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当院は、耳鼻咽喉科、気管食道科、アレルギー科を専門とし、地域医療に貢献します。

TEL. 089-973-8787

〒790-0045 愛媛県松山市余戸中1丁目2-1

’04年 今月の疾患情報

04年12月  2日:  早いものでもう師走です。当院診察室のBGMもクリスマスソングになりました。
 日中は12月とは思えない暖かな陽気です。そのせいか、かぜ(上気道炎)や中耳炎が治りにくい小児は例年よりやや少ないように感じます。ただし、やはり冬を迎える季節で滲出性中耳炎が難治の傾向が出てきて、チューブ留置を選択せざるを得ないお子様もみられます。
 耳下腺腫瘍、反回神経麻痺、扁桃周囲膿瘍など。
 9日:  驚くことに、今年は12月に入っても毎日のようにスギ花粉の飛散が観測されているようです。
 アデノウイルス、溶連菌による咽頭炎がやや目立ちます。
17日:  当院で今シーズンはじめてB型インフルエンザが検出されました。成人、小児で複数例の検出でした。中には家族内感染例もありました。しかし、地域で流行するような兆しは乏しく、恐らくB型の年内の流行はないと思われます。例年は、年末ないしは年始から症状の強いA型のインフルエンザが流行し始めます。今後年末にかけて強い冷え込みがくれば、むしろA型インフルエンザの流行の発生に気を付けるべきでしょうか。
22日:  本日、当院でも処方しておりましたマクロライド系(ケトライド系)抗生物質のケテックの副作用に関するマスコミ報道がありました。服用後に意識消失発作が起こるという副作用に関してです。230万人が服用して6名の副作用報告とのことです。副作用報告自体は製薬会社などより以前からレポートされていたものですが、急にテレビ、ラジオ、新聞などの複数のマスコミに取り上げられて、私も周りの製薬会社関係者も少々ビックリしました。どうも厚労省のホームページに副作用情報が掲載されたことがニュースソースになったみたいだとのことです。効果の高い抗菌作用と6/230万とはいえ重大な結果を引き起こす可能性のある副作用、この医療の宿命ともいえる作用と副作用の兼ね合いを今以上に勘案して、今後の処方や薬剤情報提供を行いたいと思います。
28日:  学校の冬休み入りとともに風邪(上気道炎)にかかる方は少なくなりました。B型インフルエンザも集団発生や地域に広がることなく終息したようです。これから学童の集団生活がなくなり、職場も休みに入ることから風邪の流行はなくなります。お正月休みは穏やかに過ごせるものと思います。しかし、お正月を明けて新学期からはさすがに冷え込みも強くなりますので風邪の流行期となります。恐らく1月10日頃からはA型インフルエンザも含めて風邪が流行り始めるものと思います。
 12月後半になってもスギ花粉の少量飛散が続いているようです。持続的な飛散といってもよい状況です。27、28日といかにも花粉症の急性期といった方が複数来院されました。こんなことは私が耳鼻科医になって初めての経験です。やはり来年のシーズンは凄そうな予感がします。
 後鼻孔出血、ムコイド中耳炎、低音障害型感音難聴など。
29日:  おかげさまで当院も無事仕事納めとなりました。例年ながら年末に受診した皆様の年末年始の健やかからんことを願いながら新年を迎えたいと思います。
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04年11月  2日:  気温が低下するにつれて、かぜが毎週少しずつ増えています。
 花粉症はやや減少傾向です。秋の雑草の花粉の飛散はもうすぐ終わりを迎えるため、花粉症は今後さらに少なくなります。一方、冷えこみ始める今は、ダニの死骸や糞の増える時期ですので、ダニアレルギーの人は症状が強くなる恐れがあります。家庭内のほこりの掃除を心がけてみて下さい。
 そろそろ暖房の恋しい季節となります。エアコンで暖房した場合、室内はかなり乾燥します。肌だけでなく鼻やのども乾燥によって荒れやすくなり、かぜのウイルスが体内に入りやすくなります。冬は適度な換気や加湿で、室内の乾燥し過ぎを防いで下さい。
 5日:  インフルエンザワクチンの接種の季節となりました。この時期、当院でも接種したほうがよいのか?耳鼻科で治療中に接種できるのか?とよく聞かれます。このワクチンの有効性については、感染予防作用と発症後の症状軽減作用の2点で有効性を判断しなければならないのですが、高齢者では有効性はほぼ確立され、小児では有効性の検討中といったところでしょうか。私自身は医療従事者として毎年接種を受けています。当院を受診される方には、「高齢者や受験生、仕事が休めない人、耳や気道が弱い体質の幼児ならば、接種の副反応の可能性をよく理解した上で接種を受けておくのがベターでしょう」とお答えしています。ただし、当院では診療時間の都合もあり、予防接種はしておりませんので、恐縮しきりでお話しております。
 9日:  先週に引き続き、かぜにかかる方が徐々に増えています。小児の中耳炎も徐々に増えて、日曜診療では鼓膜切開を必要とする小児も少しずつ目立ち始めました。
 小児の流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)の発生が続き、中には親御さんがお子様からうつされるケースもありました。成人発症では全身症状が強く出る場合もあり注意が必要です。また、ムンプス難聴とよばれる小児の片側性の高度感音難聴の発生率も、以前考えられていたよりも実はかなり高いのではないか、との報告もあり、耳鼻科医としては発症に注意しています。
   イスラエル放線菌による咬筋筋炎など。
18日:  昼間が穏やかな暖かい気候のせいか上気道炎の方がやや少なくなっています。小児ではアデノウイルスによる咽頭炎がやや目立ちました。
24日:  先週は結構スギ花粉が飛散したようです。例年より多い印象です。こんなことからも、来シーズンは大量飛散する気配を感じます。
 急性喉頭蓋炎など。
04年10月  6日:  秋らしい気候となり風邪にかかる方が少しずつ目立ってきました。症状の軽い普通感冒が多いのですが、一方で扁桃周囲炎、扁頭周囲膿瘍、喉頭蓋炎、声門下喉頭炎(仮性クループ)などの症状の重い上気道炎にかかる方も目につき始めました。小児の急性中耳炎、滲出性中耳炎も少しづつ増えています。
 秋の花粉症では、ヨモギ、ブタクサなどのキク科の花粉が引き続き飛散しているようです。
 9日:  愛媛県立中央病院検査部の報告では、ロータリー型と呼ばれる広く花粉を收集する観測装置でスギ花粉がわずかに観測されたそうです。例年この時期「あはれ蚊」のようなスギ花粉がごくわずか観測されます。スギ花粉に敏感な方が久万高原町の山林やゴルフ場にでかけると、花粉症の症状が軽く出るケースもあります。
10日:  新聞報道によると、9月27日に大阪府豊中市の中学2年のクラスで学級閉鎖があり、8人欠席の内の5人からA型インフルエンザが検出されたとのこと。大阪府では平年より1ヶ月半早いウイルスの分離同定されたとのことです。さすがにまだまだ全国的な流行にはならないと思われますが、こんな情報からも冬の風邪のシーズンの足音を感じます。
 今月に入り、タイでは鳥インフルエンザによる人から人への感染も疑われているようです。新型インフルエンザが流行しなければよいのですが。流行の波でいえば03/04シーズンはB型インフルエンザが流行しませんでしたので、04/05シーズンはB型もある程度の発生が予想されます。また、来シーズンはスギ花粉の飛散がかなり多くなると予想されており、そちらで苦しめられる方も例年より多くなるものと思われます。いろいろな意味でインフルエンザが流行しないことを祈ります。
 04/05シーズンの診断・治療のトピックスとしては、ワクチンも含めて新薬の発売はないようですが、迅速診断試薬では約5分で判定可能なキットが新発売となりました。これまでのキットでは反応が鈍い場合には判定までに15〜20分必要でした。わずか10分少々の違いですが、高熱で苦しむ方の待ち時間が少しでも短くなることの意味は大きいです。前シーズンにはワクチンの供給のアンバランスからのワクチン不足が、前々シーズンには坑ウイルス剤タミフルの不足による混乱がみられました。全国の医療機関の立場からしても、毎年振り回される感の多いインフルエンザですが、来るシーズンは平穏に過ごしたいものです。
15日:  各種の上気道炎が総数で増えてきています。小児では溶連菌咽頭炎がやや目立ちました。
 スギ花粉が引き続きわずかですが飛散しているようです。
 インフルエンザの予防接種に時期がはじまりました。感冒や中耳炎のお子様の接種の可否の問い合わせが多くなりました。
   鼓膜形成術、クインケ浮腫など。
20日:  引き続きかぜをひく方が増加しています。流行性耳下腺炎が散見されます。
 ごくごくわずかですが季節外れのスギ花粉の飛散が続いているようです。
26日:  温度や気温の変化で鼻過敏症や血管運動性鼻炎が増悪する方がやや目立ちました。アデノウイルス、溶連菌による咽頭炎が散見されます。
   鼻茸摘出術、下鼻甲介レーザー手術など。
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04年 9月  1日:  特定の疾患の流行はありませんが、上気道炎はやや増加の傾向です。
 台風16号の影響で当院の前庭の植木の上1/3がぽっきりと折れてしまいました。松山城の漆喰が剥げ、中予でも松前町などで冠水の被害が出ています。松山は南と西に山があり、地理的に台風の被害を受けにくい場所だと思っていたのですが、今回の台風にはまいりました。
 5日:  ヨモギなどのキク科の花粉の飛散も始まったようです。秋の花粉症のシーズン入りです。
11日:  特定の疾患の流行は認めませんが、上気道炎の総数は少数ながらやや増加しています。花粉症もやや増加です。ヨモギなどのキク科花粉の持続的な飛散が始まったようです。
17日:  前週に引き続き、特定の疾患の流行は認めませんが、溶連菌咽頭炎、流行性耳下腺炎が散見されます。
 先天性真珠腫など。
20日:  当地では運動会が最盛期です。今年の9月は、前半に台風来襲が続き気候が不安定でしたが、後半は比較的安定しています。運動会に体調を崩す児童は例年に比して少ないようです。(^.^)
 ブタクサ花粉の飛散も始まり、キク科花粉症のシーズンも本格化です。
25日:  一歩一歩秋の気配です。時には朝方冷え込むようになってきました。盛夏に少なかった鼓膜切開を必要とするような急性中耳炎が、徐々に増えてきました。
   我庵は 南を受けて 菊の花   柳原極堂
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04年 8月  7日:  上気道で目立って流行する疾患はなく、急性上気道炎の総数はかなり減りました。 外耳炎も減少、花粉症もわずかで、当院の外来も夏休み入りの趣です。
 外耳道ヘルペス、外耳道真珠腫など。
10日:  稲の花粉症が疑がわれる方がちらほらみられます。少しややこしいのですが、イネ科の雑草ではなく、稲=米の花粉症です。稲は田んぼにいっぱい植えられていますが、めしべとおしべが近接した花で自家受粉する花ですので、花粉は周りには飛びません。そのため雑草の花粉症よりも発症しにくいと考えられています。また、食物としての米に対する抗体の検査はできますが、稲の花粉の抗体の検査は一般的ではありませんので、確定診断するのは難しいです。しかし、白い小さな花が咲いている水田の近くを散歩していて目と鼻が連動して痒くなる方は、稲の花粉症の可能性があります。
     ある人の平家贔屓や夕涼み  子規
17日:  お盆休みも終わりました。私もおかげでゆっくり過ごし鋭気を養なうことができましたが、オリンピックの日本選手の活躍で少々寝不足気味です。(^.^)
 ウイルス性咽頭炎、外耳炎、鼻せつからの鼻出血などの夏らしい病気もまだまだみられますが、症状の強い方は少なくなりました。点滴を必要とするような症状の強い扁桃炎や外耳炎もほとんどみられませんでした。風邪の流行りでいえば、もう秋の気配です。鼻とのどが少し傷む程度の軽い上気道炎が主体です。
 咽喉頭酸逆流症、減感作療法など。
28日:  感染症全体の数は多くはありません。また、外耳炎、鼻せつも減少しています。このように猛暑のピークが過ぎたこともあり、夏に流行する疾患は少なくなりました。
 アレルギー関連の疾患では、イネ科の花粉症がやや増加しています。これから朝の冷え込みが目立ちはじめ、秋の花粉も飛び始めますので、メニエール病、気管支喘息、花粉症は増加が予想されます。初秋や新学期を迎えるに当たって生活のリズムを崩さないようご注意下さい。
 咳喘息、ムコイド型急性中耳炎など。
今年の猛暑は異常ですね。少しばかり涼しい写真を、、  8日、松山祭りの花火大会を梅津寺の浜辺から見ました。砂浜の堤防に腰掛けて、人影のまばらな中でのんびりと花火を堪能しました。潮騒と海風に包まれて、水面に映る影も楽しめる花火鑑賞はなかなかのものでした。この花火大会は終わった後の人波の混雑や交通渋滞に泣かされるのですが、梅津寺ならば電車で来れば待ち時間なしで帰りの電車に乗れます。おすすめの鑑賞スポットです。
04年 7月  2日:  7月に入ったとたん、昨日、今日と本格的な夏の暑さになりました。子供たちは嬉々としてプールを楽しみにしています。この時期、中耳炎になった子は本当にタイミングが悪いと言わざるを得ません。中耳炎にかかった子供の最大の関心は「プールがいつからできるか」につきます。一日でも早く良くなって、一日でも早くプール遊びができるように、、そう願っての診察が続きます。
 花粉症はイネ科花粉がわずかにみられるだけです。
 耳茸、ステロイド依存性感音難聴など。
12日:  上気道炎については、症状の軽いウイルス性咽頭扁桃炎が主体ですが、扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍まで至る例も散見します。溶連菌咽頭炎、ヘルパンギーナ、流行性耳下腺炎がみられますが、発熱が長引きやすい咽頭結膜熱をはじめとしたアデノウイルス感染症は少ないです。汗やプールの刺激からの外耳炎が増加しています。
 雑草の花粉症は減少しています。一方、ダニによる通年性アレルギー性鼻炎とプールの塩素の刺激やクーラーの冷え・乾燥による鼻過敏症は増加しています。
 学校健診の健診通知書を持って診察される児童は少なくなりました。もうすぐ夏休みです!
23日:  上気道の感染症の総数は減少しましたが、症状の強い扁桃炎、喉頭炎は引き続き見られます。ヘルパンギーナ、アデノウイルスによる咽頭炎、流行性耳下腺炎は散発、花粉症もわずかです。汗やプールの刺激による外耳炎、鼻出血が増加しています。
 夏休みです。東京の猛暑はすさまじいですね。熱中症や夏バテ、クーラーのかけ過ぎによる自律神経失調で体調はくずしやすい気候ですが、暑いと鼻の通りは良くなりますので、耳や鼻にとってはよい季節です。薬剤耐性菌の増加とともに近年難治例の増えてきている小児の滲出性中耳炎ですが、今月に入り、夏の気候とともに軽快例が目立っています。
31日:  小児ではヘルパンギーナ、手足口病、アデノウイルスによる咽頭炎が散見されます。アデノウイルスによるものは例年の同時期に比し少ないようです。外耳炎が目立っています。花粉症はほとんど見られません。
 夏休みもある程度過ぎ、小児の集団生活がなくなったこともあり、小児の間で流行するような「夏かぜ」もほとんど見られなくなってきました。少し気が早いですが、これからのかぜの流行についてお話します。これからしばらくはかぜは流行らなくなりますが、お盆明けの朝晩の冷え込みで軽い「かぜ」がみられるようになります。9月の新学期・運動会の練習シーズンには、朝晩の冷え込みや疲れで体調を崩したり、アレルギー素因の方は台風や秋雨前線の低気圧や秋の花粉で気道の過敏症が目立ちますが、かぜ自体の流行はありません。10月の「体育の日」前後は、ゴールデンウィーク頃と同様に気候がよくかぜは流行りません。寒さを感じ始める11月後半より少しずつ冬のかぜのシーズン入りです。このように、これから11月までは目立ったかぜの流行はありません。当院もこれからのどかな時期を迎えます。(^.^)
 私も所属している松山耳鼻咽喉科会では、今年も「鼻の日」インターネット無料医療相談を行うことになりました。期間は8月1日〜10日です。相談を希望される方は http://www.sue.jp/m-ent/  をのぞいてみて下さい。
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04年 6月  7日:  梅雨入りによる気温や気圧の変化などによりメニエール病が再発する方や、ダニの増殖による通年性アレルギ―性鼻炎が増悪する方が目立ってきました。
17日:   ヘルパンギーナがやや減少、一般的なウイルス性咽頭炎は横ばいです。夏の気配とともに外耳炎が少し目立ってきました。
 花粉症はやや減少です。当院では今年5月の雑草の花粉シーズンは、なぜか鼻炎症状の強い例はまれでした。
 好酸球性中耳炎、好酸球性副鼻腔炎など。
24日:   一般的なウイルス性咽頭炎が中心ですが、小児ではヘルパンギーナが散発、成人では声がれの長引く喉頭炎がやや目立ちました。
 雑草の花粉症は減少、通年性アレルギー性鼻炎の増悪例がやや増加です。外耳炎、鼻前庭湿疹による反復性鼻出血、昆虫の外耳道異物など夏らしい疾患も目立ち始めました。
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04年 5月  9日:  ゴールデンウィーク前半も含めて4月後半には特に目立った病気の流行はありませんでした。流行性耳下腺炎、溶連菌感染症が散発です。症状の軽い急性上気道炎が中心の穏やかな外来ですが、そろそろ初夏を思わせる疾患も目につきはじめました。小児の代表的な夏かぜで急な高熱と強いのどの痛みが特徴のヘルパンギーナが少数ですがみられました。
 花粉症ではスギ・ヒノキの飛散が終了し、これから5月の後半に向かってイネ科を中心とした雑草の花粉症のピークを迎えます。
20日:  ヘルパンギーナがやや目立ってきました。
 好酸球性中耳炎など。
25日:  イネ科花粉症の方が目立ちます。
 小中学校の学校健診の時期を迎えています。健診で毎年の如く「アレルギ―性鼻炎」と指摘され、1年ぶりに来院されるような方もおられます。アレルギー素因自体は治せるものではありませんので、その子供の学年に応じて、生活や環境をどう改善すればよいのか、どのように症状がひどくなった時には治療が必要なのか、治療するとすればどのような選択枝がありどのような効果があるのか、限られた診察時間ですが出来る限りのアドバイスが出来ればとは思っています。
 扁桃周囲膿瘍、ハント症候群、好酸球性副鼻腔炎など。
 5月の連休を利用して、新居浜市の日浦地区から銅山越を経て嶺北角石原に到る別子銅山跡の産業遺跡を巡るハイキングに出かけました。銅鉱石や古びた赤レンガを踏みしめながら、鉱山街跡や小学校跡、測候所跡、劇場跡など、高度成長時代以前の日本が必死だったともいえる往時を偲びながらの登山で、仕事への活力を得た気分でした。
小足谷接待館跡。明治期後半に賓客の宿泊や懇親会に利用されていました。建物はなく、敷地内にはスギの植林がされています。
別子銅山発祥の記念すべき最初の坑道、歓喜坑です。元禄3年(1690年)、阿波生まれの渡り坑夫・切上がり長兵衛によりこの地に有望な銅鉱床の露頭のあることを知らされた備中岡山の吉岡銅山の住友家支配人田向重右衛門が苦心して山中を調査し、見事な鉱脈を探し当て翌元禄4年幕府の許可を得て採鉱を開始しました。人びとが抱き合って歓喜し開鉱を祝ったところからこの名があります。平成13年に坑道の所有者である住友金属鉱山により坑口の開坑当時への復元工事が行われています。 
銅鉱石で赤茶けた足谷川の支流の渓谷です。
木方吹所という精錬所跡と赤茶けた足谷川です。画面中央に精錬所跡のレンガ積みが見えます。明治20年頃を中心に活気を呈していました。
標高1294mの銅山越からみた新居浜市街です。江戸時代の約200年間、粗銅や食料が仲持人夫に背負われてこの峠を越えて運ばれていました。麓の資料館に実際の荷物を担ぐ体験コーナーがありました。私も担いでみましたが、当時の人々の健脚ぶりには圧倒されます。
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04年 4月  5日:  溶連菌咽頭炎が引き続きやや目立っていますが、その他に流行する疾患はなく、比較的穏やかな春休みの外来です。
 伝染性単核球症、流行性耳下腺炎など。  
16日:  ウイルス性上気道炎が中心で、目立った感染症はみられません。花粉症も一段落です。
 新学年の始まるこの時期は、診察の前に子供たちが何年生になったかよく問いかけます。新入学の小学1年生や中学1年生をみると、ほんの1ヶ月前よりもしっかりした雰囲気に見えて驚かされます。
 先天性耳瘻孔、ポリープ様声帯、いびきに対する口蓋垂口蓋咽頭形成術、鼻茸摘出術など。 
23日:  ゴールデンウィークと体育の日の頃は1年でもっとも気候がいい時期ですが、同時に風邪の流行らない時期でもあります。 特定の感染性疾患の流行はありません。穏やかな外来が続いています。ただし一方で、新学期や新生活、気候の変化で体調の不調や自律神経失調を来たす方が目に付きます。メニエール病や鼻過敏症、突発性難聴などがやや目立ちました。
30日:  ゴールデンウィークの中日で、長期の休みを控えて受診される方が多かったです。
 急性前頭洞炎、メニエール病など。
 妹の診察に付添ってきていた、あるとってもチャーミングでしっかりさんの女の子の作品です。診察机の片隅で、即興で書いてプレゼントしてくれました。額帯鏡、白衣、眼や髪の雰囲気など、実は私の特徴を端的に表現しています。子供の直感と表現力はすばらしいですね。私の宝物が出来ました。(^^♪
04年 3月  4日:  現在までのところ当院でのB型インフルエンザの発生はありません。松山では流行せず今年のインフルエンザシーズンは終了しそうです。(^.^)
 高度閉塞型睡眠時無呼吸症候群、外傷性鼓膜穿孔、外耳道真珠腫、顎下腺唾石など。
10日:  先週初めにスギ花粉のややまとまった飛散がありましたが、例年に比べれば微々たるもので、例年.ならば花粉症患者が最も多いこの時期にして、スギ花粉症は減少傾向でした。おかげで今年は、初期治療(予防投薬)だけで快適に過ごされる方がほとんどです。今年初めて花粉症を発症する方も少ないようです。
 A型インフルエンザ、溶連菌咽頭炎がわずかに見られましたが、特定の上気道疾患の流行というほどではありませんでした。
 低感受性肺炎球菌やBLNARなどの薬剤耐性菌による中耳炎の遷延例がやや目立ち、鼓膜切開やチューブ留置などの外科的処置をどのタイミングで行うかなど経過観察の対処法に頭を悩ませています。
 ムコイド型中耳炎、良性発作性眩暈、内リンパ水腫、水疱性鼓膜炎による内耳炎など。
11日:   10日に今シーズンはじめてのスギ花粉の大量飛散がありました。今日は昼から雨模様の一日でしたが、咳や声がれなどの強い症状を訴える方も目に付きました。
   東風吹くや 山一ぱいの 雲の彩   漱石
18日:  インフルエンザの流行は終息した模様です。今年はA香港型のみの流行で、当院ではB型は全く検出されませんでした。
 溶連菌咽頭炎がよくみられています。中耳炎の薬剤耐性化程ではありませんが、従来抗生物質がよく効く印象のあった溶連菌ですが、当院でもマクロライド耐性菌を経験しました。こんなところにも薬剤耐性化が進んできているようです。
  10日の大量飛散に続き16日にもスギ花粉飛散の小ピークが見られましたがその前後では「やや多い」程度の穏やかな飛散が続いています。恐らく今シーズンの最大飛散日は3月10日になりそうです。3月17日付の気象庁の桜開花予想での松山の桜開花予想日は3月21日と例年よりやや早く、もう間もなくです。スギ花粉は4月もわずかに飛散しますが、桜の開花とともにスギ花粉の飛散も勢いが無くなります。スギ花粉症のシーズンもあとわずかです。
21日:  引き続き、小児だけでなく成人でも溶連菌咽頭炎が目立っています。松山の桜の開花は19日で例年より9日も早かったそうです。
 真珠腫性中耳炎、外傷性鼓膜穿孔など。
26日:  昨シーズンのようなB型インフルエンザの流行はなく、インフルエンザ様疾患はさらに減少し流行はほぼ終息しました。
 溶連菌感染症が引き続き目立っています。中耳炎が先行する例、腹痛や嘔吐などの消化器症状を合併する例、のどの所見や症状に乏しい例など、多彩なケースが見られます。また今の時期に夏に流行するヘルパンギーナ様ののどの奥に口内炎が多発した咽頭所見を認めた小児例がありました。
 例年同様、桜の開花に合わせるようにスギ花粉の飛散が少なくなりスギ花粉症のシーズンが終わりに近づいています。一方、まもなくヒノキ花粉症のシーズン入りで、例年5月の連休明けまで続きます。スギ花粉とヒノキ花粉は似た性質を有しているために、スギ花粉症の方の中にはヒノキ花粉にも反応する方があります。このような方は花粉症の症状が今しばらく続く可能性があります。
 今日、診察室での一コマです。幼稚園児の女の子3人組がちょうど習い事の帰りだったのでしょうか、診察の後で3人そろって踊りを披露してくれました。とてもかわいくチャーミングでした。私をはじめスタッフ一同、思わぬパフォーマンスに大感激でした。(^.^) 
04年 2月  3日:  A香港型インフルエンザが流行し始めました。市内全域の小中学校で学級閉鎖が報告されています。今年のインフルエンザ・ワクチンは現在流行のA香港型インフルエンザには有効なようで、接種者の多くは発症しても軽症で済む方がほとんどですが、中には高熱を来す方もいます。
13日:  今週に入り日中は暖かな陽気が続いています。スギ花粉症の臨床症状を認めて来院される方が増えてきています。持続的に観測される「飛散開始日」はまだのようですが、松山市内でもスギ花粉のある程度の飛散は始まっている模様です。
 現在流行中のA型インフルエンザの流行のピークは超えたようですが、続発症としての中耳炎や副鼻腔炎、喉頭炎をきたす方がやや目立ちます。
 クラミジア咽頭炎、真珠腫性中耳炎、外耳道真珠腫など。
16日:  1月下旬が冷え込んだこともあり、昨年よりやや遅れて13日にスギ花粉の飛散開始を迎えました。梅が開花し、翌日は春一番が吹き荒れて、確実に春の訪れを感じます。
23日:  インフルエンザは減少し、流行のピークは過ぎた模様です。現在流行中のA型は昨年のタイプよりは総じて症状が軽い傾向にありますが、それでも普通のかぜと違い全身症状が強くさまざまな合併症を引き起こす可能性もありますので注意が必要です。過去の例では、今ごろの時期から3月にかけて症状の軽いB型が小流行する場合がありますが、現在までのところB型の流行はみられていません。ただし今後の流行によってはインフルエンザに2回感染する可能性もありますのでご注意下さい。
 先週末は、4月並の気温の日の後に春の低気圧による突風が吹く荒れた天候でした。このためか今シーズン初めて、スギ花粉のある程度まとまった飛散がありました。車のフロントガラスが薄黄色くなっていたのが印象的でした。
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04年 1月  1日:  あけましておめでとうございます。
 医療全般の観点からみれば、少子高齢化・低成長時代で年金同様に医療費が潤沢には使えない中で、医療制度改革が進んでいます。耳鼻咽喉科の観点でいえば、最近の中耳炎起炎菌の薬剤耐性化の進展には目をみはるばかりです。アレルギー疾患の増加も目立ちます。このような中、耳鼻咽喉科の外来診療に求められるものも年々加速度的に変化している、というのが私の印象です。
 通院頂く皆様ひとりひとりに出来るだけ満足して頂き、当院に関係するスタッフがそれぞれの立場や生活に充実し、そして私自身が少しでも自身の仕事に満足できる、そんなクリニックを目指してがんばってみたい、というのが年頭に当たっての私の所感です。
 6日:  年始は小春日和ともいえる11月並の陽気です。インフルエンザはまだ見られません。穏やかな外来です。
 スギ花粉症のシーズン到来です。当地のスギ花粉の観測データからは花粉の初観測はまだですが、山間部を中心に極わずかですが飛び始めていると思われます。今日、今シーズン初めて臨床的にスギ花粉症を呈した方が見られました。
 8日:  当院で今シーズン初めてインフルエンザが検出されました。A型でした。今日から3学期です。集団生活の再開に伴い、寒波が襲ってくれば来週あたりから本格的な冬の風邪のシーズンになりそうです。
 溶連菌感染後腎炎、水胞性鼓膜炎、外耳道真菌症、舌腫瘍、口腔扁平苔癬など。
12日:  1月になって初めてスギ花粉が観測された日をスギ花粉の「初観測日」とします。各種のスギ花粉の飛散データでは初観測はまだのようですが、データには出ませんがわずかにスギ花粉は飛散しているものと考えられています。スギ花粉に過敏な人やスギの植林に近づいた人の中には臨床症状が出るケースもあるものと思われます。
 厚労省が全国的なインフルエンザの流行入りの見解を発表しました。当院でも引き続きインフルエンザがわずかながら見られます。連休明けから流行シーズン入りするものと思われます。
 ムコイド型中耳炎、メニエール病、睡眠時無呼吸症候群など。
17日:  スギ花粉の初観測はまだのようです。
 かぜ症候群がやや増加してきましたが、1月に入り暖かい日が続いたせいか昨年の同時期よりは少ないようです。中予地方でも各地でA型インフルエンザの報告が出てきましたが、流行までは至っていません。厚労省は1月9日に全国的なA香港型インフルエンザの流行宣言を出しました。松山でもこれから寒波の訪れとともに流行することが予想されます。身近でインフルエンザの感染者がみられた場合には、うがい、手洗いの励行やマスクの着用などで感染予防を心がけて下さい。
18日:  A型インフルエンザがそれなりに発生しています。小児ではアデノウイルス、RSウイルスによる上気道炎、発熱もみられています。
22日:  先週に比べて急性上気道炎の方は総数で横ばい、A型インフルエンザがやや増加して流行の気配です。
 年明けのスギ花粉の初観測はまだのようですが、臨床症状を自覚して来院される方があります。また、花粉症の初期治療を希望する方の来院も目立ってきました。マスコミの啓蒙のせいか毎年徐々にですが認知されつつあるようです。
 例年この時期は中耳炎や副鼻腔炎の治りの悪い方の増える時期ですが、今年は「さらっと」治るケースがが目立ちます。(^。^) 暖冬さまさまですが、今日は今年一番の寒気。病院の外の蛇口も凍り付いていました。これから冬本番です。くれぐれも体調をくずさないようお気をつけ下さい。
23日:  松山も朝から積雪です。交通機関の乱れが心配されましたが、大きな乱れはなかったようです。当院のスタッフも全員無事に出勤です。私が子供の頃は松山でも毎冬何回かはそれなりの積雪があり雪ダルマを作ったものですが、雪が降って改めて最近の温暖化を再認識しました。
      雪ふる ひとりひとりけり   山頭火
29日:  愛媛県立中央病院のデータではスギ花粉の初観測日は22日でした。スギ花粉症への予防投薬を始める季節になりました。
 当院でもA型インフルエンザの方が増えてきました。
 ムコイド型急性中耳炎、外リンパ瘻、溶連菌咽頭炎など。
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 昨年末30日の松山空港です。雲ひとつ無い快晴でした。今年こそは日本の景気も "take off" といきたいところです。
           歳首百事忘 天晴万花喜

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山口耳鼻咽喉科
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