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山口耳鼻咽喉科クリニック ’12年4月8日最終更新
| 【松山での花粉症の特長】 例年松山では、前年11月から季節外れのかすかな飛散が、1月初旬から中旬にスギ花粉の初観測日を、2月初旬に持続的に飛散し始める飛散開始日を迎えます。2月から3月中に2〜5回程、大量に飛散する日があります。その後、4月上〜中旬に終息します。 雨上がりの後や暖かい風の強い日には大量に飛ぶ傾向がありますので、テレビの花粉情報などにご注意下さい。 飛散の後半期には粘膜への慢性的な刺激のため、初期の目のかゆみ、くしゃみ、鼻水だけでなく、目の充血や鼻詰まり、のどのかゆみや痛み、咳、熱感など、風邪引きと同じような症状が起こってきます。スギ花粉は昼に舞って午後に落ちてくる傾向があります。また、反応の強い方は、鼻や目・のどだけでなく顔の皮膚も反応してきます。飛散の多い日は午後の外出を控えたり、帰宅時に玄関先で衣類のホコリを掃ったり顔や目を水で洗い流す、早めに入浴する、などで花粉に晒されないよう心がけてみて下さい。特にシーズン後半期は個々人の症状に合わせたきめ細やかな治療が求められます。 ヒノキ花粉は、3月中旬に飛散が始まり、4月上旬にピークを迎え、5月上旬に終了します。ヒノキはスギとの共通性抗原を有し、愛媛県はヒノキの植林が多いこともあり、スギ花粉症に長年かかっている方の半数近くはヒノキの花粉症を持つとも言われます。そのような方は、5月の連休明けまで症状が続く可能性があります。 イネ科の雑草の花粉症シーズンは3月下旬から11月中旬までの長期に渡り、梅雨と7月後半の時期を除き見られます。最も目立つ時期は5月の連休明けから梅雨入りにかけてのカモガヤです。イネ科の花粉症は、複数の植物に反応し長期間反応する人も多いです。ブタクサ、ヨモギなどのキク科の花粉症は9月中旬〜10月中旬に見られます。雑草の花粉は上空から落ちてくるスギと異なり近づかなければ曝露しませんが、シーズンに公園や土手、草むらに近づけば、急性に強い反応が出ます。 【スギ花粉症の初期治療について】 当院での初期治療(予防)を始める時期の目安は、発症前投薬は1月下旬に開始を、レーザー治療は12月後半から1月中旬に済ませることをお勧めしています。1月中旬から症状を感じるような過敏な人は、次シーズンは1月初旬から発症前投薬を始めても良いと思います。 |
| ’12年シーズンの花粉症の経過と予想 スギ花粉、ヒノキ花粉ともに、前年が大量飛散で今シーズンが裏年にあたり、前年夏の気温は高いが日照時間は少なかったことから、四国地方では前年の半分以下ながら平年並みに近く、症状を発現するのに十分な飛散量であると予測されていました。 スギ花粉は、飛散パターンの似ている山口県では元日に初観測されました。松山では、1月下旬より少量飛散が始り、寒波が緩んだ2月23日に飛散開始日を迎えました。平年より約3週間遅く、過去25年間で最も遅い飛散開始となりました。3月3日より本格的な飛散が始まり、あと1週間、4月中旬に飛散が終了する見込みです。ダラダラとした飛散が続いたために3月に慢性的に粘膜がむくむ人が目立ちました。最大飛散量は少なく、予想以上に飛散の少ない年になりそうですので、来年の飛散は増えそうです。 ヒノキ花粉は3月23日に飛散開始し、4月上旬に飛散のピークを迎えています。5月初旬まで飛散が続く見込みです。 イネ科雑草花粉は、4月よりハルガヤなどの早期のものが、5月からはカモガヤが、梅雨入りまで飛散します。 *当院では1月24日よりポールンロボによる自動観測を始めました。当院ホームページでは時間単位の飛散速報がご覧になれます。なお、ポールンロボは花粉状粒子を測定しているため、ヒノキ花粉の時期は雑草花粉との判別はつきません。また黄砂にも反応します。 ’11年シーズンの花粉症の概括 スギ花粉は09年は2番目/26年間の大量飛散、10年は24番目/26年間の少量飛散でした。今年は飛散の表年にあたり、前年夏が記録的な猛暑だったこともあり、飛散は昨年の6倍で平年並みより多く飛散すると予想されていました。結局、過去6番目の飛散量となりました。 10月に例年並みに秋のわずかな飛散が観測され始め、11月下旬からは例年以上の飛散が観測され、年始も飛散が持続したため初観測日は1月1日と極めて早くなりました。その後は寒波が続き2月中旬までほとんど飛散せず、例年よりかなり遅く2月21日が飛散開始日となりました。2月25〜27日に大量飛散し、3月2日には一日あたりでは過去最大規模の飛散、3月13日に3回目、4月4日に4回目の飛散の山がありました。 4月まで連続的な飛散が続き、例年より遅く4月27日に飛散終了しました。 スギと共通性抗原であるヒノキ花粉は3月25日に初観測し、28日より飛散開始しました。4月7日に飛散のピークを迎えました。飛散開始は例年より遅く、4年ぶりにゴールデンウィーク明けまで飛散が続き、5月7日に飛散終了しました。 イネ科花粉が、ハルガヤを中心に4月上旬より目立ち始めました。5月に入り、カモガヤ、オオアワガエリなどの飛散が始まりました。梅雨入りが例年より2週間ほど早かったせいもあり、症状の強い方は例年より少なかったです。8月上旬に水稲が飛散、8月下旬から秋のイネ科の飛散が始まりました。9月10日頃よりキク科のヨモギが、20日頃より抗原性の強いブタクサの飛散が始まりました。10月中旬でキク科の飛散が終わり、11月初旬にイネ科の飛散が終わりました。 |
| ●花粉症が初めて疑われた方へ:花粉症を今シーズン初めて発症した方は、まだ抗体の量が少ないので、軽微な症状しか出ず軽く終わることが多いです。冬の名残で上気道粘膜が弱った時期に、アレルギー素因があり以前から気道粘膜の弱い傾向のあった方が発症していきますので、花粉症発症1年目か軽いウイルス性上気道炎かの鑑別は難しいものがあります。耳鼻科専門医はこの辺りの診断を的確にすることに細心の注意をはらって診察を進めていきます。鼻水を採取して鼻汁好酸球の有無でアレルギー反応の存在を類推します。また微妙なケースでは、正確な診断のために血液検査による抗体測定が有用です。当院では主にスギ、イネ科花粉、ハウスダスト、アレルゲンへの総抗体量(IgE抗体)と、必要に応じてヒノキ、キク科花粉、ペット、カビ、食餌性抗原の抗体、細胞性過敏症の指標である血中好酸球数などを測定しています。検査を希望される方は診察時ないしは受付でお伝え下さい。 ●小児・女性・高齢者の花粉症の特徴:卵・牛乳などの動物性蛋白や小麦の摂取が増えるという戦後の食生活の変化や、衛生状態の改善で体内のリンパ球のバランスの変化から抗体が産生されやすくなった、環境ホルモンの刺激、などの様々な原因でアレルギー体質自体の発現頻度が増え、発症年令が低年齢化してきています。出生後花粉を毎年吸う事によって抗体が体内に産生蓄積されて発症しますので、アレルギー体質=異物蛋白の抗体産生力が強い体質の小児は極端に早ければ2、3才から発症します。有病率調査では小学生の2割に雑草、3割にスギ花粉症が、4割にハウスダストによる鼻炎があるとされ、抗体の保有率では5割にハウスダスト・アレルギーがあると考えられています。成長期は抗体産生力が旺盛ですので、20才前後までは徐々に症状が強くなる傾向があります。戦後のスギ植林の急増によるスギの樹勢のピークは過ぎましたので、親の世代はスギ花粉症が代表的でしたが、今後はイネ科などの雑草花粉症が目立ってくるかもしれません。また、特に女性はホルモンの影響で妊娠後半期や出産後に症状が強くなる場合があります。一般的な花粉症の初発年齢は小学生〜30歳代ですが、50歳代やまれに60歳代でも発症します。ただし、50歳代以降では年齢的なアレルギー反応の減弱化により青年期よりも反応が弱くなる場合(アネルギー anerugy)が多いです。 ●花粉症とまぎらわしい鼻炎:花粉症の方は程度の多少はあるものの平素の過敏症も有しており、さらにほこりのアレルギーを合併する方も多いので、花粉症シーズン以外の時期でも鼻炎の症状が目立つことがあります。 *以下のように、気候や環境からは6,7,9,11月が過敏になりやすいです。 @鼻過敏症:鼻の粘膜は毛細血管で構築されていますので血管運動性鼻炎とも称します。扁桃組織の弱い人に多いです。また、加齢による萎縮性鼻炎や30才代の女性に目立ってくる好酸球性非アレルギー性鼻炎や消炎鎮痛下熱剤に対するNSAID過敏症やシックハウス症候群などの化学物質過敏症もあります。妊婦さんでは妊娠後半期にホルモンの影響で妊娠性鼻炎を起こしやすくなります。副交感神経という自律神経が活発になる朝に症状が出やすくなり、これをモーニングアタックと呼びます。また、夏のクーラー・11月初冬の冷え、梅雨や秋雨前線・台風による低気圧、温度変化、乾燥、風邪を引いた後、砂ぼこりやプールの塩素、化学建材などによる機械的化学的な刺激、精神的肉体的ストレスから惹き起こされる自律神経失調など、様々な要因で過敏になります。 Aハウスダストアレルギーによる通年性鼻炎:家ダニ、カビによるアレルギーがあると一年を通じて鼻炎が続きやすくなります。梅雨は高温多湿でダニ、カビが繁殖し、夏に結露の多い住宅や古い畳の多い住宅では夏カビが繁殖します。冷え込みの始まる11月には抗原性の強いダニの死骸やフンが多く発生します。 |
| ★サプリメント(健康補助食品): @甜茶(てんちゃ)という中国南部で健康飲料として飲まれている甘い味のお茶にはヒスタミン放出抑制作用のあるGDPポリフェノールという成分が含まれており、特にバラ科の甜茶に多く含まれています。薬局に用意して頂いてます。 A体のリンパ球の中のTh1細胞が減りTh2細胞が増えるとアレルギーが強くなります。ヨーグルトやカルピスなどの乳酸菌がTh1細胞を活性化してアレルギー反応を鎮めます。 |
| ★花粉症と食物アレルギーの関係:果物を食べた直後に口やのどが痒くなったり腫れぼったくなる果物アレルギーの中に花粉症から誘発されるものがあります。これは花粉の抗原と果物の抗原に一部似た部分があり、花粉症の人が特定の果物を食べると口腔粘膜を中心に交差反応というアレルギー反応が起こるためで、口腔アレルギー症候群と呼ばれています。多くは摂取後半時間ほど、口から耳やのどの奥にかけての痒い感じが起こる程度で収まるのですが、まれには喉頭浮腫や喘息発作からの呼吸困難やアナフィラキシーから低血圧性ショックを可能性もあり注意が必要です。スギ花粉によるトマトや時にリンゴとの反応、イネ科花粉とメロンの反応、オオバヤシャブシ花粉とリンゴの反応などがあります。 |
| ★スギ花粉症の予防治療:花粉に大量に暴露した場合、たとえ初期治療(予防投薬)やレーザー治療を受けていたとしても、かなり強いアレルギー反応を起こす可能性があります。(当然、未治療よりは症状は軽いのですが) よく都市圏では花粉の季節にはゴーグルやマスクで身構えて通勤する人を見かけます。ある程度症状の強い花粉症に悩まれた覚えのある方は予防グッズを活用下さい。当院でも年々、初期治療=予防投薬や予防的なレーザー治療を希望して来院される方が増えています。当院では以下の考えで予防治療を行っています。 1、予防用に特殊な薬があるのではないこと 2、抗アレルギー作用のある薬を症状の出ないうちから服用していれば、花粉が付着しても反応が起こりにくくなり、その後のアレルギー炎症や過敏症の亢進と呼ばれる悪循環が起こりにくいこと、このような目的で処方するお薬を便宜的に予防薬と称していること (付記:耳鼻科の学会では初期治療という呼称が標準となりつつあります) 3、予防薬を服用していても大量や持続的な花粉への暴露があると発症を防ぎ切れるものではないこと 4、特に今年は、予防治療をしていても2、3月に大量飛散があれば花粉自体を避ける努力をかなりしなければ、強い症状が出る可能性のあること 5、ただし、症状が出るにしても未治療よりは格段症状が軽く、市販の薬と違い眠気や口の渇きなどの副作用がほとんど出ずに効果の高い薬剤が処方できること 6、一般的な抗アレルギー剤や抗炎症剤を服用していても高度の症状が出た場合には、少量で短期作用の抗炎症・抗アレルギー作用のあるホルモン剤(ステロイド)も使用するが、予防的なホルモン剤の注射は原則的にしないこと |
http://home.e-catv.ne.jp/jibika/sugi.htm
院 長 山 口 幹 夫
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