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当院は、耳鼻咽喉科、気管食道科、アレルギー科を専門とし、地域医療に貢献します。

TEL. 089-973-8787

〒790-0045 愛媛県松山市余戸中1丁目2-1

スギ花粉・ダニの舌下免疫療法(SLIT)

スギ花粉に対する経口免疫療法〜
 花粉症の体質改善に近いと言われるアレルゲン免疫療法です。治療開始前に検査を行い、治療は最低2年間、毎日1回服薬する必要があります。当院では、紹介した基幹病院で導入期の治療の後、引き続き維持期の治療を行います。

薬剤:シダキュア スギ花粉舌下錠 2018年4月発売 
    シダトレン スギ花粉舌下液 2014年10月発売 (いずれも鳥居薬品) 講習会受講医師が処方 
効能効果:スギ花粉症(減感作療法)
対象者:シダキュア(5才以上 65才未満)、シダトレン(12才以上 65才未満)
*妊婦、授乳婦、重症の気管支喘息、悪性腫瘍、免疫系に影響を及ぼす全身性疾患(自己免疫疾患、免疫複合体疾患、または免疫不全症等)の患者には行なわない。
服薬方法:シダキュア 1週目 2,000JAU 2週目以降は5,000JAU 1日1回舌下に1分間保持後、飲み込み、その後5分間はうがいや飲食を控える。
       シダトレン 1〜2週目導入期200ボトルから毎日増量、3週目維持期;2.000パック 1日1回、舌下に滴下、2分間保持後、飲み込み。その後5分間はうがいや飲食を控える。
     2年間(3年間が望ましい) 毎日服用
      *1回/1ヶ月の通院が必須(シダキュア 発売後1年は1回/2週間)
      *花粉症シーズンには開始しない。開始時期は 5月〜12月初旬が目安。
      *経口免疫と注射免疫は機序が異なるため、過去に注射による減感作療法を行った患者も、導入期から行う。
     *患者は、救急時の緊急搬送先病院を明記した携帯カードを常に携帯する。
     *風邪などで体調不良時は一時休止する。1ヶ月以上休止した場合には再度導入期から開始する。
服薬期間:治療開始から2シーズンでの効果判定が多い。有効例でも短期間での中断は再発率が高いために、3〜5年の継続が推奨される。(WHOなど)
費用:薬自体の薬価は初年度37.000、次年度以降32.000円程度(シダキュアは1割増し)で自己負担は年間1万円程度ですが、その他に、2〜4週間毎に初再診料・管理料・処方料・調剤料、初期の検査料・基幹病院への紹介料などがかかります。
効果:10%が症状消失、70%が症状軽減、20%が改善なし。治療開始1年後の改善例が75%、2年目が85%。40%でヒノキ花粉時期も有効。ハウスダストなど他のアレルギーもあれば効果弱い。
副作用:市販前調査では重篤な副作用報告は無く、13.5%に口内炎、舌下腫脹、口腔内腫脹、咽喉頭掻痒感、耳掻痒感、頭痛などの副作用が認められました。発売後2年半では1069例の副作用報告があり、ほとんどが口内の軽い腫れやのどの違和感だが、5例でじんましんやアナフィラキシー症状などの重篤例あり。副作用発現の可能性に対しては、観察を行い適切な処置を行うことが求められています。

*数回の注射で長期的に症状が寛解する、スギ花粉治療ワクチンの臨床治験が日本で始まります。

 当院での治療手順
 1、5才以上65才未満のスギ花粉症患者に対して、血液検査によるスギ花粉IgE抗体の保有を確認。
 2、血液検査でスギ花粉症が確認されれば、中予の耳鼻咽喉科基幹病院に事前予約で紹介。
 3、基幹病院にて治療開始。2週間の導入期の服薬を行う。
 4、当院にて維持期の投薬を最低2年間(出来れば3〜5年間)行う。1ヶ月毎(シダキュアは2019年4月までは2週間毎)の再診が必要です。
  *診察は優先的に行います。
  *花粉飛散期は効果を実感できるように初期治療は行わず、免疫応答を減じる全身的なステロイド投与は行いません。症状発現時は、別に処方する抗アレルギー薬を服薬します。
 5、有害事象発現時の緊急搬送先病院は、紹介した基幹病院になります。
 6、中予地区の基幹病院と舌下免疫療法の診察日
    愛媛大学医学部付属病院:月曜・木曜14時30分〜15時30分
    愛媛県立中央病院:水曜日14時30分〜16時30分
    松山赤十字病院:月曜日15時〜 
    鷹ノ子病院:火曜日14時〜16時



〜 ダニへの経口免疫療法 〜
 当院での対応は決まり次第お知らせいたします。

薬剤:ミティキュア ダニ舌下錠(鳥居薬品)  2015年12月発売
   アシテア ダニ舌下錠(塩野義製薬)   2015年11月発売
     コナヒョウダニ、ヤケヒョウダニの2種のアレルゲン抽出物含有
効能効果:ダニ抗原によるアレルギー性鼻炎に対する減感作療法
対象者:5才以上、65才未満(65才以上は使用経験が無いため慎重に投与)
*妊婦、授乳婦、重症の気管支喘息、悪性腫瘍、免疫系に影響を及ぼす全身性疾患(自己免疫疾患、免疫複合体疾患、または免疫不全症等)の患者には行なわない。
服薬方法:@1日1回、舌下に保持し、ミティキュア1分間・アシテア2分間保持した後、飲み込む。その後5分間は、うがい・飲食を控える。
      Aミティキュア1週目導入期→2週目維持期、アシテア最低3日漸増期→治療継続:毎日服用 まず1年後に効果を評価 3年継続が推奨される。
     B服用記録・症状日誌の記録が望ましい。
      *1回/1ヶ月(発売後1年間の新薬期間は2週間毎)の通院が必須
      *服用前後2時間は激しい運動、飲酒、入浴は避ける。服用は日中。
      *他の現感作療法薬との併用のデータはなく、併用には十分注意する。
     *1年以上の投与で効果が得られなければ継続は慎重に判断
     *患者は、かかりつけ病院を明記した携帯カードを常に携帯する。
     *治療開始初期1ヶ月は特に副作用発現に注意
     *風邪などで体調不良時は一時休止する。
費用:薬自体の薬価は72.000円程度で自己負担は30.000円程度ですが、その他に、2〜4週間毎に初再診料・管理料・処方料・調剤料、初期の検査料・基幹病院への紹介料などがかかります。
効果:ミティキュア:3ヶ月後より症状軽減、1年後に有意な症状軽減。
   アシテア:1年後に有意な鼻症状軽減、総合評価で著明改善22%、軽度以上改善58%
副作用:国内臨床試験ミティキュア627例・アシテア989例ではアナフィラキシーショックなどの重大な副反応は報告されていませんが、発現の可能性に対して、観察を行い、適切な処置を行うことが求められています。ミティキュア63.%  *アシテア68%で口内炎、舌下腫脹、口腔内腫脹、咽喉頭掻痒感、耳掻痒感、頭痛などの副作用が認められています。
  *2018年2月より5才以上の小児に適応年齢が拡大され、より低年齢からの治療が可能となりました。

 当院での治療手順
 1、5才以上65才未満のハウスダスト鼻炎患者に対して、血液検査によるダニIgE抗体の保有を確認。
 2、血液検査でダニ・アレルギーが確認されれば、中予の耳鼻咽喉科基幹病院に事前予約で紹介。
 3、基幹病院にて治療開始。導入期の服薬を行う。
 4、当院にて維持期の投薬を行う。1年後に効果判定の上、3年以上の継続が推奨されます。1ヶ月毎の再診が必要です。診察は優先的に行います。
 5、有害事象発現時の緊急搬送先病院は、紹介した基幹病院になります。
 6、中予地区の基幹病院と舌下免疫療法の診察日
    愛媛大学医学部付属病院:月曜・木曜14時30分〜15時30分
    愛媛県立中央病院:水曜日14時30分〜16時30分
    松山赤十字病院:月曜日15時〜
    鷹ノ子病院:火曜日14時〜16時


★舌下免疫療法の詳細は以下のサイトをご参照下さい。
 ・アレルゲン免疫療法.jp(鳥居薬品) 
 ・花粉症ナビ(KYOWA KIRIN) 
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 スギ花粉に対する舌下免疫(減感作)療法が薬事法上で認可され、今後順調に薬剤が承認されれば来シーズンからは保険診療が可能となります。日本耳鼻咽喉科学会でも、11月の専門医講習会、2月の耳鼻咽喉科免疫アレルギー学会、5月の総会学術集会の折に講習会が開かれます。新しい治療法でこれだけ大規模に講習会を開くのは、日耳鼻学会としては初めてではないでしょうか。それだけ耳鼻科診療の世界でもepoch-making なのだと思います。
 当院でもこれまで保険診療の認められていたスギやハウスダストに対する注射による減感作療法は行っていましたが、ごくまれにアナフィラキシー・ショックなどの重大な有害事象がある、私の印象では3年程度治療を続けても有効率は半分以下、長期の通院を必要とする、などから、当院の患者様には主に、ハウスダストなどの通年性過敏症の方にはレーザー治療や化学剤治療を勧めて、花粉症の方には、予防投薬(初期治療)などの薬剤でコントロールして頂くことをお勧めしていました。当院でも、今後保険診療が認められれば、この経口免疫療法の導入を検討します。
 さて、スギの舌下免疫療法ですが、これは舌下のパンに含ませるなどで、スギ・アレルゲンを、低濃度、少量から連日投与し、徐々に増量、高濃度へ移行させ、最高用量に到達後その用量を維持用量とする治療方法です。アレルゲン免疫療法、減感作療法とも呼ばれるアレルギーに対する変調療法で、アレルゲンに対する過敏性を減少させる治療法です。世界的には既にWHOも有効性を認め、米国、英国、フランスなどの諸外国で既に行われています。一方日本では、予防接種も含め副作用に対して慎重な国民性の為か、臨床研究や承認が遅れていました。来シーズンのスギから、ようやく国が承認する治療法となる見込みです。
 作用機序自体は十分解明されている訳ではありません。”原因物質を摂取することによって体が慣れて再調整される”のですが、作用機序の説明として、1)この再調整により調節T細胞の一種であるTh2細胞が増加する、2)アレルゲン特異的IgE産生の代わりにアレルゲンと結合し中和するアレルゲン特異的なIgG誘導が起こる、3)特にIgGの中のIgG4がIL-4やIL-13を介してIgEを産生するB細胞からIgG4を産生するB細胞に切り替わるためにIgEの作用が減弱する、4)Th2細胞や肥満細胞に作用するIL-10の産生を増大させIL-10を介してTh2はロイコトリエン産生を抑制しヒスタミン分泌を予防するように働く、、 などの様々なデータが報告されています。アレルギーの遅発性反応では、ひとつの機序だけでなくアレルギー性炎症を鎮める方向で様々なネットワークが働きます。恐らく免疫療法でも、様々な機序が複合的に作用しているものと私は考えます。もともと生物は遺伝子レベルで固体を守る方向に進化します。進化した個体が生き残っていきます。アレルギー反応はもともと個体を守る為の反応です。過剰に反応し過ぎることがアレルギーという”病気”になります。免疫療法ではマイルドに個体を守る機序が遺伝子レベルで総合的に起こっているものと思われます。ちょうどiPS細胞が山中因子の活性化で作られるように、アレルギー体質も、根源ではどこかの遺伝子にトリガーによる刺激が加わってカスケードとしてのネットワークが働き出すのかもしれません。将来、そのような遺伝子が特定できれば、遺伝子治療でピンポイントで体質を変えることができるかも知れませんが、現時点では、この免疫療法が最も体質改善に近いものと言えます。
 経口免疫療法は、これまでも食物アレルギーの分野では経口減感作療法が、研究的な機関で行われていました。急速減感作と呼ばれる短期間で高容量を投与するヒトに対する研究的治療も行なわれていました。(急速減感作はスギやハウスダスト対して注射では試みられています)しかしこれらの治療では、ショックなどの副作用の可能性があるため、入院の上厳重な管理のもとで行う必要がありました。今回のスギに対する経口免疫療法は家庭での服用が前提となっています。今のところ国内での臨床研究データでは、注射による投与とは違い、重篤な有害事象は報告されていません。その意味では安全な治療法のようですが、有効率は注射による投与よりはやや劣っているようです。つまり、副作用の可能性は少ないが有効性は低い?これまで重篤な副作用の報告はないが全く起こらないわけではない?などの心配があります。これから、講習会の開催や経口減感作薬の承認に伴って、より詳細な情報が得られると思われます。私も情報をよく吟味して、舌下免疫療法を実際に行う否か、対象となる個々の患者様とよく相談したいと思います。        (2013年11月3日 当院ホームページより抜粋)

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医療法人 大輝会
山口耳鼻咽喉科クリニック

院 長 山 口 幹 夫

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