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当院は、耳鼻咽喉科、気管食道科、アレルギー科を専門とし、地域医療に貢献します。

TEL. 089-973-8787

〒790-0045 愛媛県松山市余戸中1丁目2-1

‘19年 今月の疾患情報

  30日  本日、今年最終の診察が終わりました。これから何かと気ぜわしい年の瀬です。当院を年末に診察された方々が、健やかに新年をむかえられるよう、願いながら診察させて頂きました。

 診察では、例年よりもインフルエンザの方が多かったようです。急性副鼻腔炎、急性中耳炎、急性扁桃炎などの急性細菌性感染症の方も目立ちました。松山に帰省して、中耳炎や高熱の風邪に罹ってしまったお子様も目立ちました。お母様お父様だけでなくおじいちゃんやおばあちゃんが心配して付き添そうご家族もありました。可愛いお孫さんが帰省したとおもったら、お孫さんからインフルエンザをうつされたおじいちゃんの来院もありました。お孫さんからうつされたらしょうがないね、、と苦笑いされていました。
 クリスマスも終わりました。ここ数日、お子様に「サンタさんは来ましたか?」と尋ねていました。子供たちみんなが嬉しそうに「来たよ!」との返事です。中には、届いたプレゼントを嬉しそうに教えてくれるお子様も。「サンタさん来たんだね。今年1年、いい子だったの?」と聞くと、多くの子供たちは「いい子だったよ}と。「本当??」と合いの手をいれるお母さんもおられました。(^^)

 25日水曜日の午後の休診を利用して医事会計コンピューター(レセコン)を新機種に入れ替えました。26日朝からレセコンの代理店からサポートの指導員に来ていただいて正式稼働を始めました。同じメディコム・シリーズですので、導入はスムースに行くかと思いきや、、 最新のレセコンは、電子カルテシステムとの連携や、病棟の看護師、薬剤師、介護士さんとの連携も視野に入れたシステムになっていましたので、当院のように単純に医事会計に特化するならば、機能が多すぎます。前の機種の機能で必要十分だったのですが、機能が多くなったせいで、同じ入力でも手順が多くなったり、別の画面に飛ばなくてはいけなくなったりと、当院の事務スタッフは手順の把握に四苦八苦でした。翌日からは当院スタッフだけでの対応となりましたが、手順が判らずにサポートの方との電話を介した指導が続きました。昨日には私も急遽、PDFマニュアルを紙印刷してもらったマニュアルの冊子(土)(これが分厚い! それでも全ての機能を網羅した説明書ではありません)に目を通しましたが、保険変更、外字入力、データチェック、会計の変更など、スムースな入力が大変なのが判りました。「スマホ」より「ガラケー」が恋しい気分です。前の機種で十分だったのに、、と愚痴っても、サポートは来年の3月で終了ですので、更新しないわけには行きませんでした。3G通信を使っているガラケーも、来年のKDDIに始まり再来年にはDOCOMOも運用を停止します。4G、5Gのスマホに乗り換えていかなくてはなりません。当院の医事スタッフの皆さん、本当にお疲れさまです。勉強して、工夫して、慣れて、、がんばりましょう! 
  22日   当院の年内の診療もあと1週間となりました。今日は、当院近隣の余土小学校やさくら小学校の生徒さんにインフルエンザが見られるようになりました。これまで、土居田から余戸近辺ではインフルエンザは見られませんね、とお伝えしていたのですが。週明け、終業式まで、手洗い・うがい・体調万全でインフルエンザを吹き飛ばして下さい。インフルエンザに罹った幼稚園児のお子さんが、クリスマス会に出られなくなって、寂しそうにしていました。本当に残念でした。

 今年のM-1グランプリ、レベルの高い戦いでした。私の好きなお笑いコンビは、中川家、はなわ、サンドウィッチマンです。M-1グランプリでは、彼らが審査員を務めています。彼らの審査結果を見るだけでも楽しめました。

 当院でも頭痛を訴えて受診する方が多くおられます。その痛みが、耳や鼻から来るのか、のどから来るのか、頚部からくるのかをチェックするだけでなく、内科的、脳神経外科的、眼科的、歯科的、精神科的な原因がないのかも常に念頭に置いています。頭痛分類で一次的頭痛の含まれる片頭痛、緊張型頭痛、三叉神経・自律神経性頭痛が起こっているのかどうかも重要な鑑別点です。
 なかでも重要な片頭痛ですが、近年、詳しい発症機序の解明が進んでいます。片頭痛発作極期に脳硬膜血管が拡張する→血管周囲の三叉神経終末に神経原性炎症が生じる→神経伝達物質が放出される→脳血管平滑筋に作用して血管拡張が起こる→拍動性疼痛が起こる という流れです。近年、片頭痛を誘発する神経伝達物質の解明が進んでいます。最も重要と考えられているのがカルシトニン遺伝子関連ペプチド(calcitonin gene-related peptide;CGRP)です。今年は、CGRPの働きを抑えて片頭痛を改善する薬剤の研究発表が続きました。CGRP受容体拮抗薬(gepant系薬剤)と抗CGRP抗体、抗CGRP受容体抗体です。アレルギー領域の、抗ヒスタミン薬と抗IgE抗体の関係に似ています。
 CGRP受容体拮抗薬は、開発当初の2剤が肝機能障害が発現されることから開発が中止されていましたが、昨年より新たな3剤の開発が進められています。米国では治験第Ⅲ試験で有効性と安全性が示されました。我が国での臨床試験も始まりそうです。抗CGRP抗体、抗CGRP受容体抗体は遺伝子組み換えの生物学的製剤ですので、アレルギー領域のゾレアや抗がん剤領域のオブジーボ同様、高価な薬剤になりそうです。イーライリリー社のEmgality、テバ社のAjovy、アムジェン社のAimovigが、欧米では既に製品化され使用されてて、わが国でもイーライリリー社、大塚製薬、アステラス・アムジェン社で治験が進められていることから、2年後には承認される模様です。現在の片頭痛の急性期治療はトリプタン製剤しかありませんが、片頭痛領域も、アレルギー領域と似たように治療薬の変革が起こりそうです。 
  21日  インフルエンザが12月15日に全国で注意報入りしました。山口県、北海道、宮城県、青森県、富山県、埼玉県では警報入りです。11月15日の流行入りに続いて、2009年の新型(A2009年型)流行時以降では最も早い流行の広がりとなっています。愛媛県全体としてはまだ流行入りしていませんが、今治と中予地区が流行入りしました。流行のタイプは、全国集計ではA2009年型(AH1pdm09)95%、A香港型(AH3亜型)3%、B型2%です。愛媛では99%がA2009年型でB型ビクトリア株が1例でした。
 先々週より、松山南第二中→味生小→味酒小、中島小と学級閉鎖の報告が続いています。今日、当院では伊予小、余土小、生石小在校生からインフルが検出されました。学校の終業式は来週25日のクリスマスの日です。冬休みに入ると流行は一旦下火になると思われますが、松山でも5年に一度は年末年始にもインフルが流行しています。今シーズンも冬休み中の流行にも注意して下さい。

 11日に遺伝子組換え抗体製剤のゾレアが世界で初めて季節性アレルギー性鼻炎薬として承認されました。ゾレアは抗IgEモノクローナル抗体の皮下注射薬で、アレルギー反応を引き起こすIgE抗体に結合して、IgE抗体自体の働きをなくすことによりアレルギー反応を抑える作用があります。2009年1月にまず成人気管支喘息に適応が、2013年8月に小児気管支喘息、2017年3月に慢性蕁麻疹と適応が拡大されてきました。12才以上の小児にも適応されます。先日、このコーナーで私が紹介した好酸球性副鼻腔炎による鼻茸に作用する抗IL-4/IL-13受容体モノクローナル抗体のデュピルマブに先んじて承認されました。ゾレアは耳鼻科領域では頭頚部癌以外では初の抗体製剤となりました。これまでの抗アレルギー作用薬でも症状が抑えられなかった方にとっては、新たな機序を加えて治療することが可能となります。なぜ日本が世界で初めて承認されたか製薬会社の人に伺うと、やはり日本は世界でも最も花粉症が目立つ国だからとのことでした。欧米での雑草やヒノキ花粉症よりも、日本のスギ花粉症が季節性アレルギーとしては最も目立つからでしょう。季節性アレルギー治療薬ですが、まずはスギ・ヒノキ花粉症の治療薬ということになります。
 この薬に問題点は治療費がとんでもなく高価になるということです。薬価がゾレア150mg1瓶で4万6422円ですので、総IgE抗体が200U/ml台の中ぐらいのレベルで抗体を持つアレルギーの人がこの治療を受けると、2~5月に月1回計4回の注射で、かかる費用は月8万円計32万円、医療費3割負担の方で、月2万5千円シーズンで10万円かかることになります。また経口抗アレルギー剤の併用も必要ですので、従来の治療薬の費用もかかります。体重が重く高い抗体価を持つ人は、最大で1か月37万円シーズンで計150万円、3割負担で月11万円かかることになります! このため、保険収載の薬剤を認定する中医協でも医療保険財政への影響が懸念されたことから、厚労省は、取得予定の効能・効果を「既存治療で効果不十分な重症または最重症患者に限る」と明確化しています。施設要件や患者要件を明確化した「最適使用推進ガイドライン」と医療保険上の取り扱いを示した「保険診療上の留意事項通知」の順守が義務付けられました。ゾレアが非常に多くの花粉症患者に使用される可能性も否定できないことから、抗がん剤のオブジーボ同様、市場規模が1000億円を超える場合には「費用対効果評価」が行われて価格が引き下げられることになります。
 治療を行う医療施設がどうなるのか? 当院からは現状の舌下免疫療法のように地域の基幹病院に紹介して治療を行うのか? など、今後の耳鼻咽喉科学会やアレルギー学会の意向を注意してみていきたいと思います。

 また、9日には鼓膜穿孔治療剤のリティンパが承認発売されました。リティンパは塩基性線維芽細胞増殖因子(basic fibroblast growth factor:bFGF)で、線維芽細胞、血管内皮細胞および表皮細胞の増殖を促進する作用を有し、創傷部位における良性肉芽の形成および上皮化を促進させます。これが鼓膜の再生を促すことになります。これまでもフィブラストスプレー、リグロス歯科用液として発売され、褥瘡や皮膚潰瘍(熱傷潰瘍、下腿潰瘍)、歯周炎による歯槽骨の欠損の治療に用いられていました。今回、世界で初めて日本で鼓膜穿孔の治療に応用されることになりました。
 これもゾレア同様、遺伝子組換え製剤ですので薬価が高いのが難点と言えば難点です。手術時に組織接着剤と併用して使用すると薬価は合わせて約7万円、3割負担で2万円強となります。当院ではこれまで、慢性穿孔性中耳炎の鼓膜穿孔閉鎖手術には、主にキチン膜、コラーゲンスポンジ、耳科筋膜+組織接着剤を用いてきました。リティンパの作用機序を考えると、コラーゲンスポンジを持ちる方法よりは手術成績は良くなると考えられますが、やはり治療費は高価になります。私も、対費用効果を考えながら、個々人の鼓膜穿孔の状態に応じて治療法を選択したいと思います。

 花粉症飛散予報では、全国各地の研究者から野外調査で実際のスギの雄花の着花状況も観測した飛散予想が出てきました。松山大学の難波教授や今治の檜垣先生の予想でも、着花があまり見られず、過去10年平均を大幅に下回る少量飛散とされています。全国的にも、冷夏と台風が雄花の成長を阻んでいるとの観測結果が多くなされています。日本気象協会やウェザーニュース、野外調査の研究を総合すると、2020年の松山のスギ・ヒノキの飛散数は、「例年の7割程度、昨年の3割程度」の少量飛散のシーズンになりそうです。当院でも、1月下旬からはポールンロボによる花粉測定を行います。花粉の飛散状況を来シーズンもリアルタイムで報告していきます。

 日銀の資金循環統計によると、この9月に日銀保有の国債が500兆円、国債発行残高全体の44%となりました。私は20年以上前から、このまま国の借金が増えて赤字国債が増発されると、いつかは国債暴落(長期金利大幅上昇)でハイパーインフレになることを危惧していました。戦後間もなくに行われた預金封鎖→新円切り替えがいつかは行われる?と恐れていました。しかし、これだけジャブジャブ国債を発行して、日銀が国債をジャブジャブ保有、日本株や不動産をETFやJ-REITをジャブジャブ購入しても、物価が上がらなければ、そのままいけるじゃん、、とも思い始めました。ここ数年、金融界を賑わせている現代貨幣理論(MMT)もホントかもと思ってしまいます。 MMTとは、「自国通貨建てで政府債務を拡大させれば、物理的な生産力の上限まで経済を拡大させることができる」という理論ですが、自国通貨建てで国債を発行できる国はデフレになっても破綻しないのでしょうか? 過去の金融史にはない状況だそうで、日本は壮大な貨幣理論の実験場になっています。(それでも国債金利が0%付近ということは、国民は本来の適正金利の2~4%分は国に贈与していることにはなるのですが、、)

 今年は、7月、12月と、日本耳鼻咽喉科学会の地方部会学会が松山で二度開催されました。7月は中国四国地方部会合同学会、12月は四国地方部会の合同学会です。毎年、中四国の大学が持ち回りで開催していますので、中国四国学会は10年に1度、四国学会は4年に一度、松山で開催されます。今年は、めぐりあわせで二度開催されることになりました。
 地方部会は若手の学会発表の登竜門にもなっています。松山で学会開催時には、私の出身教室である徳島大学の医局員が多数参加することから、松山の地で会食を行っています。今年は二回、医局の重鎮や若手の医局員と懇親する機会がありました。医局の研究の現状、大学の最新設備、手術技術の進歩などを聞かせて頂き、大いに勉強になりました。その際、特に興味深かったのが、新たなロボット手術の導入に関するお話でした。ロボット手術装置ダビンチが頭頸部外科領域でも保険適応になることから、手術を開始するにあたっての準備を進めているそうです。
 ダビンチは98年に登場、米国インテュイティブサージカル社製で累計出荷台数は世界で約5400台に及び、世界の手術支援ロボット市場を独占しています。価格は1億5000万~3億円で、消耗品を含む運用費は年間数千万円かかります。視野の狭い部位の手術に適してたことから、まず泌尿器科領域で保険収載、導入が進みました。その後、消化器や呼吸器領域に広がっています。愛媛でも、四国がんセンター泌尿器科でいち早く導入され、愛媛県立中央病院外科が初めてダビンチ手術を行った際は愛媛新聞でも報道されました。私も講演会を興味深く拝聴した記憶があります。頭頸部外科領域、特に咽頭領域では特殊な保持装置が必要なことから、導入は遅かったのですが、ようやく保険収載のされることになりました。術者は前もって様々なトレーニングを受ける必要があるそうです。頭頸部外科領域の新たな手術技術としてどのように発展するか楽しみです。
 耳鼻科領域で初めて導入と思っていたところ、時代は、既に前に進み始めていました。ダビンチの武器は操作性に加えて遠隔操作するロボットアームの設計や動きに関する特許群でした。その主要特許が19年に入って切れ始めたため、多くの企業が参入にチャレンジしています。オリンパス、川崎重工業、ソニー、米国のグーグルの親会社アルファベットなどが開発を加速しています。オリンパスと国立がん研究センターのチームは、内視鏡にロボットアームを取り付け、大腸がんや胃がんの手術の場面ごとに視野が最適になるようAIで動きを制御し、さらに、内視鏡に映った画像から隠れた血管やわずかな出血をAIが認識して外科医が安全に手術を進められるようにし、電気メスなどの治療器具に加える最適な力もAIに提示させるとのことです。手術のAIデータを蓄積すれば、腫瘍の安全正確な切除範囲、出血予防、熟練外科医の高度な手の動きの再現もめざして開発を進めています。ソニーは画像センサーや犬型ロボット「アイボ」で蓄積した技術を手術支援ロボットに生かす開発を進めています。川崎重工業は共同出資会社メディカロイド(神戸市)で国産第1号となる手術支援ロボットを開発中です。19年度中に発売する予定で、20年代前半にはAIによる支援機能を追加させようとしています。手術の現場にも、自動車の自動運転のようなAI技術の実践配備の時代がもうそこまできています。AI技術で遅れ気味の日本も頑張れそうです。 
  11日   当院の大掃除、忘年会が終わりました。
 例年はこのまま年末を迎えるのですが、今年はレセプトコンピューター(レセコン)の更新作業があります。現行機種が10年目を迎えて、ついに来年3月でサポートが終了します。現行機種はパナソニックヘルスケア(旧サンヨー)のメディコムです。レセコン市場では最大手です。更新にあたって、日本医師会が開発したORCAの導入も考えましたが、現行のサポート態勢を重視してメディコムの後継機種を採用することとなりました。メディコム製では、プリンターの不調で日曜診療中に処方箋が急に発行できなくなった時でも迅速に対応して頂きました。パソコンのハードディスクの寿命が近づけば前もってハードディスクの入れ替えを行ってくれていました。今の医療では、医事コンピューターが動かないと、たちまち診療は滞ってしいます。医師会製のORCAは導入費維持費ともに安価なのが利点ですが、今回の機種変更は緊急時のサポート態勢を最優先にメディコムを続けることにしました。これから年末に向かって、導入時の講習、機種の入れ替え作業が待っています。円滑に導入されるように作業を進めたいと思います。

 ここ2ヶ月程、ムンプスウイルス感染による流行性耳下腺炎(ムンプス、おたふくかぜ)のお子様が目立っています。
 ムンプスは任意ですが予防接種で9割に抗体がつくとされます。予防接種でも感染しても、抗体がつくと一生涯免疫がつく(終生免疫)とされています。近年、耳鼻科や小児科領域から成人期に再感染するケースの論文も出てきますが、多くは終生免疫を獲得するものと考えられています。ムンプスの予防接種を未接種で、周りにムンプスを発症した人がいて2~3週間後に耳下腺や顎下腺が腫れてくればムンプスの可能性が高いです。しかし初回感染者の約3割は全く症状が出ないで感染する不顕性感染の形をとります。
 小児では耳下腺が一度腫れた後に耳下腺内の末梢唾液腺管に炎症が残って、口腔内に別の感染で炎症が起こった際や免疫力が落ちた際に耳下腺が腫れてくる反復性耳下腺炎という病態があります。成人では唾液腺涙腺に対する自己抗体が出来ることによって耳下腺が慢性的に腫れたり唾液の量が減ってくるシェーグレン症候群という膠原病があります。またごく稀には、耳下腺や顎下腺内の血管がIgG4という自己抗体によって破壊されるIgG4関連血管炎性耳下腺炎という自己免疫疾患もあります。またコクサッキーウイルスやEBウイルスなどのウイルスや細菌、稀には結核やアレルギーでも唾液腺が腫れます。このように、耳下腺や顎下腺が腫れた時にムンプスかどうかの判断は局所の所見だけでは困難な場合が多いです。ムンプスの初回感染ならば発症後1週間以降に急性期の抗体IgM抗体が増えれば確定診断できます。腫れが反復していれば、過去にムンプスに罹った際に出来て長期間体内に残る抗体IgGがあれば、ムンプスには既に罹っていて別の要因であると判断できます。
 このように、急に耳下腺や顎下腺が腫れた時には、腫脹の性状、年齢、予防接種の既往、反復性の既往などを総合的に判断して、必要に応じて血液検査でムンプスかどうかを判断します。
 治療については、ムンプスウイルスに直接効く抗ウイルス薬はありませんので、対処療法が基本となります。高熱が続く場合も熱が出ない場合もあります。ムンプスに罹った小児の約1000人に1人が高度感音性難聴を生じ、有効な治療法はありません。また無菌性髄膜炎になると激しい頭痛や嘔吐が続きます。特に成人では、多くは一側性で不妊の原因となることは少ないのですが、男性では睾丸炎、女性では卵巣炎を生じることもあります。耳下腺が腫れてから5日程度で感染力は無くなりますが、発症中はムンプスウイルスが暴れないように、免疫力を落とさないように心掛けた上で、唾液がたくさん出るような刺激物を避ける食事を心がけて、経過を見ることになります。

 ここ1週間、最新の医療機器をデモする機会がありました。
 ひとつは、ポータブルタイプのエコー装置です。スマホの大きさでドップラーエコーというカラーエコーも出来ます。確かに往診や病棟回診では重宝しそうです。難点は据え置き型のエコー装置より解像度が劣ることです。当院にも既に据え置き型のエコー装置は導入していますが、スマホタイプのエコーがあると診察椅子に座ったままでも直ぐに検査が出来ます。据え置き型よりも安価ですが、それでも高価です。しばらくは導入は見合わせることにしました。
 ふたつめは脳波による聴力検査が複数できる複合機です。脳波聴力検査(ABR)、ABRは主にクリック音という一つの周波数を検査しますが、8周波数を全て検査できる聴性定状反応検査(ASSR)、内耳性難聴を客観的に評価できる耳音響放射検査(DPOAE、TEPAE)、前庭神経の機能を評価できる前庭誘発筋電図検査(VEMP)、メニエール病の評価に有用な蝸電図(ECochG)が測定できます。ヘッドホンも外耳道内に挿入するインナーイヤープローブですので、高度の防音室以外でも測定可能です。乳幼児の難聴の診断、めまいの評価、メニエール病の評価に大いに役に立ちます。このように、私にとってはなんとも優れものです。これまでは必要に応じて大学病院や身障者センターに依頼していた検査が自院で可能になります。しかし高価です。(-"-) 導入したいのはやまやまですが、、 今後、学会の展示会場などを利用して、導入への検討を続けたいと思います。 
12月  8日   師走です。愛媛県のインフルエンザは全てA2009年型(AH1pdm09)です。当院でもここ10日程、小学生を中心に、未就学児や社会人でもインフルエンザの方の来院が続いています。 
     
  29日   ここ二日で3名のインフルエンザの方の来院がありました。国立感染研は10日までの週でインフルエンザが流行入りしたと発表しました。例年より数週間から1か月ほど早く、統計を取り始めて以降2番目に早い流行入りです。九州沖縄と東日本で患者数が多くなっています。愛媛は定点当たり0.87人と1人以下ですのでまだ流行入りではありませんが、愛媛でも年内に流行の第一のピークが来るかもしれません。
 抗インフルエンザ薬のゾフルーザですが、先に日本感染症学会が12歳未満へは慎重投与とするようにとの見解を発表したのに続いて、26日には東大の研究チームが、ゾフルーザ服薬前には検出されなかった耐性ウイルスがA型患者の38人中9人に発生し、この耐性ウイルスは既存のウイルスと同等の強い感染力があったとネイチャー・マイクロバイオロジーに発表しました。昨シーズンまでの塩野義製薬からのデータでは、耐性化したウイルスの感染力は弱いとされていたので、このデータには驚きました。昨シーズン、私がゾフルーザを処方した方のほとんどは劇的の症状が軽くなっていましたが、お子様の中になかなか解熱しない例もありました。やはり昨シーズン、当院でも耐性ウイルス化したケースがあったと思われます。この報告は、キー局のテレビニュースでも取り上げられました。ニュースを見た視聴者が不安になることもあると思われます。ゾフルーザでインフルエンザが重症化する訳ではありませんが、治療中に耐性ウイルスが発生すると、服用した患者の治りが悪くなるだけでなく、その患者から感染した人はゾフルーザが効かないことになります。10年前のAソ連型や2009年型の流行時にはタミフル耐性ウイルスが問題になりました。そのごなぜかタミフル耐性ウイルスは広がりませんでした。ゾフルーザも、耐性ウイルスが広がるか広がらないか注意して経過をみたいと思います。今シーズン私はとりあえずタミフルや吸入薬のリレンザ、イナビルを優先的に処方しようと思います。

 花粉症飛散予想ですが、ウェザーニューズ社も「第一回花粉飛散傾向」を発表しました。四国は、2019年夏が平年並か平年をやや下回る暑さとなり、日照時間が平年を大きく下回たっため、スギ+ヒノキの花粉飛散量は平年の78~92%、2019年シーズンの49~66%となると予想しています。日本気象協会の予想よりは飛散量は多いとの予想ですが、それでも来年の飛散はかなり少ないようです。(^-^)

 睡眠時無呼吸症候群SASの治療に、新たなトライアルです。ストラテラとポラキスの就寝前併用投与で睡眠時無呼吸が優位に改善したとの発表が第29回欧州呼吸器学会でありました。注意欠陥多動性障害ADHDに用いられている選択的ノルアドレナリン再取り込み阻害薬ストラテラは覚せい剤の成分メチルフェニデートに近いものの非刺激薬とされ乱用性がない薬です。精神科専門医がADHDに対して慎重に投与しています。ポラキスムは過活動膀胱に用いられるスカリン受容体拮抗薬です。ストラテラは覚せい剤様の作用からADHDの患者に対してのみ認められており、耳鼻科医や内科医が気軽に投与できるお薬ではありませんので、この治療法が直ぐに普及することなないと思われますが、SASの薬物治療にも新たな展開がありそうです。
 閉塞型SASの主な病態は、吸気時に舌を持ち上げるオトガイ舌筋の緊張低下による上気道の狭小化が主体ですが、解剖学的な要因は4割で、その他の筋活動性や興奮閾値の異常や換気コントロールの不安定性の要因も重要とされています。これまでもセロトニン作動性の抗不安薬セディーナ、アドレナリン受容体作動性の昇圧剤気管支拡張剤、大麻成分のカンナビノイド、ニコチン、選択的ノルアドレナリン再取り込み阻害薬SSRI,抗ムスカリン性の鎮痙剤ブスコパン、アドレナリン受容体作動薬(α1遮断薬)の散瞳薬フェニレフリンなどがレム睡眠期の筋活動性を高めることが判ってきています。特に脳内伝達物質に作用する新しい抗うつ薬SSRI、SNRIなどは、うつ病だけでなく、めまいや神経痛、頭痛の治療にも応用が進んでいます。SAS治療の分野でも、精神や自律神経に作用する薬剤の臨床応用が進みそうです。新たな病態を解明する研究の進展が楽しみです。 
  26日   インフルエンザの予防接種シーズンはピークです。当院では診察時間の都合により、従来から予防接種は行っておりませんが、当院かかりつけの方からは今年も予防接種が可能かどうかの問合せが増えてきました。中耳炎を含めて急性炎症が無ければ接種は可能と考えます。体内に急性炎症がある段階では、その人の体内で免疫力自体の低下や、免疫を調節する機能の低下が起こっているかもしれません。そのような時に接種を受けると、体調が整った時以上に予防接種の副反応が起こるかも知れません。そのような観点で、急性炎症のある段階での接種は見合わせた方が良いだろうとアドバイスしています。風邪に罹って発熱したり、中耳炎や扁桃炎の腫れが強ければ、炎症が収まるまで、発熱や腫れが起こってから1週間程度は接種を見合わせることが好ましいと思います。

 クリスマスの季節です。毎年家庭でイルミネーションの飾りつけをしている方から、もみの木とともにクリスマスツリーとして用いられているゴールドクレストで花粉症は起こらないのかとの問い合わせがありました。調べてみると、ゴールドクレストもヒノキ科の木でした。ヒノキとスギは共通性抗原を持っていますので、スギ花粉症の方はゴールドクレストで花粉症を起こすかもしれません。ただし、市販されているゴールドクレストは1,2年生の若木なので花をつけて花粉を発生することはないそうです。5~6年大事に育てていると花をつけることになります。葉の先に黄色の丸いもの(球果)が付き始めたら、花粉の飛散に注意だそうです。欧米ではスギ花粉症よりもヒノキの花粉症が主流です。欧米のクリスマスには、クリスマスツリーで花粉症を起こすケースもありそうですね。 
  21日   睡眠時無呼吸を検査する睡眠ポリグラフ検査装置を1台増設しました。これで、当院のスクリーニング装置は計4台になりました。新たな睡眠評価装置パルスリープ LS-140では、従来の体位測定に加え睡眠中の呼吸努力が測定できますので、簡易ポリグラフ検査でも、無呼吸が閉塞性か中枢性かの鑑別が可能となりました。これまでは検査の予約待ちをして頂く場合もありましたが、これからは、ほとんどの方に診察当日に検査を受けて頂けるものと思います。

 睡眠時無呼吸症候群(SAS)の最新の話題についてお話します。
 睡眠時無呼吸症候群へのアプローチは各科で行われています。耳鼻科は、鼻腔も含めた上気道の形態から閉塞型SAS(OSAS)へのアプローチを行います。特に咽頭腔の閉塞に大きく関わる口蓋扁桃や舌根扁桃への手術を行えます。私も大学時代には、小児の扁桃肥大を中心にしたOSASの研究に関わっていました。歯科口腔外科は、顎形態の観点からアプローチを行っています。現在、下顎を前方移動させるマウスピース(スリープスプリント)が軽症OSASの治療の第一選択となっています。精神神経科は、睡眠障害の観点からのアプローチです。レム睡眠などの睡眠ステージとの関連の研究は生理学分野で進められ、過眠症(ナルコレプシー)やむずむず脚症候群(Restless legs症候群、下肢静止不能症候群と同意)などドパミンなどの脳内伝達物質の異常などで研究を進めてきました。最近、注目を集めているのが循環器科からのアプローチです。SASは、心筋梗塞や不整脈の増悪因子として重要であることが明らかになり、近年は循環動態の観点からSASの治療方針を進める方向になっています。また、小児科新生児科では乳児の呼吸障害の観点からアプローチさせています。乳幼児の突然死はシビアな病態です。ヒトはだれでも睡眠時の深い呼吸の後に一時的に息が止まります(周期性呼吸)。新生児や乳児では、脳の発育が未熟なためにこの周期性呼吸が大きく、先天的な神経の異常や肺機能の異常があると睡眠時無呼吸から命に関わる事態となることもあります。この観点からの睡眠研究が進んでいます。
 最近、話題となっているのが循環器領域です。SASが高血圧、心不全、心房細動、冠動脈疾患、急性冠症候群の3~8割の患者に合併するとされ、心血管死亡のリスクを上昇させることが観察研究などで示されているにもかかわらず、SASの治療を行っても”心血管リスクが改善する”とのデータが出てこないことです。重症のSASのケースに、治療を行わない群と、治療を行った群に分けた比較研究が倫理的な点から出来ないことも利用のひとつですが、重症のSASにどのような治療が最適なのかの判断がつきかねることから、臨床医は治療の選択位に困ることになっています。私も高血圧の方でSASの状態の人に、どのレベルの治療を積極的に勧めればようのか判断に迷うケースもあります。持続的陽圧呼吸装置CPAPを試みても、約3割の方ではマスクを無意識に外してしまったり音が気になったりする忍容性の低下のために治療が継続できません。様々なケースの方に最適な治療を行う根拠となる大規模な臨床実験データが欲しいところです。
 SASの治療に関しても、最近、大きな動きがありました。2014年に米国FDAで承認されたインスパイア上気道刺激療法です。これは、舌根沈下を電気刺激で防止するという画期的な治療法です。不整脈に心臓ペースメーカーを埋め込んで治療するように、肋間に埋め込んだセンサーで呼吸を監視して、舌下神経を刺激して舌根を持ち上げます。今年の8月にわが国でも承認され、現在、治療指針の作成に取り掛かっています。CPAP治療が困難なケースに、耳鼻科医が手術を行うことになりそうです。2014年の医学界で権威のある雑誌(New England Journal of Medicine)にも論文が掲されました。無呼吸低呼吸スコアAHIが治療開始1年で29.3から9.0に減少、睡眠時の血中酸素の低下の程度を表す3%ODIは25.4から7.4に低下と、私から見てもCPAPや歯科マウスピース治療に比較しても、遜色ありません。また、本人に治療中の不快感がほとんどないのもメリットです。恐らくわが国では、大学病院レベルの先進医療からスタートすることになると思いますが、手術自体は侵襲は大きくありませんので、普及すれば一般市中病院でも施行可能になると思われます。SAS治療に、新たなアプローチが増えることになります。ちなみに開発した会社のインスパイア・メディカル・システムズはニューヨーク証券取引所に上場され発展が有望視されているそうです。
 その他にも、新たな治療法が続々と研究開発されています。
 耳鼻科領域では、軟口蓋インプラント治療があります。これは、軟口蓋(のどちんこ周辺の部位)の筋肉が弱いケースに、軟口蓋に20mmの長さのプラスチック製インプラントを3本入れて筋肉を固くして軟口蓋の沈下を防ぐ治療です。2008年に米国で始まりました。AHIは術後37%減少し、48%のケースで改善したとのことです。日帰り手術が可能です。当院で既に導入されている鼻腔挿入デバイス(ナステント クラシック)も2014年に始まった新たな治療法です。当院でも舌根沈下型のOSASでも著効例を経験しました。あなどれない治療法です。
 歯科領域では、コンプライアンス記録付スリープスプリントが欧米で2012年に、わが国でも2018年に研究用での使用が始まっています。これは、スリープスプリントに記録装置を埋め込むことによりCPAP同様に使用時間などが記録され、この記録をもとにスリープスプリントの修正を行うものです。矯正歯科領域では、小児期より床矯正を行い下顎を大きく広げてOSASを未然に防ぐ矯正術が始まりました。最近では成人への矯正も試みられています。口腔外科領域では、上下顎骨前方移動術(MMA)が1990年より、骨延長術(仮骨延長術)が1990年米国の整形外科によって始められました。骨延長術は足や腕の手術を応用したものです。骨切り→待機→骨延長(1日0.5~20mm)→待機 のように行います。口蓋垂軟口蓋咽頭形成術(UPPP)よりも効果は高とされます。小顎症で重症OSASかつCPAP不忍容の例では有効な選択肢のひとつです。
 従来の減量、鼻閉塞の治療、スリープスプリント、扁桃摘出術やUPPP、CPAPでの治療が困難なケースへの治療の選択肢は増えています。SAS治療の進歩を私も楽しみにしています。 
11月 12日   11月、当院の紅葉も真っ盛りとなりました。祝賀御列の儀、秋晴れでなによりでした。
 当院の看護師スタッフも新たな人を迎えることかできました。なお、パートの看護師さんは引き続き募集しております。
 先週、テニスの大会で花粉症症状を来した学生さんが来院されましたが、秋の花粉症シーズンもようやく終わりを迎えました。10月初旬でキク科花粉が、11月初頭でイネ科花粉の飛散も終わりです。ただし例年、気の早いスギ花粉が10月下旬より僅かに飛散します。11月には数日に渡って連続して落ちる場合もあります。スギ花粉症の方の中には、紅葉狩りなどで少し鼻がムズムズしたり目がコロコロする方もあると思います。当院では、来シーズンに向かって花粉観測器ポールンロボの設置の準備をを進める季節にもなりました。
 インフルエンザは、9月19日の松前中学校に続き、10月8日には新居浜の幼稚園で、10月30日からは今治の中学校で学級閉鎖がありました。学級閉鎖の施設からの検体も含め、愛媛でのインフルの流行は、7月までのA香港型から、8月には全てA2009年型に代わっています。松山市医師会や県の感染症情報ではB形の報告も見られています。当院では、ここ3週間ほどインフルの方は見られていませんが、引き続き、インフルエンザのことも念頭に置いて診察を進めたいと思います。
 先週、ある保育園でヒト・メタニューモウイルス(hMPV)の集団発生がありました。当院を来院されたお子様もありました。hMPVは、RSウイルスの兄弟分のようなウイルスです。例年、RSウイルスが12月を中心に流行し、hMPVhは春を中心に流行します。秋にhMPVが集団発生するのは、私もノーマークでした。

 ハローウィンが終わり、町はクリスマスのイルミネーション一色となりました。当院でもそろそろクリスマスソングのBGMを流したいと思います。
 私がお気に入りのクリスマスのBGVにを以前このコーナーでも紹介しましたが、今年も2019年バージョンを作ってくれました。私のクリスマスの風物詩になりました。
  YouTube Christmas Eve 2019 山下達郎(クリスマスイブ) へ

  帯状疱疹(三叉神経領域)、好酸球性副鼻腔炎、ANCA関連血管炎性中耳炎(OMAAV)、橋本病、亜急性甲状腺炎、甲状腺嚢胞、顎下腺炎、頚部リンパ節炎、肉芽腫性鼓膜炎など。
     
  27日  秋も深まってきました。当院のケヤキも紅葉真っ盛りです。

 今年は9月の方が多彩な風邪が流行っていました。10月後半、当院ではインフルエンザは見かけていません。溶連菌、アデノウイルス、RSウイルスなども散見しますが、いずれも9月よりは少なくなっています。9月に過去最高レベルで発生していたRSウイルスですが、0~1才の乳幼児が下気道症状が強くなることで有名ですが、小学生や大人でも39~40℃の高熱が出たり、扁桃腺を中心に咽頭症状が強くなる場合が時に見られます。インフルエンザ様に急に高熱が出た場合には、RSウイルス感染症も念頭に置いて診察を進めています。
 愛媛県は10月6日よりインフルエンザが流行入りレベルとなりました。全国同様、09/10シーズンの新型インフルエンザの流行以降では最も早い流行入りでした。愛媛県全体でも松山でも、8月から検出されているのはAH1pdm09で、当時新型とされたA2009年型です。どうやら、冬から続いたA型の散発はA香港型で、9月から全国的に増えたのはA2009年型のようです。今年1月後半から春にかけてA香港型インフルエンザを発症した人も、秋のA2009年型は新たに発症する可能性がありますので、周囲でインフルエンザが発生している方は、感染に注意して下さい。

 これから冬に向かって、滲出性中耳炎が難治になってきた方が徐々に増えてきました。幼児では、アデノイド肥大に集団生活にともなう耐性菌感染で難治となる場合が多いのですが、高齢者では、鼻~耳管~中耳の換気不良や線毛運動機能の低下による滲出性中耳炎で、青壮年層では好酸球性や好酸球性血管炎性(好酸球性多発血管炎性肉芽腫症 EGPA)が原因で難治となる方がほとんどです。特に好酸球性炎症のある方の滲出性中耳炎は特に難治となりやすいです。鼓膜留置チューブを留置しても耳漏が止まらなずチューブが閉塞して入れ替えを余儀なくされる場合も多々あります。
 好酸球性炎症に対する効果が高いのは、やはり副腎皮質ホルモン(ステロイド)です。局所的に点耳薬を用いたり、短期間内服薬を用いる場合もあります。ステロイドは糖尿病の方だと急激に血糖値が乱れます。2~3週間以上の長期投与になると、様々な副作用を引き起こします。好酸球性炎症による中耳炎では、全身状態も確認したうえでステロイドを安全に使用できるよう心がけています。
 好酸球性炎症や2型炎症と呼ばれるサイトカインにより障害される病気には、サイトカインの中のインターロイキン(IL)の作用を阻害する抗体医薬品が発売されています。最初は重症気管支喘息に保険適応されましたが、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症や重症アトピー性皮膚炎に適応のものも発売されています。抗IgEモノクローナル抗体製剤のオブリズマブ(ゾレア 1ヶ月薬価36万円)がコントロール不良喘息と特発性慢性蕁麻疹に、抗IL-5モノクローナル抗体のメボリズマブ(ヌーカラ 同17万円)がコントロール不良喘息とEGPAに、抗IL-5受容体αモノクローナル抗体のベンラリズマブ(ファセンラ 同35万円3ヶ月目以降17万円)がコントロール不良喘息に、抗IL-4/IL-13受容体モノクローナル抗体のデュピルマブ(デュピクセント 同初回16万円2週目以降月16万円)がアトピー性皮膚炎に承認されています。
 耳鼻科領域で代表的な好酸球性疾患は好酸球性副鼻腔炎、好酸球性中耳炎ですが、残念ながらまだ保険承認された薬剤はありません。しかし、今年の6月にデュピルマブ(デュピクセント)が米国FDAで「鼻茸を伴う重症慢性副鼻腔炎」に承認されました。わが国でも欧米の製薬企業サノフィが、アトピー性皮膚炎に続いて今年の4月に日本での追加適応申請を提出しています。恐らく来春までには申請が認められると思われます。EGPAに適応のあるメボリズマブでは、注射の翌日には血中好酸球がほぼ見られなくなりますので効果は劇的です。薬剤の効果は1ヵ月で切れますので、効果を持続させるには月に1回の注射が必要です。高価な抗体医薬品なので3割負担の患者負担だけでも月5万円になります。好酸球性副鼻腔炎に申請中のデュピルマブでも月5万円弱の負担です。しかし、好酸球性副鼻腔炎が難病指定のレベルと認められれば、患者のひと月当たりの負担は、所得に応じて2.500円~3万円に抑えられます。高価な輸入医薬品で国民医療費の圧迫要因にはなりますが、難治性でコントロール不良な病態の方にとっては朗報です。鼻茸を伴う好酸球性副鼻腔炎やこれに併発した好酸球性中耳炎の患者様にとっては新たな選択肢が増えることになります。デュピクセントを実際の地域医療のなかでどのように生かしていくのか。日本での適応拡大が認められれば、当院でも耳鼻咽喉科学会や地域医療の動向を見ながら活用を検討したいと思います。 
  22日  今日は即位礼正殿の儀が執り行われました。新居浜では太鼓台で盛大にお祝いしていました。県内も祝賀により今日限りで県立美術館の常設展が入場無料でした。秋空の気持ちいい城山公園を抜けて、常設展”だけ”鑑賞してきました。美術館のロビーでポスター類をみていると、次の企画展が「千住博展」でした。千住博氏は、私の一番好きな日本画家です。11月からの展覧会が楽しみになりました。
 ノーベル経済学賞、日本人の受賞はなりませんでした。今年は、物理学賞といい経済学賞といい、私がよく知らない業績でした。ラグビー日本代表、夢をありがとうございました。私もにわかファンになりました。
 インフルエンザは全国的に10月に入っても例年より多く発生しています。九州沖縄で多いようです。17日に日本感染症学会がインフルエンザの治療薬ゾフルーザに対する提言を発表しました。2シーズン前から発売されたゾフルーザですが、前シーズンは12月から耐性ウイルスの発生が報告されていました。私も、感染症学会が昨シーズンのデータを基にどのような勧告を出すのか気になっていました。提言では、小児では耐性ウイルスの出現する頻度が他の薬より高いことから、12歳未満では慎重に投与することとされました。12歳以上ではデータが乏しいことから判断は見合されています。小児でも効く時は速攻で効く印象のあったゾフルーザですが、今シーズンはタミフルやリレンザ、イナビルなどの他の抗ウイルス薬から用いようと思います。 
  11日   吉野章氏、ノーベル化学賞おめでとうございます。民間での研究がノーベル賞を獲得しました。素晴らしいことだと思います。日本人の初受賞なるか。私は14日の経済学賞を注目しています。

 超大型の台風19号が接近中です。テレビでは、これまでにないくらいの注意を喚起しています。松山も午後に入って、台風のもたらす南風のせいで急に蒸し暑くなりました。今日の20時頃には松山も強風域に入りました。四国山脈の風下にあることから、いつもなら強風域に入っても思いのほか風の穏やかな松山ですが、病院の周りも強い風が吹きつけていました。23時現在の強風域の直径はなんと1400㎞です。青森から鹿児島までがすっぽりと入る大きさです。明日、東海地方から関東地方は最大瞬間風速60m/sと予想されていますが、松山も強風が予想されます。足元に十分気を付けてご来院下さい。

 ちょうど数日前に、NHK BSで4Kリマスター版の新日本紀行「室戸」を見ました。気象庁の室戸測候所の職員が、1934年に襲来した室戸台風時の記録を見せていました。室戸測候所での最低中心気圧は911.6ミリバール(ミリバールは現在の表記のヘクトパスカルと同じ値です)を示していました。これは日本の観測史上最も低い値です。東京都の策定した高潮浸水想定は、室戸台風並みが襲来すると仮定して想定されています。台風により東京湾で巨大高潮が発生した場合、東京23区の3分の1の面積にあたる約212平方キロメートルが浸水し、被害は17区におよび、区域内の人口は395万人(昼間)にのぼると試算しています。2018年6月に土木学会が発表した資料でも、東京湾で室戸台風並みの低気圧で巨大高潮が発生した場合の想定死者数は8000人、経済被害の総額は115兆円にのぼると試算しています。
 私は小学校高学年時に三重県で住んでいました。小学校の授業でも伊勢湾台風の被害についての学習時間がありました。1959年の伊勢湾台風が犠牲者5098人と明治維新以降では最大級の人的被害でした。伊勢湾台風の潮岬への上陸時の中心気圧は929ヘクトパスカルでした。この台風が三重県上空をなでるように進んだ時間帯が伊勢湾の大潮にあたる時間だったことから、高潮の被害が増したとされています。
 室戸台風と伊勢湾台風、過去の記録と比較すればするほど、今回の台風19号の規模が過去最大級であることが判ります。明日の午後、関東地方は大潮にあたるそうです。被害が広がらないことを祈るばかりです。

 患者様からの情報では、松山市南部の保育園で20人の園児がインフルエンザを発症したそうです。松前中学校を始めとした松山市西部でのインフルは散発程度で広がっていませんが、昨年12月から現在に至るまで、夏をまたいでインフルエンザは発生し続けています。

  多発性脳神経麻痺、顔面神経麻痺、反回神経麻痺など。 
10月  5日   今日から松山の地方祭です。松山市の中心部では子供神輿が練り歩いていました。今夜はちょうちん行列です。天気が良いので子供たちは大喜びでしょう。一昨日、台風18号の影響で南から暖かく湿った空気が流れ込んだことから松山の最高気温は33.3℃と、なんと全国1位でした。当院も診察終了の夜までエアコンがフル稼働でした。
 ラグビー日本代表、対サモア戦勝利おめでとうございます! 最後の最後まで、ボーナスポイント獲得を目指した攻防、手に汗握りました。ラグビーは肉弾戦かつ頭脳戦ですね。

 当院では9月初旬から今まで、インフルエンザの方の来院が続いています。やはり、空港~伊予市方面の方が多いようです。先週の愛媛県でのインフルの発生は散発程度ですが、全国的には例年の10倍の発生で、例年より2ヶ月早い流行入りです。特に、沖縄は定点当たりの報告数が52人と、なんと警報レベルの30人を優に超えています。私は沖縄の流行タイプはB型だと思っていたのですが、現在流行しているのはA香港型とのことです。現在の流行株が、今年1月に大流行したA香港型と同じウイルス株なのか、そうではなく違うタイプが新たに流行してきているのか、興味のあるところです。流行の原因として、ラグビーW杯で南半球の人の来日が多いとの意見もありましたが、どうなのでしょうか?
 以前より私は好酸球性副鼻腔炎の方への説明で、好酸球やサイトカインの研究がノーベル賞を取るかもしれないと話題提供していました。ノーベル医学生理学賞の発表はいよいよ明後日です。来週は、ラグビー日本代表の対スコットランド戦とともに、ノーベル賞各賞の発表も楽しみです。特に日本人初でノーベル経済学賞が出ないかどうか、期待しています。 
     
  28日   ラグビーW杯、日本、アイルランドに勝利、おめでとうございます。もう奇跡と言わせない! アナウンサーの絶叫が耳に残っています。 この試合も、たまたま先週に続き、往診先のお宅で、患者様、家人の方とともに勝利の瞬間をライブで見ることができました。
 今回の試合は、後に「静岡の奇跡」と呼ばれそうです。収容人員5万人の会場エコパスタジアムは、2002年のサッカーW杯の会場でした。今回のラグビーW杯では、大分のビッグアイも会場になっています。日韓ワールドカップの遺産がしっかり活用されています。先だってはビッグアイでサッカー日本代表の試合も行われています。維持は大変ですが、ビッグスタジアムを持っている大分が、日本代表の試合を実際に見たことのない私にとっては少し羨ましいです。
  25日   週明けには10月です。
 1日からは消費税が増税されます。そろそろマスコミでも増税に向けての対策が話題になっています。増税後のキャッシュレス決済でのポイント還元、どう対応すれば有効なのか、ややこしいです。増税後に買った方がポイント還元でお得なケースもままあります。混乱も予想されますが、今のところ増税前の前倒し消費は目立たないようです。消費税後の消費の落ち込みを防ごうとする政府の施策は、なかなかうまくいっているのではないでしょうか。今日の午後、当院でも診療報酬改定に向けてレセコンのバージョンアップを行いました。当院での自費診療分は、綿棒や耳栓などわずかです。もともと内税表示で会計を行っていましたので、今回の改定によるシステム上の変更はありません。今回のバージョンアップは問題なく通過できそうです。(^^)
 また、7日からはノーベル賞の発表が相次ぎます。昨年の我が国は、本庶佑氏の医学生理学賞受賞で盛り上がりました。アカデミーの世界で日本人が脚光を浴びるのは、毎回のことながら私もワクワクします。今年は誰が、どんな業績が受賞対象になるのか。今から楽しみです。山中氏のiPS細胞の業績はノーベル賞をスピード受賞して当然でした。次にノーベル賞スピード受賞が当然と思われている業績に、ゲノム編集技術の CRISPR/Cas9 があります。今年こそ、化学賞か医学生理を受賞する? この研究の主な研究者は、アメリカのジェニファー・ダウドナ女史とフランスのエマニュエル・シャルパンティエ氏ですが、実は、このゲノム編集技術の基礎となる発見を日本の九州大学の石野良純教授が行っています。石野氏も共同受賞者になって欲しいです。
 5~7日は松山市の地方祭です。既に、市内の通りには地方祭に向けて紙垂(しで)が飾られています。先日の台風の暴風を乗り越えて、市内を”清浄”にしています。今年も、5日の宵宮、6日の本祭時の子供たちによる提灯行列の”もてこーい”の元気な掛け声が待ち遠しいです。 
  21日   ラグビーワールドカップ開幕です。日本代表、初戦勝利おめでとうございます! 私は、この日本ーロシア戦で、初めてまともにラグビー戦を見ました。まさに格闘技です。ルールはあまり知りませんが、それでもトライやキックの場面にはワクワクしました。そういえば、私も大学の体育でラグビーの実技があったのを、ふと思い出しました。あまり記憶に残っていないことからも、恐らくパスするぐらいでお茶を濁していたのだと思います。今日は診察の後に往診しました。鼓膜チューブ留置の麻酔の時間に、患者様や家族の方と共に、フランスーアルゼンチン戦の試合終了間際の熱戦を見ました。まさに手に汗握る展開でした。ワールドカップを機会に、日本でもラグビーファンが増えそうですね。

 今日は松山市内の小学校の運動会が最も予定されている日でしたが、当院の診察でも思いのほか小学生の受診が多かったことから、診察の際に小学生達に尋ねてみると、台風で延期された学校もあれば、予定通り運動会を行った学校もありました。台風は沖縄本島の東を通過中ですが、今日日中の松山は、雨も降らずに風も穏やかでした。結果的には、十分運動会を行える天候でした。今日中止した小学校では、23日の月曜日に振り替えたそうです。月曜日がだめなら翌火曜日が予備日とのこと。運動会を行うかどうかの判断も、各学校に委ねられているようです。今日は、校長先生泣かせの天気でした。(ちなみに、運動会の開催時期についても、松山市立の小学校でも9月に行うところもあれば、5月に行うところもあります。開催する季節も、各学校に委ねられているようです)

 来年1月から松山も、全国的には遅い開始ですが小中学生の外来医療費助成制度が始まります。診察を行う立場からすれば、患児の医療費負担を気にせずに治療や検査を行うことが出来ますので、この制度は有用です。
 しかし、「無料化で過剰な受診を招き、国民負担が増える」との指摘もあります。実は、小児医療費の助成制度が全国的に広がったここ10年で、小児医療費の増加率が、高齢者医療費の増加率を上回っています。厚労省には、全国の高校生まで無料化した場合には、約8400億円の財源が必要で、内3000億円は過剰受診で増える額であるとの試算も出しています。兵庫県三田市では、3年前に無料化した小中学生の医療費の一部有料化を昨年7月に行いました。市の財政難にともなって市長が決断しました。一部有料化後の半年間で、助成件数は9%、助成金額が14%減りました。
 東京都の人口推計では、あの東京でさえ2026年からは人口が減少に転じると推計しています。今後、全国的に人口減少、少子高齢化が進み、上下水道や道路、港湾、公共施設などの公共インフラの維持費は爆発的に増加します。小児医療費の助成拡大がはたしてどれだけ少子化対策になるのか? 外来診療に有用な医療費助成制度ですが、将来の国民負担と点からみるとはたして良い制度なのかどうか、私もジレンマを感じています。

  遅発性内リンパ水腫、喉頭腫瘍、甲状腺腫瘍など。 
  19日   松前中学校の1年生の1クラスで明日よりインフルエンザによる学級閉鎖の措置がとられることになりました。35名中15名が欠席、内11名でインフルエンザが陽性でした。新学期に入り、ここ2週間、当院でも松山市の垣生地区から松前町にかけての生徒さんでインフルが多発しているとの情報がありましたが、9月の学級閉鎖にはびっくりです。全国的にもかなり早い学級閉鎖と思いきや、東京、名古屋、京都、宮崎、鹿児島でも学級閉鎖が報告されています。国立感染研の報告では、9月の第1週に過去5年間の同時期に比して最も多くインフルが発生しています。定点あたりの報告数は、沖縄県20.3、和歌山県0.55、宮崎県0.54と、沖縄ではしっかり注意報レベルの発生です。原因として、夏休みにインフルが流行している南半球から感染が波及した? などの意見があるようですが、原因ははっきりしていません。当院でも、連休前に続き、昨日A型、今日B型と、迅速検査陽性の方の来院がありました。RSウイルスの流行も引き続き目立っていますが、全国的にもインフルの2019/2020シーズンはシーズン入りから要注意のシーズンになりました。 
  17日   昨日が休診だったこともあり、今日の診察終了は遅くなりました。診察が終わると、院内からも虫の音が聞こえていました。日一日と秋の気配です。
 一昨日、当院でB型インフルの方の来院がありました。聞けば石垣島への旅行帰りだったとのこと。沖縄ではB形インフルが注意報に近いレベルで発生しています。当初は、松山でもB型?と思いましたが、納得です。松山から石垣島や宮古島への直行便はありませんので、松山から石垣島に観光に行く方はそう多くはないと思っていましたので、石垣島での感染はノーマークでした。
 松山空港には石垣島への直行便はありませんが、ソウル、上海、台北に向けて国際定期便が就航しています。当院を来院される方も年々国際色が強くなってきました。シンガポールに、マレーシアに、インドネシアに、ドバイに、グアムに、重慶に赴任される方。チリに、ブラジルに旅行される方、オーストラリアに、サンフランシスコに留学される方。中国やベトナム、インド、バングラデシュから働きに来られている方、など、様々な地域から当院を受診されます。私も世界各地の風土病の知識を持たねばと心しています。 
  13日  今日、当院では中予西部の大人の方からA型インフルエンザを検出しました。ここ1週間で、松山市垣生地区や松前町でインフルが多発したとの情報もありました。当院では昨年11月初旬より今月まで毎月インフルを検出しています。インフルの流行に季節感が無くなってきました。 
  12日   9月に入っても猛暑が続いています。夏バテによる免疫力の低下も影響しているのでしょうか? 外耳炎が首に波及して蜂窩織炎やリンパ節炎をきたした方も見られます。経口薬だけでなく点滴も併用して治療します。
 インフルエンザのシーズンも2019/2020シーズン入りです。沖縄では19年連続で1年中B型の発生が見られ、この夏も注意報レベルに近いレベルで発生しています。東京では9月に入って学級閉鎖の報告もでています。お盆明けにもA型を検出した当院ですが、9月に入ってからは検出していません。しかし、中予では春以降もA香港型の散発的な報告が続いていますので、インフルエンザの存在は認識しながら診察を進めたいと思います。
 近隣の小学校では、夏休み中の児童クラブで、インフルや百日咳、リンゴ病の集団発生がありました。

 リンゴ病(伝染性紅斑)は、これまでも4~5年毎に流行を繰り返しています。今年の夏は全国的にも愛媛県も4年ぶりの流行です。1983年に原因がヒトパルボウイルス19型であることが突き止められたリンゴ病ですが、研究が進み多彩な症状を来すことが判ってきました。
 このウイルスは、赤血球膜表面にあるP抗原保有細胞、特に赤芽球前駆細胞に感染し増殖します。小児では軽い風邪症状の後にほっぺたに蝶形紅斑や手足にレース様紅斑という軽い発疹が発生して、総じて軽い症状で終わることが多いのですが、大人では関節の炎症症状を伴う関節痛、筋肉痛が1~3週間続くことがあり、稀には紫斑、血管炎、肺炎、脳炎などを生じることがあります。特に妊婦さんが感染すると、このウイルスが標的にしている胎児の赤芽球の産生が活発となる妊娠中期にこのウイルス増殖も活発化し、胎児に流産(頻度は母親が感染した例の5%程度)や発育遅延、胎内死亡、非免疫性胎児水腫などの障害が起こことがあります。また、持続感染により貧血が続くと,発育が遅れや肝障害、レセプターを持つ心筋の障害も起こり、胎児水腫を引き起こすことがあります。
 リンゴ病は、一度罹ると(無症状の不顕性感染も含め)終生免疫力が維持されて二度とかからないとされています。小児の間に30%が罹りますが、免疫のない妊婦さんが小児から感染すると、胎児への影響を考えなくてはならなくなります。そのため、女の子は小児の間に罹っておいた方がよいのかも知れません。ウイルス自体に有効な治療方意はありませんが、胎児貧血や胎児水腫には胎内輸血のような治療も開発されています。胎児の感染の確認も、ゲノムDNAのPCRによる検出,バキュロウイルス組換え抗原による抗体測定、羊水のDNA検索などの精密検査が開発されてます。耳鼻科の当院でも、時にリンゴ病を診察する機会があります。発症した子供さんのお母さんが妊娠中の場合には、産婦人科と連携して対応していきます。 
9月  2日   九月になりました。今年は1日多かった夏休みも開けて、今日から2学期です。朝は、真っ黒に日焼けした小学生を多く見かけました。高校の多くは今週、体育祭です。今日は体育祭を前にして熱の出てしまった高校生の来院も見られました。中学や高校の体育祭は応援合戦に趣向を凝らします。欠席者がいると応援のパフォーマンスに支障をきたします。一人でも多くの高校生が、万全の体調で体育祭に臨めるようにと念じながら診察を進めました。
 松山では昨日今日と、G20愛媛・松山労働雇用大臣会合が開かれました。愛媛では初めての本格的な国際会議の開催メイン会場となったANAクラウンプラザホテル前は警備の警官や警備車両がいたるところで目につきました。私も、なにわナンバーの警備車両を見つけて少し興奮気味でした。G20といっても、様々な会合があるのですね。5月の新潟市での農業大臣会合に始まり、11月の名古屋市での外務大臣会合まで10もの会合があります。私はてっきり、財務大臣・中央銀行総裁会議とサミットだけと思っていました。大阪のサミットのような物々しさはありませんでしたが、今日の松山は緊張がみなぎってました。

 来月にはいよいよ消費税率の引き上げが行われます。それに付随して診療報酬や薬価も改定されます。制度の改定はなく診療点数の変更だけですので、レセコンの更新も問題はないと思われます。それよりも2021年3月からはマイナンバーカードを健康保険証として運用する制度が始まります。2021年4月には、マイナンバーカードとレセコンをリンクさせるカードリーダの導入など、様々な改定が行われると思います。私は1年半後の制度改定がどうなるか、今から気になっています。

 9月に入ってもRSウイルス感染症が小さなお子様の間で増え続けています。発熱や咳などの気道症状の強い乳幼児の診察は注意して進めたいと思います。小児科専門医との連携も密に進めます。 
     
  27日   朝晩はひんやりとしてきました。やっと猛暑も終わりです。当院のケヤキも薄っすら色づいてきました。立秋は8月8日でした。これからは澄んだ夜空に浮かび上がる名月が楽しみです。
  ひゝやりと すきまの風や 秋のたつ  子規

 お盆明けと5月は一年で最も風邪の流行らない季節です。お盆が明けて、当院ではようやく手足口病を見かけなくなりました。代わりにRSウイルス感染症が目立って増えてきています。どうやら秋にRSウイルスが増える傾向も3年目となりそうです。クラスのほとんどの子供さんが罹患して3人しか登園していない保育園もありました。インフルエンザ以上の集団発生です。
 お盆前に、当院近隣の小学校の児童クラブや保育園で発生していたインフルエンザですが、当院ではお盆明けで見かけなくなりました。県の感染症情報センターからの報告では、7月下旬に松山でA香港型が検出されています。お盆前に当院で検出していたA型インフルも、どうやらA香港型だったようです。とすれば、1月下旬から流行していた同じ株の香港型だったのでしょうか? 9月からはインフルも19/20シーズン入りです。沖縄は今年も8月初旬は定点当たり9人と、18年連続で1年中B型が発生しています。来シーズンもこの傾向は続くのでしょうか。ちなみに、定点当たりのインフルの発生件数は、沖縄県9.09、愛媛県0.43、山形県0.39と、ダントツの沖縄は別格として、愛媛が全国で2番目の発生件数でした。
 イネ科雑草による秋花粉症の子供さんを見かけるようになりました。猛暑→台風→朝の冷え込みと、メニエール病や気道過敏症、自律神経失調によるめまい症の方が目立っています。

 来年1月より松山市の小児医療費助成制度が拡充されることが決まりました。外来も中学生まで通院治療費の自己負担が無くなります。全国的にも愛媛県内でも遅い拡充です。私の立場では、ウイルスの抗体検査やアレルギー検査、細菌検査などの高額な検査を進めやすくなります。また薬価は高いものの1日の服用回数が少ない薬剤が選択できるなど治療のアドヒアランスの向上が期待できます。(因みに、アドヒアランスとは治療や服薬に対して患者が積極的に関わりその決定に沿った治療を受けることで、コンプライアンスは医療者の立場から見ての患者指導という概念です) しかり一方で国民医療費の増加にもつながりかねません。全国的な小児の医療費助成制度の拡充に従って、年齢別の医療費の伸びは、実は高齢者世代よりも小児の世代の方が増加しています。ドクターショッピングのような必要以上な受診も問題視され始めました。松山市の見込みでは新たに医療費助成の対象となる小中学生は約3万6千人で、通院費だけで年間約8億7千万円の経費がかかるとのことです。診察を受ける目の前の子供たちの利益と、国民医療費から見た公共の利益と、私もこの観点を忘れずに診療に向き合いたいと思います。

  頬部蜂窩織炎、中咽頭腫瘍、耳介血腫、バセドウ病など 
  19日   お盆休みが終わりました。台風10号ですが、松山では幸いにも大きな被害はみられませんでした。松山の沖合を通過しましたので、どれだけの暴風雨かと私も警戒していたのですが、やはり南に四国山地があるおかげで助かりました。今回の台風では、山陽新幹線を中心に計画運休されました。帰省の予定を変更した方も多かったのではないでしょうか。
 お盆休みの間に、待合室のエアコン工事が無事終わりました。新しいエアコンになって、こころなしか空調の温度も安定しているように感じます。省エネ性能もアップしました。快適になりました。(^^) と一安心していたところ、今度は急に上水道が出なくなりました。原因は院内の揚水ポンプの不調でした。今回も、来院された方々にはご迷惑おかけしました。ポンプの取り換えは迅速に対応して頂けましたので、幸いにも半日の不調で復旧することが出来ました。とりあえずホッとしています。

 例年ならば1年で最も感染症が少なくなるお盆明けですが、今年の当院は、例年より感染症が多い雰囲気です。溶連菌咽頭炎、アデノウイルス咽頭炎、RSウイルス感染症など、急に高熱のでるお子様や、のどの痛みが強かったり、急に嗄声(声がれ)が強くなる大人の方が目立ちました。

 少し書評の追加でも、、
 「松山市戦災復興史」昭和44年 松山市役所編 の非売品です。松山市の中央図書館で借りました。今から74年前の昭和20年7月26日午後11時30分頃、新町(現在の清水町1丁目)より空襲が始まりました。当時の松山市の人口は11万7千人。内、罹災者6万2千人総人口の53%、全戸数2万6千戸の内、罹災1万4千戸55%、死者251名行方不明8名でした。一夜にして、松山市民の半数が焼け出されました。戦災復興事業は終戦1年後の昭和21年9月9日より早くも施工され、事業完工式は22年後の昭和43年5月28日でした。同日、松山市民会館の会館前で復興記念碑が除幕されました。市民会館の二階玄関ホールを降りた正面に碑はあります。私はこれまで幾度となく記念碑の前を通リ過ごしていましたが、戦災復興の歩みに思いを致すと感慨深いものがあります。復興史には、区画整理案、幹線街路計画、換地設計、訴訟や審査請求の記録、失業対策事業など詳細な記録が残されています。現在の松山の道路の大動脈、南環状線や東環状線、西環状線もこの時計画されたものだったのですね。 
  13日  今年のお盆は、台風10号の襲来予想で西日本は大混乱です。当院のお盆休みですが、例年は8月12日~16日です。今年は山の日に振替休日が続いたために、11日より連続の長期休診となりました。かかりつけの皆様にはご迷惑おかけします。例年通り、電話連絡を介した対応は行います。かかりつけの患者様で、お困りの症状や診察の経過に不安のある方は、時間外の電話番号にご連絡下さい。

 この夏、百日咳の発生が多くなっていることがニュースになっています。国立感染研の発表では今年の累積報告数は1万110人に達したとのことです。これまでは小児科施設からのカウントだけでしたが、2018年からは成人を含む全数報告対象となったことから従来以上に報告が増えました。23%が20歳以上とのことです。当院でも、時に成人の百日咳の方の来院があります。気道疾患の領域では“One Airway, One Disease”という観点があります。アレルギー性鼻炎と喘息が合併する、副鼻腔炎と慢性気管支炎・びまん性気管支拡張症・びまん性汎細気管支炎が合併する副鼻腔気管支症候群という病態など、空気の通り道、気道が全体で障害される病気という観点です。私も耳鼻咽喉科+気管食道科という視点から、咳が続く場合には、百日咳やマイコプラズマ、クラミドフィリアなどの感染症や咳喘息などのアレルギーや好酸球性疾患も視野に入れて、呼吸器科とも連携しながらの診断治療を心がけたいと思います。

 お盆休み早々、米国の富豪が留置所で死亡したとのニュースが入ってきました。自殺か他殺かで司法長官のコメントもでてきました。米国のTwitter上では検索上位を占めているそうです。私にとっては米国関連では9.11以来の衝撃的なニュースです。なぜ米国のマスコミが大きく取り上げないのか? 民主党やハリウッドVSトランプ大統領やロシアとの確執、ハローウィンや一神教の起源との関係など、しばらく新たな情報が気になりそうです。

 お盆の映画興行では、ライオンキング、ワンピース、天気の子がデッドヒートを繰り広げています。天葵の子が、強敵を前に観客動員を減らしていません。これなら興収130億ぐらいいくかも、、と、ついついデータをチェックしてしまいます。
 お盆休みを利用して見た映画や書評を。

 2011年の台湾映画「あの頃、君を追いかけた」、これまでは見たい作品をあらかじめチェックしてレンタルビデオ店で探していた私ですが、ネット配信はなにかと便利です。ネット配信でふと見つけた、私にとって初めての台湾映画です。何気なく見始めて、やめられなくなって、最後は久々に感涙でした。後で作品を調べてみると、「誰の心にも眠る“あの頃"の記憶を呼び覚まし、台湾・香港で超メガヒット! 多感な十代を送ったすべての大人に捧げる、可笑しくて切ない青春エンタテインメント・ムービー! ! 」とのこと。昨年、日本でリメイクされています。台湾のランタンのシーンが素敵でした。台湾の高校卒業式には「蛍の光」が歌われていました。私も台湾に行きたくなりました。

 スティーブン・ウィット著「誰が音楽をタダにした? 巨大産業をぶっ潰した男たち」 スマホ世代の若い方には理解できないと思いますが、つい最近まで音楽は有料でした。私もレコードやCDを買っていました。必死でラジオ番組をカセットテープに録音していました。レンタルCD店が普及して、カセットやMD、CD-Rへのダビングが可能となりました。著者はネット(ナップスター)で違法ダウンロ―ドした音楽ファイルでハードディスクをいっぱいにしていました。著者が、この大量のファイルはどこからきているんだろうとの興味から調査を始めました。圧縮技術mp3、史上最高の音源流出源となったCD工場の従業員、音楽リークグループの首謀者を追うFBI、3者のスリリングな攻防が続きます。それにしても、現在のYouTube上での音源や画像の多さには驚かされます。著作権の権利関係はどうなっているのでしょうか? 現在進行形の、誰が映像をタダにした? の本もこれから出てきそうです。

 飯塚 訓著「墜落遺体 御巣鷹山の日航機123便」 日航機墜落から34年、私も昔を語る年齢になりましたが、浅間山荘、日航機墜落、阪神大震災、9.11テロ、東日本大震災の特別番組が続く重苦しさは忘れられません。著者は事故発生時の高崎署刑事官で身元確認班長でした。警察退職後に記録にせねばとの思いで本にしました。520人の犠牲者で最終的に確認されたご遺体518体のうち、遺族の方の面接で犠牲者が確認できたのは60体でした。警察官、医師、歯科医師、看護師、日航職員、地元の協力者の方々の働きを詳細に伝えています。最後のひとりまで身元を確認するとの関係者の執念が伝わってきます。私は、お盆でというよりは、京アニ事件をきっかけに、遺体確認作業のなんたるかを確認したくてこの本を手に取りました。なかでも著者は日赤看護師たちの組織的で連帯感に満ちた行動を称賛しています。日赤には赤十字救護員十訓があります。「博愛にして、懇篤、親切なるべきこと」「冷静にして、沈着なるべきこと」等です。また救護員制服があります。これは従軍看護婦の制服、制帽そのものです。私も研修医時代には徳島(当時は小松島)日赤・高知日赤・高松日赤、最近は松山日赤の看護師さんと交流する機会がありましたが、救護員十訓のバックグラウンドは素晴らしいです。 

 中川八洋著の「地政学の論理 拡大するハートランドと日本の戦略」 地政学は地理的な要素を基に政治を考えるものです。19世紀末からマッキンダー/スパイクマンの米英系地政学が、ラッチェル/チェーレン/ハウスフォーファーのドイツ系地政学が生まれました。米国の地政学は、日露戦争の日本海海戦参謀の秋山真之が師事した海軍史家マハンの理論も源流となっています。本書では、マッキンダー/スパイクマンの米英系地政学や本書が天才と称賛するチャーチルの実践地政学を基に19世紀末以降の世界史を概観します。モンゴル帝国や不凍港を求めて拡大するロシア、中国を中心とするハートランドと、それを取り巻く外洋のリムランドとのせめぎあいを基に、第一次世界大戦、第二次世界大戦、米ソ冷戦、わが国おける太平洋戦争や満州進出を説明しています。20世紀は、新たな主義思想の台頭と技術革新で全世界的な歴史が大きく動きました。様々な観点から歴史を見る必要があるのは当然ですが、地政学も新たな視点を提供してくれます。

 増田直紀著 中公新書「海外で研究者になる 就活と仕事事情」今年6月発行の新刊です。私は海外留学していません。先輩が、同僚が、後輩が教授になった。同門医局員が留学する、などの機会に、海外の研究事情について教えてもらっていましたが、これほど具体的に紹介した本に出合ったのは初めてです。英国ブリストル大学上級講師の著者も、海外で大学教授などの研究者になる就活に関する日本人向けの情報源がほとんどないと伝えています。この本は、海外で研究ポストを目指している若い研究者にとってバイブルとなりそうです。
 海外で、独立した研究室のボスになる、あるいは終身雇用のボスになるための、履歴書や研究説明書、教育説明書の書き方、推薦状のもらい方、面接の受け方、内定後の給与の折衝の仕方などを詳細にアドバイスしてくれます。また、本人以外の英国、米国、ドイツ、スイス、デンマークなどの欧米から韓国、中国、香港、シンガポールなどのアジア、オーストラリア、中米までの多岐にわたる男女17名の人文系、科学系の研究者の実際のポストの獲得方法から、ポスト獲得後の、研究(研究費の獲得方法)、教育、大学事務の仕事の実際の実際までを詳細に伝えてくれています。海外でポストを得るときにまず重要なのは研究室主宰者(PI:principal investigator)になることで、次の段階としてティニア(終身在職権)を得られることも重要なファクターです。日本では、教授、准教授、講師、助教と続く職階ですが、海外での職階、教授、准教授、助教授、上級講師、講師との対応関係もよくまとめてくれています。
 私にとってこの本の内容は興味深いことだらけでしたが、中でも面接には驚かされます。とんでもない業績の研究があれば別ですが、普通の研究者で求められるのは、今後も確実に公募研究費を獲得できる研究者か、同じ学部の同僚の研究者が一緒に過ごしたいと思う人格を持っているか、だそうです。数十倍の応募者の中から書類面接を通過した者を、国際学会の会場近くのホテルや、ビデオ会議で二次面接した後に、数名を大学で最終面接します。この時は、交通費がでるそうです。最終面接は、研究発表が1時間、学生も出て質問攻めになる模擬授業も1~2時間、面接官となる学部の研究主催者や他の応募者との会食もあり、1~3日かけて、その人の人格も含めて学部にふさわしい研究者かどうか判断します。集合がまず立食ランチであったり、面接の集合が夜のレストランだったりするそうです。アメリカでは食事の席の会話で、候補者の人柄、機知、人間の深さ、リーダーシップなどが試されます。私は日本の医学部の教授選しか知りませんが、ここまですればリーダーになる人格や素養まで判断できそうです。この本は、いつか海外にでて世界的な研究をしたい夢のある高校生や大学生にもお勧めです。 
8月  2日   8月入りです。猛暑が続いています。待合室のエアコン工事は、8月12日の祝日に行う予定となりました。本当に1年で一番の猛暑に合わせてエアコンが故障してしまいました。診察室から冷気は送っているものの、待合室の窓際では熱気を感じます。ご迷惑をおかけしております。

 今日の昼前に愛媛県感染症情報センターの感染症の動向グラフが更新されました。夏休み入りで手足口病の発生も少なくなると思っていたところ、3週間ほとんど横ばいの発生数でした。小学生や幼稚園児は夏休み入りですが、保育園児は集団生活が続いています。保育園児を中心に発生が続き、愛媛県では1999年の統計開始以来で過去2番目の発生数となりました。
 伝染性紅斑も流行しています。当院でも見られました。伝染性紅斑は、ほっぺたがリンゴのように薄っすらと赤くなることから、りんご病とも言われます。病原体はヒトパルボウイルスB19で発症した時点では感染力はありません。小児では両頬や手足の蝶形紅斑が特徴的ですが、成人では紅斑が目立たず関節炎を生じることがあります。総じて症状の軽い病気ですが、妊婦さんが感染すると流産や死産、胎児水腫を引き起こすことがありますの。妊婦さんにとっては風疹とともに注意しなければいけない感染症です。市医師会からの感染症情報では、成人の風疹の情報が送られてきます。当院ではここ数年、風疹があきらかになった患者様の受診はありませんが、やはり発生には注意したいと思います。風疹の皮疹は、1~2mmの融合しない細かい紅色丘疹です。典型的な経過では、感染8日目より頸部リンパ節腫脹が、14日目から発熱と上気道症状、15日目に発熱の直後より発疹が3~5日で消退、18日目より関節痛が見られます。風疹は麻疹(はしか)と異なり、発症した人の症状は軽いことが多いのですが、やはり妊婦さんが感染した場合は、先天性難聴を引き起こす先天性風疹症候群を起こしますので、細心の注意を払って風疹に罹った方を見逃さないようにしたいと思います。
 松山市を中心にA型インフルの報告も目立っています。ある小学校では、夏休み入りしたものの、15名インフル発症で、サッカークラブで6人発症したそうです。当院での陽性例はありませんでしたが、会社内でインフルが発症したとの情報を患者様から頂きました。夏休みの前半にインフルが集団発生するのも珍しいことです。 
     
  28日   26日に梅雨明けでした。例年より6日遅い梅雨明けです。いよいよ夏本番、入道雲も勢いを増しています! 待合室のエアコンは梅雨明け当日、ドンピシャで故障です。エアコンの業者さんも一番の繁忙期入りです。早く直したいのにままなりません。昨日今日の診察は、扇風機サーキュレーターを計6台に増設して、必死で診察室の冷気を待合室に送っています。それでも玄関の扉が開く毎にどんよりとした熱気が入り込みます。早く修理を済ませたいです。
 松山市内の小学校でサッカー部を中心に15人インフル発症との情報がありました。当院でも職場でインフルが出たとの患者様からの情報もありました。しかし、当院ではインフル陽性は見られません。先週も手足口病は横ばいで大流行しています。お子さんからうつされて口内炎が多発したお父様の来院がありました。時には成人でも典型的に発症する場合もあります。 
  25日   今日の松山の気温は、最低気温が午前5時の25.3℃、最高気温が午後3時の32.9℃で、熱帯夜の真夏日でした。ところがこんな日に! 朝から待合室と診察室のエアコンのスイッチが入りませんでした。ブレーカーも落ちてないのにどうして?と思ってメーカーのメンテナンス担当者を待つこと2時間あまり、原因は診察室の室外機のコンプレッサー配線の劣化によるショートでした。ブレーカーを復旧させてもしばらく経つとブレーカーが落ちるとのこと。取り合えず診察室の冷房は復旧しましたが、診察室は今後のエアコンの更新までの間、しばらく冷房が効かない環境になってしまいました。
 午前の診察では、急遽、待合室に首振りのサーキュレーターを設置しました。また患者様にはうちわを配り、暑そうに診察をうけている小さなお子さまには、診察介助の看護師がうちわで扇いであげました。午前を中心に診察された患者様には、蒸し暑い状態での診察、ご迷惑をおかけしました。またご協力ありがとうございました。迅速に対応して頂いたメーカーの方には、本当にお世話になりました。実は、午前中最も暑かったのが受付内のレセコン前でした。受付スタッフも、一時ぼーっとしたそうです。スタッフもご苦労さまでした。
 エアコンが復旧するまでの期間、とりあえず明日からは4台の扇風機、サーキュレーターを駆使して、診察室の冷気を待合室に送り込むことで対応したいと考えています。冷房をガンガンかけた診察室のエアコン室内機の下で診察している私は、逆に体が冷えますが、贅沢は言ってられません。明日は、診察室でお待ち頂く患者様にはなんとか快適に過ごして頂けるようにしたいと思います。 
  24日   子供たちや学生さんは夏休み入りです。夏休みに入り、お泊り保育や宿泊研修、部活の合宿や遠征、家族旅行など、子供達もなにかと旅行する機会が多くなります。大事な旅行に向けて発熱は下がるのか? 海水浴や飛行機搭乗で中耳炎は大丈夫? などの心配をされる方も目につきます。皆さんが安心して旅行や野外活動が出来るように、治療を行い、丁寧な病気の説明を心がけたいと思っています。

 19日の京都アニメーションへの放火事件は、本当に心が痛みます。亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。怪我をされた方の一日も早い回復もお祈りします。重度の熱傷になった方は、言葉に尽くせないほどに苦しいと思います。診察するスタッフの立場でも、時間に追われる中で厳しい選択を迫られる治療が続きます。近しい友人が基幹病院での熱傷治療の専門医をしていました。その友人の苦労話を思い出すと、益々心が痛みます。私が見たことのある京アニ作品は「聲の形」「響け!ユーフォニウム」です。思春期の心の葛藤を、繊細な画像で映し出した素晴らしい作品でした。日本の誇る京アニの復活も祈っています。

 ハチアレルギーに関する問合を受けました。ハチアレルギーを有する人は、再度ハチに刺された際のショックに注意する必要があります。その際の治療薬としてアドレナリンの自己注射「エピペン」があります。ここ半年、薬を供給する欧米の製薬会社の供給不足が続いていましたが、徐々に解消に向かっているようです。私もエピペンの処方医として登録されていますが、ショック症状に24時間対応できる病院からの処方が好ましいと判断して、エピペンを必要とする患者様には、地域の基幹病院を紹介しています。
 ハチアレルギーを疑われる方への対応法をまとめてみます。人を刺すハチは、主にミツバチ、ススメバチ、アシナガバチです。ハチへの刺傷事件は、4月より増え始め、ハチの攻撃性の高まる7~10月に多発します。特にスズメバチは巣が大きくなる9月に最も攻撃性が高まります。日本ではハチ毒アレルギーによるアナフィラキシーショックによって毎年30人前後の人が死亡しています。初めてハチに刺された場合には、刺された部位の痛みや腫れなどの局所症状のみで3日程で軽快します。しかし、その際にハチに対する特異的IgE抗体が出来ると、二回目以降の刺傷でショック症状を来す恐れが出てきます。そのため、ハチに刺された既往のある人は、ハチに対する特異抗体の有無を確認して、特異抗体を持っていれば、再度のハチへの刺傷時用にエピペンやステロイド薬を所持しておくという対応が望まれます。養蜂業者や林業関係者は健康診断でハチアレルギー検査が実施されています。また、ハチアレルギーとムカデアレルギーがリンクするケースも報告されています。

 20日に、8万人目の初来院された方を診察しました。平成6年5月に開院後、9年後の2002年4月に3万人目、2013年1月に6万人目、2016年4月に7万人目をお迎えしていました。開院以来のペースは変わらず、これまでに年間3000人強、1日に平均して10人新たな患者様もお迎えしてきたことになります。松山市の人口が約52万人、中予圏の人口が約60万人ですので、住民の転入出はありますが、中予にお住いの方のざっと7人にひとりを診察させて頂いた事になります。6万人目の患者様をお迎えした当時にもこのコーナーで触れましたが、私が当院の開院時に掲げた診療理念を再掲して、私も気持ちを新たにしたいと思っています。
 幸いにも開院以来滞りなく診察を続けることができましたのも、患者様はじめスタッフや当院を支えて頂いている方々の協力の賜物だと思っております。これから10年後に当院がどのような姿になっているのか? 医学や医療情勢がどのようになっているのか? 先を見通すのが難しい時代ですが、これからも私自身の健康にも留意しながら診察を続けたいと思っています。これからも山口耳鼻咽喉科クリニックを宜しくお願いいたします。
 私が開院の際に掲げた診療理念は、
 1、「説明と同意」の治療を基本とし、医の倫理に反しない。
 2、自己研讃を怠ることなく、常に最新の医学知識、医療技術を提供する。
 3、最短の時間・最少の費用で、最大の効果を上げるべく努力する。
 4、治療に際しては、不安や苦痛を与えない。
 5、安易に薬に頼らず、自然の治癒力を高める医療を実践する。
 6、最善の治療を行うべく、高次医療機関との連携を密にする。
 7、東洋医学の利点を取り入れる。
 8、地域の家庭医として、救急医療に対応する。
 9、病気と薬に関する情報を可能な限り公開する。
でした。私自身改めて見直し、気持ちも新たに診療に臨む所存です。スタッフ間のミーティングで私はよく「好き好んで病院にくる患者様はひとりもいない。しんどいから苦痛だから不安だから来院される」と伝えています。スタッフ一同で、しんどい患者様の体や心に寄り添えるように接したいと考えています。
 開院以来、当院に通院される患者様の平均の再診回数は、全国の耳鼻咽喉科施設の平均よりかなり少ない回数を保ち続けています。これからも、当院を受診された患者様が「最短の時間・最少の費用で、最大の効果が得られる」よう、「当院を受診して、安心を得られる」よう、日々、心掛けて診療を行いたいと思います。 
  17日   ここ数日は一日中蝉が鳴くようになってきました。夏本番です。
 当院では先週から、小さなお子様が急に発熱するケースでは、手足口病とヘルパンギーナがほとんどで、時に溶連菌咽頭炎が見られています。愛媛でも全国の傾向より1週間遅れて、手足口病が急激に増えました。今シーズンのウイルスのタイプは、やはりコクサッキーA6型が主流のようです。小学生より上の年齢では、口内炎が出来ずに微熱程度で終わる不全例がほとんどですが、先日、自身のお子様から感染して口内炎化したお母様も見られました。しかし、今シーズンはまだ大人の方で皮疹の出た方は見られていません。例年なら数名見かけますが、今年の夏はどうなるでしょうか。 
  6日   昨日の朝、当院では蝉が初鳴きしました。梅雨の合間ですが、昨日今日と真夏の日差しで、積乱雲が発生していました。今月19日には、新海誠監督の最新作「天気の子」が封切られます。日経エンタ今月号は「天気の子」の大特集です。3年前の「君の名は。」では、私も伸びゆく興行収入の推移を見て毎日ワクワクしていたのを思い出しました。「君の名は。」は日本で250億円、海外で150億円の興収をたたき出した化け物でした。「天気の子」はどこまで観客動員を伸ばすでしょうか。この夏はこの話題で楽しめそうです。「天気の子」は前売りも一般向けの試写会も一切行いません。新海監督は、この作品でどんなラストを提示するのか? 興味深々です。「天気の子」では、どうやら積乱雲の上での物語が重要なようです。今日の積乱雲を見て、私も気になってしまいました。

 昨日に小さなお子さん1名、今日は学生さん1名、インフルエンザA型陽性でした。2週間前には今シーズンの当院のインフルエンザシーズンは終わりだと思っていましたが、7月にA型を検出したのはビックリです。手足口病の流行が当院でも目立ってきました。愛媛県は西日本の周囲の各県に1週間遅れて発生が拡大しています。

 6月22日に松山で耳鼻科の学会の地方会(第45回日耳鼻中国四国地方部会連合学会)が開かれました。徳島大学耳鼻咽喉科教室の同門で松山で現役なのは私だけになっていることもあり、松山で学会が開かれる折には、私が学会後の食事会の場所の選定を行っています。今回の学会場が道後温泉の太和屋本店だったことから、学会懇親会の後の食事会を、隣接する道後山の手ホテルで、二次会を太和屋本店のバー梅が枝で行いました。教室員の宿泊先が隣のホテルパティオ道後でしたので、今回の会食は、1ブロック内の近場で全て行えましたので、教室員の皆さんも、少しのそぞろ歩きだけで時間が有効に使えたと思います。道後での学会はなにかと便利です。中国四国地方部会では、毎年恒例で懇親会でその年の新入医局員による寸芸が大学別に行われます。今年、徳島大はこのイベントで広島大に続く2位獲得でした! 私も楽しく拝見しました。来年の日耳鼻総会で徳島大は教授の研究の集大成ともいえる、めまいに関する宿題報告を行います。食事会の歓談を通じて、私も教室員の気合を感じました。来年の日耳鼻総会は5月に岡山で開催されます。同門の一員として、この発表を楽しみにしています。 
7月  3日   7月に入りました。今日は松山でも夜になり雨足が強くなってきました。1年前の西日本豪雨が脳裏をよぎります。南予地方が大雨にならなければよいのですが。
 当院でも6月下旬にはインフルエンザは見かけなくなりました。替わって夏風邪の季節ですが、当院でも、手足口病、ヘルパンギーナが少しずつ目立ってきました。ある子供さんは、口内炎が数十個できていました。2~4日は、食事が大変です。喉越しのよいものを摂って、頑張って下さい。幼児でも数日ならば、食事を摂れないことによるカロリー低下や栄養バランスの乱れまではさほど心配いりませんが、水分も取らなくて1日におしっこが2回しかでない極端な脱水や、糖分が足りないことにより体内のケトンが増えて嘔吐を催す自家中毒は心配です。最低限、糖分を補給しながら水分補給は怠らないでください。ゼリーやヨーグルト、冷たく味の薄いスープなど喉越しのよいものを摂って、頑張って下さい。
 5月から再び目立ち始めたアデノウイルスは引き続き見られます。RSウイルスもここ1年は通年で見られるようになっています。ノドの粘膜が血が溶けるようにただれる溶連菌咽頭炎も通年性で見られています。大人は、アデノウイルス、RSウイルス、溶連菌、手足口病やヘルパンギーナなどのエンテロウイルス系は、小児のように典型的に反応しないで、のどの粘膜のただれ(発赤とびらん)だけで終わることが多いです。大人の方の咽頭炎では、小児以上に丁寧にのどの所見を確認したいと思います。

 ここ1ヶ月ほど、当院では若者の伝染性単核球症が目立ちました。この病気は流行するものではなく、血液中に異型リンパ球(単核球)が出現する感染症で、病原体はヘルペスウイルス属のEBウイルスが80%、サイトメガロウイルスが20%です。95%の人が感染します。3歳までに70%、思春期までに90%が感染し、小児期の感染では多くは無症状か咽頭扁桃炎、ジアノッティ症候群(慢性皮疹)のみですが、10才代~30才代に初感染すると、症状が強く長引くことから、本人も家族の方も心配されます。10日間下がらない熱、極度の倦怠感の持続、強力な扁桃炎、リンパ節炎などを示しますので、白血病などの重大な病気との鑑別も重要になってきます。
 当院では、ここ1ヶ月で3名の10才代の方の来院がありました。2名がEBウイルス、1名がサイトメガロウイルスによるものでした。文献上は伝染性単核球症を来す病原体は、この他にも、HHV‐6 、アデノウイルス、単純ヘルペスウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、トキソプラズマ、リケッチアなどもあるとされています。基本的には自然に治るSelf-limitinngな病気ですが、HIVや肝炎ウイルスが隠れていることもあり、油断はできません。発熱が続き血液中に異型リンパ球が増えてきた場合には、しっかり経過を診てゆきます。

 今シーズンの当院の花粉観測は6月末で終了しました。今シーズン、スギ花粉は6年振りに大量飛散しました。ヒノキも3回、大量飛散の日がありました。ポールンロボは1時間単位でリアルタイムの飛散量が判りますので、私も時には診察机の上で飛散データを確認しながら診察を進めていました。患者様が花粉を避けるための行動様式の指導や、服薬して頂くお薬の選択にも、ポールンロボのリアルタイム・データは大活躍でした。 
     
  28日   遅い遅いと思っていた梅雨入りは一昨日の26日となりました。統計がある1951年以降で最も遅い記録とのこと。昨日は梅雨後半期みたいに、いきなりの豪雨でした。低気圧や気圧の大きな変動は、メニエール病や気道過敏症に悪影響を及ぼします。これから梅雨明け(約3週間後?)までは、体調管理に気を付けて下さい。
 小児の手足口病が、6月としては過去5年で最多のペースで流行が拡大しています。九州を中心とした西日本で目立っているようです。愛媛では、まだ手足口病は例年並みの発生数、ヘルパンギーナは例年より少なめで推移しています。当院でも、手足口病、ヘルパンギーナともにちらほら見かけるレベルっですが、これから7月後半に向かって流行が本格化しそうです。一昨日はNHKニュースでも取り上げられていました。ニュースでは何人かの子供さんの皮疹の映像が流れましたが、いずれも手足だけでなく、顔面や肘、足の付け根まで皮疹が広がっていました。今年の流行はどうやらコクサッキーウイルスA6型で、体幹まで皮疹が広がるタイプのようです。手足口病の水疱は痛みやかゆみなどの症状がでないものですが、搔き崩すと二次感染によるとびひが広がる場合もあります。アトピー性皮膚炎の体質があったり、あせもが広がっているお子様の皮疹には注意したいと思います。

  外耳道真珠腫、サ行吶(とつ)、側音化構音、上顎洞骨腫、潜在性甲状腺機能低下症など 
  19日   土曜日には青森まで梅雨入りしたというのに、四国はまだまだです。今日はまるで梅雨明けのような暑さでした。

 夏に向かって、皮膚感染が悪化する病態が、耳鼻科でも目立ってきました。外耳炎から頚部リンパ節炎や頸部蜂窩織炎、鼻前庭湿疹から面疔にいたるような、悪化に注意しなければいけないような状態になる方が少し目立ってきました。
 当院ではインフルエンザの検出は8日前が最後でした。愛媛県全体でも、5月下旬までA香港型、B型の報告ありましたが、6月に入って見られなくなっています。ようやくインフルの発生も終わりのようです。
 代わって、夏風邪が少しずつ増えています。当院でも、アデノウイルスによる咽頭結膜熱が5月から目立ち始め、エンテロウイルス系による手足口病、ヘルパンギーナが6月に入り見られるようになってきました。手足口病はウイルスのタイプによって臨床症状が少しずつ異なりますので、例年、流行のタイプが気になります。松山では、5月にコクサッキーウイルスA6型(CA-A6)が検出されています。手足口病の病原ウイルスにはCV-A16、CV-A6、CV-A10、CV-A9、CV-A4、エンテロウイルスA71型(EV-A71)、コクサッキーウイルスB群、エコーウイルスなど多彩です。今年松山で検出されたA6は、従来ヘルパンギーナとして発症することが多かったのですが、2008年に海外で、2009年以降は日本でも手足口病の原因ウイルスとして検出されています。2013年流行のA6は爪甲脱落症の続発が特徴的でした。2017年のA6は皮疹がおしりからお腹や胸まで広がることが特徴的で、アトピー性皮膚炎の患児で皮疹の悪化が目立ちました。私の見る限りでは、今のところ、手足口病もヘルパンギーナも、口内炎も発熱も皮疹も軽いお子様がほとんどですが、これから夏に向かって症状所見の強いパターンが出てこないか注目したいと思います。手足口病もヘルパンギーナもエンテロウイルス系が多いのですが、このエンテロウイルスはその名のごとく(エンテロとは腸のことです)お腹の中で増殖します。そのため、普通の気道感染症のウイルスが咳や痰から感染しやすい以上に、皮疹の水泡や糞便からも感染します。腸内のウイルスの排出は、発症後3~5週間は続きますので、感染予防のためには、気道系のウイルス以上に、手洗いが重要になってきます。

 私は普段、医療サイトの口コミ情報は確認しないのですが、Googleマップ上の当院のリンクがきちんと修正されているか確認しようと、当院の情報を確認したところ、ショックを受けてしまいました。当院への口コミで、私の診察の不備が口コミとして掲載されていました。患者様とのコミュニケーションをしっかりとらなければと、大いに反省させられました。
 飲食店はぐるなびなどの様々なサイトで、お客様から口コミ情報でランキングされます。アマゾンの通販業者、ヤフオクやメルカリの出品者も評価をとても重要視します。TwitterやYouTube、Facebookもいいねの評価やフォロワー数を気にします。ネット社会では、評価がすぐさまオープン化します。私は個人的にSNSはしていませんし、これまでたまに耳にした医療情報サイトの評価は好意的なものがほとんどでしたので、今回の口コミはこたえました。患者様にはそれぞれに、お困りの体調、社会的時間的経済的な制約があります。一人一人の患者様にどのようなアプローチや治療が最善か? 心を新たに診察に向き合いたいと思います。今回投稿された方(恐らく再診されないとは思いますが)には、私の治療の至らなさを再確認させて頂いたことに感謝したいと思います。
 気になって、他院の口コミも見てみました。患者の意向を無視したような診療の進め方、子供さんに対する高圧的な処置など、耳鼻科は”視診で診断がつきやすい、小児の嫌がる処置が多い”などの特徴がありますので、そのことに起因するような医師患者関係の齟齬にかんする口コミも見られました。いかに患者様にとって安心な医療機関でいられるのか、私も含めたスタッフ一同で、この夏のスタッフミーティングで検討しようと思います。

  伝染性単核球症、潜在性甲状腺機能亢進症、鼻前庭嚢胞、甲状腺嚢胞など。 
  12日   当院の受付についてですが、その日最初の受付は、正面玄関前に受付簿を掲示することによって始まります。これまで平日土曜は午前8時、日曜は午前9時から掲示を開始するとして、その日の天候や待たれる方の人数が多い時は臨機で早めに掲示することとしていましたが、日曜を中心に早くから待たれる方も多いために、スタッフは早め早めに掲示していました。早めに掲示すると、次に予約を取りに来た際に”前回はこの時間には受付簿が出ていた”となりますので、実態は早めに掲示することが常態化していました。そうすると、初めて予約を取りに来た方にとっては、何時から掲示されているの?ということにもなります。この度、実情に合わせて受付簿の提出時間の案内を変更することとしました。平日土曜は午前7時30分、日曜は午前8時とさせて頂きました。雨や寒波の日などに並ばれる方が多い場合には、これからも臨機応変にやや早めに受付開始する場合もあるとは思いますが、出来るだけ新たな掲示開始時間を守っていこうと考えています。何卒、宜しくお願いいたします。

 当院も漸く、診療時間に余裕が出てきました。例年、これから夏にかけてスタッフ・ミーティングを行います。救急対応、診療体制や接遇の再確認など進めてゆこうと思っています。今日は、聴力検査のマスキングに関する資料をまとめました。聴力検査は耳鼻科の検査の基本の基本ですが、実は最も難しいものでもあります。標準純音聴力検査で、聴力を正確に把握することは案外難しいのです。聴力が悪い方の耳を検査しているのに、良い方の耳から先に検査音が聞こえてしまう現象があります。これを陰影聴取と言いますが、これ現象を防ぐために良い方の耳に雑音をかけるのがマスキングです。様々な病気や聴力のパターンで、最良のマスキングレベルが検査する周波数毎に替わります。検査中は臨機応変にマスキングレベルを変えなければいけません。ミーティングの第一弾として、スタッフとともに私も改めてマスキング法の再確認をしたいと思います。

 ここ2ヶ月あまり、私のマイブームは「中国の歴史」です。年を経るに従い私も歴史や宗教に関心が向かっています。私自身は日本人特有の節操のない無信教的な多神教徒風ですが、こらまで人類の行動原理の多くを規定してきたのが宗教ですので、人類と宗教という観点が無ければ歴史は把握できません。そういう意味でも世界の幾多の宗教に興味が沸いています。歴史もしかりで、民族や地域それぞれに深い歴史の積み重ねがあります。その中でも壮大なのが、なんといっても中国の歴史です。易姓革命、モンゴル族や満州族などの異民族支配との相克などなど、ダイナミック過ぎます。
 図書館で中国関連の本を借りるのと同時に、以前録画していたNHKの「関口知宏の中国鉄道大紀行 最長片道ルート36,000kmをゆく 日めくり版」を見終わってしまいました。10分番組が100話、17時間に及びました。カメラが回り、通訳の女の人やスタッフが周りにいますので、現地の人も素顔ではないかもしれませんが、それでも行く先々の駅周辺の街角のなにげない情景が味わえますので、通り一遍の紀行番組とは違います。
 今日夕刻に香港デモの衝突のニュースが入ってきました。先週のNHK特集では、ここまでインタヴューして大丈夫?というくらいに精力的な中国関連の特集がありました。米国と中国の貿易だけでなくイデオロギーの対立も風雲急を告げています。中国の過去現在未来に目が離せません。
 
  10日   今日はアイチケットの運用が出来ずご迷惑をおかけしました。朝からネットに繋がらない状態となりました。診察のペースが遅れたこともあり、現在の待ち時間を問い合わせる患者様も多く、受付の電話対応も滞ってしまいました。不手際、お詫びいたします。
 当院で運用が不能になったのは初めてでしたので、私も焦りました。フレッツ光西日本様のサポートで、昼過ぎには復旧しましたが、モデムの新規更新も行ったことから、午後も予約に関しては運用停止とさせて頂きました。原因は光回線の信号やモデムではなく、無線LANルーターのルーター機能とモデム間でIPアドレスが干渉したためだと判明しました。サポートの方の迅速な作業は心強かったです。今後はこのような事態を引き起こさないよう万全の態勢で臨みたいと思います。

  鼻前庭嚢胞、髄膜炎疑い、ナステント・フィッティングなど
  9日   今日は朝から真夏のような日差しでした。7日に四国も梅雨入りかとお伝えしていましたが、なんと7日に東海~東北南部が梅雨入りしたものの、九州北部~近畿は梅雨入りしませんでした。週間天気予報では、今後1週間、松山では雨は降りません。松山の梅雨入りは16日以降でしょうか? 水不足が気になってしまいます。

 いびき症や閉塞型睡眠時無呼吸(OSAS)の治療に、ナステントという経鼻チューブがあります。先日、このナステントでOSASが劇的に改善した方がおりました。当院では、OSASの例でCPAPと呼ばれる陽圧マスク療法の適応のない軽症~中等症の方には、主に歯科プロテーゼによる治療を行っています。治療効果を判定するために、希望された方には歯科プロテーゼを装着した上で再度睡眠検査を行なっていました。しかしナステントを装着して再検査をする機会はありませんでした。今回、この機会があり再検査したところ、ナステントで中等度のOSASが正常に近い値まで改善していました。ナステントは通常、舌根部までは留置しませんので、主に口腔の上の部分の軟口蓋を中心としたイビキに効果があるものと認識していましたが、舌根沈下によるOSASにも著効の例があることが判りました。これまではナステントを希望する方にはフィッティングのみを行っていましたが、今後は舌根沈下型のOSASにも有用かどうか積極的に確認したいと思います。

 今年の日耳鼻総会学術講演会は、長期連休の直後の5月8~11日に大阪で開催されました。長期休診の後でもあり、私も専門医資格が更新された直後ですので、今年の総会出席は見合わせました。また、日本アレルギー学会学術大会は6月14~16日に東京で開催されます。出席がかなわない日耳鼻総会とアレルギー学会ですが、学会の抄録集を読んでみました。
 今年目立ったのは「Type2(2型)炎症」に関する演題が目立って増えてきたことです。 2型炎症はアレルギー性炎症の新しい概念です。MosmannがヘルパーT細胞のバランスからTh1/TH2パラダイムという概念を提唱しました。Th2優位の慢性気道炎症に中心的役割を果たすのがIgEと好酸球です。またサイトカインの研究の進展により、Th2細胞はType2サイトカイン(IL-4、IL-13)の産生源となるリンパ球であることが判ってきました。IL-4、IL-13はB細胞に作用してIgE産生に密接にも関与します。また、グループ2自然リンパ球(ILC2)が自然免疫の解明により発見され、ICL2はIL-5、IL-13を多量に産生します。このようにTh2細胞やICL2が関与するアレルギー反応を2型炎症と呼ぶようになりました。この研究成果を基に、抗IgE抗体・抗IL-5抗体・抗IL-5受容体抗体による気管支喘息や好酸球性血管炎への治療が始まりました。また、抗IL-4抗体を基にアトピー性皮膚炎の治療も始まったことから、従来のステロイドや抗アレルギー剤で治療が困難であった重症気管支喘息や重症アトピー性皮膚炎への治療の選択肢が増えました。
 耳鼻科領域でも、好酸球性副鼻腔炎や好酸球性中耳炎、ANCA関連血管炎性中耳炎などの血管炎のエンドタイプ(分子生物学的な病態生理)に即した病気の解明が進むことが期待されます。また、新たな治療の選択肢も増えそうです。今年は、2型炎症に対するアプローチが一般的となる元年となりそうです。 
  5日   今日の午後は、垣生小学校に耳鼻科健診で出向いていました。私が校医を担当している3校、さくら小、垣生中に続いて1学期最後の健診です。学校に着くと、正面玄関前のプールでは水泳の授業が始まってました。今年は水温も高く、一昨日の3日よりプール開きしているとのこと。今日は午後から夏のような蒸し暑さでしたので、子供達も歓声を上げながら授業を受けていました。健診が始まると、中には水着のままで健診を受けに来た子も。健診の後直ぐにプールに戻ってスイミングなんでしょうね。夏を感じる健診でした。
 夕方には松山市コミュニ―ティーセンターにある松山中央図書館に立ち寄りました。プラネタリウムのコスモシアター前の人造池は,水不足のため流れが止められていて、いつもの滝状のせせらぎが聞こえませんでした。松山は明後日には雨の予報です。恐らく梅雨入りでしょうか? ジメジメする嫌な季節ですが、水不足の松山にとっては恵の梅雨になりそうです。
 一昨日、A型インフルエンザ陽性の高校生の来院がありました。6月にA型は、私の記憶にはありません。B型も含めて先週には流行の終息と思いましたが、今シーズンのインフルはしぶといです。 
6月  2日   6月になりました。九州南部は5月31日に梅雨入りしました。四国は、過去平年でみると、6月5日に梅雨入りし、1ヵ月半後の7月18日に梅雨明けします。梅雨の期間は結構長いですね。令和元年、今週中には四国も梅雨入りしそうです。ジメジメした季節の前触れでしょうか。今日の診察では、外耳道真菌症の方が目立ってきました。今日は、アスペルギルスよりもカンジダと思われるケースが多かったようです。外耳道のカビは、爪の水虫(爪白鮮)ほど頑固ではありませんが、それでも細菌性の外耳炎よりは治りにくいです。患者様には、、2週間は自宅での続けるようにお願いしています。
 またここ数日、お子様の流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)が目立っています。
 ヒノキ花粉の飛散終了は、山口県の飛散状況なども総合すると、5月9日頃だったと思われます。先日、山口県から転勤してきた花粉症の方の来院がありました。私は例年、山口県のスギ、ヒノキの花粉飛散状況にもウォッチしていますので、しばし、山口県の花粉飛散状況の話で盛り上がりました。

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  鼻出血(動脈性)、頚部リンパ節腫脹、アレルギー性鼻炎へのレーザー治療、突発性難聴、良性発作性頭位眩暈症など。 
     
  29日   今日の診察では、B型インフルの解熱後に気道症状の続く学生さんの来院がありました。ここ数日、中学生高校生でインフルを疑うも迅速検査陰性の学生さんの来院がチラホラありました。B型インフルの散発が残っているようです。ここ数年の流行状況と同様、6月前半で発生はなくなると思います。
 愛媛県感染症情報センターから今シーズン最後のインフルエンザ速報が出ました。26日までの週で、定点当たり報告数は0.7人と流行終息の目安1.0人を下回りました。タイプは、A型51%、B型49%。学級閉鎖の報告はありませんでした。興味深いのは、県全体の報告40例の内、西条は10例全部がA型、松山は型が判明した10例全例がB型でした。三坂峠の東西で大きな差がありました。

 例年、インフルのシーズンを中心に、航空券のキャンセルのための診断書を希望する方が見られます。病気による交通機関のキャンセルをまとめてみます。JALやANAでは出発前に連絡すれば特例で手数料なしで払い戻しを受けられます。医師の診断書は後日の郵送でも可だそうです。同行者のキャンセルも柔軟に対応されます。LCCや国際線は購入時点でキャンセルできない航空券もあるために個別の相談が必要です。JRは本人の都合による特例処置はありませんが、数百円の手数料で払い戻し可能です。 
  28日   北海道佐呂間町のフェーン現象による、5月としては全国の過去最高気温39.5℃にはビックリでした。松山でも、25日土曜日の最高気温32.3℃、26日日曜日は30.4℃で、真夏のような暑さでした。この暑さで、松山でも今年一番の大気汚染環境となりました。大気汚染については全国的な観測網が整備されています。愛媛県でも県立衛生環境研究所が、大気汚染常時監視テレメーターシステムを稼働させています。当院の近隣では、富久町の西消防署西部支所、朝生田の南環状線沿い、垣生小学校、松山市味生支所、松前町の新川海岸に観測装置が設置されています。調べてみると、こんなに観測網が整備されていることに驚いています。
 今年、黄砂は松山では4月13日に飛来しましたが、PM2.5はこれまで目立った観測はありせんでした。ところが25日26日の暑さのせいか、26日に富久町で35μg/m3、垣生小学校で28μg/m3と、今年の最高値を記録しました。富久町の35μg/m3は、注意喚起の環境基準70μg/m3には至っていませんが、望ましい水準の環境基準値の上限でした。光化学スモッグはさらに高値で、26日に富久町で70ppb、垣生小学校で80ppbと環境省が住民に外出を控えるよう呼びかける濃度70ppbを超えました。東予では25日に光化学スモッグ注意報が発令され、松山でも愛大附属小の運動会がこの影響で終了時間が早められました。
 これらの報道を知って、PM2.5や光化学スモッグの影響を心配して来院された方がおられました。PM2.5は排気ガスなどの極小の浮遊粒子状物質ですので、下気道まで達して気道過敏症を引き起こします。光化学スモッグは工場の煙や自動車の排気ガスなどに含まれる窒素酸化物や揮発性有機化合物が、日光の紫外線により光化学反応を起こして変質しオゾンなどが発生します。夏の暑い日の日差しが強く風の弱い日に発生しやすいです。化学オキシダントの諸成分によって、目や喉、皮膚などに刺激症状が引き起こされます。私にとっては、高度経済成長期の四日市や尼崎の国道2号線沿線の風景や、校庭で運動していた小学生が次々と体調不良になる報道が印象深かったのですが、近年の公害対策の進んだ日本では集団的な障害の発生はめっきり少なくなっています。しかし、慢性気管支炎や喘息、高度のアレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎の人にとっては、流涙、咽頭痛、咳だけでなく、皮膚の発赤やめまい、しびれ、呼吸困難、発熱、嘔吐、最悪では意識障害を引き起こす場合もあります。特に光化学スモッグはマスクでは防げませんので、気道過敏症の強い方は、外出を控えるなどの予防対策を行って下さい。幸い、ここ数日当院を受診した方々の原因の多くは、PM2.5や光化学スモッグによる刺激の可能性は少なく、感染症によるものと思われました。

  
 新緑の城山公園です。キッチンカーがたくさん並んで、ほっこり気分です。城山公園は広々とした堀之内の芝生広場の周囲を囲むように国道沿いにオフィスビルが立ち並んでいますので、公園の中からみると少し遠くにビルが並んで見えます。私は、ニューヨークのセントラルパーク、東京の皇居前広場にちょっと似てる、、と勝手に思っています。

  
 当院、新緑のケヤキとハナミズキです。
  26日   夏のような暑さです。北海道も猛暑でニュースになっていました。汗をかいた外耳道を描きすぎて外耳炎を誘発する方の来院も見られ始めました。
 子供達から学校のプール清掃が終わったと教えてもらいました。6月に入れば水温が高ければ水泳の授業も始まります。鼓膜に穿孔があったり、鼓膜チューブを入れているお子様にはプールの入り方を指導しています。滲出性中耳炎のガイドラインでも、鼓膜穿孔があっても鼓膜チューブを留置していても、必ずしも耳栓を着用しなくてもよいとの立場になっています。子供達には出来るだけ自然な形でスイミングしてもらいたいと思っています。
 学校健診の報告書を持って来院する子供たちが増えてきました。アレルギー性鼻炎や難聴の報告書が多いです。小学生の半数がハウスダストの抗体を持つ時代ですので、アレルギー性鼻炎の小児は多数派ともいえます。鼻炎があったからと言って必ずしも治療しなければいけないことはありません。日常生活でどう困ったらどう対処すればよいのか。どのような時に治療を受ければよいのか、など主に”生活指導”で対応しています。 一方、難聴はやはり学校生活への影響が大きいです。小学生低学年では滲出性中耳炎が多いのですが、小学校高学年や中学生では、心因性難聴も時に見かけます。一回の診察で診断を確定することは難しいケースが多いです。幼い頃からの難聴、中耳炎の後遺症もありますが、時には進行性の遺伝性の難聴や神経腫瘍が隠くれているケースもあります。また、神経に特別な異常が見当たらない機能性難聴の中でも、心因性難聴であれば無意識下に他の知覚神経や自律神経の変調も来して、学校生活に支障が出るケースもあります。そのような場合は児童精神医学的なアプローチも必要になります。ケースバイケースで思春期小児科を専門とする総合病院の小児科とも連携しています。

 局所的にやけどをしたお子様のお母様からの相談がありました。水疱化したやけどはⅡ度の熱傷ですので、真皮まで障害が及んでいます。真皮の深くまで障害されると、後が残ったり(肥厚性瘢痕、ケロイド)、皮膚の動きが鈍くなったり(瘢痕収縮)する恐れもあります。皮膚科専門医での治療をお勧めしました。
 熱傷深度(深は、日本熱傷学会で分類されています。I度熱傷(EB:epidermal burn)は表皮(角質層)のみの損傷 。Ⅱ度熱傷は真皮に及ぶ損傷で、 真皮の表層部(有棘層・基底層)に留まる損傷の浅達性Ⅱ度熱傷(SDB:superficail dermal burn)と、真皮の深層部(乳頭層・乳頭下層)に達する損傷の深達性Ⅱ度熱傷(DDB:deep dermal burn)に分けられます。Ⅲ度熱傷(DB:deep burn)は表皮と真皮全層の損傷です。Ⅰ度は発赤のみですが、水疱が出来る状態だとⅡ度に及んでいます。浅達性Ⅱ度熱傷までは、感染予防の上での軟膏や創傷被覆材で湿潤治療(モイストヒーリング)で対応できますが、深達性Ⅱ度熱傷以上では、壊死組織の除去(デブリードマン)が必要になる場合もあります。色素沈着予防のための紫外線対策も必要になります。やはり、皮膚科専門医でしっかり経過をみてもらいます。

 東北大学より「インフルエンザに罹った時には、解熱剤で平熱を維持した方が細胞傷害性を回避できる」というという研究が報告されました。インフルエンザ感染時の治療では、安全性の確立されている解熱剤の使用の必要性が明確になり、インフルエンザ患者の重症化を防ぐ治療の促進に貢献することが期待できる、とのことです。
 風邪に罹った際に発熱する仕組みとしては、感染により白血球からインターフェロンなどの発熱物質が放出されることによって発熱が促されることが判っていました。インターフェロンには病原体の増殖を抑制する効果や免疫反応を活性化する役割があります。このため私も、風邪の初期に発熱することで免疫力が高まるので、食欲不振での脱水などで困る場合に解熱剤を使うようお伝えしていました。ただし、中耳炎や扁桃炎などでの痛みが不快な際や患部の腫れを軽減するためには、消炎鎮痛剤として解熱剤を熱が無くても使用するようにともお伝えし、また、発熱しても仕事をどうしてもしなければいけないのなら国民経済的な観点からは解熱剤の服用が役に立つともお伝えしていました。今回の研究では初めて、発熱の維持と解熱でどちらが生体に有用かが明らかになりました。5日間高温下で細胞を培養すると感染していない細胞でも生存率が低下するだけでなく、インフルエンザウイルスに感染した細胞ではさらに細胞の生存率が大幅に低下しています。どうやら、細胞障害の観点から見ると、発熱でインターフェロンがでて免疫力が高まる利点より、発熱で細胞が障害される欠点の方が上回るということのようです。以前、インフルエンザ脳症では細胞障害のサイクルが過剰に回って脳症が引き起こされるとの徳島大学の研究報告もありました。これからは、インフルエンザで高熱の患者様には「我慢せずアセトアミノフェンで解熱した方が、体にいいかもしれません」とお伝えしたいと思います。

 昨年9月より滞っていたGoogleビュー上の院内のインドアビューですが、ようやく登録されました。グーグルマップの検索欄で「山口耳鼻咽喉科クリニック」と検索すると、室内の画像(インドアビュー)が表示されます。そこから当院の待合室を探訪できます。ところが困ったことに、Googleマップ上で当院を直接探すと、地図には「山口耳鼻咽喉科気管食道科」のみが出てきて、ここをクリックすると「山口耳鼻咽喉科クリニック」にはリンクされず、インドアビューのない「山口耳鼻咽喉科気管食道科」にリンクされます。以前、Googleが提携していたゼンリンのマップ情報では、当院は「山口耳鼻咽喉科気管食道科」と表示されていましたので、そのあたりで齟齬が生じたのでしょうか。Googleにリクエスト送信しておきました。うまく修正されれば良いのですが、、 
  19日  今日の診察では、B型インフルエンザの高校生の来院がありました。まだ少しインフルエンザの発生は続きそうです。

 慢性上咽頭炎ですが、今月末に開かれる日本耳鼻咽喉科学会総会の学術講演会でも複数の演題発表が予定されています。主訴で一番多いのは後鼻漏との演題もありました。私の診察の実感でも、後鼻漏の訴えが多いようです。痰のからみが取れない、鼻の奥にいつも痰がまとわりついて不快だ、などの訴えです。塩化亜鉛による上咽頭擦過治療(EAT、Bスポット治療)を行ってみると、従来は「アレルギー性鼻炎も、細菌性や好酸球性の副鼻腔炎もないのに鼻炎が続くので、鼻の粘膜が過敏な血管運動性鼻炎である」とされている病態の中にも、慢性上咽頭炎が関わっているものが案外多いことに気づかされます。鼻炎症状が続く患者様に対しては、上咽頭炎の存在も視野に入れての診察を心がけています。
 当院は「つらい不調が続いたら慢性上咽頭炎を治しなさい」の本で、四国でもいち早く実施医療機関に掲載されました。当初、四国では実施医療機関が少なく、掲載されたのは当院を含めた2医療機関だけでした。そのため、香川、徳島、高知などの四国の他県から来院される方もおられました。この春、この本の特設サイトに掲載されている慢性上咽頭炎治療医療機関一覧が202機関と増えて、香川県でも実施する医療機関が登録されました。香川県から来院されている患者様には、早速、香川県のクリニックを紹介しています。

 診察室の吸入コーナーの前には、アンパンマン列車のポスターを置いてあります。これはJR四国の方からのご厚意により毎年贈られているものです。慣れない小さなお子様は,吸入の音だけでも怖がることが多いのですが、アンパンマンの魅力はさすがです。ポスターに気を取られて、いつの間にか吸入が終わる子供達も多いです。私もスタッフもどれだけ、アンパンマンに助けられてきたことか。また、診察室の窓からは、伊予鉄電車が絶景で見えます。電車の通過するガタンゴトンで、泣き止むお子様も多く見られます。アンパンマン列車のポスターと、実際の電車のコラボは、当院ならではでしょう。先日、しおかぜ堂の方から、アンパンマン列車の模型をプレゼントされました。しおかぜ堂は、松山市の歴史ある鉄道模型専門店ですがこの4月からフジグラン松山にリニューアルオープンしました。お子さま向けの「でんしゃグッズ」も充実させたとのことです。早速、アンパンマン列車の模型も吸入のカウンターに置くことにしました。今日は「この電車、お家にもあるね」とお膝の子供さんに話しかけながら吸入させていたお母様の声も聞こえてきました。アンパンマン列車のポスターと模型のコラボも、なかなか良さそうです。(^^)

 私の一番の定期愛読書といえば、、実は日経新聞です。診察が長引いた日の夜に読む新聞で頭を切り替えてリラックスします。しかし、最近はページをめくる毎に新しい情報の多さに驚かされます 日々の変化が、ここ数年大きくなってきたように感じています。GAFAM(Google、Amazon、Apple、Facebook、Microsoft)の席巻、AI、Web2.0、国際政治の目まぐるしさ、、白血病治療新薬キムリア1本3349万円が保険適用、、私が時代の変化についていけなくなってきたのかも知れません。 
  17日   初夏の陽気です。病院玄関のハナミズキも新緑になりました。ゴールデンウィーク明けの愛媛県でのインフルはA型54%、B型46%でした。中予全体ではB型が55%と、B型が増えています。しかし、ここ数日、当院ではインフルエンザは見かけなくなりました。ようやくインフルのシーズンは終了に近づいています。夏風邪の代表的な感染症の手足口病のお子様が見られました。また、手足口病が治った後で来院したお子様、ご自身のお子様が手足口病で風邪症状を発症したお父様などの来院もありました。まだ流行の先駆けですが、現在の手足口病は口内炎が目立たずに、手足の発疹が目立つようです。手足口病として発症するウイルスは、主にエンテロウイルスですが、エンテロとは腸管を意味し、腸で増殖することから下痢や腹痛を来す場合があります。EVの亜型にコクサッキーウイルス(CV)、エコーウイルスがあります。手足口病ではEV71、CV-A4.5.6.8.10.16が主なウイルスです。CV-A16で脳炎、心筋炎の報告があます。最近は流行っていませんがEV71では無菌性髄膜炎を合併する場合があることから、強い頭痛や繰返す嘔吐には注意します。11年には治癒した数週間後に爪が剥がれる爪甲脱落症を続発する新しいCA-16が流行しました。愛媛県の感染症情報センターからは、まだこの夏の手足口病の検出病原体の情報はありません。この夏の流行タイプが、”大人しい”タイプであればよいのですが。

 昨年秋に掲載予定だった当院のGoogleインサイドビューですが、手違いがありまだ掲載されていませんでした。一昨日、改めて院内を撮影しました。2週間後にはGoogleストリートビューで、病院前の県道から、当院の待合室まで入れるようになります。撮影の日は、新緑で前庭のサツキが咲いた時期で好天にも恵まれていいましたので、良い時期の撮影となりました。Googleマップ上で、当院がどう映っているのか、こんどこそ確認が楽しみです。 
  13日   スギ花粉は4月25日に飛散終了しました。ヒノキは少量ながらまだ飛散が続いています。昨日、今日とA型、B型の方が複数来院されました。溶連菌、アデノウイルス、ヒト・メタニューモウイルスなど、多彩な感染症が見られています。 
5月  6日   令和時代への天皇譲位もつつがなく進みました。皆様の連休は如何だったでしょうか? 長期の休みの後ということで、連休明けは例年より5月病が目立ちやすくなりそうとの予想もあります。フレッシュマンの皆さん、ゆっくり、慌てず、マイペースで適応しましょう! トランプ大統領が未明のTwitterで「中国への残りの関税も25%にするかもしれない」とつぶやきました。日本のビジネスマンや市場関係者は連休明けにいきなり目が覚めそうです。皆さん、頑張りましょう!

 私は開院以来の長いお休みを頂いたおかげで、リフレッシュ&頭の整理が出来ました。連休前半には、救急患者様のことで愛媛大耳鼻咽喉科の当直の先生にはお世話になりました。ありがとうございました。明日から当院の令和の診察が始まります。まもなく当院では8万人目の新患患者様を迎えます。近隣では新しい耳鼻咽喉科が開院します。当院の診療態勢も、レセコン機種変更、調剤の院外化、レーザー装置・副鼻腔手術器具整備、エコー導入、自動血球測定器導入、第2駐車場開設、増築、内装整備、CT導入などの変遷を経て、明日からは山口耳鼻科5.0とでも言うべき新しいステージに入ります。ここ5ヶ月は、診療に追われて、診療態勢の確認や見直しがおろそかになっていました。この連休で、私も様々な再確認が出来ました。
 患者様向けの資料の更新も行いました。先天性進行性感音難聴では、前庭水管拡張症、Pendred症候群を追加しました。急性中耳炎を反復する小児の血清IgG2測定、静注免疫グロブリン療法の追加、吃音(どもり)の治療法の更新、皮膚嚢腫(粉瘤、稗粒腫)と皮様嚢腫、類皮様嚢腫の違いの補足、くり抜き手術の追加、真菌・MRSA・緑膿菌による難治性外耳炎へのピオクタニン色素治療の追加、先天性嗅覚低下でKallmann症候群の追加などを行いました。私のとって資料の更新は、治療方針の再確認に役立っています。

 この休みは久しぶりに読書が満喫できました。連休に読んだ本を挙げてみます。憎悪の世紀~なぜ20世紀は世界的殺戮の場となったのか~。悪名の棺 佐川良一伝。中世史講義~院政期から戦国時代まで~。東京裁判「神話の解体」~パル・レーリング・ウェブ三判事の相克~。モンゴルの中国革命。脱北者たち~北朝鮮から亡命、ビジネスで大成功、奇跡の物語。知っておきたい腹痛の正体。JOHNS2018年11月号小児の難治性疾患~私はこうしている 2018年12月号頚部腫瘤を熟知する。聖書、コーラン、仏典~原典から宗教の本質を探る~。日本画の歴史 現代篇。ゴルバチョフに会いに行く。紫禁城史話。浄土真宗はなぜ日本でいちばん多いのか~仏教宗派の謎。 その他です。
 なかでも印象に残ったのが、「憎悪の世紀~なぜ20世紀は世界的殺戮の場となったのか~」です。著者はハーバード大学歴史学教授で2004年にタイム誌の世界で最も影響力のある100人に選ばれたニーアル・ファーガソン氏です。990頁の大著で読み応えありました。物語は東方ユダヤ人のキリスト教徒との結婚の割合から入ります。ホロコーストに至るには長いヨーロッパの歴史的背景があることが判ります。次いで、「悪名の棺 佐川良一伝」です。巣鴨プリズンでのA項(級ではありません)戦犯との交流。その後の遺族会との交流など、戦後史の一端がかいまみえます。私にとっては、平成を振り返るというよりは、20世紀を振り返る連休になりました。「聖書、コーラン、仏典~原典から宗教の本質を探る~」、仏典は系統も種類も多いので判り難かったですが、こんなに判りやすくまとめた本は初めてでした。

YouTube Kyoto Tachibana SHS Band - Disneyland Anaheim 2017 京都橘高校吹奏楽部 へ
オレンジの悪魔のステップは、アメリカ最大のお祭りローズ・パレードでは9㎞を驚異のステップと笑顔でパレードします。2010東京五輪の開会式で見たいです! 
     
  29日   昨日で当院のゴールデンウィーク前の診療は終わりました。お待ち頂いた患者様にはご協力ありがとうございました。久方ぶりに診察終了時間が午後11時を回りました。診療を支えてくれたスタッフにも感謝します。今日から当院も8連休を頂きました。例年ならば、当院の長期休診はお盆の4日間、年末年始の5日間ですので、大学勤務時代の夏休みに1週間休みを頂いて以降では最も長期の休暇となりました。昨年12月後半よりほとんど昼休みの無い診察が続いていました。私も疲れがたまっているかなと思うことがありました。この連休にしっかりリフレッシュしたいと思います。
 ここ数日の診察は、当院の休診期間中に病気の経過が悪くならないか、悪化した時の対応法をどうするか、など考えながらの診察でしたので、まるで年末診療の気分でした。当院かかりつけの方でゴールデンウィーク中に体調の悪化が見られて不安な場合は、当院に掲示してありました私の携帯番号までご連絡下さい。また、連休中も公的病院よりもクリニックレベルで開院している施設が多数あります。4月30日、5月2日に開けている病院が多いようです。松山市や松山市医師会のホームページで開いている病院は確認できますので、そちらもご利用下さい。
 平成の世も残すところ後1日となりました。今上天皇ご退位、新天皇ご即位おめでとうございます。私はバブル時代を学生で過ごした新人類と呼ばれた世代です。平成の時代を医療現場の中で駆け抜けてきました。新聞テレビでも平成の時代を振り返る企画が多いですが、医療関係でも平成を振り返る企画が多く目につきました。平成の時代は、世界的には第二次産業革命ともいえるインターネットが広がった時代でした。しかしこの影響は医療には大きな影響は及ぼしませんでしたが、これからの令和の時代はWeb2.0と呼ばれるAIの時代に突入します。高齢化のピークから人口減小時代へ。これからの時代の方が医療は大きく変革しそうです。平成への代替わりは昭和天皇崩御という悲しみと自粛の中で始まりました。令和への代替わりは祝賀の中で始まります。私もどこまでついていけるか。”無理せずに”チャレンジしていこうと思っています。
 昨日、診察終了後にレセコンのソフト更新を行いました。ついに令和の記載が現れました。

 松山市の広報誌で松山城がお城のランキングでベスト3に選ばれたと載っていました。お城好き、ランキング好きの私ですので、思わず確認してみました。選定したのはトリップアドバイザー。最近よく聞くけどトリップアドバイザーって何と思えば、米国発の世界最大の旅行サイトでした。このトリップアドバイザーが選んだ「旅好きが選ぶ! 日本の城ランキング2018 Top 20 Best Castles in Japan 2018」を一気に挙げます! 1位 姫路城(兵庫県姫路市) 2位 二条城(京都府京都市) 3位 松山城(愛媛県松山市) 4位 松本城(長野県松本市) 5位 岡城阯(大分県竹田市) 6位 中城城跡(沖縄県北中城村) 7位 犬山城(愛知県犬山市)8位 備中松山城(岡山県高梁市)9位 松江城(島根県松江市)10位 岩村城址(岐阜県恵那市)11位 今帰仁城跡(沖縄県今帰仁村)12位 高知城(高知県高知市)13位 皇居東御苑(旧江戸城本丸跡)(東京都千代田区)14位 彦根城(滋賀県彦根市)15位 山中城跡(静岡県三島市)16位 名古屋城(愛知県名古屋市)17位 名護屋城跡(佐賀県唐津市)18位 竹田城跡(兵庫県朝来市)19位 勝連城跡(沖縄県うるま市)20位 郡上八幡城(岐阜県郡上市) おっ、我が松山城凄いですね。沖縄のグスクが多くランクインしています。秀吉の文禄・慶長の役の出兵拠点名護屋城跡もランクインされています。コンクリ製の大阪城、名古屋城(ちなみに3年後より木造天守閣の再建が始まります)はランク外でした。先日、このコーナーで紹介したテレビ版より本格的でした。

 届いた大学の部誌を見ていました。私が所属していた時は”軟式テニス部”でしたが、現在は”ソフトテニス部”に名称が変更されています。また、カリキュラムの密度が高くなったせいか、幹部学年が5年生から4年生になっています。昨年の戦績評では、因縁の愛媛大と書かれていました。3大大会の一つの団体戦決勝で接戦で愛媛大に敗れたようです。徳島から愛媛に帰って24年、いつのまにか愛媛大にお世話になることの方が多くなってきました。昨日の診療でも、救急対応を愛媛大耳鼻咽喉科にお願いしています。いつのまにか母校の部活も遠くで想うものになってしまいました。
 部誌を読むと、試合に臨んでのメンタル面のコントロールの難しさを多くの部員が挙げていました。実力を出し切るのは本当に大変です。キャプテンを引退する部員の投稿が印象に残りました。勉強が出来る人は、1.答えがある問題が解ける 2.時間を稼ぐために分かりやすい問題から片付ける 3.自分で問題を作ることはない で、リーダーとして引っ張っていく場合は全て逆転し、1.直面する問題に答えがあるのかすらわからない 2.難しい問題から片付けていく必要がある 3.自分たちで問題を作り、解決していく必要がある です。どうですか。部活でもなにげない学校生活でも、社会に出れば、勉強が出来るのとは違う能力が大いに必要です。運動部でも文化部でも地域の活動でも、学生が参加する意義を明確にしてくれる投稿でした。 
  22日   病院前庭のツツジ、玄関のハナミズキが咲き始めました。昼にはヒバリの鳴き声も聞こえます。昨日より日中の蒸し蒸しした時間には冷房も入れ始めました。立夏ももうすぐです。
  きらきらと 若葉に光る 午後の風  子規

 先週、松前町の中学校、伊予市の高校でA型の集団発生のあったインフルエンザですが、今日は松山市内からB型の高校生の来院がありました。松工、松山北高では流行の兆しがあるそうです。北高ではA形、B型ともに見られるとのこと。松山市南部や西部空港方面からもB型の小学生、幼稚園児の来院もありました。どうも今の時期になってB型が増えてきているようです。10連休に向かって流行が広がらなければ良いのですが。
  18日   今の朝、車のフロントガラスが黄色くなっていました。花粉?黄砂?と気になっていましたが、どうやら今シーズン3回目のヒノキの大量飛散だったようです。黄砂は飛来しておらず、イネ科の雑草やハンノキでは、市街地ではここまで黄色く積もりません。スギ花粉も少量飛散が続いていることから、飛散終了日はまだです。
 今日も引き続き、松前町、伊予市方面の方でA型インフルが目立ちました。空港近くの保育園のお子様からはB型インフルが検出されました。他の保育園でもインフルエンザが再び発生した施設がありました。ゴールデンウィークは、例年、集団生活の機会が少なくなることから感染症は流行しません。今年の10連休のゴールデンウィークも、例年通りに感染症の流行しない穏やかな連休になって欲しいものですが、インフルの発生が今も続いていることが少し心配です。
  眼窩吹き抜け骨折など。 
  17日   松前町を中心に中予南部でA型インフルエンザが再流行しています。松前町は当院よりすぐ南の重信川を渡ってすぐのところです。昨日、松前町の岡田中学校では全学年で学級閉鎖したクラスがありました。また、伊予市の伊予農業高では学年閉鎖になりました。4月にA型が流行するのはかなり珍しいです。
 当院では現在、成人も含めてRSウイルス感染症が散見されます。RSウイルスの弟分ともいえるヒト・メタニューモウイルスも春に目立ってきました。今冬多かったアデノウイルスもまだ目立ちます。溶連菌、マイコプラズマもまた目立ちます。4月に保育園入園でいきなりこれらの感染症に罹かったお子様も多かったです。集団保育で肺炎球菌やインフルエンザ桿菌などの病原菌がキャッチボールでうつることによって、感染症に続発して中耳炎を発症する保育園児が目立つのもこの季節です。せっかく保育園に慣れだした矢先に熱が出る子供達もしんどいですが、お母さんも職場復帰早々の保育園からの呼び出し、家庭での看護となかなか大変です。私も出来るだけ風邪の病原を特定して、風邪の経過の目途をお伝えして、お母様方が安心して看病出来るよう心がけて診察しています。

 細菌性肺炎による呼吸不全や虫垂炎が疑われた大人の方もおられました。各々、入院設備の整った総合病院に紹介しています。

 スギ花粉症の舌下免疫療法はスギ花粉のシーズンが終わる5月から始めます。今シーズン、花粉症の症状が強かったことからこの治療法を希望されたお子様は、舌下免疫療法の導入を愛媛大、愛媛県立中央病院、鷹ノ子病院に紹介しています。今シーズンはスギ花粉が大量飛散しましたが、当院で舌下免疫療法を続けている方々は総じて花粉症症状が軽かった印象です。やはり効果は実感できます。
 スギ花粉の舌下免疫薬シダトレンが2年後を目途に発売中止となることになりました。発売元の鳥居薬品では昨年、同じ成分のシダキュアを発売しています。この4月で発売1年を経過しましたので、シダキュアで舌下免疫療法を続けている方は、今月から月に1回の通院でよくなりました。シダトレンの維持量が2000JAU(アレルゲン活性単位)です。シダキュアは導入が2000JAUで維持量が5000JAUです。シダキュアの開発治験段階で、5000JAUでも副作用の発現頻度が上がらずに効果が良かったことから、多めの量での設定になりました。シダトレンは液剤で保管は冷蔵する必要がありますので旅行に持っていく際などの不都合がありました。シダキュアは舌下錠と錠剤ですので、保管の手間がかかりません。成分は同じものですので、当院で現在シダトレンで維持療法を行っている方には、順次説明して、シダキュアに移行していきたいと思います。
 花粉症の治療について「三位一体の治療」を提唱するドクターがおられました。三位一体? なにかと思えば、内服薬、点鼻薬、点眼薬を併用するとよいとのお話でした。私も既に実践しています。(^^)確かに眼は角膜へは内服薬が浸透し難いこともあり、点眼薬での治療がファーストチョイスです。点鼻薬で、局所ステロイド剤を用いたり血管収縮剤を屯用すれば症状は目立って改善します。結膜を診て、鼻粘膜を診て、咽頭や喉頭の粘膜を診て、顔面の皮膚を診て、それぞれの方に最適なオーダーメイドも治療を引き続き行っていきます。

 今日の日経新聞ASIAトレンドによると、フィリピンで、SNS映えする写真を投稿するためにミラーレスカメラの売り上げが伸びているとのこと。今年1月末の調査では、フィリピン人が1日にインターネットを使う時間は10時間2分、SNSは4時間12分で、いずれも世界で最も長く、フェイスブックのアカウントは13歳以上の98%が保有しています。フィリピンの人は日本人がテレビをつけっ放しにしているのと同じように、ネットに継ぎっ放しで、動画サイトをテレビ代わりにしているのでしょうか。今日一番の私のヘーッでした。世界のデジカメシェアでは、キヤノン、ニコン、ソニーが3強で、ソニーが追い上げ中ですが、フィリピンでは富士フイルムが首位でミラーレスでは追随を許していないそうです。スズキ自動車がインドで頑張っているのは知っていましたが、これもヘーッです。

 鼻前庭腫瘤、顎関節症、唾石摘出術など。


 今日は午後から松前町に往診に伺う機会がありました。往診先のお宅の周囲には、緑がまぶしい若々しい麦の穂の畑が一面に広がっていました。思わずカメラを向けてしまいました。松前町特産の裸麦(大麦)もイネ科雑草の1種です。イネ科花粉は共通性抗原の部分がい多いですので、裸麦の花粉が飛散する春休みの時期に、イネ科雑草の花粉症の方には裸麦に反応する人もいます。今日の当院のポールンロボの花粉飛散量は大量飛散レベルでした。スギ花粉が飛散終了間近、ヒノキ花粉もピークを過ぎていますので、今日の大量飛散はイネ科雑草とハンノキが主体と思われます。
 私の地方に関するちょっとした疑問で解決できていないのがふたつあります。ひとつは、戦後しばらくは西日本で広く二毛作として栽培されていた麦の栽培が減ったのに、なぜ松前町では特産品と言われるまで残ったのか? ふたつめは、なぜ松前町と伊予市の小学6年生は全員参加で盛大な水泳大会を行うのか? です。松前や伊予市の小学生やイネ科花粉症の方が来院された時に、時たま質問するのですが、明確なお答えは得られないままです。水泳大会では、金槌(カナズチ)の人はどうするの?と聞いたところ、なんと全員泳げるようになるそうです。素晴らしいです。同じ道後平野に位置する松山市と松前町、伊予市、東温市ですが、水源の違いや重信川の伏流水による地下水の豊富さで、松山市以外には夏の水不足がありません。松山市で毎年恒例で水泳大会を行っていたら、どこかで中止を余儀なくされていたと思います。毎年、おもいっきり水泳大会が開くことのできる松前町や伊予市、少し羨ましいです。 
  14日   12日にイネ科花粉で顔面の反応が強い小学生が見られました。子供たちの花粉症では、3月のお別れ遠足でスギ花粉に反応する子供さんより、新学期の遠足でイネ科花粉に反応する子供さんの方が強いアレルギー反応を示す場合が多いです。
 スギ花粉の直径がおよそ30μm、イネ科花粉は20~40μmと粒子が大きいこともあり、反応が強くなります。キク科花粉はブタクサが20μm、ヨモギが25μmとスギ花粉よりも小さいですが花粉表面の突起が多いことからも抗原性が強いようです。都会では宅地の密集による草地の減少により飛散数が減少傾向にありますが、松山は1番町などの中心部以外では、まだまだ草地が目立つことから飛散数は減ってないと思われます。重信川、石手川、小野川の周辺や郊外は雑草の宝庫です。雑草花粉症のお子様は、5月の連休に向かって、公園や草むらで強い症状が出ないか注意して下さい。

 先週後半、松前町の中学校でA型インフルの集団発生がありました。当院でもここ数日、松前町、伊予市、双海町方面のお子様でA型陽性の人が目立ちました。1学期になってもA型が集団発生するのは珍しいです。また、修学旅行出発の1週間前の発症だったことから修学旅行に間に合いそうでホッとした中学生の来院もありました。ひょっとすれば今週、学級閉鎖の報告が出るかもしれません。学生時代の一大イベント、修学旅行直前に発症する学生さんが一人でも少ないことを祈っています。
 4月第1週の愛媛県のインフルは、迅速検査ではA型79%、B型が21%とB型が増えていています。病原体検出では、A型は全例A香港型で、B型ビクトリア系統が1例でした。しかし当院では,2週間前にA型陽性で、今日も新たにA型陽性のお子様の来院がありました。ひょっとすれば、A2009年型も中予でもわずかに発生しているのかもしれません。 
  8日   ヒノキ花粉が2回目の飛散のピークを迎えています。恐らく大量飛散はここまでだと思われます。

 TVドラマも春クールの放映が始まりました。昨年、私が完走したのは「西郷どん」だけでした。「いだてん〜東京オリムピック噺〜」は最初から見ていません。今日、久々に目にしたTVドラマ、フジ月9「ラジエーションハウス」初回拡大版、何気に見始めたら止まりませんでした。設定の斬新さ、全ての出演者のキャラ立ちがしっかりしている、伏線回収の見事さ、フジテレビのドラマで感心したのは何年振りでしょう。
 このドラマの原作はコミックです。漫画は絵コンテで作品が決まります。製作費はなくても、いいアイディアがあれば素晴らしい絵コンテが描けます。絵コンテはお芝居の脚本に相当します。漫画作品が豊富なら日本は映像コンテンツも豊富ということになります。日の丸コミック産業、衰退させてはいけませんね。すみません、思わずTwitterのようなコメントしてしまいました。 
  7日   明日から新学期です。年度末をはさみ、新社会人、新入学、転勤、転校など様々な立場の患者様の来院がありました。中耳炎の経過観察が必要なお子様には転居先の病院へ経過を載せた紹介状をお渡ししました。高校を卒業した方には「卒業おめでとう」のメッセージとともに、時間が許せば新天地を伺いました。東京へ、大阪へ、京都へ、広島へ、山口へ、福岡へ、松山の地元に残る人、人それぞれです。皆さんの新しい土地での新生活が希望に満ちたものであることをお祈りしました。なかには高校卒業とともに、お化粧デビューで素敵なレディーに変身していた方もいて、周りのスタッフとともにびっくりしました。今年はスギ花粉を避けられる北海道や沖縄に転勤する方はいませんでした。(^^)  新学期、新生活の新たな患者様を迎え、診察の場ではありますが、また新たな邂逅を楽しみにしたいと思います。

 ほろほろと ひとりこぼるゝ 桜哉 子規

  呼吸不全、亜急性甲状腺炎、シェーグレン症候群、化膿性頚部リンパ節炎、扁平苔癬、外耳尋常性乾癬、良性発作性頭位幻暈症、慢性甲状腺炎など。
  6日   春休みも後1日になりました。昨日今日とインフル陽性の方はようやく見られなくなりました。やはりB型が例年より極端に少ないようです。当院では3家族で確認したのみです。
 昨日、日本感染症学会が、耐性化の目立つゾフルーザの使用基準に関する提言を今後策定することを決めました。A香港型に感染した患者や子どもで耐性ができやすく、学会緊急セミナーでの国立感染研からの報告ではA香港型168人の15%で耐性ウイルスが検出され、その内の84%が12歳未満。3例はゾフルーザを使用せず家族からの感染が疑われたとのことです。同セミナーでは、重症患者や他剤耐性時のゾフルーザ併用は有効だが軽症の外来患者に単独で使うべきではないとの意見もでました。私も今後発表になる提言に注目したいと思います。

 昨日、今年初の黄砂飛来が盛岡で観測されたのに続いて、今日は松山を含めて日本列島の広い範囲で黄砂が観測されました。今日の診察では、黄砂が鼻炎の原因?と気にするお子様もいました。黄砂はタクマラカン砂漠を中心とした中国から飛来します。砂漠の砂は硅酸でできていることから刺激が強いうえに、黄砂にPM2.5や花粉が付着することから、黄砂を吸い込むと化学物質過敏症様の反応が起こります。早い年ではスギ花粉飛散のピークに合わせて飛来します。2年前は確か5月の連休に遅めに初飛来しました。今年は桜とともに初飛来です。
 先程、NHK-BSの「空旅中国ー万里の長城ー」を見ました。ドローンを多用して万里の長城の建設の歴史を巡っています。王朝が代わる易姓革命の中国の歴史は迫力がありすぎます。番組では、明時代にタクマラカン砂漠から敦煌まで伸びた長城を映していました。気道過敏症を引き起こし、洗濯物が汚れたり車の塗装が傷む黄砂は厄介者ですが、かつて長城を挟んで漢民族と北方西方民族の胡とが覇権を競い合った砂漠の砂が舞い降りると考えれば、黄砂も歴史ロマンを駆り立ててくれます。蛇足ですが、私は時々鬱陶しい寒波や熱波をこう思うようにしています。凍り付く北風は、満蒙の地やシベリアから吹いてくる、うだるような熱波は沖縄や小笠原から吹いてくる、と思えば、旅をしたようなロマンを感じることが出来ます。(^^ゞ 
  3日   3月27日に過去2番目の早い満開となった松山の桜も、葉桜になりつつあります。桜に合わせてヒノキの飛散も例年並みより早まった模様です。3月27~29日に大量飛散したヒノキですが、昨日今日と一気に飛散量は減っています。

 今日のNHK「ガッテン!」のテーマは[新発想の花粉症対策」でした。「ためしてガッテン」が放送開始25年の本年度から「ガッテン!」に番組名を変更したとのこと。ガッテンの裏技は、私の外来でもよく紹介しています。車酔い予防の裏技、ハウスダスト対策法、I鉄欠乏性貧血への対応法、耳鳴の機序、食物アレルギーに対する湿疹対策について、などです。特定の番組情報を診察で紹介するのは、この番組だけです。
 今日の対策法は、イギリスで用いられている「鼻バリア」ワセリンでした。ワセリンを鼻入口部に塗ると花粉を捕捉するだけでなく、花粉が割れるのを防ぐために鼻粘膜でのアレルギー反応を少なくできる、という機序です。鼻の反応が収まれば鼻-眼軸索反射が抑えられて目の反応も軽くなります。使用法は、ワセリンを鼻の入口部(小鼻)に1日3~4回、時々鼻をかんでついたワセリンを取りながら塗ります。綿棒や清潔な手で、綿棒の先が薄く覆われるぐらいの量を優しく塗ります。特に鼻血の出やすい内側は優しく塗ります。鼻汁は弱アルカリ性で花粉が付着すると破裂しやすいのですが、ワセリンが油性であるために花粉の破裂も防げます。私も油性のワセリンによる予防機序は初めて知りました。花粉飛散数測定にはワセリンを塗ったスライドグラスを用いますが、これまで私はワセリンだと捕集した花粉が流れないためにワセリンを使うものだと認識していましたが、花粉の破裂が抑えられることから精確な捕集数が得られるのですね。これまでイオンの力や静電気予防で花粉の鼻への侵入を抑えるゼリーや花粉を捕集するジェルは市販されていましたが、ワセリンによる鼻バリアの治療法は日本ではおなじみではありませんでした。さすが「ガッテン!」です。
 「ガッテン!」今、ツラいあなたに! 保存版 新発想の花粉症対策SP  へ


 東雲神社下の加藤嘉明公騎馬像とソメイヨシノです。加藤嘉明公は豊臣秀吉の子飼衆で賤ヶ岳の七本槍・七将の1人です。伊予松山藩および陸奥会津藩の初代藩主を務め、松山城を築城しました。
4月  1日   四月になりました。新年度入りです。今年は診療報酬制度の改定はありませんでしたので、レセプトコンピューターの更新その他諸々、トラブルなく新年度を迎えることが出来ました。早いもので子供たちの春休みも半分過ぎました。当院の外来もようやく落ち着きを取り戻しました。

 新元号「令和」、良い響きです。私が今書いている日本語変換ソフトMS-IMEでは一発変換出来ました。少しビックリしました。出典は万葉集です。漢籍が出典ではピンとこないのですが、今度の新元号は最初から親しみが沸きます。 
     
  30日   松山の桜も見ごろを迎えつつあります。やはり桜はいいですね。4月の新年度を祝っているようです。4月1日の新元号の発表。待ち遠しいです。
 明日で3月も最終日です。年度末の院内風景をお伝えしようと思っていましたが、診療時間に押されて、このコーナーもなかなか更新できずに月末を迎えてしまいました。なんとか「花粉飛散データ」だけはほぼ毎日更新しました。この3月は、月間では当院開院以来最多の患者様を迎えた月となりました。診察終了時間も恒常的に遅くなってしまいました。お待ち頂いた患者様には、度々のご強力ありがとうございました。また、疲れを見せずに夜遅くまで受付事務や診療を支えてくれたスタッフ一同にも感謝です。スタッフの笑顔で、私もおおいに活力をもらいました。
 
 春休みに入っても、インフルエンザが散見されます。中にはA型への二度罹りの患者様も見られました。例年の春と違いB型はほとんど見られませんでしたが、年末年始に流行っていたA2009年型がやや盛り返したようです。この冬、当院では例年以上に溶連菌咽頭炎の子供たちが多かったのですが、全国的にも4年振りの多さになっているようです。
 ここ3日、ヒノキ花粉が大量飛散しました。スギ花粉の飛散に続き、ヒノキ花粉も予想以上の飛散数になりそうです。今シーズンの私の飛散予想は大きく外れてしまいました。(^^ゞ
  27日   春のセンバツ、聖稜打線、残念でした。夏の再起を願っています。

 東京の桜が松山より一足早く満開です。スギ花粉の飛散は桜と共に終息します。10日前に松山と東京で同時にスギ花粉が大量飛散しましたが、桜前線の様子からも、松山のスギ飛散の終息が遅く、東京の飛散が早かったことが判ります。今日は汗ばむ陽気でした。当院のポールンロボは今日が今シーズン最多の飛散数を観測しました。恐らくヒノキ花粉が大量飛散したものと思われます。今シーズン、スギ花粉が予想以上に超大量飛散しましたが、ヒノキも結構飛散するかもしれません。スギ花粉症の方の8割が、共通性抗原のヒノキ花粉症を発症します。今日、屋外で汗ばむと同時に、鼻や目がムズムズした方は、スギ花粉症ではなくヒノキ花粉症であった可能性が高いと思われます。スギ花粉症の人は後1週間で症状は落ち着きますが、ヒノキ花粉症も発症した人は、後3週間ほど症状が続く可能性があります。花粉症の服薬もその頃まで続けて下さい。 
  21日   松山のヒノキの飛散開始は3月15日になりました。新居浜が3月6日、山口県が3月7日と松山よりやや早く飛散開始しています。ハンノキの飛散も持続的になってきました。

 抗インフルエンザ薬への耐性状況の最新データが発表になりました。3月18日発表の国立感染研抗インフルエンザ薬耐性株サーベイランスでは、ゾフルーザへの耐性株の割合は、A2009年型1.6% A香港型22.1% B型0%、タミフルはA2009年型0.5%、A香港型0%、B型0%、注射薬のラピアクタはA2009年型0.5%、他0%、吸入薬のリレンザ、イナビルにはいずれも耐性株の報告はありませんでした。A香港型に対するゾフルーザ耐性株がやはり多いようです。ゾフルーザは効くときはスパッと効きますが、5人にひとりは効かなくて熱が下がりにくいとのデータです。当院でも明らかに解熱に時間がかかった人はその後増えて、私が把握しているだけでも、成人2名、小児3名でした。実際はもっと多かったのではないでしょうか? 残念ですが、ゾフルーザは使いにくくなっています。  
  20日   今日は全国的に4月下旬並みの暖かさでした。私も往診帰りの夕刻に、久しぶりに城山公園の県立図書館を訪ねたのですが、公園を早足しただけで汗ばむ陽気でした。18日に宇和島市が独自の観測で全国で一番早い桜の開花宣言を出しました。独自の観測といっても、標本木は平成17年に気象庁の測候所が廃止された当時のものとのことですので、信頼性の高い開花宣言です。今日は気象庁が公式に長崎で全国で一番早い開花宣言を出しました。暖流の黒潮や対馬海流のぶつかる長崎、宇和島は桜の開花が早くなります。スギの飛散でも同様のことが言えます。紀伊半島や伊豆半島も黒潮の流れに近いですので、関東の伊豆半島がスギ花粉の飛散開始一番乗りになるシーズンがあるのは、このような理由によります。いよいよ桜のシーズンです。スギ花粉症の季節も漸く終わりです。
 昨日19日に当院で今シーズン初めてB型インフルエンザを検出しました。昨日は大人の方、今日さらに学生さんで陽性の方がいました。愛媛県のインフルは3月3日までには警報レベルから注意報レベルににと下火になってきています。この週に愛媛県下の迅速検査で型が判明したインフルの報告425件の内、B型はわずかに2件0.5%でした。ほぼ全数がA型だったこともあり、当院では今シーズンB型にはお目にかからないかも、と思っていましたが、そうはいきませんでした。しかし、明日祝日、22日には小学校の卒業式、25日からは子供たちが春休みに入ります。ここからはB型インフルの集団発生はないと思われます。(^^)
  
  耳下腺腫瘍、痙攣性発声障害、声帯振戦、反回神経麻痺、肉芽性鼓膜炎、良性発作性頭位眩暈、頸部蜂窩織炎(外歯瘻疑い)など。 
  17日   ここ3週間、大量飛散→雨模様→大量飛散→雨模様を繰り返していたスギ花粉の飛散ですが、ようやく勢いが無くなってきました。恐らく13日が最後の大量飛散になったと思われます。花粉症が続いたことから諸症状が強くなった方が目立ちます。風邪(急性上気道炎)で普段の風邪の時以上に鼻づまりや咳が強くなった方、耳管狭窄が強くなった方、急性中耳炎を引き起こしたお子様、慢性副鼻腔炎が急性増悪した方、頭痛が強くなった方、など様々です。花粉症シーズンの後半期は、様々な症状に注意して診察を進めたいと思います。
 昨シーズンの花粉症、インフルエンザの診察は”変わった”パターンでした。1~2月にA型とB型の同時流行が続きました。スギの大量飛散が1回だけでヒノキが過去最高に飛散しました。今シーズンの診察も”変わった”パターンになっています。スギが予想以上に長期間にわたって大量飛散しました。インフルエンザが1月に大流行したかと思うと、2月からは一気に下火になり、愛媛県ではB型の報告がほとんどありません。3月に入ってもA型が99.5%です。当院でもこのままB型を検出しない稀有なシーズンになるのでしょうか。

 わが町松山城下が、NIKKEIプラス1「歩きたい小さな城下町10選」の1位に選出されました。 電車・温泉・銘菓がぎゅっと詰まった街で、城下町の魅力がコンパクトに詰まっている、銀天街や大街道などにぎわいのある商店街が飽きさせない、坂の上の雲ミュージアムや子規記念博物館など見どころも多い、との評価です。因みに2位以下は、2位 八幡山城下(滋賀県近江八幡市)、3位 松江城下(松江市)、4位 弘前城下(青森県弘前市)、同4位 松本城下(長野県松本市)、6位 飛騨高山城下(岐阜県高山市)、7位 川越城下(埼玉県川越市)、8位 岩村城下(岐阜県恵那市)、9位 備中松山城下(岡山県高梁市)、10位 出石(いずし)城下(兵庫県豊岡市)となっています。岩村城下、出石城下は、今回の特集で初めて知りました。川越の評価を読むと、首都圏の人にとっては1時間で行ける身近な城下町だそうです。歴史風情の好きな首都圏の人から見れば、松山市民はなんと恵まれているのでしょう! 
  13日   スギ花粉の飛散の勢いが止まりません。今日も朝から飛散が始まり、大量飛散しました。これで大量飛散が3週間続くことになり、過去に例のないくらい長期化しています。ここ1週間で4日断続的に雨模様でしたが、雨が上がると大量飛散、、のパターンが続いています。関東も強風のせいで、今日が最大飛散だったようです。関東の大量飛散と、松山の大量飛散が重なる例年にないパターンになっています。 
  12日   松山のスギ花粉の飛散数が、”6年振りの大量飛散”から”6年前の超大量飛散を超える飛散”になりそうです。松山で過去最大に飛散したのは1995年です。さすがにそこは超えないとは思いますが、今年の飛散は過去3~4番目レベルにはなりそうです。私の予想はなんだったのでしょうか。(-"-) 
 松山の大量飛散も後10日間程度と思われます。花粉症デビューした方、6年振りに花粉症になった方、2才で花粉症デビューしたお子さん、60才で花粉症デビューした方、80才で花粉症症状の強い方、海外から日本に働きにきてスギ花粉症デビューした方、屋外での仕事がメインで粘膜の腫脹が強いために短期作用のステロイドを注射する方など、今年の花粉症は症状の強い方が特別目立ちます。
 関東も6年振りの大量飛散になる見込みです。関東は大量飛散が始まって、これからの2週間がピークです。これからテレビのワイドショ―でも話題になると思います。明日から東京に出張に向かう方もおられました。しっかりとした対策をするようお伝えしました。スギ花粉は世界的にも日本がメインですが、欧州ではヒノキ花粉症や雑草花粉症がメインです。フランスへの旅行を予定しているスギ+ヒノキ花粉症の患者様がおられました。旅行中の対策の必要性をお話しました。 
  6日   今日は、スギ花粉が今期初めて早朝の午前5時ぐらいから大量飛散が始まっていました。昨日朝が雨でその後雨上がりだったせいでしょうか。午前の診察中は「今日は朝から凄いですね」と紹介していたのですが、昼からの雨で花粉の飛散は一気に止まりました。(^^) それにしても今期のスギ花粉は頑張っています。このままのペースがあと1週間続くと、2013年の超大量飛散の年に匹敵するかもしれません。

 体位性頻脈症候群を疑わせる大人の方の受診がありました。
 体位性頻脈症候群は、小児の低血圧からの立ちくらみ、起立性調節障害(orthostatic dysregulation:OD)と病態がオーバーラップしますが、起立性低血圧がない病態です。1992年に米国メイヨークリニックから提唱されました。起立時の静脈灌流減少の回復が十分でなく、心臓への静脈灌流の欠乏を代償するために心拍数増加が持続します。思春期に目立ち、脳の低潅流と交感神経の過剰反応による,鎮痛剤の効かない慢性頭痛、不眠、めまい、腹部不快感、慢性疲労などが見られます。診断は、起立試験(10分間)またはヘッドアップティルト試験で心拍数が成人や小児で03以上、思春期で40以上増加します。小児では起立後の脈拍が115以上でもこの病気とする診断基準もあります。治療は、水分1日2L以上、塩分1日12g以上の摂取、下肢弾性ストッキング、βブロッカー(心拍減少末梢血管拡張ブロック、インデラル)、αアゴニスト(末梢血管収縮、メトリジン)、ミネラルコルチコイド(塩分貯留血漿増量、リンデロン)、SSRI/SNRI(セロトニン調節改善 トレドミン)などです。
 当院でも慢性めまいや体調の不調が続くODの子供さんの来院はよくありますが、大人の方の体位性頻脈症候群の方は少ないです。慢性めまいや慢性頭痛を訴える方の中には案外多いのかもしれません。十分に時間をかけた起立検査や指先容積脈波のデータも参考にしながら診断を進めたいと思っています。ODの治療薬には以下のようなものがあります。1)メトリジン:動脈α1受容体に直接作用して収縮させる。心臓脳血管には作用せず、甲状腺機能亢進、褐色細胞腫は禁忌 2)エホチ-ル:交感神経α1β受容体を刺激し血圧を上昇させる。心不全は禁忌 3)リズミック:間接的に交感神経機能を亢進して血圧を上昇させる。高血圧,甲状腺機能亢進,褐色細胞腫,緑内障,前立腺肥大に禁忌 4)ジヒデルゴット:静脈系に作用して血管収縮+自律神経緊張抑制作用。閉塞性血管障害,狭心症,緑内障,妊婦禁忌 6)
ハイゼット:自律神経調節作用 などです。小児でも成人でもODや自律神経失調が強いと不登校や就業困難などの社会的な不都合も目立ってきます。これらの中にはパニック障害などの不安障害、うつ病などの気分障害、転換性障害などのヒステリー体質、片頭痛にともなう脳過敏症などが隠れている場合もあります。診断も含め、小児循環器専門医や内科循環器専門医、思春期が専門の小児科医、精神科医と連携しながら治療を進めたいと思います。
 慢性の体調不良と言えば、平衡神経科領域の新しい疾患概念として、持続性知覚過敏性姿勢誘発めまい(PPPD)があります。もとの疾患から誘発されるめまいが3ヶ月以上続く病態で抗うつ薬SNRIが有効な例が多いとされます。私もめまいが続く方の診察では、PPPDでないかどうか注意しながら診察を進めるのですが、メニエール病の緩解期や片頭痛体質のめまい、自律神経失調やストレス体質で病気がオーバーラップしていて焦点を絞り込みにくいケースなど様々なケースがありますので、PPPDの診断基準に合致するケースの特定には難しさを感じています。 
3月  5日   3月です。忙しくてこのコナーの更新はなかなか出来ませんが、花粉飛散データの更新は頑張っています。(^^)/
 スギ花粉の飛散が、私の予想を大幅に超えてしまいました。2月20日から今日にかけての2週間、大量飛散が続いています。現時点でも昨シーズンの3倍近くの飛散数となっています。
 当院のデータでは3月2日土曜日が飛散のピークでした。翌日曜日は雨でほとんど飛散しませんでしたが、今日も大量飛散となりました。そのため、今日の診察では鼻粘膜、結膜、顔面皮膚の腫れが引かない人が目立っています。
     
  27日   スギ花粉が6年振りの大量飛散となっています。当院データでは2月20日21日23日26日今日と大量飛散、松山大では20日から持続的に大量飛散し26日は1日飛散量では2013年2月に次ぐ過去2番目の大量飛散となりました。私の予想の昨年の1.3倍どころではなくなっています。(-"-) 
 診察中に小学生から「鼻炎はPM2.5のせい?」と質問されました。微粒子PM2.5により化学物質過敏症的に粘膜が障害されます。花粉にPM2.5が付着すると抗原性が強まりますので、花粉症へのPM2.5の影響もあります。また、スギ花粉の飛散時期は黄砂の飛来時期とも重なります。黄砂は”砂”ですが普通の砂とはちょっと違います。黄砂はタクマラカン砂漠を中心とする中国西部の砂漠の砂で、この砂は主に硅酸でできていることから普通の砂よりも刺激が強いうえに、花粉同様、砂の表面にPM2.5が付着して刺激性が強くなります。韓国では今現在、中国で主に石炭を燃やして発生したPM2.5による汚染が強まってニュースになっていますが、日本では今現在は九州北部や山陰地方に軽く飛来する程度です。今週末には西日本への飛来が多くなる予想ですが、松山も含めて軽度の飛来レベルの予想ですので、人体への悪影響は少ないと思われます。黄砂は春一番の後に飛来することが多いです。今年の四国地方の春一番は2月19日で昨年の28日よりは早かったですが、黄砂の飛来はまだ観測されていません。
  24日   スギ花粉の飛散は、今日も午後から増えて大量飛散ですが、昨日の半分以下でした。今のところ、今シーズンの飛散のピークは昨日になりそうです。今日も怒涛のような外来でした。宇和島や大洲から来院された方の症状はやはり強いようです。例年、宇和島は松山の倍飛散します。山間部の大洲はどうしても毎年大量飛散になってしまいます。

 芸能人の方の口腔がんのニュースに影響されて、ここ数日、のどの癌を心配して来院する方が複数おられました。幸い癌を疑わせる方はひとりもいませんでした。
 口腔底癌は舌癌よりは早期発見は難しいことが多いです。舌癌はアフタ性口内炎様→難治性口内炎や扁平苔癬様→難治性潰瘍や白板症、紅板症(紅色肥厚症)の経過で、癌や前癌状態を疑い生検に至る場合が多いのですが、口腔底癌は軟部組織の中が難治性口内炎様となっていますので、生検が必要かどうかの判断はやや遅れることが多いのではないでしょうか。口腔底癌は舌癌以上に早期に顎下部へのリンパ節転移を生じやすいですので、弾性硬のリンパ節が生じた場合にはよりいっそう注意が必要です。扁平苔癬様の所見のどの段階で癌化を疑うかは難しいところですが、やはり、2週間以上治らない口内炎や確実に増悪する自発痛、出血があれば、病院を受診してみて下さい。ニュース番組で口腔癌が取り上げられていましたが、歯科医が取材を受けていました。口腔の癌は、歯科の口腔外科の対象疾患ですが、医科の頭頸部外科である耳鼻咽喉科の対象疾患でもあります。耳鼻科は頭頸部を広く診察します。気にかかる症状のある方は、耳鼻科でもご相談下さい。
 口内炎の話題をもうひとつ。今日は、頻回に口内炎が出来るお子様の受診もありました。聞けば牛乳が大好きで、毎日いっぱい飲んでいるとのことでした。牛乳は栄養価が高い優れた食品ですが、実は鉄分はほとんど含まれていません。母乳も鉄分は少ないですので、母胎内から貯蔵された鉄分が少なくなる生後6ヵ月以降は、鉄分が入った調製粉乳や離乳食で補います。この段階で、牛乳が食生活の中心になると鉄欠乏が目立ってきます。鉄欠乏では粘膜の萎縮が起こります。そのため耳鼻科領域では、口内炎が良く出来たり治りにくくなったりするとともに、萎縮性舌炎から味覚低下や舌痛症がおこったり、プランマービンソン症候群と呼ばれる下咽頭頚部食道粘膜の萎縮から食道ウェブ(水かき様のビダヒダ)が発生したりします。今日のお子様は、牛乳以外のご飯もしっかり食べているので心配ないとは思われましたが、念のために鉄欠乏無いかどうか血液検査をすることにしました。 
  23日   今日は朝の午前8時からスギ花粉の飛散が始まりました。恐らく昨日夕方の雨が影響したのでしょう。朝から飛散が本格化したのは今シーズン初めてです。今日の診察では、時に飛散状況を紹介していました。午後からも飛散は衰えず、今日1日の飛散総数は、過去の大量飛散時と比較してもかなり多かったと思われます。
 診察では昨日以上に症状の強い方が多かったようです。診察の待ち時間も、最大で8時間待ちとなってしまいました。お待ち頂いた患者様には、ご協力ありがとうございました。明日の日曜診療も混雑が予想されます。めまい、鼻出血、高熱、外傷、救急病院からの紹介などで診察を優先する患者様もおられます。花粉症で受診される方には、何卒、ご理解お願いいたします。 
  22日   はやぶさ2 タッチダウン成功おめでとう! プロジェクトチームの皆さん、本当にいい顔しています。私のこのチームの憧れます。未来のエンジニアを目指す科学少年がひとりでも増えますように!

 スギ花粉は昨日も大量飛散しました。今日の診察では、顔面皮膚炎、眼の春季カタルなど、花粉への高度暴露で、腫脹が強くなった方が目立ちました。”花粉症デビュー”の子供達も目立ちました。最年少は2才の女の子でした。
 今日は夕刻から雨模様となり、一旦、飛散も止まりましたが、雨上がりの週末に今シーズン最大の飛散を迎えるかもしれません。週末、動物園、スキー場、ゴルフ場、野外競技場での野外活動を予定している方は、花粉暴露の予防を心がけて下さい。城山や松山総合公園などの見晴らしの良い高台でも花粉の飛散は多くなります。スギ花粉は市街地では午後3時から夜9時頃に多く落ちてきます。夕刻に公演を散策したりジョギングする方も注意してください。 
  20日   予想通り、今日はスギが大量飛散しました。18日からの飛散が最初の飛散のピークになりそうです。マスコミからの問合もありました。報道機関の方も注目しているようです。 
  19日   昨日、スギ花粉が今シーズン最初の大量飛散日を迎えました。今日は雨模様だったために一息ついた方も多かったようです。
 溶連菌咽頭炎が例年より目立っています。大人で発症する方も目立ちます。 
  17日   今日は朝から晴天で暖かったです。午前中からスギ花粉の飛散が見られました。大量飛散までは至りませんが、今シーズン最初のまとまった飛散日となった模様です。 
  13日   昨日は好天の中、愛媛マラソンが行われました。ランナー1万318人、私は例年の如く録画観戦でしたが、スタート時のランナーの波、凄い熱気でした。松山に春を告げる椿さんも今日が最終日でした。今年は、椿さんとともにスギ花粉の飛散が始まり、インフルは例年のピークではなくピークアウトの時期になりました。

 インフルの流行、松山では一気にピークアウトの様相ですが、私はインフル薬の使い方にまだまだ関心があります。このコーナーの今月の話題はインフルばかりですが、いま少しお付き合いを。
 今シーズンの大流行では「職場閉鎖」という話題がありました。職場でインフルで休む人が増えて業務にならないので、一時的に業務を全てストップするのだそうです。また、インフルで休むと辞めさせられるので休めないブラック企業の話題も耳にしました。社会人がインフルで休むと、6万円の社会損失との試算もありました。我が国の診療では、微熱や倦怠感、咽頭痛だけの”隠れインフルエンザ”では、検査もせずに対処療法だけ行うのが一般的ですが、インフルで高熱が出たりすると、インフルが学校や会社で広がらないためにも、早く復帰するためにも、抗インフルエンザ薬を服用するのが一般的です。しかし、救急医療の現場では、インフルのシーズンに患者が押し寄せることによる弊害も出ています。高齢者など重症化するリスクが高い人を除いて、抗インフルエンザ薬は原則処方しないとする病院が出てきています。神戸市立医療センターでは、迅速検査もインフル薬の処方も健康な人には原則行わないとの掲示を救急外来に掲げています。四国中央市の四国中央病院でも、小児科医が少ない中で、医療費が無料の小児患者の利用が急増して、小児救急が回らなくなったことから平日夜は市内の急患センターの受診を求めています。 
 インフルを疑う患者にどこまで迅速検査を行い、抗インフル薬を処方するのか、私の立場でも一律にはいきません。日本感染症学会が11年にまとめた抗インフル薬使用に関する提言は、基礎疾患のない人も重症化して死亡する例があることから、抗インフル薬の使用制限は認めていません。しかし、米疾病対策センター(CDC)は、65歳以上の高齢者や5歳未満の子供、心臓病などの基礎疾患がある人は重症化リスクが高いとして治療薬の処方を推奨する一方、該当しない人は「投与を検討してもよい」にとどめています。対処療法だけで過ごした方が免疫が付くことから来シーズン以降の発症率が低くなるともされますが、発症24時間以内に急激に脳症が進行して抗ウイルス剤が効かないステージになるケースも稀にあります。今シーズンも2月12日までの集計でインフルエンザ脳症の患者数は119例、報告時死亡は6例、発症時死亡率は全体で5%、10歳代では12%ですので、重症化の予防には抗インフルエンザ薬の早期処方も大事です。タミフルを早期に服用しても完全な解熱までの短縮効果で見れば、自然治癒より1日短縮されるだけですが、その期間の倦怠感は大いに軽減されます。一方、小児ではタミフルの服用で20%の高頻度で下痢が見られます。インフル自体の消化機能の低下に薬による下痢が加われば、患者のQOL(生活の質)は逆に低下してしまいます。また、服薬の翌日には劇的な解熱が期待される新薬のゾフルーザでは、耐性変異ウイルスの出現によって逆に解熱が遅れるケースも考えられます。(塩野義製薬のこれまでの臨床データでは、耐性変異ウイルスが体内で発生しても有熱期間の遷延はないとのことですが) このようにインフルに抗インフル薬を処方することは、医療費の観点以外にも、相反する面が多々あります。発症からの経過時間、学生や社会人としての生活の質を落とさないこと、高齢者や小児で重症化しないこと、様々な点を考慮しながら、抗インフル薬を使用するべきかどうか考えて診察に当たろうと思っています。 
  9日   スギ花粉が、7日に「やや多い」レベルで飛散しました。山口県では大量飛散の地点も出ています。今日の診察では、花粉を感じ始めた方の来院が目立ちました。

 インフルの流行はピークアウトしたようです。松山でもB型の報告がありますが、当院ではまだ検出していません。また、当院ではA形の二度罹りの例もまだ見られません。今週、松山市内の学級閉鎖も広がりはないようです。幼稚園、保育園、高校でからの学級閉鎖の報告はまだありません。松山の流行は、「少し警報」レベルでピークを過ぎたようです。
 ゾフルーザへの耐性ウイルスの発現問題が、臨床医の立場として大いに関心があります。ゾフルーザ耐性ウイルス変異は、当院で処方したケースでみれば2~3%といった印象です。国立感染研のデータの2月1日付のデータ11%程の高頻度の印象はありません。
 インフルエンザの感染力はいつ無くなるのか、という質問を診察中に良く受けます。一般的には、発症前日から発症後3~7日間上気道からウイルスは排出されるとされます。解熱後もウイルスは排出され、成人で約2日、小児で3日間感染力が残るとされます。そのため学校保健安全法では「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあっては、3日)を経過するまで」をインフルエンザによる出席停止期間としています。しかし、学校保健安全法施行規則 第十九条 二 では「第二種の感染症(結核及び髄膜炎菌性髄膜炎を除く。)にかかつた者については、次の期間。ただし、病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認めたときは、この限りでない」との施行規則もあることから、医師が感染の恐れが無いと判断すれば登校が可能との考え方もあります。ゾフルーザは服用翌日にはウイルスの排出が無くなるとのデータがあることから、ゾフルーザ服用後に速やかに解熱して、耐性ウイルス変異が疑わなければ解熱後1日を経過すれば登校可能かもしれません。来シーズン以降、学校現場でこのような対応も出てくるかもしれません。
 インフルの耐性ウイルスの歴史を見ると、一般的に抗インフルエンザ薬に耐性化したウイルスが検出される割合は1~4%程度です。これらの多くは、抗インフルエンザ薬を服用後に、服用者から採取されたウイルスです。しかし、2007/2008シーズンにタミフルに耐性化したAソ連型が、翌2008/2009シーズンに世界的に流行しました。我が国でも2013/2014シーズン当初に札幌で複数確認されたタミフル耐性ウイルスは、タミフルを服用していない治療前の段階で検出されたことから、タミフル耐性変異ウイルスが札幌市内で流行していた可能性が高いと考えられています。一般的に耐性変異ウイルスは、伝播するスピードが遅いため流行することなく自然に消失すると考えられていますが、今シーズン後半ないしは来シーズンにゾフルーザ耐性ウイルスが広がる可能性も否定できません。よく効くゾフルーザを処方するか? タミフル耐性が確認されていないのであればまずタミフルで治療するか? 対処療法で来シーズンのインフルへの免疫力が高まることを期待するか? 患者様ひとりひとりと良く相談して治療を行いたいと思います。

 顔面神経麻痺、良性発作性頭位めまい、声帯嚢胞など。 
  6日  次の日曜、10日に愛媛マラソンが開催されます。今日の夕刻に、1番町でコースの下見をしているランナーをお見掛けしました。また、仕事が終わってからのマラソン出場への調整でしょうか? 夜の9時を回っても本格的にジョギングしている人も見かけました。

スギ花粉の飛散が始まりました。山口県の飛散開始日が2月2日、松山は2月4日となりました。飛散開始日はほぼ過去の中央値で、遅くも早くもない時期になりました。今日は早速、花粉を感じ始めた方の来院が数名見られました。やはりここ数日で感じ始めた人は、花粉にかなり敏感だと思います。今日は暖かな雨模様でしたので、今度の連休辺りに感じ始める人が増えると思われます。

 国立感染研からゾフルーザへの耐性変異が、また3例報告されました。2月1日時点で、A香港型46株の内5株(11%)での検出です。タミフルとラピアクタへの耐性も1株見つかり、ことらはA2009年型の0.2%でした。当院でもインフルに罹った後に再診された方には、服薬後の熱の下がり具合をお聞きしているのですが、どうも成人1名、小児3名で、熱の下がりが弱い印象の例がありました。ゾフルーザは、多くの効く人にはガッツリ効いている印象ですが、、今後、A香港型の治療でどの抗インフルエンザ薬を選択するか悩ましいところです。 
2月  1日   今日、国立感染研の週報が発表されました。1月27日までの週で、インフルの報告が1999年以来の過去最高となりました。早速、テレビニュースでも大きく取り上げられています。愛媛も警報レベルですが全国で下から5番目と多くはありません。入院患者数も1週間で3205人、集中治療室や人工呼吸器、脳波検査などが必要なケースも628人で、今シーズンよりも重症例が目立っています。インフルエンザ脳症も13日までに44例、死亡例が1歳児と10歳代の2例でした。幸い、脳症化はしませんでしたが、当院でもインフルエンザによる単純性熱性痙攣のお子様がいました。脳症は急速に進行します。やはりインフルは侮れないです。
 私が注目していたインフルエンザの型ですが、12月はA09年型が70%でしたが、1月6日からはA香港型の方が増えています。先週はA香港型が67%と流行の主体となっています。B型はほとんど見られません。愛媛も先々週のデータで、A香港型が58%と、1月に入りA香港型が増えています。1月24日に報告された横浜でのゾフルーザ服用者での耐性変異はA香港型でした。ここ2日ほどで当院でもゾフルーザを服薬したのに3~4日間解熱しないお子様が見られました。先にお伝えした大人の方に続いて、A香港型に対する耐性変異ウイルスが体内で発生したのでしょうか? まだ耐性変異ウイルスの市中への拡散は報告されていませんが、今後の耐性ウイルスサーベイランスの報告には注目したいと思います。

 PFAPA(周期性発熱・アフタ性口内炎・咽頭炎・リンパ節炎症候群)など。 
     
  30日   サッカーアジア杯 対イラン戦。素晴らしい試合でした。(^^)/ 特に1点目。倒れこんだ南野が猛ダッシュでボールに追いつき絶妙のクロス。スルスルと上がってきた大迫のヘッド。何度リプレイを見ても飽きません。年末に世界のプレー集の特集があったなら、”笛が鳴るまで動きを止めてはいけないとの子供向け教育的プレー”や”珍プレー”として世界中で取り上げられるのではないでしょうか。次は、カタール戦。次期ワールドカップ開催国と次期オリンピック開催国による決勝戦です。ザック監督のUAEとの対戦も見たかったのですが、まあ、いいでしょう。ワールドカップを前に精鋭を集めたカタールとの試合は、ワールドカップ本選並みのハイレベルな試合になりそうです。

 抗インフルエンザ薬のゾフルーザの耐性問題、テレビニュースでも大きく取り上げられています。先日、ゾフルーザが効いていない患者様を経験したこともあり、気になっています。24日に国立感染研から発表になった抗インフルエンザ薬耐性株サーベイランスによると、、1月21日時点でA香港型の解析対象21株のうち横浜で解析された2株にゾフルーザ耐性株(I38Tアミノ酸置換耐性変異)が見つかったとのことです。A2009年型やB形からは見つかっていません。私が経験した患者様はA香港型への感染だったのでしょうか? 10年前の新型発生以降の5年ぐらいは、A香港型かA2009年型か判別できる迅速検査キットが発売されていました。私も大いに重宝していましたが、このキットがなぜか発売されなくなってしまいました。現在、A香港型かA2009年型か判別できるのは、保健所で集めた検体だけです。明日には、全国と愛媛県の年明け以降の検体の流行型が発表されます。現在、当院で流行しているのは、12月からのA2009年型が大部分なのか、A香港型も増えてきているのか、早く知りたいところです。
 タミフルなどの既存薬の作用機序は、ウイルスが増殖後に細胞の外に出るのをブロックするのに対し、ゾフルーザは、細胞内での増殖そのものを抑えます。そのため、ゾフルーザはウイルスの排出時間が大幅に短縮されることから、服薬の翌日にはウイルスの排出がほぼ無くなります。感染拡大を防ぐ効果も優れているのです。ところが、感染した体内で耐性変異が起こってしまうと、ウイルスの増殖が続くために症状の改善が遅れます。この変異ウイルスが体外に出て市中で増殖するかどうかがまだ解っていないようです。塩野義製薬も新しい知見が出れば速やかに公表するとのことです。ゾフルーザ耐性ウイルスが急速に市中に広まるのか? 耐性ウイルスは増殖能が弱いために広がらないのか? タミフルも発売後、Aソ連型やその骨格が主体となって変異したA2009年型への耐性株が一時増えていましたが、ここ3~4年、世界的に耐性株の発現は無くなっていました。ゾフルーザはせっかくの国内自社開発のピカ新薬です。耐性ウイルスに勢いがなく、世界に広がらないことを祈っています。
 当院でゾフルーザを処方した方の大部分は、小児も含めて翌日には劇的に症状は改善しています。しかし、今後、体内での変異が多いとの報告が相次ぐならば、タミフルに処方をシフトすることも考えます。インフルエンザも本来は自然に治る病気です。欧米では症状が軽いならば対処療法で様子を見る治療法が王道です。予防接種を受けず、抗ウイルス薬も服用しないで、しっかり発症した方が免疫がついて翌年の発症率が下がるとのデータもあります。しかし、ごく稀に脳症や重症肺炎が起こった時には、組織での免疫の破綻が起こり、その時点では抗ウイルス薬は効かなくなっています。気道粘膜の修復が弱かったり免疫能の弱い幼児や高齢者では、二次的な細菌感染が重症化する場合もあります。自然に治癒するのを待っていれば、発症後5日程度は諸症状が強いために、仕事や学業への悪影響は大きくなります。抗ウイルス薬を用いることのメリット、デメリットを踏まえて、個々の患者様に最善の治療を選択して頂こうと思っています。

 口蓋粘液嚢胞、声帯嚢胞、頚部血腫、突発性難聴など。 
  26日   大坂なおみ選手 全豪オープン優勝おめでとうございます! 今回の授賞式はアットホームで良かったです。これから追われる立場、研究される立場になります。苦しいと思いますが、大坂選手のさらなる飛躍を楽しみにしています。
 気になるのは来週のサッカーアジア選手権 対イラン戦です。日本はここまで全参加国の中でも最もタイトな日程で、さらに試合時間も暑い昼間ばかりでした。選手の疲労蓄積も相当なものでしょう。健闘を祈っています。

 ゾフルーザを服用したのに3日間熱が下がらず、一旦解熱後に再度発熱した成人の方がいました。特に免疫力の弱い人ではありません。ひょっとしたら感染したのがゾフルーザ耐性のインフルエンザウイルスだったのでしょうか? 一昨日、ゾフルーザ耐性の変異ウイルス感染例が2例、国立感染研より初めて報告されたばかりです。昨シーズン3月に発売ですので、こんなに早く耐性ウイルスは広がるものなのでしょうか? 今後の研究報告に注目したいと思います。 
  25日   今週に入り、市内各地の小学校で学級閉鎖の報告がありましたが、幼稚園、中学校、高校での学級閉鎖は出ていません。私の予想よりは広がっていません。(^^) 
 抗インフルエンザ薬のゾフルーザと小児用のタミフル細粒の出荷制限が始まりました。インフルの全国的な流行による処方量の増大によるものです。当院ではまだ影響はありません。
 昨日、国立感染研がゾフルーザに耐性のある変位ウイルスが服薬した患者から検出されたと報告しました。ゾフルーザの試験管内での耐性ウイルス発現の報告が臨床治験段階でありましたが、実際の患者から確認されたのは初めてのケースのようです。研究段階では、耐性ウイルスは感染力が低いために市中で広がる可能性は少ないと説明されていましたが、今後、予想以上に耐性ウイルスが広がらないかに注目したいと思います。 
  24日  松山は暖冬が続いています。さて今年の冬、松山で雪は積もるでしょうか?

 当院のポールンロボは16日より観測が始まりました。ウェザーニュースの花粉チャンネルの公表も始まりました。ここ数日の陽光で、当院では既に花粉が観測されています。花粉を感じ始めた方の受診も始まりました。
  ポールンロボ 当院のリアルタイム観測データ へ 
 山口県のスギ花粉の初観測は1月1日でした。22日には1個以上観測された地点もありました。これまでのところ、スギの飛散ペースは例年通りのようです。松山市の梅の開花は12月25日、平年より12日も早い開花です。2015年、2018年には全国で最も早い開花となっていますので、この標本木の気が早いきらいはありますが、堀之内の梅もつぼみは大きくなっています。松山のスギ花粉は梅と共に始まると、私は以前からお伝えしていますが、今年の梅の開花が早いなら、今年のスギの飛散開始も早いのでしょうか? 一方、12月から暖冬なのでスギ花粉の休眠打破が遅いとの発表もあります。今年の立春は2月4日です。今シーズンの飛散開始が立春より早いのか?遅いのか? いまのところ飛散開始日の予想は難しいです。

  二三輪 咲く骨折や 冬の梅  子規 
  20日  インフルエンザの流行が広がっています。成人式で感染した可能性のある方、センター試験を前に感染した受験生の来院がありました。一人一人の方にしっかり対応したいと思います。
 インフルは13日に、全国で警報入り、愛知では週間で過去最高でした。四国では高知が警報入り、愛媛では県全体としては注意報レベルのままでしたが、今治と松山が警報入りしました。松山市南部と松前町の小学校で学級閉鎖です。今週は中予全域で学級閉鎖が増えそうです。私が気になっていたウイルスの型ですが、全国では、A09年型が69.1%、A香港型29.6%、B山形系統0.5%、Bビクトリア系統0.7%でした。12月からはA香港型がやや増えてきています。愛媛では、A型99.9%、B型0.1%です。全国、愛媛とも、ほとんどがA型で、昨シーズンのように真冬もB型が混在するパターンではありません。全国的には、A型の二度罹りも出てきたようです。
 ウェザーニュースの花粉チャンネルのオープンはまだですが、当院の自動花粉測定器ポールンロボは稼働を始めました。ここ数日もわずかに花粉は飛散しているようです。花粉ch.がオープンしたら、当HPからのリンクを再開する予定です。花粉症シーズンを前に、初期治療薬を希望する方やレーザー治療を希望する方が増えてきました。今年はスギ花粉の飛散開始が遅いとの予想ですので、レーザー治療も1月中であれば間に合うと思います。

  前庭神経炎、好酸球性中耳炎、上顎洞嚢胞、頚部嚢腫、亜急性甲状腺炎など。 
  14日   インフルエンザが本格的に流行してきました。年始には家族内の集団発生が目立っていましたが、冬休み明けと共に、小学生を中心にクラス内での集団発生も出てきました。保育園、中学校、高校、会社での集団発生もチラホラ見られます。学校の先生で発症した方も見られました。全国の感染症情報の集計は日曜日が締め日です。13日の週までの集計結果が17日か18日に発表されます。恐らく松山も今週で警報入りしそうです。当院での検出は全例A型で、この時期になってもB型は1例も検出されません。12月の愛媛県の病原体検出情報では今治でA香港型が2例、西条でA09年型が1例でした。年明けの流行はA09年型が先行していると思っていたのですが、案外、A香港型も混ざっているかもしれません。今シーズンは、1月にA09年型が、2月にA香港型が、3月にB型が流行するというパターンになりそうです。B形にも山形系統、ビクトリア系統と2系統ありますが、抗原性が似通っているために同じシーズンに2回発症することは極めて稀です。しかし、A香港型、A09年型、B型としてみれば抗原性は大きく異なりますので、免疫の十分についていない子供さんを中心に、1シーズンに3回発症する場合もあります。皆さんも、これから3月までは、集団風邪への感染予防対策は続けて下さい。

 スギ花粉も、1月に入って初めて花粉が飛散する初観測日は既に迎えていると思われます。今日も暖かい陽気でしたので、かすかな飛散はあったかもしれません。先週も花粉症?と鼻炎症状を感じて来院される方が増えてきました。多くの方は、スギ花粉症ではなく軽い風邪で過敏症症状が強め出たようでした。しかし、1月後半からは花粉症が強い方は症状を感じ始めます。暖かい日の午後に屋外で鼻や目がムズムズしたら花粉症の可能性は高いと思います。毎シーズン花粉症症状が強くなる方は、スギ花粉が毎日飛散を始める飛散開始日の1週間前ぐらいから抗アレルギー薬を服用すると、本格的な飛散が始まっても症状が強くなりません。これを以前は予防治療、最近は初期治療と言います。スギ花粉症があって風邪で来院された方には、希望をお聞きして、初期治療のお薬を持って帰って頂いています。
 今週から来週にかけて各地の飛散レポートの発表が始まります。当院にも今シーズン用のポールンロボが届きました。先週の当院は昼休みがない状態が続いていましたので、なかなかポールンロボを設置する機会がありませんでした。今週には設置しますので、来週後半からはウェザーニュース社の花粉チャンネルでリアルタイムデータを見られるようになります。
 松山と山口県南西部のスギの飛散傾向は例年似通っています。先日、私が例年大いに参考にしている山口県医師会の今年の花粉飛散予想が発表されました。2018年の夏の平均気温が、東日本で平年より1.7℃高く、1946 年の統計開始以降最も高く、西日本でも平年比+1.1℃で過去第2位でした。前年夏が暑いとスギ花粉はよく育ちます。山口県でもスギの雄花は昨年よりも多くなっているとのことで、山口県での飛散を例年の1.4倍と予想しています。ヒノキ花粉の飛散予測は困難とのことです。 松山と山口県南西部のスギの飛散傾向は例年似通っています。先日、私が例年大いに参考にしている山口県医師会の今年の花粉飛散予想が発表されました。2018年の夏の平均気温が、東日本で平年より1.7℃高く、1946 年の統計開始以降最も高く、西日本でも平年比+1.1℃で過去第2位でした。前年夏が暑いとスギ花粉はよく育ちます。山口県でもスギの雄花は昨年よりも多くなっているとのことで、山口県での飛散を例年の1.4倍と予想しています。ヒノキ花粉の飛散予測は困難とのことです。この飛散予想も参考にすると、松山の今シーズンのスギ花粉飛散量は、「例年よりやや多いレベル」になりそうです。
  8日  新年の診察が始まりました。診察に当たっては、患者様ひとりひとりが安心し、納得して、最善の治療を受けられるよう、心して診察を行いたいと心したいと思います。

 今日は3学期の始業式でした。昨日までは診察が込み合いました。お待ちい頂いた患者様には、ご協力ありがとうございました。
 年始は帰省中の方の受診も多く見られました。高校生の時分に当院に通院していて、その後県外に出て、帰省で受診する方もおられました。久しぶりにお会いすると、社会人や大学生になって落ち着いた雰囲気になっていて、診察時の受け答えがしっかりしていて頼もしいと、こちらも思わずうれしくなりました。私は父が転勤族だった関係で、小学5年生から中学1年生まで三重県の鈴鹿市に住んでいました。当院で三重県在住の方を診察する機会はめったにないのですが、一昨日には、鈴鹿の近隣の四日市の方が受診して驚いていたところ、続いて、四日市の方とは全く関係なく、私が住んでいた鈴鹿市の白子在住の方が受診されて、さらにビックリしました。その方は私が通っていた朝日ヶ丘小学校や白子中学校を知っていました。白子中学は鈴鹿サーキットの近くにあります。思わずF1の話題で盛り上がりました。
 インフルエンザは、年末年始に4年振りに流行したようです。4年前の救急病院が大混雑した当時みたい混乱はなかったようですが、年末年始に家族内で集団発生した方もおられました。クリスマス前に、北海道、神奈川、愛知、大坂、兵庫、大分、福岡が警報入りしましたが、愛媛や松山も、今週には警報入りしそうな勢いです。これまでに流行しているウイルスのタイプですが、全国では A09年型70% > A香港型30% >> B型 、愛媛は A09年型60% > A香港型40% のようです。当院でも今シーズン検出したタイプは全てA型で、B型はまだ1例も検出していません。今シーズンは、A型がまず流行し、3~4月にB型が流行るという例年のパターンに戻りそうな気がしています。
 インフルは、予防接種を受けていても症状が強く出る方、接種していなくても基礎免疫があり症状の軽い方など様々なパターンがあります。また、気道アレルギーがある方、扁桃組織が弱い方などで、上気道の反応も様々です。個々の方の体質を踏まえての診察を心がけたいと思います。これから春までは 中学入試→センター試験→大学入試→高校入試と受験のシーズンです。受験生がインフルエンザに振り回されることなく存分に力を発揮できるよう、私も心して治療したいと思います。
 残念ながら、年が明けても滲出性中耳炎が治らないお子様も多いです。冬の風邪シーズンの3月までは中耳炎はなかなか治りません。止む負えず鼓膜切開やチューブ留置するお子様も増えてきました。

 今日、抗アレルギー薬デザレックスの自主回収の連絡が飛び込んできました。製薬会社の担当者の説明では、この薬は国外のメーカーMSDが米国で製造して、国内では杏林製薬が販売しているのですが、米国内の原薬保管施設が外国製造業者認定を取得していなかったとして、使用期限内の全てのロットを自主回収することになったとのことです。MSDは「回収は、薬事手続き上の不備に起因するものであり、製品の品質、安全性及び有効性に問題はなく、重篤な健康被害が生じる恐れはない」としています。これまで当院で処方されたお薬に安全性の問題があるのではありませんので、ご安心下さい。デザレックスは1日1回の服用、眠気の発現がないことから運転注意の記載がない、12才以上の小児適応あり、薬価が安めとういことで、私も受験生を中心に積極的に処方していました。デザレックスは、昨年の花粉症シーズンにも供給不足から一時的な販売中止となっていました。昨年は売れすぎての供給停止ですので、製薬メーカーにとってはうれしい悲鳴でしたが、今回は事務的なミスですので、製薬メーカーの苦悩も大きそうです。医薬品は供給が十分に確保されるまでは販売されませんので、何時から流通が回復するかは現時点では不明だそうです。学生さんや、眠気を気にする方には優れたお薬ですので、一日も早く処方が再開出来るよう、私も願っています。


 例年恒例の、道後温泉旅館ふなやの正月飾りです。ふなやのコーヒーラウンジでお茶すると、身近に正月気分を満喫出来ます。


 ふなやの庭園に生えている葵苔です。昭和41年に昭和天皇が植樹祭で行幸された際に、天皇陛下がふなやの庭園を散策された際に見つけられ「この地では珍しい植物であるから大切にするように」と仰せられたそうです。徳川家の家紋「葵」に似た可憐な山草です。


 病院のツバキも彩を増してきました。ヤブツバキは松山市の市花です。由来は、法興6(596)年聖徳太子が道後に行啓され、これを記念して伊佐爾波岡に立てられた温泉の碑の「温泉の周囲には椿の樹が茂って温泉を取り囲み、その壮観なことは、実にたくさんのキヌガサをさしかけたようにみえる」によるそうです。また松山には、道後温泉椿湯、椿神社があります。椿で有名な街は京都ですが、松山の椿は江戸時代に京都から移入したが、今日の京都の椿は愛媛県から再移入したとのこと。これらも市花の選定の理由になったそうです。街路樹や松山総合公園には椿の植栽が広がっています。松山に椿が目立つのは、こんな背景もあったのですね。 
  3日   年明けはスギ花粉への対策シーズンの始まりです。1月1日以降にスギ花粉が最初に観測された日が初観測日となります。飛散が2日連続して続くと飛散開始日です。例年飛散開始が早い高知愛媛の南部、九州西部、静岡南部ではもう初観測日を迎えているかもしれません。今年の1~2月は暖冬の予想です。スギの飛散開始は、年明けからの積算気温が高いと早く飛散するとの研究結果があります。また一方、急に暖かくなると飛散が始まることから、初めから暖かいと花粉の休眠打破が遅くなるとの予想もあります。さて、今シーズンの飛散開始は早いのでしょうか?遅いのでしょうか?
 全国の研究者からの来年の飛散予想が出揃ってきました。各地で花芽の着花状態を確認する野外調査の結果も踏まえて予想していますので、私も大いに参考になります。各地の予想では、東日本が例年並み、関東、中部、関西が多め、中四国がやや多めとの予想が多いようです。これらを踏まえると、今シーズンの松山の飛散は、例年より多めぐらいでしょうか。過去、松山で最も遅い飛散開始日はバレンタインの2月14日でした。飛散開始日は2月上旬のいつ頃になるでしょうか。また、私が気になっていた、昨シーズンにヒノキが大量飛散した原因に言及したレポートは見つけられませんでした。このあたりも気になっています。

 私は乗り物一般に好きなのですが、最も好きなのは鉄道です。”ガタンコトン”という鉄路の音は、なんとも旅情を誘います。乗り鉄、撮り鉄、最近は飲み鉄という番組もありますが、私のあこがれは乗り鉄でしょうか。学生時代以降、時間を忘れてのガタンゴトンは味わっていませんので、本当に憧れです。YouTubeでは、高速道路やバス、列車の前面展望、街のそぞろ歩き、飛行機のチェックインから降機までの記録などなど、実に様々な動画の投稿があります。大きなテレビ画面で見れば、まるで乗り物旅行を追体験しているような気分になります。
 私が、これはと思った撮り鉄とルポの動画を紹介します。

 全国の新幹線を38分で見る シンカンセン 2018 
 凄いこだわりと美しい風景の連続です。新幹線と桜、雪、雨、花畑、海、富士山、京都鉄道博物館、花火、極めつけはブルーインパルスの展示飛行中に新幹線が通過する画まであります。38分にまとめるためにどれだけ撮りためたのでしょうか。圧巻です。

 リニューアルした鉄道博物館に行ってきたよ 
 上記の動画の関連動画で偶然見つけました。鈴川綾子さん、全然知りませんでした。なんと、吉本所属の鉄子の芸人さんです。チャンネル登録58万人の吉本No1のYouTube芸人とのこと。ご自身の可愛い子供さんを連れて、子供さんに教えながら鉄博を紹介しています。なんとも微笑ましいです。私の子供が小さかった頃に、プラレールやトミカで遊んだこと、色々な鉄道のミュージアムを訪ねたことをおもわず思い出しました。放映時には気づきませんでしたが、年末の再放送でふとみたNHKの「鉄オタ選手権」にもしっかり出演していました。
1月 1日   新しい年を迎えました。本年も当院を宜しくお願い致します。皆様の1年が健やかでありますように。

 
 澄み渡った青空の下で迎えた2019年元旦の松山城から見た御来光です。
 大晦日、紅白歌合戦第2部は昭和世代にとってはまさに”神紅白”でした。MISIAの圧巻のノンブレス歌唱は、出来れば東京五輪の開会式で聞きたくなりました。 徳島の大塚美術館から米津玄師の生歌! 続いて、例年私が最も注目する”ゆく年くる年”の最後の除夜の鐘は、なんと私がこの疾患情報でも取り上げていた奈良 興福寺からでした。続いての”生さだ”では、さだまさしさんの興福寺を歌った「おんまつり」 久方ぶりにテレビで満足した年越しでした。

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