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当院は、耳鼻咽喉科、気管食道科、アレルギー科を専門とし、地域医療に貢献します。

TEL. 089-973-8787

〒790-0045 愛媛県松山市余戸中1丁目2-1

今月の疾患情報

1) ’99年9月のホームページ開設以来の「今月の疾患情報」のまとめへのリンクをコンテンツ欄にリンクしています。当院の月別の疾患情報を通して、耳鼻咽喉科外来の1年の様子が伺えると思います。ぜひご覧下さい。ブログ風ですが、ブログサイトが普及する以前からの当ホームページオリジナルの形式です。(^^)/
2) ’02年9月より疾患情報を復活させています。(^。^) 以前のスタイルとはちょっと趣を変えて、ショートコラム風にその時々の当院の診察室風景をお伝えします。時には、松山のチョットした風物も紹介出来ればと思っています。
 
  27日   今日は一日雨模様で花粉は飛びませんが、ここ数日でヒノキ花粉の反応が強かった学生さんや社会人の方の来院がありました。スギは例年よりやや早く飛散数はごく少量になっていますが、ヒノキが3月19日~26日にかけてやや大量に飛散しました。スギ同様、ヒノキの飛散時期も早まるものと思われます。今回の飛散が今シーズンのピークとなる可能性もあります。

 新型コロナにBCGワクチンが有効との報告がオーストラリアの小児医療研究所から出されました。エイズ治療薬が有効、抗インフルエンザ薬が有効に続いて結核予防ワクチンのBCGの報告です。やはり新型コロナウイルスは、従来のコロナウイルスと違ってなにか変です。
 阪神の藤波選手はじめ3名の選手のコロナ感染が発表されましたが、症状として嗅覚と味覚の低下を訴えました。今日のNHKニュースでは、他のコロナウイルス感染者でも同じような症状のある例を取り上げていました。ある20才代の女性は、PCR検査陽性の前日から10日間ほど、強い嗅覚と味覚の低下を自覚したとのことです。これは耳鼻科関連の話題ではないかと、思わず耳をそばだてました。一般的なウイルス性上気道炎でもインフルエンザでも嗅覚低下や味覚低下は見られますので、必ずしも新型コロナに特異的な症状ではありません。嗅覚や味覚が低下する機序としては、脳内の中枢の異常というよりは、粘膜表層の障害が大きい場合に引き起こされると考えられます。新型コロナは気道上皮を、インフルエンザよりは緩徐ながらも、高度に障害する特徴があるのだと思います。徐々にかつ高度に気管支粘膜を障害しながら広がると考えれば、新型コロナが重症のウイルス性肺炎を引き起こすことも理解できます。
 細胞壁がある細菌感染では、その部位で強い障害を引き起こします。肺炎球菌による中耳炎、副鼻腔炎、肺炎は強く組織を障害します。細胞内寄生するインフルエンザ桿菌は中耳や副鼻腔、上咽頭、肺で潜伏感染化することもあります。溶血性連鎖球菌や毒素を産生するブドウ球菌も、扁桃腺や肺、腸管で強い障害を引き起こします。一方、細胞壁のないマイコプラズマやクラミジアは粘膜内に侵入し間質で増殖していきます。そのため気管支粘膜下の間質から肺に広がることから異型肺炎と呼ばれる細菌性よりも軽い肺炎を引き起こします。宿主の細胞核の遺伝子を利用して複製することによって広がるウイルス(そのためウイルスは生物ではないとの考え方もあります)は、宿主の細胞を破壊にながら増殖します。気道上皮で増殖するウイルスが気道感染を引き起こします。増殖のスピードが速いウイルスほど急激に症状を引き起こします。ヒトが感染するウイルスで増殖力の強いウイルスの代表がインフルエンザです。このため、インフルエンザによる上気道感染では、粘膜表層をたなびくように広がりますので、局所の粘膜は軽度の発赤やただれ(びらん)程度の所見です。増殖のスピードが弱いウイルスほど気道の一部分で集中的に増殖します。アデノウイルスや手足口病などのエンテロウイルスは、扁桃腺を中心に障害したり口内炎が出来たりします。インフルエンザとアデノウイルスの中間に位置して、ジワジワと気道を広がるウイルスではインフルエンザよりはややゆっくりと気管支粘膜を障害して広がっていきますので、喘息様の換気不良を引き起こすRSウイルスやヒト・メタニューモウイルスが有名です。
 ヒトが感染するコロナウイルスには、以前から知られていた軽い症状を引き起こすタイプ4種と新型のSARSウイルス、MARSウイルス、今回のcovid-19があります。今回の新型コロナcovid-19は、従来のコロナウイルスやエコーウイルス、ライノウイルス、アデノウイルスよりは粘膜表層を障害しながら広がる能力が強いのでしょう。インフルエンザよりは増殖スピードは遅いものの、RSウイルスよりは粘膜を障害する力が強いように思います。そのため、まだ人類が免疫を持たない新型コロナにたいして下気道の粘膜が弱い高齢者や基礎疾患を有する人には、重大な換気障害を引き起こすのだと思われます。上気道での増殖でも同様の特徴があることから、新型コロナは、ライノウイルスやエコーウイルスなどの増殖力の弱いウイルスよりも、匂いを感じる嗅上皮や味を感じる味蕾細胞を若者でも障害しやすいのだと勧化あれば、今回の若者の新型コロナ感染による嗅覚や味覚の低下が特徴的なことも理解できるように思います。(私がデータを取ったり研究する訳ではありませんので、あくまでも、思われる、との表現に留めます)
 新型コロナに特徴的な上気道所見はあるのか? が、耳鼻科医の間では話題となっています。恐らく特異的な特徴はないと思いますが、咽頭粘膜は「インフルエンザよりは発赤が強く、アデノウイルスやパラインフルエンザウイルスよりは粘膜を広範に広がるびらんが強い」程度の所見でありそうな気がしています。 
  25日  今日一日、暖かな春の陽光でした。松山は今日、桜が開花しました。例年ならばお花見に、年度が代わって新たな生活にとウキウキするのですが。東京都が新型コロナで外出自粛要請を発表しました。なかなか明るい気分にはなれません。
 午後からは新年度の診療報酬改定にむけてレセコンソフトの更新を行いました。12月に新しい機種に更新していることから、初めてのオンラインによるソフト更新となりました。CDを入れ替える必要もなく、スムーズに更新できました。今期の診療報酬改定では、耳鼻科外来関係では大きな改定はありません。12月のレセコン機種の入れ替えでは、移行に難渋しましたが、4月1日の改定作業はスムースに運んで欲しいものです。
 続いて、松山市医師会に立ち寄り、松山市から送られた災害時の備蓄用マスクを受けとりました。割り当ては1箱50枚だけです。医師会の職員さんに聞きましたが、新たな割り当てはないとのことでした。日本でマスク不足が起こってから2ヶ月近くになろうとしています。医療機関向けの供給不足がここまで長引くとは思っていませんでした。 
  24日   インフルエンザは例年よりかなりはやく減っています。2009年の新型インフルエンザ流行時に次いで早く12月に流行入りしましたが、愛媛県全体では結局警報入りせず、2月8日には注意報入りレベルを下回りました。3月に入り、愛媛県での流行のタイプはA型26%、B型(ビクトリア系統)74%と、B型が増えていますが、4月初旬には注意報も解除になりそうです。当院でも、A型を確認したのは3週前が最後で、B型も1週間前より確認していません。昨シーズンはA型が初夏まで発生するという息の長いシーズンでしたが、今シーズンは、新型肺炎対策が徹底していることもあり、インフルの流行は4月中には終息しそうです。

 当院でも、ここ2週間、新型肺炎を疑う方の来院が複数見られました。帰国者外来に紹介したケースもありましたが、新型コロナウイルス陽性のケースはありませんでした。今後も、新型肺炎が疑われる方の診察では、来院された患者様、当院スタッフ、私、全てで濃厚接触を起こさないよう細心の注意を払いながら診察を進めたいと思います。

 3月18日よりヒノキ花粉の飛散が始まりました。スギ花粉の飛散はわずかになっています。26、27日はゴールデンウィーク並みの気温になると予報されています。今週後半に、ヒノキの1回目の大量飛散が予想されます。ヒノキ花粉とこの時期に重なって飛散するハンノキ花粉は、スギ花粉より花粉が小さいこともあり、下気道に到達して咳が目立つ傾向もあります。新型肺炎対策としてのマスク着用が、ヒノキやハンノキ花粉対策としてもおおいに有用です。 
  21日   この度、新しい聴力検査装置DPOAEを導入しました。これは内耳の聴力を他覚的に検出できる装置です。新生児や幼児の聴覚スクリーニング検査や、加齢性難聴・突発性難聴・メニエール病などの内耳性難聴の評価、心因性難聴の評価に有用です。
 従来の自覚的な反応に頼る標準純音検査で把握しきれなかった聴力レベルを、他覚的かつ客観的に評価できます。日常生活に支障のないとされる30dB~40dBで内耳が反応しているかどうかがわかりますので、特に乳幼児で難聴が疑われるケースの早期発見に大いに有用です。これまでは、まず当院で遊戯聴検や条件詮索聴検で30dBで反応があるかどうかを乳幼児の体動や目の動きで評価したり、アブミ骨筋反射で50dBレベルの他覚的な反応があるかどうかを評価した後、反応がない場合には県立身障者センターなどの高位の耳鼻科に紹介の上、脳波聴力検査(ABR)で30dB以上の聴力レベルを10dB単位で評価して頂いていました。新しい装置DPOAEで十分な反応が得られれば、それ以上の検査は行わずに経過を見ることが可能になります。当院を受診されたお子様で感音難聴が疑われた場合には、大いに活用できると考えています。

~耳音響放射(OAE)検査~
 内耳の聴覚機能を他覚的に評価する検査法です。正常な内耳からは耳音響放射(OAE: Oto Acoustic Emissions)と呼ばれる微小な音が発生して外耳にエコーが返って(放射して)います。聴覚に異常があるとOEAの出力レベルが減少したり検出できなくなります。1978年英国のKemp博士により発見されました。

当院での測定法:歪成分耳音響放射検査(DPOAE: Distortion Product Oto Acoustic Emissions);特に内耳の外有毛細胞からのOAEを検出します。機種はダイアテックカンパニー社製タイタンです。

検査法:耳にイヤホン(測定用プローブ)を挿入後、12秒で測定が完了します。1.2.3.4.5.6kHzのDPgramを得られます。安静を保てない乳幼児はベッドにて行います。

検査の意味:DPgramで反応が得られれば、内耳では少なくとも40dBの聴力。DPOAEレベルが0db以上であれば最小可聴閾値は30db以下と考えられます。ただし、内耳よりも高次の聴神経や中枢(脳内)の異常は判定できません。

検査の臨床的な役割:
1)新生児や乳児の聴覚スクリーニング検査:DPgramで反応があれば「パスpass」であり、検査時点では正常の聴力があると考えられます。反応が見られなければ「要再検refer」であり、聴覚障害の精密検査を必要とします。聴性脳幹反応(ABR)または自動聴性脳幹反応(Automated ABR)を、高次の医療機関に紹介します。
2)加齢性難聴の評価:加齢により外有毛細胞が減少します。聴力が落ちるだけでなく、音が歪んだり割れて聞こえます(聴覚補充現象)。外有毛細胞の健康状態をチェックして、補聴器をフィッティングする際の参考とします。
3)突発性難聴やムンプス難聴、メニエール病などの内耳性難聴の評価や経過観察
4)心因性難聴などの機能性難聴、詐聴の評価

*耳あかや滲出性中耳炎、鼓室硬化などの伝音性難聴があると正確な検査は出来ません。診察にて外耳や中耳の状態を確認した上でOAE検査を行います。 
  18日   今日は汗ばむような暖かさでしたが、花粉の飛散は目立ちません。スギ花粉の飛散は例年より早いペースでしたので、これから10日間ほどパラパラと飛散して、4月上旬はわずかに観測されて、4月中旬に観測終了となりそうです。換わって、今週からヒノキの飛散が始まります。

 世界各地で国境の封鎖が広がっています。これから少なくとも4月中までは世界の人と物の流れが滞ります。約束手形に準じて本来は金利のつかないCP(コマーシャル・ペーパー)にも上乗せ金利がついてきました。社債市場の停滞で、企業の血液循環にも支障が出てきそうです。リーマン・ショック以上の激震になりそうです。(-_-)
 松山で2例目の新型コロナウイルス感染者がでました。イタリアからの帰国者とのこと。当院での感染防御措置も高めます。新型肺炎が否定できない患者様に対してのインフルエンザなどの迅速検査を行わざるを得ないケースでは、保健所への相談とともに、検者である私はフェイスシールドと手袋、サージカルマスク着用で対応することとします。
 今日、政府は1時間で診断可能な検査キットが開発されたと発表しました。まだしばらくは帰国者外来のある病院からのオーダーになると思います。昨日、15分で判定可能な迅速診断キットがクラボウから発売されました。中国で開発されたもののようです。新型コロナウイルスのIgM抗体、IgG抗体を別々に検出できます。まだ保険適応はありませんので、当院での採用は原始点では見合わせますが、新型コロナウイルスへの免疫が獲得されたことの指標となるIgG抗体が測定できますので、新型コロナウイルスが免疫が付きにくい特殊なウイルスでなければ、1~2年後の段階で、各個人に新型肺炎への免疫が出来ているかどうかの判定にも有用となりそうです。新型肺炎の終息は、世界の人々に免疫がつきワクチン接種が可能となる1~2年後との予測もあります。今後の発生が危惧されているトリインフルエンザから変異して発生するであろう新型インフルエンザ同様の終息パターンになりそうです。新型コロナウイルスも1~2年で旧型に格下げということです。新型コロナウイルスの治療でも、インフルに対するタミフルのような”特効薬”の開発も切に待たれます。 
  15日   今晩は晩冬の嵐が吹き荒れています。週末も欧州で新型肺炎が広がっています。フランスでは死亡者、重症者の半数が50才以下とのショッキングなレポートも出てきました。4日前に日本医師会がインフルエンザなどの迅速検査を控えるようにとの通達を出しました。群馬では70才代の医師が重症で、感染が判明する前の段階で微熱で診察を行っていました。私も検査をすることで濃厚接触者となることに十分注意しつつ、自らの発熱や肺炎症状発現の確認は怠らないようにします。

 当院でも熱性痙攣の子供さんを診る機会が年に複数回あります。今日は、熱性痙攣ガイドラインに沿って、当院での対応法を確認したいと思います。
1、来院時に熱性痙攣が止まっている場合には外来でルーチンにジアゼパム坐薬を入れる必要はない
2、痙攣発作が5分以上持続している場合には、呼吸抑制に注意して、可能であればジアゼパムを静注(体重10㎏あたり2-4㎎、注腸もあり)するか静注が可能な施設に搬送する。なお、坐薬が有効血中濃度に達するのは30分後であるが、静注が困難な場合に使用しておくことで二次医療機関に搬送する間に効果が見られることがある。
3、ジアゼパム坐薬の痙攣再発予防の有効性は高いが、副反応も存在することからルーチンに使用する必要はない。持続時間が15分以上の遷延性発作、焦点性発作(部分発作)、24時間以内の再発、熱性痙攣またはてんかんの家族歴、0才児、発熱後1時間未満での発作、38℃未満での発作では、坐薬を使用する。使用量は体重10㎏あたり1回4㎎、最大10㎎。
4、熱性痙攣の既往があれば、発熱時の鎮静性抗ヒスタミン剤は痙攣持続時間を長くする可能性があり推奨されない
5、熱性痙攣の既往者でも予防接種は可能だが、副反応への保護者の同意が重要。麻疹ワクチン(接種後7-10日、2週間以内)、肺炎球菌ワクチン(0-2日、1週間以内)での発熱率が高い。
6、 熱性痙攣のうち、焦点性発作(部分発作)、15分以上の持続、24時間以内に反復する のいずれかがあれば複雑性熱性痙攣。この場合にはCT/MRI検査、髄液検査、脳波検査を考慮。その他が単純性熱性痙攣。重積状態は30分以上の持続で定義されてきたが、ガイドラインでは5分以上の持続で薬物治療を開始すべき重責状態の実地用定義。熱性痙攣の既往児が無熱性発作を2回以上繰返す熱性痙攣後てんかんの発症率は2-7.5%で、一般人口におけるたんかん発症率0.5-1%より高い。5歳以降の発作反復や無熱性発作ではてんかんも念頭に専門医に紹介する。
 
 近々、当院で妊娠3週胎嚢6mmという妊婦さんの受診がありました。妊婦さん、授乳婦さんへの処方は、薬剤の公式の規定文書である「添付文書」では、妊婦授乳婦に言及する記載が少ないため投与が制限されがちです。妊娠中、授乳中に安全な薬剤に対しては米国FDA、オーストラリア処方薬諮問委員会、虎ノ門病院などのリストが有名ですが、我が国の各種研究会のリストも大変役に立ちます。今日は、私の確認や備忘の意味でも、愛知県薬剤師会 妊婦授乳婦医薬品適正使用推進研究班の「対応基本手引き」から、当院に関係の深い分野の薬剤を挙げておきます。
<妊婦>
解熱鎮痛消炎薬:アセトアミノフェン
鎮咳薬:デキストロメトルファン、ジメモルファンリン、ベンプロペリンリン、ペントキシベリン
去痰薬:ブロムヘキシン、アンブロキソール
抗ヒスタミン薬:クロルフェニラミン
第二世代:ロラタジン、セチリジン、フェキソフェナジン
気管支拡張薬:べネトリン、ブリカニール、スピロペント、テオフィリン、イソメニール(抗めまい薬)
止瀉薬、整腸薬:ロペラミド、乳酸菌
抗菌薬:ペニシリン系、セフェム系、マクロライド系、リンコマイシン系(添付文書には投与しないことが望ましいと記載)
ワクチン: インフルエンザワクチン
漢方薬:麦門冬湯、小柴胡湯、柴胡桂枝湯、小青竜湯(麻黄含有、長期不可)、葛根湯(麻黄含有、長期不可)
<授乳婦>
解熱鎮痛消炎薬:アセトアミノフェン、イブプロフェン、ジクロフェナクナトリウム、ロキソプロフェン
抗アレルギー薬:ロラタジン、フェキソフェナジン、点鼻薬
抗菌薬:ペニシリン系、セフェム系、マクロライド系、アミノグリコシド系、オフロキサシン、レボフロキサシン、トスフロキサシン
抗ウイルス薬:アシクロビル、バラシクロビル、オセルタミビル、ザナミビル、ペラミビル、ラニ
ナミビル
ステロイド:プレドニゾロン
甲状腺薬:チラーヂン、プロピルチオウラシル
精神神経用薬:SSRIのロキセチン、セルトラリン

 国盗り物語、少し時間がかかりましたが読破しました。司馬遼太郎氏が執筆した時点では、斎藤道三自身が京都妙覚寺の僧侶上がりの油商人とされていましたが、1960年代に発見された古文書「六角承禎条書写」によって、美濃の国盗りは道三一代のものではなくその父の長井新左衛門尉との父子2代にわたるものとの説が有力になりました。小説では、道三が油商人から成りあがる過程や、前半生の記録が消されている明智光秀の成り上がりを鮮やかに描いています。あくまでも小説上ですが、律令制の国司→幕府の守護→守護大名→戦国大名への権力の移行、足利将軍を利用した信長の中央への進出法、比叡山焼き討ちの背景、信長家臣団の中での光秀の立ち位置などを、司馬史観の中で実体験するが如くワクワクしながら読み進めることができました。光秀の本能寺での謀反については、現在でも諸説あって確定していませんが、それでも、このタイミング以外では実行不可能であったという状況がよく判りました。「麒麟がくる」を年末までじっくり楽しめそうです。 
  14日   WHOから新型肺炎のパンデミック宣言が出されました。エイズやエボラ出血熱のような新興感染症に対してWHOが過去に行ってきたような大規模な調査団をなぜもっと早期に派遣しなかったのか。この時期に至ってのパンデミック宣言なら、報道による情報だけでも誰でも出せます。
 当院ではまだ幸いに備蓄がありますが、医療機関に対するマスク、消毒液の流通不足は依然として解消しません。処置用手袋まで不足になってきました。この度、松山市が備蓄分のマスクを松山市の医療機関に配布することになりました。一般の医療機関向けには、マスクの在庫が10日以下の施設には、わずか1箱の割り当てです。政府の対応が待たれます。
 新型肺炎の北米や欧州での拡散が急速に広まっています。まさか2009年の新型インフルエンザ流行時を超えるとは思っていませんでした。欧州やフィリピンでの都市封鎖がこんなに広範に行われるとは、、 リーマンショックは信用の消失でしたが、こんどは世界的な消費の消失です。少なくとも今年の夏までは、影響は続いていくでしょう。夏の五輪はどうなるのでしょう。第一次大戦ではベルリン大会が中止になりましたが、第二次大戦でのロンドン大会は大戦終結後の4年後に開催しています。ベルリン大会も20年後には開催されています。今回の東京大会は、中止ではなく1~2年の延期に留まって欲しいのですが。

 当院のポールンロボでは、12日に今シーズン最多の花粉大量飛散を観測しました。雨上がり、温暖、風が強い、と大量飛散の条件を満たしている日でしたが、スギの大量飛散にしては時期が遅いので、アレっと思いました。ヒノキも、来週中に初観測日を迎える時期で大量飛散は考えられません。どうやら、スギの中等度飛散とハンノキの大量飛散が重なったようです。
 ソメイヨシノの開花宣言が、全国で一番早く東京で出されました。例年ならば暖流の当たる宇和島や高知、伊豆半島、長崎が一番になるのですが、東京が一番早いというのは意外でした。どのような要因が影響したのでしょうか? スギ花粉の飛散は桜とともに終わります。スギのまとまった飛散は、後10日程度と思われます。気象庁の「さくらの開花状況」を見てみると、面白いことが分りました。沖縄ではヒカンザクラで、北海道の旭川や帯広など札幌以北以東ではエゾヤマザクラで開花状況を見るのですね。

  細菌性耳下腺炎、ウイルス性耳下腺炎、バセドウ病、甲状腺嚢腫、複雑型熱性痙攣、突発性難聴、真珠腫性中耳炎、反回神経麻痺、吃音、鼓膜穿孔閉鎖術、耳介血腫開窓術、急性喉頭蓋炎、逆流性食道炎、ガマ腫など。 
  9日   雨上がりで昼間が快晴だった今日も、スギ花粉の飛散は少量でした。やはり飛散のピークは2月22~25日のようです。こらから3月末にかけて、さらに飛散は少なくなります。スギ・ヒノキの時期に飛散が重なるハンノキの飛散も続いています。ごく少量ですがイネ科雑草の飛散も始まりました。
 今日、発熱が4日続く方の来院があり、インフルエンザをはじめとする他の感染症が見られなかったことから、胸部レントゲンや血液検査で肺炎の可能性は少なかったのですが、新型コロナウイルスCOVID-19感染の懸念もあり保健所に相談しました。肺炎症状が見られないことから、帰国者接触者外来への紹介は見合わせるとの方針になりました。今後も発熱の経過や全身状態の経過を慎重に診ることとしました。
 新型コロナウイルスの検査法についても、医療関係者への情報提供が始まってます。RT-PCR検査で、・ウイルスは発症1~2日前から検出されうる ・中等症例では7~12日間、重症症例では2週間まで陽性 ・30%の症例では発症5日目から便中でも検出され、中等症では4~5週間まで持続するが、便口感染としての感染力は不明 とのことです。米国CDCの報告では、COVID-19が疑われた有症者210例でnCoV陽性例は11例、インフルエンザやRSウイルスなどの他の病原体検査が陽性であったものが30例でした。新型コロナウイルス感染とインフルやRSウイルス、hMPVウイルス、アデノウイルスなどの他のウイルス感染との鑑別診断は、早期には難しそうです。

 今日より、オンライン受付時間の延長を始めました。受付サイトのサーバーの設定を変更して、オンライン受付される方をお待ちしていました。今日の夕方には、早速、数名の方にご利用頂きました。オンライン受付は、受付や院内で待つ時間の短縮に有用です。当院を再診される方は、ぜひご利用下さい。 
  7日   今日もわが国で、世界で、新型コロナウイルスが拡散しています。ダイアモンド・プリンセス号の姉妹船での新型コロナウイルスの感染。米国はどう対応するのでしょうか?

 来週より、当院のオンライン受付の終了時間を延長することとしました。当院ではこれまで、患者様が多い日には、一度受付してして頂いた後にオンラインで順番を確認して再度来院頂くパターンが多かったのですが、現今の新型肺炎の流行を鑑みて、病院に立ち寄る機会を出来るだけ減らせるようにしたいと思います。再診患者様に限定ではありますが、これまでの月~土曜日の午前のオンライン受付終了時間を、午前10時30分より午前11時30分まで延長、月火木金の午後も同様に午後3時30分から午後5時30分まで延長します。特に夕方に受診される方には有用と考えます。学校帰りや仕事帰りにスマホで順番予約して頂ければ、オンラインで待ち時間を確認して直接来院することが可能です。これまで以上に、「オンライン受付待ち時間確認システム」のiTicketを活用頂ければ幸いです。ただし、初めて受診される方や日曜日に再診する方は、これまで通りの来院して受付する方法でお願い致します。スタッフとも検討しましたが、初診の受付や日曜日の受付は、事務的なキャパシティーの面で円滑なオンライン受付は難しいと判断しました。ご協力宜しくお願い致します。 
  6日   4日に松山市内で新型コロナウイルスの初の発症者が確認されました。30代女性感染者は過去2週間松山市外に出ておらず感染経路は不明です。翌朝には当院にも「当院で患者が出たのではないか」との問合がありました。今回の感染者は、当院は受診していません。松山の、そして当院の新型ウイルスへの対応は新たなステージに入りました。今後ですが、新型ウイルスに感染した方が当院を受診後に感染が判明するケースが発生した場合には、状況によっては私やスタッフも濃厚接触者となり、14日間の休診と経過観察が必要となります。当院でもより一層の感染防御対策が必要となりました。
 医療関係でも、学会や研究会、集会が軒並み中止や延期となっています。当院には幸いまだストックははありますが、医療機関でのマスクや消毒液の供給不足解消の目途は立っていません。トイレットペーパーの不足が起こりオイルショックの時のような状況がまた生まれるとは想像だにしていませんでした。トイレットペーパーは”無いと困るけれども家庭内の少々ストックされていても困らない比較的安価な商品”ですので、物不足の代表的な商品なのでしょう。また、中韓からの入国制限措置の発動で経済的にも新たなステージに入りました。今晩の日経平均先物は2月27日の一番底を超えて下落中です。熱帯地方のシンガポールでも新型ウイルスは拡散しています。一体、世界的な新型ウイルスの終息はいつになるのでしょうか? こんな状態が夏まで続かなければ良いのですが、、
 新型コロナウイルスには二系統の変異株があるとの中国からの報告がありました。こんなに早く変異が進むのでしょうか?  ソマリアで非常事態宣言。バッタの大量発生は東アジアから中東、インドへと迫っています。食糧危機も始まりました。トルコが国境を開放しました。数百万人の難民が欧州に再流入しそうです。中東のきな臭さは終わりが見えません。今日は惨憺たる気分でこれを書いています。
 しかし、様々な対策も出てきています。新型ウイルスの病態や治療に関する論文や報告も目立って増えてきました。迅速診断の検査法も続々と開発が進んでいます。今日から新型コロナウイルスの検査が保険適応になりましたが、実施が可能なのはまだ帰国者接触者外来のある基幹病院だけですが、夏にはクリニックレベルでも迅速診断が可能になるのではないでしょうか。治療法にもブレイクスルーがあるかも知れません。ここ数日では、吸入ステロイドのオルベスコが有効であったとの報告が我が国から出てきました。他の吸入ステロイドと違ってオルベスコはプロドラッグでないから有効なのか? など疑問はつきませんが、急激な肺炎の進行による呼吸不全の進行抑制に対しての有用性は期待できるかもしれません。 
3月  1日   ここ二日の雨でスギ花粉は全く飛散しませんでした。(^-^) 明日以降の雨上がりが今シーズンの最大飛散になるかもしれませんが、暖冬で飛散のピークが早い可能性があることを鑑みると、2月22日~25日が飛散のピークになる可能性が大です。そうなれば今シーズンの飛散は例年の50%弱で、松山で観測が始まった1988年以降では、過去五番目くらいに飛散の少ない年になりそうです。

 今週(愛媛県では4日水曜日)から全国の小中高校の臨時休業が始まります。まるで夏休みが3月に始まるみたいなものです。報道では、新型コロナウイルスの小児の罹患率が低いことや、幼稚園や保育園、地域によっては学童保育は続くことから、感染拡大への効果を疑問視する声もあります。しかし、地域での感染症を長年にわたり臨床の場で追っている私の印象で言えば、冬休みや春休み、夏休みで子供たちの集団生活の機会が少なくなると、感染症の流行は一気に終息します。今回の学校の臨時休業措置は、新型コロナウイルスの流行を食い止める有効な手段と思われます。迅速診断の保険適応にともなって感染者数の報告は一時的に増えると思われますが、武漢のようなパンデミックは阻止できると思いたいです。そう祈っています。 
     
  27日   小中高校の臨時休校処置、政府も思い切った手段に打って出ました。折しも今日、中国広東省では新型コロナウイルスの治療を受けて退院した人の再検査で14%から陽性反応が出たとの報道がありました。「若者は2週間以内に抗体ができるため、陽性反応が出ても感染を広げるリスクは非常に低い」が「高齢者の一部は抗体を作るのに時間がかかるためウイルスを排出し続け感染源になり得る」との見解です。我が国でも女性感染者で検査陰性後の再陽性の報告もありました。全国的な臨時休校が最善か?過剰な措置なのか? 私には判断がつきかねますが、新型コロナウイルスは、潜伏期が長い症例、症状の再増悪時に急激に悪化する症例などがあるとのことですから、旧来のコロナウイルスやインフルエンザウイルスよりは”感染により免疫力が低下する”作用が強いようにも思えます。わが国では、感染経路が不明な感染者が発生した地域を広範囲に封鎖するような大胆な措置はおおよそ取れないでしょうから、政府の判断も適切かも知れません。
 当院にも小中高校生を持つ立場のスタッフがおります。3月に向けての勤務体制の見直しを早急に行わなければなりません。 
  25日  今日は今シーズン初めて午前中からスギ花粉がまとまって飛散しました。今シーズン1回目の大量飛散となりました。花粉症症状の強い方も出始めました。
 インフルエンザはA型が散見される程度でした。今のところB型の集団発生は広がっていないようです。
 新型コロナウイルスの四国での陽性者の報告はまだありませんが、水面下での拡散には注意したいと思います。松山では常々医学関係の研究会や研修会が行われていますが、新型肺炎の流行にともなう研究会の中止のお知らせも届くようになってきました。5月には岡山市で日耳鼻学会総会が開かれる予定です。私も5月15日の参加を予定していますが、全国規模の学会も延期されるかもしれません。 
  24日   新型コロナウイルス肺炎が、イタリアやイランでも広がってきました。WHOのパンデミック宣言も避けられそうにありません。潜伏期が長く感染力が強い今回の新型肺炎、サイトカインストームで若年者でも急激に悪化するケースがあります。新型肺炎の感染者が学校ででれば、学校閉鎖が2週間とされそうです。深刻です。松山でもそのうち陽性例が報告される可能性は高くなりました。当院でも今週以降、ウイルス性肺炎の存在に気を配りながらの診察を行わなくてはなりません。

 好酸球性副鼻腔炎の中等度~高度の患者数は全国で2万人あまりとされています。当院でも、好酸球性副鼻腔炎で鼻茸(鼻ポリープ)摘出術を繰り返す方、好酸球性中耳炎で鼓膜留置チューブを留置しても中耳腔が乾燥しない方など、治療が困難な例が少なくありません。
 阪大耳鼻科が、好酸球性副鼻腔炎の鼻茸形成に関する新たな機序を発表しました。様々な細胞の膜表面に存在している蛋白セマフォリン4(SEMA4D)は細胞表面で刺激を受けて切断され、切断された遊離型のSEMA4Dは細胞間のシグナル伝達にかかわります。研究グループは、SEMA4D濃度が好酸球性副鼻腔炎の重症度に相関していることを明らかにしました。好酸球上に発現しているSEMA4Dが、好酸球の活性化に伴って細胞から遊離し、SEMA内皮細胞や鼻腔の上皮細胞に働きかけ、血管や上皮の結合を緩めて好酸球を通り抜けやすくすることで鼻茸が形成されやすくなると考えられます。グループはさらに動物モデルでSEMA4Dに対する抗体を投与すると好酸球性炎症が軽快するとのデータを得ています。
 難治性の好酸球性疾患の治療に新たな選択肢が増えるかもしれません。研究の進展に期待したいです。

 連休は「国盗り物語」三昧でした。ページをめくる度に、筆者の豊富な知識に驚かされました。司馬遼太郎氏が国盗り物語を執筆したのは、41~43才です。驚くべき資料収集力です。 
  18日   スギ花粉の飛散が本格化しています。季節性アレルギーの注射剤「ゾレア」がマスコミで取り上げられるようになったこともあり、当院での治療が可能かどうかの問合せが多くなっています。全国的にはクリニックレベルで治療を行う施設もありますが、基幹病院耳鼻科での治療が主流です、当院では現時点では、基幹病院への紹介による治療とさせて頂いております。 
  17日   今日はこの冬一番の寒波襲来です。終日雨模様でしたが、スギ花粉の飛散は見られました。15日の土曜日が今シーズン1回目の大量飛散のピークとなりました。今日は花粉症症状の強い方が目立ちました。寒波が緩む明後日以降は再び暖かくなります。今週後半からの2週間、スギ花粉の大量飛散が予想されます。

 全校閉鎖?ほんまかいな、、と思っていた堀江小学校ですが、やはり本当でした。15日~17日の3日間がインフルエンザの流行による全校閉鎖となっています。学級閉鎖、学年閉鎖、学校閉鎖を定めた法律はないですが、告示で「学級等における欠席率が20%に達した場合は、学級閉鎖、学年閉鎖及び休校等の措置をとる」との措置基準があります。堀江小の令和元年の在籍児童数は616人ですので、14日のバレンタインデーには124人以上欠席していたのでしょう。

 今日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が疑われる際の対応について、厚労省は風邪の症状や37.5度以上の発熱が4日以上続く場合に「帰国者・接触者相談センター」に相談するとの指針を発表しました。現在、インフルエンザはA2009年型の流行からB型の流行への移行期です。熱が出て2日以内に病院を受診してインフルエンザが疑われるとインフルの迅速検査が行われることが多いと思います。熱が出始めた直後や時には平熱でも迅速検査が陽性になるケースもありますし、迅速検査の綿棒の擦過の仕方によっても検出率は異なることもありますが、熱が出始めてから24時間後の陽性率3割、48時間後の陽性率8割とのデータもあります。季節性インフルの迅速検査が当初陰性で発熱が4日間続くケースも珍しくありませんので、指定医療機関にはかなりの患者が紹介されると思われます。国はPCR検査を1日3000件超の体制にしますが、それでも検査が回らない事態を危惧します。デンカ生検がインフルのような迅速キットの開発を始めたとのことです。一日も早い製品化と承認が待たれます。
 米国では検査にかかる医療にも高額なことから、A形でないインフルをB型としたり、迅速検査を行わずに臨床症状でインフルと判定して抗ウイルス薬を処方するケースも多いそうです。現在、米国で猛威を振るっているB型ですが、この中に既に新型コロナウイルスが含まれているとのCDCのレポートも出てきました。2009年の新型インフルエンザでは、わが国で初めて患者が確認された以前にも実は患者の発生があったことがその後の調査で明らかになっています。やはりわが国でも、新型コロナウイルスは1月初旬には入ってきていたのでしょうか?
 蛇足ですが、流感の名称について。以前は、スペイン風邪、香港風邪、ソ連風邪との名称でもよばれていました。感染者5億人死者5千万~1億人と爆発的に流行したスペイン風邪の発生源は、実は米国のカンザス州の小都市ハスケルで、当時全米で2番目に大きいアメリカ陸軍基地キャンプ・ファンストンから拡散されたとされています。ところが当時は第一次世界大戦中で米国やロシアなどの交戦国では情報が制限検閲されていました。そんな中で中立国のスペインから初めての感染情報が出たためにスペイン風邪との名称になりました。印象面でスペインにはえらい迷惑な話です。 
  15日   今日は吃音(きつおん、どもり)について取り上げます。
2010年の映画「英国王のスピーチ」は感動的でした。吃音に悩まされていたアルバート王子は、王冠を賭けた恋で有名なエドワード8世の退位に伴いジョージ6世として即位します。平民出身の言語療法士の奔放とも言える治療を通じて、ついにドイツへの宣戦布告での国民を鼓舞するスピーチを成し遂げるという実話に基づいた映画です。私は“実話に基づいた”映画には弱いです。
 吃音の相談は当院でも数年に一度程度でめったにありません。小児科健診や保健婦さんへの相談から言語訓練を受ける流れが多いと思います。当院でも「ことばの教室」の言語療法士の先生に治療をお願いしています。吃音に関してはこれまで標準的な治療方針はありませんでした。この度、国立障害者リハビリテーションセンターが診療ガイドラインを作成することになりました。耳鼻科医としてもガイドラインが作成されれば、判断に悩まずに、適切に対応できると思います。
 吃音は、2~4才で目立ち始めます。同年齢の5~10%に現れ、7~8割は言語能力の発達とともに2~3年後には改善します。しかし、8才で改善しにくくなり、成人の1%で吃音が続くことから、5才時の評価や治療が重要です。幼児期に見られる発達性吃音の7割は遺伝的な素因とみられており、子育ての影響は少ないと考えられます。最近有効とされる治療はふたつあります。 
1)リッカム・プログラム:会話をしながら流ちょうな発話を褒める訓練で、オーストラリアで開発されました。
2)DCM(要求能力モデル)に基づく治療法:言語要求を減らして能力に応じた滑らかな発話を促す方法です。
これらの治療を早期に始められるよう、当院でも言語療法士との連携を密にしたいと思っています。 
  14日   今日も花粉の飛散が続きました。13日の春の陽気で、西日本全域でスギ花粉の本格的な飛散が始まりました。明後日からは今年一番の寒波が襲来するとのことです。松山でも薄っすら雪が積もるのでしょうか。ここ1週間は最高気温の変動が10℃以上になります。気圧の変化も大きくなります。今日は当院でもメニエール病の増悪した方が目立ちました。皆様も体調管理に心がけて下さい。

 堀江小学校が17日に全校閉鎖になります。堀江小学校は各学年3クラスの規模の学校です。この規模で全校閉鎖は最近は聞いたことがありません。また、松前小学校も学級閉鎖になります。松前状学校ではB形インフルの流行による学級閉鎖です。2月9日にはA2009年型による愛媛県のインフルの流行は急減しました。堀江小学校もB型による全校閉鎖でしょうか?

 東京でタクシー運転手の方の新型肺炎への感染が明らかになっていますが、今日の報道では、1月中旬に中国人旅行者と同乗した屋形船で、同僚の人と共に感染した可能性もあるとのことです。新型肺炎はどうやら、潜伏期が2週間以上の場合もあり、その潜伏期間も感染力はあるようですので、政府が湖北省からの入国制限を始める以前から、日本国内で潜伏期の感染の拡散はあったのでしょう。政府の見通しが甘いというのは酷だと思います。新型肺炎の病原性はインフルエンザよりやや強い印象とのこと。抗インフルエンザ薬が普及する前のインフルエンザの流行期のような状態が、これから日本各地で起こりそうです。やはり高齢者や基礎疾患のある方の重症化が心配です。
 インフルエンザのワクチンの型は、前年の中国南部の豚のインフルエンザの流行株も勘案して決められます。東アジアのインフルは、冬にシベリアから飛来した鴨から中国南部の鴨に移り、豚などの家禽類から人にうつると考えられています。中国南部の小規模農家では、人と豚と鳥類が密接に接触して生活する生活様式があります。どうしても毎年、鴨インフル→豚インフル→ヒトインフルへの流行拡散が起こります。今回の新型コロナウイルスもSARSも、やはり野生生物が起源でしょうか? 人工ウイルスが拡散したとの陰謀論もやはり気になるのですが、、

  春立て 鴨の心の いそがしき  子規 
  13日   今日は昼前から春の陽気でした。今日より本格的なスギ花粉の飛散が始まりました。”雨上がりの翌日で暖かい”花粉が飛散しやすいタイミングでした。まだ症状は軽いながらも花粉を感じる方の来院が増えてきました。
  11日   当院スタッフの愛媛マラソンの成績ですが、女子参加者3千人余の中で数十番代でした。凄いです! 初心者で参加した人は、次の日は足が痛くてヒーヒー言っているイメージがあるのですが、スタッフはしっかりとした足取りでした。感心しました。 

 祝日の今日は一日穏やかな晴天でしたが、スギ花粉は観測されませんでした。本格的な飛散は10日後ぐらいからになりそうです。また、1月下旬よりハンノキの飛散も始まっています。ハンノキは街路樹にも用いられている木で、スギ+ヒノキの時期に重なって飛散します。花粉径が小さいことから、咳が目立つ傾向があります。また、果物による口腔アレルギー症候群も引き起こしやすいです。

 新型コロナ肺炎ですが、国立感染研の医師の印象では、インフルエンザよりやや病原性が強く、潜伏期が長くゆっくり発症するそうです。従来のコロナウイルスは冬のウイルス性上気道炎の代表的なウイルスですが、それよりも潜伏期が長いようです。軽い風邪が1週間以上長引いて、高齢者や基礎疾患のある人が急に重症化するイメージでしょうか。潜伏期でも感染力があることから、病原性は強力ではないものの、感染拡散力は強いかもしれません。日本でもジワジワ感染が広がらないか注意する必要がありそうです。東京オリンピック前には終息宣言が出て欲しいです。
 免疫系に変調をきたす人工ウイルスとの陰謀論的な論調も耳にします。クルーズ船の米国人乗客は米軍基地から直接本国に移送する計画があるそうです。米国ではまだ新型ウイルスの分離培養ができていないのであれば、ウイルス検体がなんとしても欲しいでしょう。ウイルスの完全な遺伝子配列が解っても、過去に作られた人工的なウイルスの遺伝子配列が公表できなければ、自然変異か人工的な改変かの確定はできないでしょうから、陰謀論は陰謀論のままになりそうです。 

 P.S. 新型肺炎の潜伏期が最長24日という論文が出ました。政府は検疫期間をどうするのでしょうか? 新型肺炎は再感染する可能性がある、結核のように飛沫感染ではなく空気感染の可能性がある、母子の垂直感染もある、など、新型肺炎がまるでSARSとHIVのハイブリットのようでもあります。新型コロナウイルスの迅速診断キットも開発が進められていると思いますが、従来のコロナウイルスと新型との鑑別が出来るキットの開発は難しそうです。今、松山で新型肺炎が浸透しつつあるのであれば、迅速診断は難しそうです。今日の祝日は、レセコンのユーザー設定の追加と国盗り物語の一気読みで過ごそうと思っていたのですが、、 どうも新型肺炎の情報が気になってしかたありません。

  機能性発声障害、聴覚過敏症など。
  9日   快晴の中、愛媛マラソンが開催されました。私は例年通り”健康的でない”日曜診療を行っていました。(^^ゞ 今年も知り合いの医療関係者の方々が参加しました。また、今年はついに当院のスタッフも大会に参加しました! 明日、みんなの記録を聞くのが楽しみです。

 インフルエンザは、1月末から減少に転じています。新型インフルエンザが秋に流行したことから冬の流行がなかった2010年1月以来の少なさです。今シーズンは流行の立ち上がりが10年ぶりに早かった、記録的な暖冬である、新型コロナウイルスへの対策として国民的にマスク着用や手洗いの徹底が図られた、などで流行が広がらなかったものと思われます。公衆衛生学的な感染予防は有効ですね。
 それでも今日の診察では、学級閉鎖レベルにまでには至らないものの、集団発生した子供たちも目立ちました。4日前には、当院で2家族目となるB型陽性の小学生の来院もありました。これから春に向かって、米国のようなB型の流行には注意したいと思います。

 6日の朝の診察で、朝のNHKの番組「あさイチ」の”声がれ”の特集を見て心配になって来院されたご高齢の方がいました。声帯は加齢や使わないことによって衰えて老化し「老け声」になるとの内容でした。「老け声」という表現は初めて耳にしました。専門的には声帯萎縮、声帯筋の萎縮が高度になったものを声帯溝症といいますが「老け声」とは、言い得て妙な表現のような、少し寂しい表現のような、、でも、判りやすい表現ですので、私も病状説明の際には、こんないい方もありますよ、とお伝えするかも知れません。

  喉頭痙攣、細菌性耳下腺炎、熱性痙攣、頚部リンパ節炎、頚部腫瘍、下咽頭腫瘍など。 
  7日   先週31日早朝に私が見た”チラホラ雪が舞う”が、松山の初雪だったようです。平年より41日、前年より34日遅く、明治23年の観測開始以来最も遅かった昭和29年を5日更新して、これまでで最も遅い初雪でした。4日の立春がこの冬一番の冷え込みとなりましたが、それでも松山の最低気温は2.2℃とのこと。久万スキーランドもメインゲレンデと子供用ゲレンデこそスノーマシンで滑走可能ですが、他のコースは積雪ゼロ、標高の高い石鎚スキー場ですら2日に営業再開です。今年の松山は、”薄っすら雪が積もる”も無く冬は終わるのでしょうか。

 中国やクルーズ船で猛威を振るっている新型コロナウイルスですが、国立感染研によると重症化させる特別な遺伝子は検出されていないとのこと。しかし、重症化しない分だけヒトーヒト感染は広がりそうです。横浜のクルーズ船内での広がりをみても、A2009年型が新型インフルエンザとして世界的にパンデミックで広がった時のような感染拡大は覚悟しなければいけないかもしれません。
 日本では流行拡大が見られずに、1月後半には早くも流行のピークを過ぎたインフルの流行ですが、米国ではB型インフルエンザが猛威を振るっています。今シーズンは既に2200万人が感染し、1万2千人が死亡したそうです。患者数4500万人、死亡者6万1千人に上った17/18シーズンと比べても感染拡大の勢いが強いとのこと。原因は、今年のワクチンがB型に完全に一致しなかったためと言われています。インフルはわが国でも例年100~200人の死者を出しています。やはりインフルエンザウイルスの病原性は格段です。いつ発生してもおかしくないとされる完全新型インフルエンザによるパンデミックには警戒しなければいけません。 
  4日   スギ花粉が毎日飛散し始めました。山口県の飛散開始日が1月29日、新居浜の飛散開始が2月2日、当院は2月3日でした。昨日からNHKの気象情報でも花粉予報が始まりました。NHKも絶妙なタイミングでの予報開始です。
 インフルエンザが全国的には、1月に入り急速に発生が少なくなっています。12月に流行の立ち上がりが早かったことで、A2009年型の流行の終息が早くなりそうです。松山でも、インフルの発生が、このまま注意報レベルのままで警報レベルまで到達せずに終息に向かって欲しいものです。
 1月下旬にはRSウイルスはほぼ見かけなくなりましたが、代わって松前町の保育園幼稚園でヒトメタニューモウイルスの集団発生が見られました。ヒトメタニューモウイルスはRSウイルスの兄弟分のようなウイルスで、例年は3~5月に流行します。昨年末に、市中でインフルエンザが流行すると他のウイルス感染症が抑制されるとの論文を目にしました。今年、ヒトメタニューモウイルスが早くから流行の兆しがみられるのは、暖冬であることとインフルの流行の終息が早いことも関係していそうです。

 新型コロナウイルスですが、大方の予想を超えて感染拡大が広がっています。新型肺炎の病態が徐々に明らかになってきています。潜伏期は当初の見解の14日以内から2~10日に短縮されてきました。従来の人に感染するコロナウイルスより潜伏期が長いのはどうしてかと思っていましたが、どうやら従来のウイルスに近い増殖能のようです。
 私が気にしていた新型ウイルスの遺伝子ですが、1月31日のLancetに遺伝子検査の情報が掲載されました。次世代シーケンシング技術を用いて新型肺炎のウイルスのDNA配列を解析しています。新型コロナウイルス(2019-nCoV)のゲノム配列10個はコウモリ由来のSARS様コロナウイルスににており、、SARS-CoV(約79%)とMERS-CoV(約50%)とは比較的離れていました。系統発生解析から、2019-nCoVはベータコロナウイルス属サルベコウイルス亜属に属することが明らかになったとのことです。ここ10年で商業ベースの技術になった次世代シーケンシングでは、数千から数百万ものDNA分子を同時に配列決定できる技術です。早速、新たな感染症の解明に役立っています。
 また1月31日に、国立感染研が、中国、オーストラリアに次いで新型ウイルスの分離培養に成功しました。治療薬やワクチンの開発にもおおいに有用ですが、インフルエンザで活用されているような迅速診断キットの早期開発にも期待が持てます。
  大いに気になる報道、情報がでています。今日の日経新聞「タイ政府 新型コロナウイルス 抗HIV・インフル薬で症状回復」 、インド工科大学の論文で「新型ウイルスにAIDSに類似した免疫を抑えるたんぱく質が含まれている」。2019-nCoVは免疫機能を低下させるウイルスなのでしょうか? 深刻です。

 
 当院の「椿まつり」期間のツバキです。今冬は12月より咲き始めて、椿さんの指揮には花のピークは過ぎていました。 
2月  1日   二月入りです。暖冬ですが、今日の朝は病院周辺でも短い時間ですが雪がチラホラ舞いました。伊豫豆比古命神社の椿祭りが、昨日から3日間開催されています。毎年、今年の椿さんはいつ始まるのかと、いつも混乱していたのですが、椿さんは旧暦の1月7日~9日の3日間にわたって行われます。近年、旧暦の元日でニュースになるのが、中国の旧正月春節です。中国の春節の休み期間は、元日の前日から1週間ですので、今年は1月24日~1月30日でした。椿さんは1月31日~2月1日です。これからは、ニュースで春節の話題がでれば、その後に椿さんが始まると覚えておこうと思います。

 私は例年、椿さんの時期にインフルエンザが流行し、椿さんとともにスギ花粉が飛び始めるとお伝えしていますが、今年は暖冬のせいかインフルは警報入りまでの流行にはなっていません。スギ花粉の飛散開始も、私が予想していた1月末よりはもう少し遅くなりそうです。松山の過去平均の飛散開始日は2月5日ですが、21世紀の飛散開始日はやや遅くなっています。当院のポールンロボでも、ここ二日は花粉を観測していません。今年の飛散開始日は2月5日前後でしょうか?

 今日は中国某都市から帰国後に発熱した方の来院がありました。保健所に対応方法を相談の上、診察を進めました。保健所も土曜日で休庁でしたが、迅速に電話応対して頂きました。幸い患者様は新型肺炎の可能性はほとんどないとのことから、新型コロナウイルスの検査には進みませんでした。私もホッとしました。

 「麒麟がくる」第二話、早速、盛り上がってきました。やはり戦国大河は製作費がかかっている感が半端ないです。当初は戸惑った画面の色彩ですが、合戦シーンの色彩にもすぐに慣れてきました。斎藤道三を演じる本木雅弘さんの怪演には釘付けでした。お茶に毒を持って娘婿の若き守護を容赦なく殺害です。本木さんがCMキャラクターを務めるサントリーの緑茶飲料「伊右衛門」まで、粋な公式ツイートを返しています。私は司馬遼太郎氏の戦国4部作の中で「国盗り物語」だけは読んでいません。この物語の主人公は、道三、信長、光秀とのこと。早く読みたくなりました。 
     
  31日   昨日と今日の午前で、市場からマスクが忽然と無くなりました。病院関係者からは「医療機関までマスクが調達できないとは、行政なんとか対応して」との悲鳴も聞こえました。当院でも地元の医薬品卸さんや医療機器卸さんに注文をかけましたが、朝一には注文を受付けますとのことだったのが、昼には、納入できません、次の納期は判りませんとの返事です。聞けば、マスクの多くは中国で生産されていることから日本に入らなくなっているそうです。供給不足のメカニズムに合点がいきました。ネットでは、医療機関がよく使う卸値300~400円のひと箱50枚入りのマスクが、8000円前後で売られています。それも、ほぼ全て売切れです。
 うる覚えですが、オイルショック時のトイレットペーパー不足の騒ぎがNHKのプロジェクトXで取り上げられていました。発端は、大阪千里のスーパーマーケットで、特売チラシのトイレットペーパーが無くなったところから、うわさがうわさを呼んで、次の日には、行列ができてもすぐ売り切れになり、この噂が全国に瞬く間に広がって、全国のスーパーで争奪戦がおこった、、の経過だったように記憶しています。
 新型コロナウイルスによる集団発生は、SARS(重症急性呼吸器症候群)が前例としてあります。2002年11月16日に中国広東省で非定型肺炎が報告されたのが最初で、4月16日に新型コロナウイルス(SARS-CoV)が特定されました。報告症例数は8096人で、774人が死亡しています。7月5日に終息宣言が出されました。元のコロナウイルスは冬季に流行する代表的な低病原性のウイルスです。SARSも春からは激減して、発生から7ヶ月半で終息しました。今回の新型肺炎も、暖かくなる4月には流行しなくなっていると私は予想しますが、さてどうでしょうか? その頃には、マスクも余り過ぎている気がします。
 コロナウイルスの大きさは30-50nmです。医療用のサージカルマスクの網の目は5μm、N95マスクでも300-400nmほどの網目ですので、ウイルスは容易に通過してしまいます。マスクが感染予防に有用なのは、ウイルスの侵入を防ぐからではなく、感染者のくしゃみや咳からの飛沫感染の減少や、感染者が自身の飛沫を手に付着させて周囲の壁や家具に付着させてしまうのを防ぐ意味合いの方が大きいと思われます。そうであれば、昔ながらの綿布で作られたマスクを、洗濯した上で、医療機関ならば消毒用サルコールを希釈させたものに浸した後に乾燥させたり、家庭であれば台所用のアルコールスプレーを噴霧して乾燥させた後にリユースしてもそれなりの効果は得られると思います。最悪、マスクが手に入らなければ、手作りのマスクのリユースもありでしょう。
 今、国立感染研の疾患症情報で「SARS」を勉強しています。厚労省からは「新型コロナウイルスに対する検査への対応」も送られて来ました。血液検査は保健所に依頼するとして、SARSの場合では、「一般的な血液検査で特異的なパラメーターはないものの、無症候の場合でもほとんどの患者で、最も早期で第3~4病日の早期に胸部レントゲンやCT上に変化が見られる」とされていました。「典型的な所見では、細葉の変化の所見や斑状 影が片側の末梢肺野に始まり、陰影の増多またはすりガラス様陰影へ進行する。移行性の陰影もある。さらに進行した病期では、時に自然気胸、気縦隔、胸膜下 線維症や嚢胞性変化などを含む所見がみられることがある」とのことです。当院でも、ウイルス性肺炎が疑われる場合には、早期に胸部レ線を確認し、呼吸器内科や保健所と連携したいと思います。 
  30日   当院のインフルエンザは年初より減少しています。今回のA2009年型は、12月の流行入りは早かったものの、昨年9月より徐々に流行が拡大した影響のためか、はたまた1月が暖冬のためか、1月下旬の流行拡大は見られていません。中学校や高校での学級閉鎖もありません。ホッと一安心といったところです。
 しかし、新型コロナウイルス(2019-nCoV)の拡大が凄いことになっています。新型肺炎との表現も出ています。今夜のWHO緊急委員会が「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言するかどうかを注目しています。
 今日、医師会より「感染の疑いのある患者は受診する前にまず電話等での確認をお願いする」ポスターの原案がFAXで送られてきました。今流行しているA2009年型が新型インフルとして恐れられていた際と同じような文面です。ドラッグストアからはマスクが売切れになっています。まるで、オイルショック時のトイレットペーパー騒ぎを彷彿させます。ネット通販を覗いてみるとマスクの値段は通常の数倍~十数倍になっており、しかもほとんどが売切れで在庫待ちです。マスク製造会社の株価は青天井です。
 医学雑誌LANCET電子版に24日、新型肺炎についての中国人医学者からの論文が掲載されました。(Clinical features of patients infected with 2019 novel coronavirus in Wuhan, China. Chaolin Huang et al, LANCET, Jan 24 2020) 私は当初の情報では、新型と言っても”旧型”の一般的なコロナウイルスのような病原性で、重篤化するのは高齢で基礎疾患のある症例だけだと思っていましたが、この論文をみると、患者総数の内で65才以上は2割で、最年少18才から上の年齢に広く分布しています。入院患者の内でICU管理されたものは、65才以上では半数に及びますが、65歳未満でも3分の1はICU管理を余儀なくされています。青壮年層でも重症化するのです。
 この論文では、最初の患者は12月1日に発生しています。海鮮市場の閉鎖の1ヶ月前です。入院患者41例は発症から平均7病日(日目)で入院、総数の51%が8病日に呼吸不全化、27%が急性呼吸窮迫症候群(ARDS)化、39%がICU管理となっています。入院と判断されるのは恐らく、発熱、摂食不良などで全身状態が悪い外来患者で、胸部X線で浸潤影などの肺炎の所見があり血中酸素飽和度が低下して呼吸不全が始まったとされる時点ですので、外来患者の中でも重症例だと思いますが、それでも入院患者の4割がICUに入らざるを得ないのは驚異です。
 2009年の新型インフルエンザ(H1N1pdm09)も、4月に最初に発生したメキシコがお祭り期間で、米国や欧米から観光客が多く集まっていたことがその後のパンデミックに繋がったとされています。新型インフルではその後、4月25日には早くもWHOの国際保健規則が定める「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」に史上初で決定し、WHOの緊急委員会は4月27日に世界的流行の警戒水準をフェーズ3からフェーズ4に引き上げ、4月29日にはフェーズ5に、6月11日にはフェーズ6まで宣言されました。今回の新型コロナウイルスは、インフルエンザほどの感染力はないと思いたいです。緊急事態は宣言されてもフェーズ4程度で収まることを願っています。
  27日  今日、当院で今シーズン初めてB型インフルの方が来院されました。1月上旬の愛媛のウイルスのタイプは、A09年型98.9%、B型が1.1%でした。今シーズンは、1~2月にA09年型が、3月にB型が流行するパターンになるかもしれません。今後の動向に注意したいと思います。
 マスコミ報道も広がってきたためか、「今年は花粉の飛び出しがはやいんですね」と、初期治療のお薬を希望する方が増えてきました。 
  26日   徳勝龍関、優勝おめでとうございます! 優勝インタビュー、インタビュアーの方も含めて素晴らしかったです。松山の街角では、マラソンの練習をする方が目立ってきました。愛媛マラソンも2週間後に迫ってきました。中国の新型肺炎、予想以上にシビアです。潜伏期が9-10日、感染で免疫機能が落ちるとの報道もあります。”旧型”コロナウイルスは、一般的な普通の風邪を引き起こすウイルスですが、”新型”の遺伝子解析の結果が待たれます。
 今日の診察では、明らかにインフルエンザという方が目立ちました。松山も今週には警報入りしそうです。僅かですがB型の報告もありますので、当院でも”インフルの二度罹り”にも注意します。 
  22日   山口県のスギ花粉の初観測日は1月1日、当院は13日、新居浜ではまだのようです。今日は一日小雨模様のため花粉の飛散はありませんでした、昨日は2個観測しています。元日からの積算気温が300℃を超えると飛散しやすいとの研究があります。記録的な暖冬のせいでスギ花粉が毎日観測される飛散開始日は早まりそうです。私の飛散開始予想を、当初の「2月初旬」から「1月末」に変更しました。さて、予想は当たりますでしょうか?

 5年あまりで情報収集のコンテンツはテレビからスマホに急激に変わりつつあります。総務省の情報白書では、18年のテレビのリアルタイム視聴時間(平日)は60代が248.7分となった一方で、10代は71.8分と若者のテレビ離れが顕著です。博報堂DYメディアパートナーズによると、メディアへの接触時間は10年にテレビが172.8分、携帯電話スマホが25.2分だったのが、19年にはテレビが153.9分、携帯スマホは117.6分と、スマホの使用時間が急激に増えています。テレビは高齢者のコンテンツになりつつあります。テレビで視聴率を稼ぐには、この冬クールのようにTVドラマは、刑事物か医療物が主流にならざるを得ないのでしょう。
 先日、赤ちゃんの診察の横で、上手にスマホをフリックやスワイプして見ているお兄ちゃんがいました。お兄ちゃんは3才ぐらいでしょうか。現在20~30才の世代をデジタルネイティブなミレニアル世代と言いますが、今の子供たちは生まれた時からスマホ世代です。絵本を読んでもらったりビデをを見るよりも、スマホのYouTubeであやしてもらう世代になりそうです。これはこれでいいのですが、ただ一点、おじさんは近視や斜視の早期化が心配です。


 このホームページの病気紹介のページ「なぜなに耳鼻科の病気」ですが、極力、Up Dateするように心掛けています。と言っても追いついてないこともありますが、、 アレルギーの記載と抗菌薬の記載を一部更新しましたので、このページでもご紹介します。

 アレルギー免疫学は病態解明も治療もここ10年さらに進歩しています。従来は下等動物は自然免疫、脊椎動物は獲得免疫が働くとされていましたが、人間も含む脊椎動物も、自然免疫から獲得免疫への橋渡しがあって免疫機構が形成されていることが解りました。自然免疫を担う樹状細胞のToll様受容体、制御性T(Treg)細胞、ゲノム編集技術であるCRISPR/Cas9の発見による遺伝子研究による抗体医薬品の開発、そして2010年には2型自然リンパ球の発見により自己免疫疾患とアレルギー疾患の関連性やアレルギー性炎症の病態が飛躍的に解ってきました。この分野の進歩はうれしいことに日本の研究者の働きが大きいです。抗体クラススイッチの制御機構や癌免疫療法を開発した本庶 佑氏ははノーベル賞を序章しましたが、その他にもノーベル賞候補者が日本には控えています。制御性T細胞を発見した坂口志文氏は昨年文化勲章を受賞しました。石野良純氏はCRISPR/Cas9の基礎となったDNAの繰り返し配列を見いだしました。審良静男氏はToll様受容体のノックアウトマウスを作製して9種類のToll様受容体とそのリガンドを同定しました。岸本忠三氏はアレルギー性に重要なサイトカイン、インターロイキン(IL)6を発見しました。この分野では京大と阪大の功績が凄いです。2型自然リンパ球は理化学研究所のグループが発見しました。以上の知見や、粘膜や皮膚が障害されていると抗原が侵入しやすいという知見を入れて、以下のようにアレルギーの項目を更新することにしました。
 
  <当院におけるアレルギー性鼻炎の対処法>
 ほこりや花粉などの異物蛋白(抗原)が、湿疹や感染した粘膜から侵入し、自然免疫を介して獲得免疫に記憶されて感作が成立します。IgE抗体が産生されるとともに、自然リンパ球や好酸球も活性化されてサイトカインも産生されます。抗原が再び侵入した際にIgE抗体を介した反応や2型炎症が引き起こされて、くしゃみ,鼻水、咳、痰がでます。刺激が続くと,細小持続性炎症化し、アレルギー性炎症の悪循環(リモデリング)がおこります。また体調や気温・気圧の変化といった非特異的な刺激に弱くなります。特に自律神経の影響で朝方や季節の変わり目に気道過敏症が目立ちます。これらの気道アレルギーがあると、かぜをひきやすく、また長引きやすくなります(感染後気道過敏性亢進など)。また中耳炎、副鼻腔炎、気管支炎を続発しやすくなるので注意が必要です。
  <当院で行う主なアレルギー検査 鼻汁好酸球>
 鼻粘膜上の細胞成分を観察して、抗原抗体反応、2型アレルギー反応の存在を類推します。好酸球は風邪などの一般的な炎症ではわずかしか見られません。細胞障害作用とアレルギー性炎症の悪循環(リモデリング)に関与します。以下の病態で出現します。1)ハウスダストや花粉による抗原抗体反応 2)30代以降の女性に多い2型自然リンパ球を介した2型炎症で、増悪すれば鼻ポリープ形成性の副鼻腔炎、気管支喘息を合併する 
  <小児・女性・高齢者の花粉症の特徴>
 生後3-4ヶ月までに非病原性細菌のエンドトキシンに暴露する機会がない清潔な環境だとアレルギーを抑制するTH1細胞が増えず、アレルギーを増悪させて2型自然リンパ球やサイトカインを活性化するTH2細胞が増える(衛生仮説)、清潔な衛生環境、乳児期の抗菌薬の服用、腸管免疫機能の低下、動物性蛋白の摂取が増える、環境汚染物質(PM2.5など)の増加で、1960年代から急速に発現頻度が増え、発症年令が低年齢化しています。
 アレルギー体質=異物蛋白の抗体産生力が強い体質の小児は、早ければ6ヶ月で食物、1才でハウスダスト、2才で花粉へのアレルギーを発症します。小学生の2割に雑草花粉3割にスギ5割にハウスダストの抗体が、20才台の7割、妊婦の8割に何らかの吸入性抗原の抗体があるとの報告があります。成長期は抗体産生力が強いので、15才前後まで徐々に症状が強くなる傾向があります。また、女性はホルモンの影響で妊娠後半期や出産後に症状が強くなる場合があります。一般的な花粉症の初発年齢は小学生~40歳代ですが、まれに60歳代でも発症します。逆に50歳代以降では年齢的な反応の減弱化によりアレルギー反応は弱くなり(アネルギーanerugy)ます。
  <アトピー体質、アレルギーマーチとは>
 IgE抗体を過剰につくる体質のことです。ある程度の量に達した段階で粘膜が過剰反応を起こすと発症します。親からの遺伝と環境の二つの要因によります。アレルギーが発現する部位が成長とともに変化していくことをアレルギーマーチといいます。乳児湿疹の傷から食物抗原が侵入して抗体が作られやすいこともあり乳児期には食物に反応するアトピー性皮膚炎、食物アレルギーが目立ちます。 2才前後からはハウスダストに反応してアレルギー性鼻炎、気管支喘息になりやすくなります。さらに小学生頃より花粉症としての鼻炎や結膜炎が目立ってきます。

 抗菌薬に関しては、抗菌薬の不適切な使用を背景として薬剤耐性菌が世界的に増加する一方、新たな抗菌薬の開発は減少傾向にあることが課題となり、2015年世界保健総会で薬剤耐性(AMR)に関するグローバルアクションプランが採択されました。2017年に厚労省が抗微生物薬適正使用の手引きを発表した。また、1989年に発表された不衛生な環境の方がアレルギーが発現しないという衛生仮説の支持が拡大しています。このような視点で、抗菌薬の項目を更新しました。

  <小児の抗生物質(抗菌薬)について>
 飲み始めでは薬が合わないために起こるアレルギー(湿疹,かゆみ,下痢など) が無ければ心配はありません。大人は胃を荒らすこともありますが,小児ではまずありません。抗菌薬特有の副作用としては,以下の3点に注意してください。
  下痢-腸内細菌を乱すことによる(特に血便には注意!)
  カビの繁殖-皮膚や粘膜の雑菌が死ぬ⇒雑菌を殺す白血球が皮膚にいなくなる⇒隠れていたカビが増殖する(抵抗力のまだ十分でない乳児)
  腸内細菌の乱れー腸管免疫の機能低下によりアレルギー反応を悪化させる可能性が指摘されています
 抗菌薬で一番の課題は、抗菌薬が効かない耐性菌の存在です。2016年の伊勢志摩サミットでも議題となり、政府は抗菌薬の投与を3割削減するとの目標を打ち出しました。細菌は分裂時の遺伝子変異により抗菌薬が効かなくなる耐性を獲得します。1964年にはメチシリンというセフェム系抗菌薬に耐性の黄色ブドウ球菌が出現、1996年にはバンコマイシン耐性のブドウ球菌が出現、2016年にはコリスチンというカルバペネム系の中でも最後の切り札とも呼ばれる抗菌薬への耐性菌が米国中国欧州で見つかりました。耐性菌は養豚養鶏や魚養殖に用いる抗菌薬や、人体にわずかに存在する抗菌薬耐性菌が生き残り過増殖することによる広まるとされています。中耳炎などの細菌感染の治療に際しては、細菌検査で耐性菌の存在を確認しながら、有効な抗菌薬を十分な量で充分な期間服薬することが望まれます。2010年代に入り我が国では小児用内服抗菌薬の新薬が2種類発売されました。このおかげで、セフェム系耐性菌が蔓延して治りにくくなった小児中耳炎が以前よりも治り、その結果、鼓膜切開の施行回数が全国的に減ったことが保険統計上も確認されています。世界的な視点で薬剤耐性菌の発生の助長には注意しながら、個々人の細菌感染に対しては、耐性菌の有無を確認しながら、病原菌のしっかりとした除菌を目指して、中途半端でないしっかりとした抗菌薬の服用が必要です。
 二番目の課題は、乳幼児が抗菌薬を服用することによってアレルギー体質を増強させる懸念です。生後3-4ヶ月にエンドトキシン(非衛生環境のマーカーである環境細菌由来の物質)の多い環境で育つとアレルギー疾患の発症が抑制されるという衛生仮説が支持されています。生後2才までに抗菌薬使用歴があると5才時にアレルギー疾患があるリスクが高いことを示唆するデータを2017年にわが国の国立育成医療研究センターが発表しました。今後の研究課題ですが、生育期に抗菌薬を服用すると腸管免疫の機能低下が起こる危惧もあります。
 よく飲み続けると効きが悪くなると心配される方もいますが、病原菌が消失したのに漫然と同じ薬を長期に飲み続けると他の細菌が増殖して菌交代現象が起こる問題、体内にわずかに存在する耐性菌のみが残って過増殖する耐性菌増殖の問題がありますが,耐性菌の市中での蔓延は、ウイルス感染による一般的な風邪の初期に二次的な細菌感染の予防のためとして抗菌薬を全国的に頻用したために増加したものと考えられています。耐性菌が原因で難治性反復性中耳炎になった場合には、中途半端に効きの悪い抗菌薬を服用しても効果は期待できません。有効な抗菌薬を、十分な量で十分な期間服用する必要があります。「鼻水が止まったから」「元気で痛みもないから」と自己判断で服薬を中止しないようにして下さい。
 2017年に国は抗微生物薬適正使用の手引きを発表し不用意な抗菌薬の処方を行わないよう指導しています。しかし、2018年でも1才児の15人に1人が抗菌剤を内服中とのデータがあります。私も「必要な場合に限り処方する」適正使用を心がけます。


 ここ1週間の私のマイブームは、雑誌「月刊エアライン」です。
 私も以前と比べて、フラッと本屋さんに立ち寄る機会が少なくなってしまいました。特に私には、フライブルク通り(松山以外の人には、なんでそんな名前の通りがあるのと怪訝に思われる方もおられるかもしれません。松山市とドイツのフライブルク市が姉妹都市で、この通りに入り口のある松山総合公園の頂上にはドイツの古城を模した展望塔があります。松山は中心部を見上げると松山城が、横を見るとドイツの古城が見られます。その昔には景観論争があったとのことです)にあった宮脇書店が昨年閉店してしまったのが大きいです。残念です。
 久方ぶりにある本屋さんを散策していて目に留まったのが「エアライン」です。航空機や空港、航空管制のメカニズムが、マニアックにして、かつ分かりやすく特集しています。久々に雑誌にはまりました。県や市の図書館には残念ながら蔵書されていなかったので、思わず、アマゾンでめぼしい古本を注文してしまいました。こんなんことをしているから本屋さんが減るのですね、、 (*_ _) 
  19日   センター試験が終わりました。昨日の朝は、試験会場である愛媛大城北キャンパスに向かう受験生を目にしました。当院にかかっている受験生達の顔が思わず浮かびました。心の中でエールを送りました。共通一次試験、センター試験の期間は雪が降るイメージが強いのですが、今年の試験は全国的に雪もなく穏やかな天候で良かったです。当院でも例年、試験直前にインフルエンザを発症して対応に追われることがおおいのですが、今年のセンター試験では試験に影響する受験生はおられませんでした。ホッとしています。中学受験とセンター試験は終わりましたが、これから私立大学入試、高校入試、国公立二次試験と受験シーズンは続きます。受験生のみんなの健闘をお祈りしています。

 センター試験で雪がないと述べましたが、今年の暖冬は凄いようです。これまでのところ東日本の平野部の積雪が例年の1%、西日本は0%です。富山国体のスキー予選が雪がないために長野での開催に変更されました。北海道道南のスキー場も雪不足で、日高からトラックで雪を運んでいます。近年、東北地方の温泉地は冬の予約がとれません。香港や台湾など雪のない地域の人が、雪の情緒を求めてツアーでやってくるそうです。しかし、今年は雪不足のためにキャンセルが続出しています。
 暖冬の影響は、スギ花粉の飛散にも影響しそうです。松山の飛散開始日は、過去最も早い日が1月17日でした。過去最も遅い日がバレンタインの2月14日です。昨年も2月14日でした。この暖冬のせいで飛散開始日は早まるかもしれません。私も予想を、2月初旬から1月末に変えたいと思います。ポールンロボの飛散データのグラフの当ホームページへの掲載を始めました。スギ花粉症の方の予防対策に活用頂ければ幸いです。

 難渋していたレセコンの移行作業ですが、ようやく完全移行に近づいています。導入前は、後継機種なので移行はスムースと高をくくっていたのですが、とんでもありませんでした。最新のレセコンの方が格段に機能が増えています。総合病院に対応して複数科、複数医師の診察に対応。電子カルテや検査データとの統合。介護保険、労災保険との連携。レセプトチェック機能の高度化。など、登録診療データや病名データ、出納情報の移行などで特別に変更を加えようとすると、ソフト内で迷子になってしまいます。私も分厚いマニュアルを読んで、どうにか頭の中に地図が出来て、対応のポイントが少しずつつかめてきました。企業のソフトを開発するシステムエンジニアは、ソフトの開発以外にも、バグの修正や機能の変更などで、時間に追われて大変だそうです。銀行の勘定系システムの移行には千億円単位の費用がかかるのを知ってビックリした覚えもあります。当院で使うレセコンでさえこれだけ複雑になっているのですから、大企業のソフトは凄いことになっているのでしょう。

 大河ドラマ「麒麟がくる」を見ました。私は「篤姫」で日本史に興味を持つきっかけを持ち、「龍馬伝」「平清盛」「軍師官兵衛」「真田丸」「西郷どん」は毎週楽しみに見ていました。「いだてん」は最初からパスでしたが、、今回の番組では、緑色を中心にギラギラした映像への違和感から始まりました。初のフル4K撮影で、BS4KではHDR、5.1chサラウンド放映とのこと。初期の4KテレビでHDRからSDR変換のために画面が暗くなっていましたので、その影響とも思いましたが、NHKが意図して効果を狙っているのでしょうか? 「平清盛」ではわざと色調を薄くしていましたが、今回はどのような理由があるのでしょう。また、衣装が色鮮やかなのにも違和感がありましたが、これは、チーフ・プロデューサーによると「戦国時代はくすんでいたのかと思っていたら、実は派手な色使いを取り入れた時代だったということで、そこのリアリティを取り入れて、色鮮やかな衣装を着ています」とのこと。色々な時代考証の背景があるのですね。 
  16日   中国重慶市で発生した新型コロナウイルスの日本国内で初めての感染者が確認されました。感染者は重慶市で感染発症したようです。今後、ヒトーヒトに易感染するタイプへの変異が起こらないことを期待しています。

 インフルエンザは1月5日に宇和島市で警報レベルに、12日には愛媛県内全域で注意報レベルとなりました。先週の県内のタイプは、A型98.5%、B型1.5%でした。年末年始の当院で検出したインフルは全てA型でしたが、B型の存在にも注意したいと思います。A型のほぼ全例がA2009年型と思われますが、昨シーズンは1月後半から流行の主体がA香港型になりました。当院では、まだインフルの二度罹りは見られていませんが、これから2月に向かってA2009年型とA香港型の同時流行や、3月のB型の流行にも注意したいと思います。
 年末年始は例年以上に溶連菌咽頭炎が目立ちました。溶連菌は”溶血性”レンサ球菌です。典型的な咽頭所見は点状出血斑で強い咽頭痛を伴います。しかし咽頭痛は強いものの典型的な咽頭所見が無く、パッと見、インフルエンザ様のびまん性レース状の発赤所見だけの場合もあります。このような場合には、迅速検査でようやく感染が確認できます。逆に、迅速検査で溶連菌陽性となった場合でも必ずしも溶連菌が病原性を示さない場合もあります。病原性の乏しい健康保菌者にウイルス感染が重複している場合などがそうです。溶連菌が病原性を示して人体に障害を及ぼしているかどうかは、症状や局所所見を総合的に勘案して判断します。病原性を示している場合には、腎炎の続発の予防の意味も含めて抗菌薬による治療を開始します。
 年末に、ある保育園で手足口病の流行がありました。昨年7月に1ヶ月に渡って長期的に大流行した手足口病ですが、過去にも年に複数回流行したこともありました。冬に小流行する場合もありました。当院では今冬まだ手足口病は診ていませんが、夏の代表的な感染症であるエンテロウイルスによる手足口病やアデノウイルスの存在にも留意して診察を進めたいと思います。

 当院のポールンロボは1月10日より稼働を開始しました。当院での花粉初観測日は全国的に強風の吹いた成人の日13日でした。ウェザーニュースCh.でのポールンロボデータのリアルタイムでの公開は1月下旬からとなります。
 ここ数日「花粉症で、、」と受診された方のほとんどは、ハウスダストアレルギーなど他の過敏症をベースにウイルスを中心とする急性上気道炎を起こしているケースでしたが、1月下旬からは少量のスギ花粉の飛散にともなって徐々に鼻粘膜が過敏になる方も出てきます。最近のアレルギー学の考えでは、一度、高度に抗原に暴露すると「最小持続性炎症」が続き、少量の抗原暴露でも症状が出やすくなるとされます。スギ花粉がある程度の量で飛散して鼻粘膜で一度アレルギー性炎症が起こると、各種のサイトカインが遊離されて症状が続きやすくなり抗アレルギー薬が効きにくくなります。スギ花粉シーズンに最小持続性炎症化するのを防ぐ意味でも、本格的に花粉が飛散する前からお薬を服薬するプロアクティブな初期治療が有効です。今シーズンのスギ花粉の飛散数は少ないと予想されてますが、このまま暖冬が続くと、花粉開始は例年よりやや早く2月初頭になる可能性があります。スギ花粉症の初期治療の開始時期としては、2月初頭をお勧めします。
 今シーズンのスギ花粉症へのレーザー治療を希望される方も、12月下旬から増えてきています。レーザー治療は、花粉飛散が本格化する前に行いますので、1月中の治療をお勧めします。スギ花粉への舌下免疫療法SLITの開始は、シーズン中は行いません。花粉飛散期に始めると、過剰反応を起こす可能性があるからです。スギ花粉へのSLITは5月より開始します。昨年よりスギ花粉とダニに対するSLITを同時に行う”dual SLIT”も行われるようになりました。dual SLITを希望される方で、スギ花粉症が軽度な方は、まず春にはダニに対するSLITから先行して始めるとよいでしょう。 
  10日  年始の診察も本格化しています。8日未明には暴風雨でした。春一番のような気圧配置だったそうです。ビックリしました。
 レセコンの更新ですが、当院ではよりによって年末年始の忙しい時期に機種変更したことから難渋してしまいました。しかし何とか12月分のレセプト提出を無事終えました。当院の事務スタッフのみんなには本当に感謝です。

 年末年始の感染症の流行状況は定点医療機関が休診であることもあり集計されませんので、類推するしかないのですが、松山では5年振りにインフルエンザの多いお正月休みだったようです。しかし5年前の大流行程ではなかったようで、私もホッとしています。5年前は救急病院で10時間以上の待ち時間のケースもありましたが、今シーズンは私が確認した中では4時間待ちが最長でした。お正月明けに、当院にも家族7人が全員インフルを発症したご家庭もありました。大変なお正月だったと思います。
 8日に3学期入りで例年以上にインフルの流行が拡大することを心配していましたが、今のところ、私の耳に入る情報では新学期早々に大流行している学校はありません。現在流行しているタイプは、ほとんどがA2009年型と思われます。昨シーズンは、年末から1月上旬までA2009年型が例年以上に流行していたところが、1月後半にはA香港型が急に大流行して1月20日前後の週には、週間単位で全国集計で過去最多の患者数でした。幸い、愛媛は全国で5番目に患者数が少ない県でした。今シーズンも、流行タイプの変化には注目していきたいと思います。
 国立感染研の1月9日更新の抗インフルエンザ薬耐性株検出情報では、A2009年型H1N1pdm09でタミフルに2.2%、点滴薬のラピアクタに2.2%でした。ゾフルーザ、吸入薬のリレンザ、イナビルへの耐性株は報告されていません。また例数は少ないものの、A香港型H3N3への耐性はいずれの薬剤にも見られていません。前シーズンにA香港型で小児での薬剤耐性誘導が報告されたゾフルーザですが、今のところ今シーズンのA2009年型びはゾフルーザよりタミフルの方が耐性が目立つ状況になっています。今シーズン、私は主にタミフルとリレンザ、イナビルを処方していますが、今後の耐性株の状況によっては成人ではゾフルーザの選択も検討したいと思います。

 当院では年始以降、インフル以外にも、溶連菌咽頭炎、アデノウイルス感染症、感染性胃腸炎、伝染性紅斑、マイコプラズマ感染症、流行性耳下腺炎など多彩な感染症が見られます。近しい家族にヒト・メタニューモウイルスや手足口病が出たのと患者様からの情報もあります。流行する感染症ではありませんが、伝染性単核球症も見られます。病原体が確定できず発熱が1週間続く方もおられました。適宜、総合病院の内科と連携しています。

 スギ花粉は3週間後前後には飛散開始日を迎えます。昨年12月に季節性アレルギー性鼻炎に適応が拡大された抗体医薬のゾレアですが、花粉シーズンの初期の2月からの注射の開始が推奨されています。どのような施設で治療を行うのか? 当院からは県内の耳鼻科基幹病院に紹介して治療するのか? まだ耳鼻科の臨床医は手探りの状態です。
 今日の夕刻に、花粉観測ロボット、ポールンロボを設置しました。設置者専用サイトで確認したところ、正常に稼働を始めました。またウェザニュースのホームページには花粉ch.は掲載されていませんので、皆様に花粉飛散データをお届けできるのは1月下旬になると思います。 
1月 1日   新しい年を迎えました。本年も当院を宜しくお願い致します。当院を受診される方々が、1年間健やか過ごせますよう、私自身も健康に留意しながら、今年1年微力ながら診察に励みたいと思っております。

 今年は東京五輪の年、皆様が、日本が力強く前進することを祈念しています。しかし、新年早々ではありますが、私は、国際政治・国際経済・国内経済、、何か大きな波乱が起きそうな漠とした不安を感じています。不安が稀有に終わりますように、、

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山口耳鼻咽喉科クリニック

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