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当院は、耳鼻咽喉科、気管食道科、アレルギー科を専門とし、地域医療に貢献します。

TEL. 089-973-8787

〒790-0045 愛媛県松山市余戸中1丁目2-1

2018年 松山の花粉症情報


山口耳鼻咽喉科クリニック  ’17年11月21日最終更新

【松山での花粉症の特長】
 スギは、前年11月から秋のかすかな飛散が見られた後、1月初旬から中旬に初観測日を、2月初旬に持続的に飛散し始める飛散開始日を迎えます。2月から3月中に2〜5回程大量に飛散する日があり、その後、4月上〜中旬に終息します。飛散は梅(松山では椿まつり)とともに始まり、桜で終わると言われています。雨上がりの後や暖かく風の強い日には大量に飛ぶ傾向があり、市街地では午後3時頃〜9時頃に落ちてきます。飛散初期は目のかゆみ・くしゃみ・鼻水が主な症状ですが、後半期は慢性的な刺激のため、目の充血・鼻詰まり・のどの痒みや痛み・咳・熱感など、風邪様症状が目立ってきます。また、顔面皮膚炎を起こす場合もあります。飛散の多い日は午後の外出を控えたり、帰宅時に玄関先で衣類のホコリを掃ったり顔や目を水で洗い流す、早めに入浴する、洗濯物は午前中に取り込むか部屋干しする、などで花粉に晒されないよう心がけてみて下さい。特にシーズン後半期は個々人の症状に合わせたきめ細やかな治療が求められます。
 ヒノキは3月中旬に飛散が始まり、4月上旬にピークを迎え、5月上旬に終了します。ヒノキはスギとの抗原共通性があり、愛媛県はヒノキの植林が全国3番目と多く、スギ花粉症の方の8割が最終的にヒノキの花粉症を合併します。スギ・ヒノキともに2000年代に入り、飛散量が多くなっています。
 また、スギ・ヒノキ花粉症と間違われやすいカバノキ科ハンノキが1〜5月に飛散し、口腔アレルギー症候群を高率に合併します。

 イネ科雑草の飛散は3月下旬から11月初旬までの長期に渡り、梅雨と7月後半の時期を除き見られます。最も目立つ時期は5月の連休明けから梅雨入りにかけてのカモガヤです。イネ科は共通性抗原となることから、複数の植物に反応し長期間反応する人も多いです。ブタクサ、ヨモギなどのキク科の花粉症は9月中旬〜10月中旬に見られます。雑草花粉は100〜300m程度飛散します。好天の日に公園や土手、草むらに近づけば、急性の強い反応が出ます。

【スギ花粉症の初期(予防)治療について】
 初期治療(発症前投薬)を始める時期は、飛散開始日の1週間前(2月始め)または1月中でも外出時に花粉を感じ始めた時点からです。レーザー治療は12月後半から1月中旬に済ませることをお勧めしています。

*当院では1月下旬ポールンロボによる自動観測を行っています。このホームページにて時間単位の飛散速報がご覧になれます。なお、ポールンロボは花粉状粒子を測定しているため、ヒノキ花粉の時期は雑草花粉との判別はつきません。また黄砂にも反応します。

’18年シーズンの花粉症の飛散予想 
 スギ、ヒノキは、前年夏が猛暑で表年ながら日照時間が少なかったことから、四国は、例年より多いとする立場と、少ないとする立場の相反する予想が出ています。*12月に、花粉の雄花の発育状況で最終的な予想が発表されます。


’17年シーズンの花粉症の概括
 スギ、ヒノキともに、平年の1.5倍以上、前年の2倍以上の4年振りの大量飛散との予想でした。スギは平年よりやや多い飛散、ヒノキは大量飛散しました。
○スギは1月4〜6日に初観測されました。山口県や関東、西九州では例年より早めに飛散開始しましたが、松山の飛散開始は過去3番目に遅い2月16日でした。例年より遅く3月2日より大量飛散が始まり、6日にピークを迎え、3月19日にも大量飛散しました。桜の散る4月17日に飛散が終了し、平年よりやや多い飛散でした。
○ヒノキは3月15日に飛散開始、4月9日より大量飛散が続き、5月上旬に終了し、例年より大量飛散しました。
〇イネ科雑草は3月上旬に飛散が始まり、4月上旬からハルガヤ、オオムギ(松前町は裸麦の産地です)、5月がカモガヤ、オオアワガエリを中心にピークとなり、6月上旬の梅雨入りまで飛散が続きました。8月下旬から秋の飛散が始まり、11月初旬に終了しました。 *8月上旬に水稲が飛散しました。
〇キク科雑草は9月上旬よりヨモギ、中旬よりブタクサの飛散が始まり、10月上旬に終了しました。
〇ハンノキは2月中旬より飛散し始め、4月を中心に5月前半まで飛散しました。

’16年シーズンの花粉症の概括
 スギは昨年の2倍で平年よりやや少ない“平年並みの飛散”が予想されましたが、実際は”平年よりやや少ない”飛散となりました。来シーズンに4年振りの大量飛散が見込まれました。
〇スギの初観測日は1月2日、飛散開始日は1月下旬の寒波により例年より遅くなり2月11日でした。2月28日に1回目の大量飛散があり、3月7日に飛散のピークを迎えました。3月20日頃まで大量飛散が続き、4月20日に飛散が終了しました。
〇ヒノキは3月9日に初観測、3月21日に飛散開始日を迎えました。4月4日に飛散のピークを迎え、5月8日に飛散が終了しました。ヒノキは2年連続で少量飛散でした。
〇イネ科雑草の飛散が3月7日に初観測されました。4月上旬からハルガヤ、オオムギ(松前町は裸麦(六条大麦)の産地です)、5月がカモガヤ、オオアワガエリを中心にピークとなり、6月5日頃の梅雨入りまで飛散が続きます。
〇カバノキ科ハンノキが2月中旬より観測され始め、3月7日より目立っています。4月を中心に5月前半まで飛散しました。
〇今後、8月上旬に対象となる人は少ないものの水稲が飛散し、8月下旬から秋のイネ科の飛散が始まり、9月初旬よりキク科のヨモギが、中旬よりブタクサの飛散が始まります。10月中旬でキク科の飛散が終わり、11月初旬にイネ科の飛散が終わりました。
*ハウスダストは、家ダニが梅雨時から11月まで、カビは夏に多くなります。 好酸球性、薬剤性、血管運動性などの過敏症も6,9,11月に目立ちました。


●花粉症が初めて疑われた方へ:20才代で70%の人が花粉やホコリなどの吸入抗原の抗体を持ち、花粉症未発症者の45%が花粉の抗体(内65%はスギ)を持つとの報告もあり、花粉症予備軍は思いのほか多いです。花粉症を今シーズン初めて発症した方は、まだ抗体の量が少ないので、軽微な症状しか出ず軽く終わることが多いです。冬の名残で上気道粘膜が弱った時期に、アレルギー素因があり以前から気道粘膜の弱い傾向のあった方が発症していきますので、花粉症発症1年目か軽いウイルス性上気道炎かの鑑別は難しいものがあります。耳鼻科専門医はこの辺りの診断を的確にすることに細心の注意をはらって診察を進めていきます。
検査は @鼻汁好酸球の有無でアレルギー反応の存在を類推 A確定診断と程度をみるための血液検査による抗体測定(RAST)があります。当院では主に総抗体量(IgE抗体)、ハウスダスト、スギ、イネ科花粉、と、細胞性過敏症の指標である血中好酸球数を測定し、必要に応じてヒノキ、キク科花粉、ハンノキ、ペット、カビ、ガ、ゴキブリ、食餌性抗原、接触性抗原なども測定しています。検査を希望される方は診察時ないしは受付でお伝え下さい。

●小児・女性・高齢者の花粉症の特徴:卵・牛乳などの動物性蛋白や小麦の摂取が増えるという戦後の食生活の変化や、寄生虫の減少などの環境の清潔化で自然免疫を指令する制御性T細胞の働きが弱った、腸内細菌フローラの減少、などの様々な原因でアレルギー体質の発現頻度が増え、発症年令が低年齢化してきています。出生後花粉を毎年吸う事によって抗体が体内に産生蓄積されて発症しますので、アレルギー体質=異物蛋白の抗体産生力が強い体質の小児は極端に早ければ2、3才から発症します。有病率調査では小学生の2割に雑草、3割にスギ、4割にハウスダストによる鼻炎があるとされ、抗体の保有率では20才台の7割がホコリ・花粉などの吸入性抗原の抗体を有するとの報告があります。成長期は抗体産生力が旺盛ですので、20才前後までは徐々に症状が強くなる傾向があります。スギの飛散数は2000年代に入り増加していますが、戦後のスギ植林の樹勢のピークは過ぎたことから、今後はイネ科などの雑草花粉症が目立ってくるかもしれません。
 また、特に女性はホルモンの影響で妊娠後半期や出産後に症状が強くなる場合があります。一般的な花粉症の初発年齢は小学生〜40才代ですが、まれに60才代でも発症します。ただし、50才代以降では年齢的なアレルギー反応の減弱化により青年期よりも反応が弱くなり(アネルギー)ます。

●花粉症とまぎらわしい鼻炎:花粉症の方は程度の多少はあるものの平素の過敏症も有しており、さらにほこりのアレルギーを合併する方も多いので、花粉症シーズン以外の時期でも鼻炎の症状が目立つことがあります。*以下のように、気候や環境からは6,7,9,11月が過敏になりやすいです。
@鼻過敏症:鼻の粘膜は毛細血管で構築されていますので血管運動性鼻炎とも称します。扁桃組織の弱い人に多いです。また、加齢による萎縮性鼻炎や、30才代以降の女性に目立ってくる好酸球性非アレルギー性鼻炎、消炎鎮痛解熱剤に対するNSAID過敏症、シックハウス症候群(化学物質過敏症)もあります。妊婦さんでは妊娠後半期にホルモンの影響で妊娠性鼻炎を起こしやすくなります。副交感神経という自律神経が活発になる朝に症状が出やすくなりモーニングアタックと呼びます。また、夏のクーラー・11月初冬の冷え、梅雨や秋雨前線・台風による低気圧、温度変化、乾燥、風邪を引いた後(感冒後過敏症症候群)、黄砂やPM2.5プールの塩素尿素、化学建材などによる機械的化学的な刺激、ストレスから惹き起こされる自律神経失調などで過敏になります。またPM2.5などの化学物質の影響で粘膜が障害され抗原の侵入が容易になるため、花粉症などが悪化しやすくなります。
 Aハウスダストによる通年性鼻炎:家ダニ、カビによるアレルギーがあると一年を通じて鼻炎が続きやすくなります。10才代で体質が完成します。梅雨は高温多湿でダニ、カビが繁殖し、夏に結露の多い住宅や古い畳の多い住宅では夏カビが繁殖します。冷え込みの始まる11月には抗原性の強いダニの死骸やフンが多く発生します。

★経口免疫療法:スギ抗原を口内に滴下する舌下免疫療法(SLIT)は12才以上65才未満を対象に、5〜11月に開始し、2〜3年間毎日服薬します。2015年秋より12才以上対象にダニの舌下免疫療法も始まりました。

★サプリメント(健康補助食品):@甜茶(てんちゃ)という中国南部で健康飲料として飲まれている甘い味のお茶にはヒスタミン放出抑制作用のあるGDPポリフェノールという成分が含まれており、特にバラ科の甜茶に多く含まれています。薬局に用意して頂いてます。A体のリンパ球の中のTh1細胞が減りTh2細胞が増えるとアレルギーが強くなります。ヨーグルトやカルピスなどの乳酸菌がTh1細胞を活性化してアレルギー反応を鎮めます。

★花粉症と食物アレルギーの関係:果物を食べた直後に口やのどが痒くなったり腫れぼったくなる果物アレルギーの中に花粉症から誘発されるものがあります。これは花粉の抗原と果物の抗原に一部似た部分があり、花粉症の人が特定の果物を食べると口腔粘膜を中心に交差反応というアレルギー反応が起こるためで、口腔アレルギー症候群と呼ばれています。多くは摂取後半時間ほど、口から耳やのどの奥にかけての痒い感じが起こる程度で収まるのですが、まれには喉頭浮腫や喘息発作からの呼吸困難やアナフィラキシーから低血圧性ショックを可能性もあり注意が必要です。スギ花粉によるトマトや時にリンゴとの反応、イネ科花粉とメロンの反応、オオバヤシャブシ花粉とリンゴの反応などがあります。 

★スギ花粉症の初期(予防)治療:花粉に大量に暴露した場合、たとえ初期治療(予防投薬)やレーザー治療を受けていたとしても、かなり強いアレルギー反応を起こす可能性があります。(当然、未治療よりは症状は軽いのですが) よく都市圏では花粉の季節にはゴーグルやマスクで身構えて通勤する人を見かけます。ある程度症状の強い花粉症に悩まれた覚えのある方は予防グッズを活用下さい。当院でも年々、初期治療=予防投薬や予防的なレーザー治療を希望して来院される方が増えています。当院では以下の考えで予防治療を行っています。
1、予防用に特殊な薬があるのではないこと 
2、抗アレルギー作用のある薬を症状の出ないうちから服用していれば、花粉が付着しても反応が起こりにくくなり、その後のアレルギー炎症や過敏症の亢進と呼ばれる悪循環が起こりにくいこと、このような目的で処方するお薬を便宜的に予防薬と称していること (付記:耳鼻科の学会では初期治療という呼称が標準となりつつあります)
3、予防薬を服用していても大量や持続的な花粉への暴露があると発症を防ぎ切れるものではないこと 
4、特に今年は、予防治療をしていても2、3月に大量飛散があれば花粉自体を避ける努力をかなりしなければ、強い症状が出る可能性のあること
5、ただし、症状が出るにしても未治療よりは格段症状が軽く、市販の薬と違い眠気や口の渇きなどの副作用がほとんど出ずに効果の高い薬剤が処方できること
6、一般的な抗アレルギー剤や抗炎症剤を服用していても高度の症状が出た場合には、少量で短期作用の抗炎症・抗アレルギー作用のあるホルモン剤(ステロイド)も使用するが、予防的な長期作動性のホルモン剤の注射は副作用の遷延化の可能性があるため原則的に行わない

       
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