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当院は、耳鼻咽喉科、気管食道科、アレルギー科を専門とし、地域医療に貢献します。

TEL. 089-973-8787

〒790-0045 愛媛県松山市余戸中1丁目2-1

良性発作性頭位めまい症(BPPV)

 頭を急に動かすことにより、10〜20秒程続くめまいが起こります。グルグルする場合、フワフワする場合など程度は様々です。難聴、耳鳴り、頭痛、手足のしびれは伴いませんが、吐き気を伴うことが多いです。めまい全体の中でも最も多く、耳が原因のめまいの約6割を占めています。中高年、特に女性に多い病気です。

原 因:体の位置や動きは、内耳にある「耳石器」と、「三半規管」によってキャッチされています。中のリンパ液の流れを細胞が感じることにより、3つの半規管は主に回転運動を、耳石器は主に重力をキャッチし、前庭神経を経て脳に伝えています。耳石器の中にはカルシウムでできた「耳石」と呼ばれる小さな石のようなものがあり、体を動かすと、この耳石が前後左右に動き、その情報が脳へ伝わります。この病気では、加齢や女性ホルモンなどの影響で、耳石が半規管のリンパ液の中にはがれ落ち、三半規管の神経を刺激することでめまいが起こります。

症 状:頭をある特定の位置に動かしたとき(寝るとき、起きるとき、振り向いたとき、寝返りをうったとき、上を向いた時など)に、激しい回転性めまいが起こります。頭の位置を戻すと軽快しますが、頭をそのままの位置にしていても、回っている時間は数秒から長くて1分以内で、めまいは止まります。頭を動かしてから、めまいが起こるまでに、一瞬、間が空くことが多く、続けて同じ頭位をとっても2回目は回らないことが多いという特徴があります。

検 査:頭の位置を変えてわざとめまいを起こし、その時の目の動きから平衡機能を調べる頭位眼振検査が有用です。

治 療:発症時の症状が強くて繰り返し起こっても、ほとんどが数ヶ月で徐々に治る良性のめまいです。リンパ液中で耳石が溶けて新しい耳石が再生して治っていきます。特に治療をせずに自然に治る人が3割ですが、よくならなかったり再発を繰り返す人も1割います。

(1) 薬物療法:抗めまい剤、制吐剤、循環改善剤、ビタミン剤、精神安定剤 

(2) 安静と平衡訓練:症状が強い間は安静も必要です。ある程度落ち着いてきてからは、逆にめまいがする頭の位置を積極的にとるよう、繰り返し頭を動かす運動を行います。 (平衡訓練の開始時期は診察の際にお伝えします)

(3)耳石置換法:目の動きからどこの半規管の耳石がはがれ落ちているかを調べ、それを元に戻す体操です。* 5〜10分ほどですみますが、直後に一過性のめまいや吐き気が生じる場合があります。これは、耳石が急に元の位置に移動することで刺激を受けるためと考えられています。* 治療の直後は車の運転を控え、治療後2日は少しまくらを高くして寝る様にして下さい。* 首の運動を禁止されている人はこの治療を受けられません。

 (4) 手術:半規管斜断術:耳石が落ちこむ半規管を骨や筋肉でふさぐ手術です。極端な難治例に行います。

治らない場合の注意点:
(1) なぜ難治性になるのかはっきりわかっていませんが、耳石の主成分であるカルシウムの代謝が関係しているのではないかと考えられています。体質的にカルシウムの代謝が悪いと、良質の耳石が作られないために耳石がはがれやすく再発を繰り返しやすいと考えられています。また、はがれた耳石のカルシウムが半規管の中のリンパ液に吸収されにくいことも一因と考えられています。特に更年期以降の女性では、女性ホルモンの不足がカルシウムの代謝に影響を及ぼすので治りにくい人が多いようです。

(2) めまいの起こる頭位を続けている間は頭を戻すまでめまいが続く場合や、着実にめまいが進行する場合は脳腫瘍が原因の中枢性頭位めまい(悪性発作性頭位めまい)の可能性があります。MRI検査や脳神経外科での診察が必要です。

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院 長 山 口 幹 夫

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