今後、ヒトーヒトに易感染するタイプへの変異が起こらないことを期待しています。

 インフルエンザは1月5日に宇和島市で警報レベルに、12日には愛媛県内全域で注意報レベルとなりました。先週の県内のタイプは、A型98.5%、B型1.5%でした。年末年始の当院で検出したインフルは全てA型でしたが、B型の存在にも注意したいと思います。A型のほぼ全例がA2009年型と思われますが、昨シーズンは1月後半から流行の主体がA香港型になりました。当院では、まだインフルの二度罹りは見られていませんが、これから2月に向かってA2009年型とA香港型の同時流行や、3月のB型の流行にも注意したいと思います。
 年末年始は例年以上に溶連菌咽頭炎が目立ちました。溶連菌は”溶血性”レンサ球菌です。典型的な咽頭所見は点状出血斑で強い咽頭痛を伴います。しかし咽頭痛は強いものの典型的な咽頭所見が無く、パッと見、インフルエンザ様のびまん性レース状の発赤所見だけの場合もあります。このような場合には、迅速検査でようやく感染が確認できます。逆に、迅速検査で溶連菌陽性となった場合でも必ずしも溶連菌が病原性を示さない場合もあります。病原性の乏しい健康保菌者にウイルス感染が重複している場合などがそうです。溶連菌が病原性を示して人体に障害を及ぼしているかどうかは、症状や局所所見を総合的に勘案して判断します。病原性を示している場合には、腎炎の続発の予防の意味も含めて抗菌薬による治療を開始します。
 年末に、ある保育園で手足口病の流行がありました。昨年7月に1ヶ月に渡って長期的に大流行した手足口病ですが、過去にも年に複数回流行したこともありました。冬に小流行する場合もありました。当院では今冬まだ手足口病は診ていませんが、夏の代表的な感染症であるエンテロウイルスによる手足口病やアデノウイルスの存在にも留意して診察を進めたいと思います。

 当院のポールンロボは1月10日より稼働を開始しました。当院での花粉初観測日は全国的に強風の吹いた成人の日13日でした。ウェザーニュースCh.でのポールンロボデータのリアルタイムでの公開は1月下旬からとなります。
 ここ数日「花粉症で、、」と受診された方のほとんどは、ハウスダストアレルギーなど他の過敏症をベースにウイルスを中心とする急性上気道炎を起こしているケースでしたが、1月下旬からは少量のスギ花粉の飛散にともなって徐々に鼻粘膜が過敏になる方も出てきます。最近のアレルギー学の考えでは、一度、高度に抗原に暴露すると「最小持続性炎症」が続き、少量の抗原暴露でも症状が出やすくなるとされます。スギ花粉がある程度の量で飛散して鼻粘膜で一度アレルギー性炎症が起こると、各種のサイトカインが遊離されて症状が続きやすくなり抗アレルギー薬が効きにくくなります。スギ花粉シーズンに最小持続性炎症化するのを防ぐ意味でも、本格的に花粉が飛散する前からお薬を服薬するプロアクティブな初期治療が有効です。今シーズンのスギ花粉の飛散数は少ないと予想されてますが、このまま暖冬が続くと、花粉開始は例年よりやや早く2月初頭になる可能性があります。スギ花粉症の初期治療の開始時期としては、2月初頭をお勧めします。
 今シーズンのスギ花粉症へのレーザー治療を希望される方も、12月下旬から増えてきています。レーザー治療は、花粉飛散が本格化する前に行いますので、1月中の治療をお勧めします。スギ花粉への舌下免疫療法SLITの開始は、シーズン中は行いません。花粉飛散期に始めると、過剰反応を起こす可能性があるからです。スギ花粉へのSLITは5月より開始します。昨年よりスギ花粉とダニに対するSLITを同時に行う”dual SLIT”も行われるようになりました。dual SLITを希望される方で、スギ花粉症が軽度な方は、まず春にはダニに対するSLITから先行して始めるとよいでしょう。 
  10日  年始の診察も本格化しています。8日未明には暴風雨でした。春一番のような気圧配置だったそうです。ビックリしました。
 レセコンの更新ですが、当院ではよりによって年末年始の忙しい時期に機種変更したことから難渋してしまいました。しかし何とか12月分のレセプト提出を無事終えました。当院の事務スタッフのみんなには本当に感謝です。

 年末年始の感染症の流行状況は定点医療機関が休診であることもあり集計されませんので、類推するしかないのですが、松山では5年振りにインフルエンザの多いお正月休みだったようです。しかし5年前の大流行程ではなかったようで、私もホッとしています。5年前は救急病院で10時間以上の待ち時間のケースもありましたが、今シーズンは私が確認した中では4時間待ちが最長でした。お正月明けに、当院にも家族7人が全員インフルを発症したご家庭もありました。大変なお正月だったと思います。
 8日に3学期入りで例年以上にインフルの流行が拡大することを心配していましたが、今のところ、私の耳に入る情報では新学期早々に大流行している学校はありません。現在流行しているタイプは、ほとんどがA2009年型と思われます。昨シーズンは、年末から1月上旬までA2009年型が例年以上に流行していたところが、1月後半にはA香港型が急に大流行して1月20日前後の週には、週間単位で全国集計で過去最多の患者数でした。幸い、愛媛は全国で5番目に患者数が少ない県でした。今シーズンも、流行タイプの変化には注目していきたいと思います。
 国立感染研の1月9日更新の抗インフルエンザ薬耐性株検出情報では、A2009年型H1N1pdm09でタミフルに2.2%、点滴薬のラピアクタに2.2%でした。ゾフルーザ、吸入薬のリレンザ、イナビルへの耐性株は報告されていません。また例数は少ないものの、A香港型H3N3への耐性はいずれの薬剤にも見られていません。前シーズンにA香港型で小児での薬剤耐性誘導が報告されたゾフルーザですが、今のところ今シーズンのA2009年型びはゾフルーザよりタミフルの方が耐性が目立つ状況になっています。今シーズン、私は主にタミフルとリレンザ、イナビルを処方していますが、今後の耐性株の状況によっては成人ではゾフルーザの選択も検討したいと思います。

 当院では年始以降、インフル以外にも、溶連菌咽頭炎、アデノウイルス感染症、感染性胃腸炎、伝染性紅斑、マイコプラズマ感染症、流行性耳下腺炎など多彩な感染症が見られます。近しい家族にヒト・メタニューモウイルスや手足口病が出たのと患者様からの情報もあります。流行する感染症ではありませんが、伝染性単核球症も見られます。病原体が確定できず発熱が1週間続く方もおられました。適宜、総合病院の内科と連携しています。

 スギ花粉は3週間後前後には飛散開始日を迎えます。昨年12月に季節性アレルギー性鼻炎に適応が拡大された抗体医薬のゾレアですが、花粉シーズンの初期の2月からの注射の開始が推奨されています。どのような施設で治療を行うのか? 当院からは県内の耳鼻科基幹病院に紹介して治療するのか? まだ耳鼻科の臨床医は手探りの状態です。
 今日の夕刻に、花粉観測ロボット、ポールンロボを設置しました。設置者専用サイトで確認したところ、正常に稼働を始めました。またウェザニュースのホームページには花粉ch.は掲載されていませんので、皆様に花粉飛散データをお届けできるのは1月下旬になると思います。 
1月 1日   新しい年を迎えました。本年も当院を宜しくお願い致します。当院を受診される方々が、1年間健やか過ごせますよう、私自身も健康に留意しながら、今年1年微力ながら診察に励みたいと思っております。

 今年は東京五輪の年、皆様が、日本が力強く前進することを祈念しています。しかし、新年早々ではありますが、私は、国際政治・国際経済・国内経済、、何か大きな波乱が起きそうな漠とした不安を感じています。不安が稀有に終わりますように、、

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山口耳鼻咽喉科クリニック

院 長 山 口 幹 夫

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