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当院は、耳鼻咽喉科、気管食道科、アレルギー科を専門とし、地域医療に貢献します。

TEL. 089-973-8787

〒790-0045 愛媛県松山市余戸中1丁目2-1

’09年 今月の疾患情報

09年12月  1日:  年末恒例の花園通りのライトアップが始まりました。一番町の通りからも見える松山全日空ホテルのクリスマスツリーや大街道のイルミネーションの飾付けも終わり、街はクリスマス気分です。当院もささやかながらクリスマスの飾りつけを行いました。
 季節はずれのスギ花粉の飛散がわずかに見られています。例年みられる現象ですので珍しいことではありませんが、今年は例年以上に飛散はわずかです。今年の秋は明らかに「スギ花粉の飛散を感じた」という方にはまだ出会いません。来シーズンのスギ花粉の飛散量は、1)今年が大量飛散したために来年が裏年になる 2)夏に天候不順で日照時間が少なかった ことなどからかなり少ないと予想されていますが、秋の飛散の状況を見ても、やはり来シーズンの飛散数はかなり少なくなるものと思われます。

 松山がご当地となるNHKスペシャルドラマの「坂の上の雲」がいよいよ放映開始となりました。ロケも豊富で、スタジオセットやコンピュータグラフィックも見事です。時代考証もしっかりしている印象で、映画のような映像が続きます。サントラも美しく、さすがNHKといったところです。これから3年間、年末に楽しみが増えました。エンドロールの取材協力の筆頭に、坂の上の雲ミュージアムと子規記念館が並んでいるのを見つけて、おもわずうれしくなってしまいました。ちなみに、私はあまり連ドラは視る機会が少ないのですが、最近はBSで再放送されている倉本聡脚本の「風のガーデン」にはまっています。
 5日:  新型インフルエンザを発症年齢別に見ると、11月前半と比べると10才以下や成人にも感染が広がっている傾向です。やはり例年に比べてその他の感染症は少ないようですが、アデノウイルス、RSウイルス、マイコプラズマ、百日咳などの感染症も散見されます。この時期にインフルエンザが3週間にわたって警報レベルで流行するのも驚きですが、昨年は晩秋まで夏かぜの咽頭結膜熱や手足口病が目立っていた事を思うとまさに様変わりの感です。
 インフルエンザの迅速検査キットも不足がちで確保には苦労しているのですが、それ以上に治療薬である小児用タミフルドライシロップや吸入治療薬のリレンザが全国的に不足しています。当院ではいつもお世話になっているエンゼル調剤薬局さんの協力もあり、今のところ治療に支障は出ていませんが、このまま新型インフルエンザの流行が続いた上に、季節性インフルエンザが例年並みに流行するような事態になれば、当院はもとより全国的にも医療現場が混乱することも予想されます。なんとか新型インフルエンザの流行がこれから下火になることを願っています。インフルエンザの治療薬の開発では日本の製薬会社が世界的にもがんばっています。塩野義製薬の注射薬、第一三共や大正富山医薬品などが新薬の製造承認の直前までこぎつけています。厚労省も現在のインフルエンザの流行状況を鑑みて最大限承認を急いでいるようです。今シーズンの流行に間に合って欲しいものです。
 扁桃周囲炎、アデノウイルスによる咽頭炎、後鼻孔出血など。
12日:  今週に入り目に見えて新型インフルエンザの患者様が少なくなりました。外来も落ち着いてきました。まだ季節性インフルエンザの流行もありません。新型インフルエンザは季節性のA香港型やAソ連型の遺伝子も部分的に持っているとされており、これだけ多くの小児が新型インフルエンザに罹ったならば、季節性インフルエンザに対する基礎免疫も高まっていると思われます。例年、クリスマス前後から季節性インフルエンザの発生が目立ってきますが、今シーズンは季節性が流行せずに年末を迎えたいものです。
16日:  今年一番の冷え込みで、朝は久万方面の山々の薄っすらした雪化粧が松山市内からも望むことが出来ました。四国でも冬が到来した趣です。今日は午後からスタッフ総出で大掃除を行いました。先週、病院の忘年会も終わり、当院は年末モードです。大掃除の最中に、雨の合間に虹が出ました。久々に虹を見て気分も爽快です。
 今週に入り、市内の学級閉鎖数も目に見えて減ってきました。やはり新型インフルエンザの流行のピークは過ぎたようです。ただしこの日曜日までの愛媛県の感染症動向調査ではまだ定点あたりのインフルエンザの発生数はわずかしか減っておらず、まだまだ警報レベルの流行は続いています。恐らく学童が終業式を迎えるクリスマス明けまでは流行は続くものと思われます。まだ新型インフルエンザを発症していない小児は注意しておいて下さい。先月の当ホームページの月別疾患情報は新型インフルエンザ一色でした。国内の感染情報をみてもここ1ヶ月の発生数を見れば、95年の大流行の年以来でいかに患者数が多かったのかわかります。当院でも確定した患者様だけでも小児では恐らく500人以上は診させて頂いたと思います。しかし患者数が多かった割には、下気道の症状が強く小児科とタイアップしたり、総合病院に入院を前提として紹介するケースはありませんでした。やはり軽い症状で終わる方がほとんどです。ただし、気管の障害は強くなることが多いですので、舌根扁桃を中心とした扁桃組織が弱い方やアレルギー素因のある方は感染後気道過敏症が長く残る場合も目に付きます。
  RSウイルス感染症、百日咳、扁桃周囲炎など。
22日:  今年も余すところあと1週間余りになりました。最近になって新型インフルエンザが流行し始めた、という保育園や幼稚園もありますが、やはり新型インフルの流行は下火になってきたようです。当院でも普通感冒(ウイルス性上気道炎)の方のほうが多くなってきました。当院もやっと落ち着きを取り戻しました。逆にインフルエンザも含めた風邪に続発する急性中耳炎や急性副鼻腔炎の方が、例年並みで目だって多い訳ではないのですが目立つようになりました。
 風邪の抗体だらけと自負している?私ですが、珍しく喉頭炎に罹ってしまいました。発熱はなく全身状態も悪くないのですが、声がれが強く、患者様に十分説明できないこともありご迷惑をおかけしました。私は冬のインフルエンザから花粉症へと続く繁忙期には、長いと一日12時間近く話しっぱなしになります。へたな噺家さんよりも声を使っていますので、へたをすると年末から春先まで軽い声がれが続く場合もあります。ただし医者の不養生は自慢になりませんので、節制に努めて一日も早く声を戻したいと思います。
24日:  クリスマスイブです。今日はお子様向けにクリスマスバージョンのプレゼントを用意しました。喜んでもらえれば幸です。松山でもクリスマスのイルミネーションがそこかしこで目を楽しませてくれます。花園町のイルミネーションはきらびやかで素敵です。私のお勧めはロープウェイ街のイルミネーションです。景観整備によって普段から美しくなっているのですが、年末には大街道側の電飾が増えています。ロープウェイ街は愛媛大学や松山大学のある文京地区と繁華街の大街道を結んでいますので、若者のそぞろ歩きが目立ちます。電球色のシックなイルミネーションに若いカップルがよく似合います。
 学童の冬休み入りとともに新型インフルの流行も劇的に収束に向かうかとも思っていたのですが、思いの外、インフルエンザの発生は多いようです。これまで明らかに発症していない小児は年末年始の感染に注意してください。
29日:  年内の診察も無事終わりました。今年も医療事故がなくつつがなく一年を締めくくることができてホッとしています。例年ながらではありますが、昨日今日と診察された皆さんが年末年始に病状がこじれない事を祈念しながら診察を進めていました。良い年をお迎えください。来年も当院をよろしくお願いいたします。
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09年11月  2日:  早いものでもう11月です。今年は新型インフルエンザの流行で、例年とは違った感じの外来ですが、11月の外来はどうなるのでしょうか。新型インフルエンザは、季節性インフルエンザの流行のピーク並みに流行していますが、溶連菌感染症、感染性胃腸炎、流行性耳下腺炎などの感染症は全国的にも発生は少ないようです。当院でも特に目立ちません。「何か流行ると他の感染症が流行りにくくなる」ような現象もあるのでしょうか?公衆衛生学、感染症学、免疫学的には興味があります。例年より逆に<かぜがこじれて>高次医療機関に紹介する患者様は少なく、外来はむしろ穏やかな印象もあります。
 9日:  新型インフルエンザは注意報レベルで流行が続いています。やはり総じて症状の軽い方が多く、大人の発症者は少ないです。
  真珠腫性中耳炎など。
13日:  新型インフルエンザは全国的に警報レベル、中予では注意報レベルで流行が続いていますが、感染症情報では全国的にも先々週よりは先週の方が流行は下火になっています。今週は雨模様で湿気た気候が続いたせいか当院で見る限り、今週さらに流行は下火のようです。(^.^) 先々週がピークでこのまま流行が終息して欲しいものですが、一頃北海道で猛威を振るったように、愛媛県でも12月の冷え込みとともに再度流行が再燃するかも知れませんので、まだまだ注意は必要なようです。
 最新式の非接触型サーモ体温計を購入しました。以前試用した際の印象ではまだまだ感度が鈍い印象でしたが、今度の機種はなかなかしっかりしています。3秒で瞬時に測定できますので、体温計の特性に注意しながら活用してみます。
19日:  松山市内の新型インフルエンザは引き続き流行しています。どの学校で流行る、というよりは中予全域で学級閉鎖が散発している状況です。しかし発生患者数でみれば流行の峠は2週間前の感じです。当院でも既に200名以上の患者様を診察していますが、ほとんどが小児で、明らかに発症した成人の方は15名で、内訳は50才代が1名、40才代が1名、その他は20,30才代で60才以上の方はひとりもいませんでした。やはり基礎免疫の無い小児が発症者の主体のようです。多くの方はインフルエンザにしては軽症、の印象ですが報道でも耳にしているように肺炎や脳症などの重症化には常に注意しながら診察を進めています。
24日:  新型インフルエンザが小児の間で猛威を振るってます。この連休の救急病院では5時間待ち、6時間待ちだったそうです。愛媛県の感染症情報では報告された全てのインフルエンザが新型(A/H1N1)とのことです。この流行で、新型インフルエンザが発生していない保育園、幼稚園は一握りになったのではないでしょうか? 当院でも週末から今日までてんてこ舞いでした。全国的にもタミフル小児用ドライシロップやリレンザの供給が少なくなっており、このまま流行が続くと全国的にも診療に支障をきたさないか心配です。今シーズンの新型インフルエンザの流行のピークがこの週末であった、となってほしいものです。
26日:  週末よりはインフルエンザで来院される患者様は減りましたが、流行は続いています。全県下で警報レベルの流行となりました。今日は成人女性の方でB型インフルエンザを検出しました。これから従来の季節性のA型インフルエンザやB型インフルエンザも徐々に出てくるものと思われます。これからはA型インフルエンザの二度罹りにも注意する必要がありそうです。
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09年10月  3日:  10月です。病院の植栽の紅葉がこころなしか早いようで、診察室から見える風景は一気に秋色です。ここ数日雨模様だったせいもあり、メニエール病の治りの悪い方が少し目立ちましたが、夏かぜもなくなり外来は落ち着いています。
 新型インフルエンザの研究が進んでいます。今回の新型は豚インフルエンザの変異とのことですが、遺伝子レベルの解析では、ソ連型、香港型、豚インフルエンザ、鳥インフルエンザの遺伝子が混合したタイプとのことで、基礎免疫があり症状が軽い症例が多いことも、小児でウイルス性肺炎が急速に悪化するような重症例が出ることも、少し納得するような知見です。これから感染力が強くなる変異を来たしてくるのか、抗ウイルス剤にどのように抵抗性を持ってくるのか注意して推移を見守りたいと思います。9月には入り全国的には発生が増えたものの、愛媛県ではむしろ少なくなり、愛媛県の発生率は全国でも2番目に少ないとの事で、愛媛県在住者としては少しホッとしています。また抗ウイルス薬の開発では、世界的にも日本の製薬会社は最先端を走っており、こちらの活躍に大いに期待しています。(^.^)
 7日:  今日は地方祭です。休診する医療機関も多いのですが、当院は例年通りに診察を行います。台風接近に伴うあいにくの雨ですが、朝から子供神輿のにぎやかな声が聞こえてきます。
13日:  台風一過の後、秋晴れが続いています。風邪の流行としては、大人も子供も症状の軽い普通感冒(ウイルス性上気道炎)がほとんどですが、新型インフルエンザ、溶連菌咽頭炎、マイコプラズマ感染症が散見されます。台風の前後の低気圧で、メニエール病が再発したり増悪する方も目立っていましたが、今週に入り軽快する方が増えています。
  急性喉頭蓋炎、甲状腺嚢腫、外傷性鼓膜穿孔、外耳道真菌症など。
18日:  来週より新型インフルエンザの予防接種が始まります。まずは私たち医療従事者から接種が始まります。最近、インフルエンザの予防接種を当院で行うかどうかの電話問合が増えています。恐縮ながら、当院では一般の診療を優先させますのでインフルエンザの予防接種の実施医療機関にとしては申請しませんでした。従前通り、季節性インフルエンザの接種も致しません。何卒、ご理解の程お願い申し上げます。ただし、当院で診察された方の病状が、予防接種を見合わせたほうが良いのかどうかの助言は行いますので、気になる方は遠慮なくご相談下さい。
25日:  私がいつも秋を感じる松山市内の平和通りや花園町の銀杏並木が黄金色に染まっています。今年の紅葉はもみじの色付が悪いようで少し残念ですが、街路樹の銀杏はしっかり色づいています。
 週末に当院近隣の小中学校を含めて、松山市内全域で新型インフルエンザによる学級閉鎖が相次ぎました。今週は松山でも初めて新型インフルエンザが流行するかも知れません。大人では総じて症状の軽いことが多いのですが、やはり小児では脳症化や呼吸不全を伴う肺炎化に注意が必要です。急な発熱や倦怠感とともに息苦しくなったり、頭痛が強くなる場合には、ぜひ早めに医療機関にご相談下さい。
27日:  今週に入り中予の小児での新型インフルエンザの感染拡大も懸念されましたが、土日の休みを挟み、週末雨が降りインフルエンザの感染力がやや低下した可能性もあり、北海道のような急激な感染拡大は見られません。少しホッとしました。当院ではこれまでに迅速検査で新型インフルエンザを確認したのは全例高校生以下の小児でしたが、今日始めて成人の感染を確認しました。やはり大人は基礎免疫があるためか、発熱の程度も軽く、2日ほどかけて徐々に熱が高くなるパターンで、軽症の印象でした。
 イネ科花粉、キク科のヨモギ花粉の飛散が少量ながら続いていますが、花粉症症状の強い方はほとんど見かけなくなりました。もうすぐ秋の花粉症シーズンは終わりを迎えます。
  扁桃周囲炎、鼻茸摘出術など。
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09年 9月  3日:  9月になりました。朝は涼しくなり快適です。学童の新学期が始まりました。全国的には新型インフルエンザの集団発生が増えていますが、当院での印象では新学期早々に学童での爆発的な流行とまではいきません。学校では、朝の体温測定やマスク着用を義務付けるところもあり、感染予防の効果が出ているようです。
 秋のイネ科花粉症の症状の強い方が、そろそろ目立ち始めました。9月後半からは、ブタクサやヨモギなどの秋特有のキク科の花粉の飛散も始まります。また9月は、日中残暑が残りながらも朝冷え込み、台風や秋雨前線で急に気圧が変化する時もあるために気道過敏症が目立つ時期にもなります。そのため鼻炎の原因が多岐に渡る季節となります。
  頚部腫瘤、反復性耳下腺炎、流行性耳下腺炎、丹毒、好酸球性中耳炎など。

 いよいよこの秋、11月からNHKスペシャルドラマ「坂の上の雲」が始まります。日露戦争の時代を駆け抜けた松山出身の秋山好古、秋山真之、正岡子規を主人公とした司馬遼太郎作品の初めての映像化です。NHKのメイキング番組を見ましたが、モンゴルやロンドンへの海外ロケあり、気合の入ったコンピュータグラフィックありと、なかなかの力作のようです。またポスターのキャッチコピーが泣かせます。「この壮大な物語は、伊予・松山から始まる。」です。ともすれば戦国時代や幕末維新の日本史では出番の少ない松山ですが、ここで日本の歴史に伊予ありと存在感を示したいものです。(^.^) 松山では「坂の上の雲ミュージアム」が既に開館するなど、ドラマのご当地として放映に期待を寄せています。高速道路1000円から無料化への流れも含めて、この晩秋から松山への観光客が激増してほしいものです。
    羽織り着る 秋の夕の くさめ哉   子規 
 5日:  当院では新型インフルエンザの方は増えていません。初秋の気候がどの程度関わっているか定かではありませんが、突発性難聴がやや目立ちます。
14日:  ここ1週間ほど、朝の冷え込みが目立ち、低気圧もやってきました。内リンパ水腫の増悪する方や気道過敏症が強くなる方がやや目立ちます。
 新型インフルエンザの広がりに対して、松山市の小学校では登校前に37℃以上の微熱があると登校を控えて、まず医療機関の診察を受けるようにとの指導を行っています。また学童の間ではマスク着用やうがい、手洗いの習慣が身についているようです。これらの対策の効果もあり、私が当初予想したような新型インフルエンザの急な感染拡大は見られません。爆発的に流行が広がると、地域の救急医療体制がパンクして重傷者に適切な医療が施せなくなる心配もありあすので、感染拡大はもはや防げなくとも、じわじわと感染が広がる程度はよしとしなければならないでしょう。愛媛県下の報告でも当院の印象でも、総じて新型インフルエンザの方は症状が軽く、むしろ季節性のA香港型の方が症状が強いくらいです。ただし、やはり新型では当初症状が軽くとも、その後なんらかの免疫系の異常により、脳症やウイルス性肺炎で重症化するケースも報告されていますので、甘く見すぎてはいけないと思われます。
  外傷性鼓膜穿孔、扁桃周囲炎、顎下腺唾石、咽頭粘膜下血腫など。
18日:  小児用の経口抗菌剤の新薬が3年半振りに発売になりました。これまで小児向けでは注射用しかなかったカルバペネム系と呼ばれる新しい系統の抗生物質です。新しい系統の新薬ですので、難治性中耳炎の起炎菌となっている耐性菌への効果が期待できます。小児中耳炎で薬剤耐性菌が原因となり反復したり難治化したりしているお子様へのアプローチがまたひとつ増えました。
24日:  シルバーウィークも終わりました。新型インフルエンザの発生数は、全国的には8月よりも9月の方がやや増えているようですが、愛媛県では減少傾向にあります。当院でもここ1週間ほどは新たな患者様は見かけません。世界的にもここまで広がればもはや流行の終息は難しいのでしょうが、万一大流行になれば地域の救急医療がパンクして重症者に適切な医療を提供できないことにもなりかねませんので、少しずつ流行するのがむしろ良いのかも知れません。
26日:  メニエール病(内リンパ水腫)が増悪しめまい発作を来たす方が目立っています。当院では、例年夏バテの体調で朝の冷え込みが目立ってくる8月下旬に多いのですが、昨年は8月上旬に、今年は9月下旬に多い印象です。今年の9月は今のところ台風の襲来もなく低気圧な気候ではないのですが、夏の名残の自律神経失調が今の時期に多いのがなぜか?興味深いです。
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09年 8月  3日:  松山地方もようやく梅雨明けです。史上2番目の遅い梅雨明けでした。乳幼児の手足口病がやや目立ちますが、8月に入り、夏かぜは少なくなってきました。暑さも本格的となり、水分補給の不調や冷房による体温調節の不調、夜間の暑さによる睡眠の不調などで自律神経失調を来たす方が徐々に増えています。メニエール病が増悪する方、自律神経失調が主因と思われるめまい症を誘発する方が目立ってきました。
 今年も松山耳鼻咽喉科会では鼻の日(8月7日)にちなんで、インターネット医療相談を行います。鼻の病気以外でも耳鼻咽喉科全般の質問を受け付けます。残念ながら愛媛県中予地方在住の方に限定されますが、中予地方の方で耳鼻咽喉科専門医に質問したい方はでひご活用下さい。  松山耳鼻咽喉科会ホームページへ
 8日:  今年は遅い梅雨明けのところに、早くも台風による豪雨の襲来です。風邪の流行も例年と違い、診察する立場でも調子が狂います。例年今の時期には夏かぜの流行も無くなり当院外来も閑散としてくるのですが、今年は乳幼児を中心に、急に高い熱が出ることから発症する夏かぜによるウイルス性上気道炎がまだまだ残っています。
11日:  今年はペルー沖で海水温が上昇するエルニーニョ現象が6年振りに発生したとの報道がありました。夏の、梅雨が長く、台風が早い時期から日本近辺に襲来する気候の主な原因と考えられています。今年は6月の空梅雨の時期から、例年と違う夏の診察風景に戸惑っていましたが、原因の一端が解り、少し安心しました。
 先週から愛媛県内でも、中高生の新型インフルエンザの集団発生が報告されました。感染源が不明な県内だけでの集団発生の報告は初めてです。全国的にも夏休みにも関わらず、新型インフルエンザの発生は確実に増えてきているようですので、やはり今年の初冬からは若者を中心にインフルエンザの流行が目立ってくるかもしれません。幸い当院では、新型インフルエンザが疑がわれるような迅速診断でA型インフルエンザを検出する例はまだありませんが、早ければ学童が二学期に入る9月からは注意する必要がありそうです。
 明日より4日間、例年通りお盆休みを頂きます。私も含めてスタッフ一同、英気を養いたいと思っております。ここ1週間ほど、診察中にはお伝えすることもあったのですが、「学童が夏休みに入ると子供の風邪が流行らなくなり、お盆休みには大人も休暇入りしてますます風邪が流行らなくなります」ので、例年、お盆は風邪をこじらせる方は少なくなります。まだまだ暑いですので、熱中症やクーラー病による自律神経失調、外耳炎などの汗により誘発されやすい病気、水の事故にはくれぐれもご注意下さい。また当院かかりつけの方で、急な容態の変化で不安を感じる方は、前もってお伝えしています当院の時間外の連絡先へ、遠慮なくご連絡下さい。
17日:  お盆休みも終わり、当院も普段どおりの診察風景に戻りました。
 例年、秋の花粉症シーズンは8月末からですが、今日の診察では雑草花粉症を発症する方が目に付きました。8月上旬の稲(お米の花)の花粉症とは異なり、イネ科を中心とする雑草花粉症と思われました。明らかに例年よりシーズンの始まりがはやく、今年の8月が湿気た気候の時期が多いことが原因なのでしょうか? また、今年の夏は例年以上に夏カビの繁殖する住宅も多そうですので、ハウスダスト・アレルギーの方の中には、例年より不快な夏を過ごす方もおられると思います。お盆を過ぎて、朝方はややひんやりしてきました。初秋の乾燥した気候が待ちどおしいです。
20日:  新型インフルエンザが全国的に本格的に流行してきたようです。今週に入り、愛媛県内全域から10代の集団発生が毎日のように報告されるようになってきました。やはり新学期の9月には感染の拡大に注意する必要がありそうです。8月中旬まで続いていた小児の手足口病の流行は下火になってきたようです。
 今年の夏休みは、汗をかく猛暑の日が少なかったせいか鼻前庭湿疹や外耳炎から伝染性膿痂疹(とびひ)を誘発する小児は例年より少ない印象です。しかし一方で、湿潤な夏休みが続きダニやカビが繁殖する環境に家庭内が陥りやすいせいか、アレルギー性鼻炎をベースに鼻前庭湿疹が悪化して反復性の鼻出血をみる小児が多い印象です。
23日:  今日、当院でも新型インフルエンザを確認しました。幼児の方でした。保健所のようにPCR検査やウイルス分離での確認ではありませんが、状況や臨床所見から確定としました。ひょっとするとここ数日の夏かぜ様で高熱の方の中には新型インフルエンザの症例も紛れていたかもしれません。新型インフルエンザに対する対応の指針の改定により6月19日からは従来の発熱外来や相談センターを通しての診察ではなく、当院のような一般診療所でも診察することになっていますので、引き続き対応していく予定です。ただし、他の患者様への感染予防には務めますので、新型インフルエンザを疑われる方は一般の外来患者様とは別の場所で待機していただき優先的に診察する予定です。急な高熱とともに倦怠感や咳を認めるなどの新型インフルエンザが疑われる方は、前もってお電話にて相談頂きますよう宜しくお願い致します。
 新型インフルエンザは、2月下旬にメキシコで”何かおかしい?”と感じて6ヶ月、4月14日に米国で豚インフルエンザによる感染を確認してからわずか4ヶ月余りで当院まで波及したわけで、改めて世界の小ささやインフルエンザの感染力の強さを実感しました。 当院ホームページのインフルエンザのページを更新しました。ご参照下さい。  インフルエンザのページへ
 8月下旬は夏バテで免疫力の落ちる季節です。突発性難聴や自律神経失調にともなうめまい症が目立ちました。
30日:  新型インフルエンザの集団発生が、松山市内の乳幼児を中心に増えています。当院でも二日に一人の割合で検出するようになりました。当院では、全員就学前児童でした。総じて症状は軽く、むしろ季節性のA香港型よりも軽い印象もあります。やはり新型がH1N1亜型で、スペイン風邪やAソ連型と似たタイプの為に、小児でも基礎免疫を持つため症状が軽いのでしょうか?今後の疫学やウイルス学的な検討を待ちたいと思います。
 手足口病を代表とする夏かぜは一段と少なくなりました。ここ数日、朝は涼しくなってきたこともあり、気道過敏症により鼻水や咳が出る方が増えてきました。秋のイネ科花粉症も少しずつ目立ち始めています。
 今日は衆議院総選挙の投票日です。昨日までにぎやかだった立候補者の連呼の声も聞こえなくなりました。昨日のテレビで「選挙を馬鹿にする市民は、政治家からも馬鹿にされる」と言っていました。言いえて妙だと思いました。判断がつかなければ白票を投じるという投票行動もあります。私もこれから選挙権を持つ有難みを感じながら、小さな小さな1票を投じてきます。
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 お盆期間中の夏祭りの一環で、8月14〜16日に「松山城 光の城」とのテーマで松山城が普段と違って赤くライトアップされました。松山城は日本で12しか残っていない、江戸時代以前に建造された天守を有する城郭の一つで、「日本100名城」、「美しい日本の歴史的風土100選」、「日本さくら名所100選」、「日本の歴史公園100選」の指定を受けているとのことです。私も今回調べてみて少々驚いたのですが、いやいろんな100選があるものです。
           
 私は昔から歴史的建造物が好きなこともあり、松山市民の中でも、松山城を訪れることは多いと思っているのですが、今回、初めて櫓(やぐら)の中に入れました。約400年前に建造され焼失を免れ残っている重要文化財の筒井門続櫓、隠門続櫓・野原櫓・乾櫓の全てに入れました。中ではボランティアの方でしょうか?櫓内の説明を熱心にして頂きました。また薄暗く照明した筒井門続櫓の中では「伊予弁の昔語り」が行われ、私も生の”〜なもし”を初めて聞きました。最近は小説坊ちゃんで有名な伊予弁が全く聞かれずがっかりする観光客もいると耳にしたこともあるのですが、演者のご婦人の方によると、昭和30年代頃までならよく話されていたとのことです。
 写真は筒井門続櫓の中から見た松山市東南方向の夜景です。ロープウェイ山頂駅より本丸に登る際に初めにくぐるのが戸無門です。そこを上がってすぐの筒井門前の広場は初めて視界が広がる場所ですので、松山城の中でも私の最も好きな場所です。これまで見慣れていた景色ですが、筒井門の櫓から見渡すと、さらに絶景でした。
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09年 7月  4日:  まとまった雨が降り、松山の水不足も一旦解消です。小学校のプールも再開されました。昨日は、一瞬、病院横の植栽でセミの鳴き声が聞こえました。夏本番間近です。
 今年の梅雨の前半は空梅雨で、学童の水泳の授業も中止だったこともあり、ハウスダスト・アレルギーの方には快適な梅雨でした。小児の夏風邪もほとんど流行らない珍しい年になりそうです。医療の立場からすると、松山の水不足もあながち不都合なことだけではなかったです。(^.^) 東予地区の高校生で新型インフルエンザの集団発生も見られましたが、幸にも中予地区での集団感染は見られません。ただし、これからの梅雨後半期は、気圧の変化が大きい時や、蒸し暑い時、冷房で体を冷やす時もあり、小児の水遊びの時期にもなります。夏風邪にかかる方、鼻炎を初めとした気道過敏症が強くなる方、外耳炎や鼻せつになる方、鼻血が目立つ方も増えてきます。
  溶連菌咽頭炎、メニエール病、舌根扁桃炎、逆流性食道炎など。
10日:  小児の夏かぜではヘルパンギーナが散見されますが、やはり今年は発生が少ないようです。今年は曜日の巡りの関係から、早くも1週間後には学童が夏休み入りします。長期の休みに入ると風邪の流行はなくなりますので、このまま夏かぜが流行せずに夏休み入りしそうです。(^.^)
  マイコプラズマ感染症、外耳道真菌症など。
    和歌に痩せ 俳句に痩せぬ 夏男    子規
12日:  新型インフルエンザが関西で再度増えています。やはり過去のインフルエンザに免疫のない青少年に多いそうです。幸に松山での発生はほとんど見られませんが、やはり今冬の季節性インフルエンザの流行シーズンにある程度流行するかもしれません。
18日:  今日は学童の夏休み入りです。九州南部では12日に、関東で14日に梅雨明けとの発表が気象庁からありました。松山は昨日今日とぐずついた天気ですが、もうまもなく梅雨明けです。夏のプール教室への参加や旅行で飛行機に乗るので中耳炎の経過が心配な子供さん、お泊り保育を楽しみにしているのに風邪をひいてしまった子供さんなど、夏休みならではの心配事で来院される小児も目立ちました。
 今年の松山は夏かぜの発生が少なかったのですが、ここ10日間ほど保育園や幼稚園などでは施設単位では夏かぜの集団発生がみられているようです。当院でも、手足口病、ヘルパンギーナ、アデノウイルス感染症などの代表的な夏かぜが目に付くようになりました。
21日:  土用の丑の日が終わり、今年もうなぎの骨による咽頭異物の方が数名来院されました。魚の骨の異物の中でもうなぎはごく細く短いことが多く、扁桃組織の中に入ってしまうと分からなくなる事が多いので、私も気合が入ります。幸にも今年は全員の骨を見つけることができて、私もホッとしました。
28日:  九州北部や山口県で集中豪雨です。松山地方の梅雨明けも8月にずれ込みそうです。引き続き夏かぜのウイルス性咽頭炎が目立ちます。学童では流行はありませんが、保育園児を中心に手足口病やヘルパンギーナの集団発生が見られます。
 蒸暑くなってきました。外耳炎や外耳道真菌症、鼻せつなどの夏に多くなる疾患が目立ち始めました。
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09年 6月  3日:  昨日は気温が29℃まで上がり、初夏を思わせる陽気でした。例年今の時期から、どこそこの保育園でヘルパンギーナ、手足口病やプール熱のような夏風邪の集団発生が、、との声が聞こえてくるのですが、今年はまだ本格的な集団発生はないようです。またカモガヤを中心としたイネ科花粉症の最盛期の時期ですが、小児で顔面が腫れ上がる様な強い症状の出る方も見られません。総じてのどかな外来が続いています。
 新型インフルエンザも初期の流行は抑えられたようで、四国地方での発生はありません。病原性も弱く、家族内への二次感染も無い程度とのことで、今のところホッとしています。やはりAソ連型(スペイン風邪)の抗体が部分的にあれば感染しにくいのかなとも感じています。
 9日:  夏かぜの流行はなく穏やかな外来が続いています。松山では今の時期にしては地下水位が史上最低とのことで、このまま渇水が続くならば来週から夜間の7時間断水を行うと発表がありました。何時になく梅雨の恋しい季節になりそうです。
 学校健診の報告書による診察が増えています。やはりアレルギー性鼻炎を指摘される学童が多いです。これからダニ、カビが増えプールも始まりますので、ハウスダストアレルギーの小児は症状が強くなりやすい季節を迎えます。症状が軽ければ必ずしも治療をしなければならないものでもありませんので、どのような状態ならば治療を受けたほうが良いのかなどの生活指導も交えながら診察を進めています。
13日:  9日に西日本が梅雨入りしたとみられる、と気象庁の発表がありました。10日の慈雨で夜間断水は延期となりました。ただし6月は空梅雨との予測もあり、さて松山の水不足はどうなるのでしょうか?
 小児の夏かぜはまだ流行せず、また幸にも愛媛県での新型インフルエンザの発生はなく、学校健診児童への指導が中心の穏やかな外来が続いています。
   六月の 海見ゆるなり 寺の庭  子規
17日:  昨日、中予でも新型インフルエンザが発生しました。地方紙の愛媛新聞が号外を出すほどのインパクトでした。当院も医師会や保健所の指示に従って行動します。状況から新型インフルエンザが疑われる方は、まず保健所の発熱外来にお電話にてお問合せ下さい。
 昨日、5万人目の患者様をお迎えしました。おかげさまで開院以来目立ったトラブルもなく診療を続けることが出来ました。節目を迎えて、ホッとしているのが私の一番の感想です。今後とも当院を宜しくお願い致します。
24日:  ようやく梅雨らしい気候です。松山市の時間断水予定が中止になればよいのですが、、 例年今の時期から7月上旬が夏かぜの流行期時期ですが、小児の夏かぜの集団発生は目立っていません。空梅雨が続いたことと、水不足により学童の水泳の授業が中止になっていることが微妙に影響しているようです。また空梅雨により高温多湿下で繁殖する家ダニも繁殖が弱いのか、例年の梅雨時よりはハウスダスト・アレルギーの反応が強い方は少ないようです。当院は引き続き穏やかな外来が続いています。(^.^)
 厚労省が新型インフルエンザへの基本的対処方針の運用指針を改定しました。現時点では病原性が弱いこともあり、季節性インフルエンザ同様、一般の診療所でも診察して、症状が軽ければ自宅療養の上、抗ウイルス剤の投与も必ずしも必要ではない、という方向性です。サーベイランスではこれまでの全数把握から集団発生探知の重点が置かれ、感染の疑いのある患者全員に対して行っていたPCR検査はやめて、対象は集団内の一部の患者などに限定するとのことです。ひょっとしたらこの冬からは季節性インフルエンザと新型インフルエンザの区別を厳密に行わずに診療を行うようになるかも知れません。来シーズン、抗ウイルス剤耐性の季節性インフルエンザが流行らないことと新型インフルエンザが強毒化しないことを祈ります。
 お子様が来院されている方にはおなじみかも知れませんが、当院の吸入スペースに掲示してあるアンパンマン列車のポスターに今年の最新版も加えました。「あっ、アンパンマン」と吸入を嫌がるお子様がこのポスターに気をとられて吸入する、という子供に大人気のポスターです。JR四国の関係者の患者さまから頂いたのですが、これだけJR四国の宣伝?をしている病院も少ないでしょう。(^.^)
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09年 5月  1日:  風薫る5月になりました。風邪に罹る方も減り、中耳炎の経過が良好な小児も増えて、当院外来ものどかです。
 新型インフルエンザが世界的に広がっています。ここ数日で、豚インフルエンザからの新型インフルエンザの発生、WHOの感染フェーズの格上げと、あれよあれよの展開で私もびっくりしています。まさか豚インフルエンザから新型インフルエンザが発生するとは思いもよりませんでした。報告によると今の新型インフルエンザは季節性インフルエンザ並みの病原性とのことでやや安心していますが、高病原性化してパンデミック化しないか心配です。今年のインフルエンザシーズンには、インフルエンザに罹りながらも症状の軽い患者様には、過去に罹った後の抗体の影響や予防接種の効果を説明することが多かったのですが、そのような方にも「新型インフルエンザに罹ったら、こんなに軽くは済みませんよ」とお話していました。こんなに早く新型インフルエンザが発生するとは思いもよりませんでした。
 7日:  ゴールデンウィークも終わりました。連休が終わると、風邪の流行は夏の気配です。今日の診察では、のどの反応が主体の「夏かぜ」の方が増えています。
11日:  ヒノキ花粉の飛散がわずかながら続いているようですが、もう臨床症状を引き起こすような飛散量ではないようです。今日は、ここ数日で急に花粉症症状の強くなった方の来院が目立ちました。おそらくイネ科花粉のカモガヤによるものと思われます。これから本格的な雑草花粉の飛散シーズン入りです。
12日:  ここ3日ほど快晴で、初夏を思わせる汗ばむ陽気です。今年初めて、当院で小児のヘルパンギーナが見られました。典型的な口内炎の集簇は見られませんでしたが、やはり少しずつ夏かぜが増えそうです。
 連休とともに、ますますインフルエンザの発生は少なくなっていますが、B型の学童が見られました。一方、新型インフルエンザの国内での発生も確認されました。徐々に地方の行政も対応策が整ってきたようです。地域の医療機関にも医師会を通じて、対応策の指導が始まりました。今後、万が一、松山でも発生が確認されれば当院でも保健所との連絡を密にしていきます。
17日:  爽やかな陽気です。今日は午前診から患者様が途切れがちで、今年一番のどかな外来でした。新型インフルエンザが神戸大阪で広がり、医師会から、松山の医療機関の対応法に関する情報が続けて入ってきました。ひょっとすれば松山でもここ数週間の内に新型インフルエンザが広がってくるかもしれません。行政の指導に従い、しっかり対応したいと考えています。
 ヒノキ花粉の飛散終了が、このままいけば5月10日になりそうです。
21日:  関東にも新型インフルエンザが広がっています。病院横のエンゼル調剤薬局さんには、マスクの問い合わせがひっきりなしに来るそうです。当院でも、診療用のマスクだけでなく、消毒液やうがい薬の流通も気にしなくてはいけなくなってきました。発熱患者様にどう対応するか、松山の医療機関の間でも、徐々に診療体制への混乱が出つつあります。
 一般の風邪は総じて流行らず、中耳炎も含めて症状の軽い方がほとんどです。病院の診察自体はのどかなのですが、、、 
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09年 4月  1日:  いよいよ新年度入りです。今年は大きな医療保険の改定もなく、レセプトコンピューターのトラブルもわずかでホッとしました。松山市では就学前児童の医療費が完全無料化になりました。兄弟にいる家庭では通院がちょっとお徳になりました。
 花冷えのなか少しずつ桜が咲いてほぼ満開です。今年は桜がじっくり楽しめますね。「桜が散るとともに」スギ花粉の飛散もほぼ終了です。代わってヒノキの飛散が増えていますが、私が予想していたよりは少な目の”大量飛散”です。インフルエンザの流行もほぼ終息ですが、それでもチラホラB型が発生しています。
 3日:  ヒノキ花粉が4月1日に過去最高に近いレベルで飛散しました。スギがこれだけ飛散しましたので、ヒノキもやはり、という感じです。昨日今日と急にスギ花粉症の症状の強くなった方はヒノキにも反応している可能性が高いです。
10日:  学童の春休みも終わり、当院も平常のパターンに戻りました。新学期とともに、わずかながらB型インフルエンザがまだ発生しています。幼児の手足口病が見られました。まだ県内は流行はありませんが、本来、夏かぜで6月頃から増えてくる病気です。一足早く、夏の気配のようでした。
 3月末よりヒノキ花粉の大量飛散が続いています。スギ花粉症の方で、花粉症症状のぶり返して再診された方が目立ちました。
12日:  新学期入りと共に、フレッシュマンを歓迎するかのようなさわやかな天気が続いています。病院前庭のハナミズキが満開、ツツジが開花しました。どちらも例年より早いです。冬の風邪の流行ともようやくお別れの雰囲気です。今日の日曜診療では、急に発熱した方はほとんどおられませんでした。昨日までは、一日に1〜2名インフルエンザの方も見られたのですが、今日は見られませんでした。ここ数日、扁桃周囲膿瘍の方が目立っています。扁桃周囲炎は、比較的軽い風邪の後で免疫力が落ちて発病しやすい病気ですので、逆に新年度のストレスが関係しているかも知れません。
 ここ数日は、朝に車のフロントガラスがうっすらと黄色くなっており、ヒノキの飛散が伺えます。私にとって目に見える形で、これだけヒノキ花粉の飛散を実感するシーズンは初めてです。ヒノキの大量飛散は続いており、既に平年平均の2倍半飛散しました。スギ花粉に引き続き、ヒノキ花粉も過去最高に近く飛散するかもしれません。例年、スギ花粉の飛散が終息する前から、じわじわとヒノキの飛散が始まりますので、何時からヒノキ花粉症と実感するのではなく”スギ花粉症の症状が長引く”と感じるパターンが多いのですが、今年は、スギ花粉の飛散がほぼ終了した後で、ヒノキの大量飛散が始まりましたので、ヒノキ花粉症も持つ方にとっては、”花粉症シーズンがはっきり2回繰り返す”ような感覚になった方が多いようです。
18日:  今年の4月は全国的に暑いそうです。当院でも、昨日の午後はおもわず冷房を入れました。今週に入りインフルエンザはパッタリ見かけなくなりました。夏かぜの流行もまだですので、総じて風邪にかかる方も少ないですし、風邪をこじらせる方も少ないです。冬の間に耳が弱く、反復性中耳炎や滲出性中耳炎が遷延化した子供さんも治るケースが多いです。しかし、今の時期になっても治らない小児には、逆に鼓膜切開を積極的に行うこともあります。
24日:  スギ花粉は4月13日に飛散終了日を迎えました。ヒノキ花粉も飛散量は少なくなっています。 診察室から見える病院の植栽も新緑があざやかになってきました。もうすぐ、1年で最も気候がよく風邪の流行らないゴールデンウィークです。(^.^)
28日:  のどの痛みが主体の咽頭炎がやや増えてきています。夏かぜのウイルスはのどの反応が主体となることが多いです。症状の強い夏かぜの方はまだ見当たりませんが、徐々に夏かぜのウイルスが増えつつある印象です。今年の4月は、例年同時期に比べて小児の感染性胃腸炎が多いようです。当院でも嘔吐下痢症に平行して上気道症状の出たために小児科と同時に受診する小児や、嘔吐下痢症に続発して上気道炎を来たして来院された小児がやや目立ちます。
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 いつもそうですが、ネットの進化には驚かされます。特に、YouTubeの充実ぶりには目を見張ります。聞きたい音楽やコンサート映像がたちどころに出てきます。画質や音質など細かいことを気にしない私には十分過ぎます。思わず音楽業界は大丈夫?と心配になります。Amazonや価格comのお勧めにもびっくりです。本人よりも個人情報に詳しいような感じですね。そこでなにげに検索していたら当院の口コミ情報がありました。「口コミ病院検索サイト QLife」です。中には私の体調まで気遣って頂いたありがたい口コミもありました。トップページからキーワード検索で「山口耳鼻咽喉科クリニック」でご覧頂けます。ここは”炎上”とは無縁そうで、評価される立場としてはホッとできるサイトでした。今月は松山の天気予報のブログパーツをこのページに貼り付けました。風邪の流行も、花粉の飛散も、自律神経の変調により増悪する病気も、天候で大きく変化しますので、私にとっては天気予報は最重要な情報です。このページを訪れた方々の参考になれば幸です。もうひとつ、遊び心で、オセロとブロック崩しのゲームを貼り付けておきます。これらは、インベーダーゲームの時代からゲームの流行に乗り遅れ続けている私にも遊べる、数少ないゲームです。^_^;
   口コミ病院検索サイト QLife へ 
     
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09年 3月  1日:  昨日までの雨模様の後に、今日は朝から暖かく快晴です。車のフロントガラスはスギ花粉で薄黄色くなっていました。花粉飛散の条件が揃っています。2週前の大量飛散よりも案外ここ2〜3日が最大飛散になるかもしれません。ご注意下さい。
 4日:  やはり土日と花粉が大量飛散したようです。現時点で昨年の2.5倍、平年平均の2倍弱飛散していますので、このまま今しばらく大量飛散が続けば、ここ22年間でも平成7年の超大量飛散は別格として歴代2〜4位ぐらいの飛散量になるかもしれません。
 花粉症で上気道や顔面の皮膚が腫脹して微熱の出た方、3才児で花粉症を発症した幼児など、皆さん反応の強い方が多かったようです。月火と雨で一服していますが、午後の診察が連日午後9時を回り、受診される方には大変ご迷惑をおかけしました。ただ私も正直なところ少々バテ気味です。
 花粉症治療と言っても、個々の患者様で求めるものは実に多様です。とにかく早く症状を除きたい方、鼻のスプレーなどの外用薬は希望しない方、逆に外用剤中心で治療したい方、漢方治療を望む方、出来るだけ薬剤に頼りたくない方、妊婦さん・授乳婦さん・糖尿病・高血圧・緑内障・前立腺肥大などで服薬の制限される方、受験生や精神疾患で催眠作用を出したくない方、出張や結婚式で症状を抑えたい方、などなど、さてどれだけ皆様の要望にお答えできたか、、、とにかくがんばります! レーザー治療を希望される方も時におられるのですが、さすがに急性症状の出た段階では見合わせています。「急性に粘膜が反応した状態に、うっすら10日間粘膜をやけどさせる」とご説明して、今回は今の症状を薬剤などで軽減する治療を行い、来シーズン以降に症状の強くなる前の受診をお勧めしています。
 インフルエンザの流行は徐々に下火ですがB型を中心とした集団発生はまだ見られています。
10日:  スギ花粉は“春一番”とともに2月12日より4日連続して2年振りの大量飛散が見られましたが、その後1回/週のペースで大量飛散が続き、過去22年間では、なんと95年に次ぐ歴代2番目の大量飛散のシーズンとなっています。スギ花粉の飛散は桜とともに終わるとも言われています。今年の松山の桜の開花予想は、暖冬の影響もあり例年より9日早い3月19日とのことです。もう1週間ほどで桜の開花です。スギの飛散は一気に減ると思われます。(^.^)
13日:  やはり今年は花粉の飛散が早いようです。ヒノキ花粉の初観測日が3月7日になりました。スギ花粉も今週後半に今シーズン4回目の大量飛散がありました。今週に入り初めてスギ花粉症を発症した方も目立ちました。
 B型を中心としたインフルエンザの流行は徐々に下火ですが、A型が検出される例もまれに見られます。
18日:  17日に松山の桜が開花しました。観測史上最も早い開花とのことで全国ニュースでも取り上げられていました。例年、スギ花粉の飛散は「桜が咲いたらほぼ終わり」とお伝えしていましたが、スギの飛散は大量ではなくなったもののまだまだ飛散しており、今年は「桜が散ったらほぼ終わり」になりそうです。ヒノキ花粉も17日に飛散開始日を迎えました。ヒノキも過去には大量飛散したことがあります。ひょっとしたら今年はヒノキ花粉も大量飛散するかもしれません。長年スギ花粉症の方の中には「桜が散ったのに、花粉症症状が少し強くなったら、ヒノキ花粉症もデビュー」ということもあるかも知れません。
 年度末を迎えて転勤される方もおられます。中には関東地方に転居される花粉症の方もおられます。関東地方の花粉飛散のピークは松山より約2週間遅くなりますので、現在がスギ花粉症のピークです。関東地方に転勤される方には、スギ花粉の予防をもうひとがんばりして下さいと、お伝えしています。 
21日:  インフルエンザの発生は確実に少なくなっています。愛媛県内の学級閉鎖も少なくなりました。学童や幼稚園児が春休みに入って集団生活がお休みになれば、インフルエンザの流行も一気に終息します。それなりにインフルエンザの流行ったシーズンでしたが、シーズン終了ももう間近です。(^.^)
24日:  WBCサムライジャパン、優勝おめでとう! いやー最近の日本を覆うもやもやを吹き飛ばしてくれました。おかげで当院も午後の診察の患者様が少なかったです。(^.^) サッカーの日本代表もぜひこれに続いて欲しいものです。
 スギ花粉は先週末にまとまった飛散がありました。さすがにこれから終息期になるものと思われます。代わってヒノキで前年のピークを超える飛散が始まりました。スギに引き続きヒノキ花粉が大量飛散しそうです。
28日:  学童が春休み入りです。当院も休み期間モードです。午前中がやや混み合い、午後はやや閑散としてきます。心因性難聴や滲出性中耳炎、鼓膜チューブ留置の長期フォローなどで久しぶりに外来を訪れるお子様がちょっぴり目立ちます。
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 20日に西瀬戸自動車道(しまなみ街道)で全国に先駆けて、上限1000円のETC割引が始まりました。初日に早速、尾道までドライブに行きました。普段は松山市内でしか自動車は利用しないために、ETCとは縁が無かったのですが、今回の政策を見越して、車検時にETCを装着していました。料金所でポールが上がって、音声案内が流れた時には、素直に感動しました。^_^; 麻生政権では様々な景気浮揚策を取っていますが、ETC割引のこの制度が一番解りやすく、対費用効果も高そうです。愛媛広島県境にある多々羅大橋を望むサービスエリアで記念写真を撮っていたところ、中国新聞のカメラマンからETC割引のニュースのための写真を撮らせて下さいとの申し出がありました。私が記念写真を撮っている姿を、カメラマンが撮るという不思議な構図でした。残念ながら、その写真は紙面では採用されませんでしたが、私にとってはニュースなエピソードでした。 
 <写真> 左上:千光寺公園下から尾道大橋を望みます。尾道は海に山が迫るノスタルジックな町です。横浜、神戸、長崎とともに、町並みから海を臨む光景は心なごみます。 右上:夕景の来島海峡大橋です。瀬戸大橋や明石海峡大橋の雄大さも良いですが、来島海峡大橋の橋桁は鉄骨がむき出したトラス式ではなくフラットになっていますので、なかなかに優雅です。 下:中央支間長890mで世界最長の斜張橋の多々羅大橋です。その姿は、飛び立とうとする鳥の姿にたとえられています。
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09年 2月  1日:  今日から3日間、例年よりやや早く椿祭りが開催されます。椿祭りは最も寒い時期に行われますので、椿祭りの時期はインフルエンザの流行期にあたります。また、スギ花粉の飛散も”梅に始まり、桜に終わる”のですが、松山では”椿さんで始まる”とも言えます。1月が思いのほか寒かったせいもあり、スギ花粉は正月三が日以降ほとんど飛散しませんでした。全国的に飛散開始時期は10日前後早まるとも予想されていましたが、予想に反して松山の飛散開始日は2月に持ち越しました。このまま冷え込みが続けば、飛散開始日は過去平均の2月10日前後でしょうか? 今日は、レーザー治療を希望される方が目立ちました。さしずめ飛散前の準備の最後の追込みといった状況の外来でした。
 5日:  松山のスギ花粉の飛散開始日は2月3日になりました。文字通り”椿さんで始まる”となりました。
 寒波が一服しているせいか、インフルエンザの流行は広がりを見せていません。(^.^) 愛媛県下全体ではA型インフルエンザが主流ですが、当院での検出率でみるとA型:B型=6:4と、当院近隣ではB型も目立っています。家族内でA型とB型が同時に発生するような例もみられました。また当院の例ではありませんがA型とB型の同時感染が疑われる例もあったとのことです。このまま流行が続くと、インフルエンザの二度罹り、時には三度罹りもあるかもしれません。タミフル耐性のAソ連型でもタミフルの服用で案外発熱期間が短い例もあり、現在流行のAソ連型はA香港型に比べて病原性が弱いのではないかとの報告もあるそうです。先週のリレンザを処方された高校生の異常行動による転落死の報告を受けて厚労省は「リレンザ服用時の小児もタミフル服用の小児同様、発症後2日間は保護者が観察するように」との指導を出しました。インフルエンザか否か、A型かB型か、A型がタミフル耐性のソ連型か否か、予防接種を受けていてA型が軽症で済むのか、B型で予防接種の効果があまり期待できないのか、感染初期や回復期でインフルエンザ迅速検査で検出できないのか、1才以上4才以下でタミフルを服用するか、5才以上9才以下でタミフルを用いるかリレンザを用いるか、10才台でリレンザを服用するべきか、症状が軽いので抗ウイルス剤なしで経過をみるか、などなど今年のインフルエンザの治療の現場はパズルを解くような感じになっています。
 7日:  今日は今週からスギ花粉を感じる方が多数来院されました。3日が飛散開始日でここ2日間やや飛散が目立ったものの、まだまだスギ花粉の飛散はわずかです。「今から花粉症を発症するようだと先が思いやられますね、、マスク着用などでしっかり防御して下さい」というのが、今日の診察の決まり文句?でした。
14日:  昨日は””春一番”で午後から急に温かくなり風が強くなりました。スギ花粉が2年振りに大量飛散しました。急に強い反応の出た方も目立ちました。
16日:  スギ花粉の大量飛散は12,13日の春一番に連動したものだと思っていたのですが、その後の週末も飛散が続き、4日連続の大量飛散になりました。そのため来院する患者様が増えて、日曜日は待ち時間が最長6時間と、とんでもないことになってしまいました。受診された方には、貴重な休日にご迷惑をおかけしました。花粉症の診察では、その人の体質や生活環境を鑑みて出来る限りオーダーメードの最適な処方を心がけているのですが、時間が押していることを言い訳にして少々自信がないのが偽ざる心境です。ここしばらく花粉症で来院される方が多いと思われますが、自分なりに最善を心がけてみます。
 インフルエンザの発生は少なくなっていますが、それでも家族内感染や小児の集団発生は続いています。
  睡眠時無呼吸症候群、舌腫瘍、鼻腔腫瘍、突発性難聴、心因性咳嗽など。
23日:  インフルエンザの流行はやや下火ですが、先週末に当院近隣の中学校でB型を主体とした学級閉鎖があり、松山市西部を中心にB型の二度目の流行が見られています。
 スギ花粉は1週間前の大量飛散で、既に昨年の総飛散量を超えました。ただしその後、雨模様の天候が続いたこともあり花粉の飛散は小康状態となっています。
 今日の診察の一こまです。0才の時のデータも参考にしながら説明していると、中学卒業を前にした体格のいい少年が目を白黒させていました。私も年をとったものです。^_^;
27日:  雨模様の中、花粉の大量飛散がありました。ただし雨と共に落ちる花粉も観測されていますので、空気中も舞って飛散の量が多かったのは、やはり先週だと思われます。ただし、やはり花粉の飛散が続いていますのでのどの掻痒感や顔面の痒みなど花粉症の後半期に出やすい症状を併発する方が目立ってきています。
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09年 1月  1日:  あけましておめでとうございます。本年が皆様にとって良き年でありますように。今年も当クリニックを宜しくお願い致します。
   去年の夢 さめて今年のうつゝ哉  子規 (子規記念博物館 今月の俳句より)
 3日:  このページを新年版にするのが私の仕事始めのひとつです。思わず気が引き締まります。明日からは診察が始まります。例年ながらも、やはり年末に病状が不安定だった方の病状が気になっています。年末に当院で診察を受け方々の経過が良好であることを祈りながら、仕事始めを迎えたいと思います。
 愛媛県では昨年12月15日の週より、東中予でインフルエンザの流行が例年より1ヶ月早く始まり、クリスマスの週には松山でも集団かぜの発生が報告されました。当院でも12月28、29日と年末押し迫った時期にインフルエンザの患者さんが今シーズン初めて目立ちました。その後の年末年始の休みで流行は広がらなかったと思われますが、年末の救急病院ではインフルエンザの患者さんで混み合ったと思われます。年始に続いて来週後半にかけて寒波が来ますので、本格的なインフルエンザの流行も年始早々から立ち上がりが早いことも予想されます。
 6日:  お正月明けで集団発生は見られませんが、インフルエンザが徐々に増えているようです。昨年12月にはB型も見られましたが、今年に入り、当院で検出されるのは全てA型です。まだ今年の流行に対して予防接種の効果が良いかどうかの判断は難しいですが、当院での反応を見る限りでは、過去の抗体の十分ない幼児は別として総じて予防接種を受けた方の症状は軽いようです。
 9日:  松山では昨年11月より秋のスギ花粉の飛散が少量ながら持続的に見られていました。そのためもあり、決まりの上では1月に初めてスギ花粉が観測された日を「初観測日」とするのですが、初観測日は1月1日の元旦となりました。年始は寒かったものの天気は良く、スギ花粉症の体質の強い方の中には初詣で鼻や目がムズムズしてかすかに花粉を感じた方もあったと思います。ここ数日、花粉症でレーザー治療を希望される方が目立ちました。今年は松山でもスギ花粉の飛散が昨年の2〜3倍になるとも予想されています。昨年でも症状の強かった方ならば、今のうちにレーザー治療を受けておくのも良いと思われます。
10日:  耳鳴の順応療法であるTRT療法についてのお知らせです。TRT療法の主幹となるサウンドジェネレーター(耳鳴治療器)TCIが、開発販売業者の事業中止に伴い新規の使用が出来なくなり、当院でも平成19年12月より治療の休止を余儀なくされていましたが、この度、事業の再開が決定されました。TCIの調整には補聴器調整の専門家の協力を必要とするのですが、事業休止の背景として、手術に医療機器業者が立ち会うなどの「医療機関への業者立会い規制」の問題がありましたが、「補聴器外来」が公正取引委員会より規制の適応外との見解が出されたとのことで問題が解決されたとのことです。慢性耳鳴は根本的な治療が難しく、当院でも出来るだけ多くの治療の選択枝を持って対応する方針でいます。販売会社や補聴器専門店の方と検討して、当院でも出来るだけ早くTRT療法が再開できるよう検討してみます。
14日:  寒波襲来です。石鎚連山も白く染まりました。引き続きA型インフルエンザがやや目立ち、感染性胃腸炎に伴う急性上気道炎も目立ちました。いよいよ冬の風邪シーズン到来です。やはり風邪をひき易くなり症状がこじれやすくなるのは、自分の体調がすぐれず免疫力が弱ったときです。ストレスや疲れ、睡眠不足に気をつけて、うがい、手洗いを励行して、このシーズンを乗り切って下さい。
 インフルエンザの迅速診断の検査についてですが、他の上気道炎のウイルスと同様、インフルエンザも鼻の奥の粘膜から増殖するために、迅速診断では鼻の奥に綿棒を突っ込んで、粘膜や粘液を採取するのですが、ツーンと結構痛いものです。小児の検査の際には、私はよく「こんな検査が普及したから、冬はみんな病院嫌いになるね」と言いながらも、しっかり検体を採取した方が検出率も上がるため、結構遠慮なく擦っていました。今シーズンからは先がブラシ状になっていて痛みの感じにくい綿棒を用いて検査することが出来るようになりました。これからは、検査の際に嫌がって泣くお子様が少なくなればと思って、新型綿棒におおいに期待しています。
 今日の診察では予想に反して?中耳炎のお子様で経過良好なケースが多かったです。経過良好だと診察のペースも上がり、私も軽快になります。このペースが続いて欲しいものです。
 今週からの寒波のせいかスギ花粉の飛散は一服のようで、飛散開始日はまだまだのようです。
 耳鳴のTRT療法が再開できる運びとなりました。TRT療法も訓練療法の1種で根本治療ではありませんが、耳鳴が気にならなくなる著効例の方も時にはおられます。治療に苦慮することの多い耳鳴治療ですが、選択枝がまた増えたことは喜ばしい限りです。
17日:  当院でもインフルエンザの発生が引き続き目立っています。愛媛県下では年末からAソ連型が分離されており、現在の流行はほとんどがAソ連型だと思われます。先週半ばには砥部町の小学校で集団かぜの報告があり、昨日は当院近隣の小学校でも欠席者の目立つクラスもありましたので、来週辺りからインフルエンザによる学級閉鎖が始まりそうです。WHO世界保健機関の報告では、昨年末までに日本で分離された14検体(山口県内の幼稚園、宮城県内の小学校含む)のAソ連型のうち、13検体からタミフル耐性ウイルスが検出されたとのことです。世界的にも昨年半ばの半年あまりで耐性化が急速に進み、オランダでは死亡例もでているとのことです。また16日の厚労省の報告では、全国11都道府県からの35検体中34検体で耐性化しているとの報告がありました。現在までの私の診察での印象では、予防接種を受けていた方は総じて症状が軽いようですので予防接種の効果は出ているようです。しかし、タミフル耐性かどうかははっきりしませんが、今日の診察でタミフルを服用しながらもウイルス自体によると思われる発熱が長引くお子様が見られました。ひょっとするとタミフル耐性ウイルスかも知れません。今後はタミフル耐性ウイルスの存在も念頭において診察を進めたいと思っております。
 年始からの寒波で、スギ花粉の飛散はほとんど無いようです。ただし、寒波がほぐれた後に、持続的に飛散し始める飛散開始日はやはり例年より早いと思われます。
23日:  今週に入り、県内全域で学級閉鎖が始まりインフルエンザは本格的な流行期に入りました。特に今治地区では警報レベルの流行とのことです。全国的にはA香港型45%、Aソ連型36%、B型19%で、県内ではA型では香港型よりもソ連型がやや多く、B型も散発しています。当院でも、明らかにタミフル耐性と思われる経過をたどる方や、A型に引き続きB型に感染する運の悪い?方も見られました。
 スギ花粉は、寒波が続くこともありほとんど飛散していません。むしろ年末年始の方が飛散していたぐらいです。スギ花粉症でレーザー治療を希望される方がやや増えました。     
27日:  県内の年末の集団かぜから検出された検体の病原はAソ連型インフルエンザだったとのことです。迅速検査では、A型かB型かまでは解ってもAソ連型かA香港型かは解らないのですが、当院でもタミフル耐性と考えられるA型インフルエンザが見られることから、やはりタミフル耐性Aソ連型は流行していると感じます。
 昨年末から愛媛県でも麻疹(はしか)が12年ぶりに目だって見られています。当院でも麻疹患児が見られました。麻疹はインフルエンザ以上に病原性が強く、予防接種未接種児が感染した場合には注意深く経過を見る必要があります。小児科専門医との連携を密にしています。
  扁桃腫瘍、反復性鼻出血、下咽頭熱傷など。
30日:  中予でも当院近隣の松前地区で集団かぜによる学級閉鎖がありましたが、私の予想していたよりは集団かぜの広がりはないようです。(^.^) ただし、今週は県内ほぼ全域がインフルエンザの警報レベルの発生数となりました。また、ここ数日でB型インフルエンザの小児が急に目立ってきました。インフルエンザの流行の立ち上がりは4年ぶりに早いのですが、今年はそれにもまして、今の時期からAソ連型、A香港型、B型の混合した流行を呈しています。インフルエンザの2度罹り注意して下さい。

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