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当院は、耳鼻咽喉科、気管食道科、アレルギー科を専門とし、地域医療に貢献します。

TEL. 089-973-8787

〒790-0045 愛媛県松山市余戸中1丁目2-1

今月の疾患情報

1) ’99年9月のホームページ開設以来の「今月の疾患情報」のまとめへのリンクをコンテンツ欄にリンクしています。当院の月別の疾患情報を通して、耳鼻咽喉科外来の1年の様子が伺えると思います。ぜひご覧下さい。ブログ風ですが、ブログサイトが普及する以前からの当ホームページオリジナルの形式です。(^^)/
2) ’02年9月より疾患情報を復活させています。(^。^) 以前のスタイルとはちょっと趣を変えて、ショートコラム風にその時々の当院の診察室風景をお伝えします。時には、松山のチョットした風物も紹介出来ればと思っています。
 
6月  30日   例年より遅かった梅雨入り、さらに梅雨入り後1週間は雨の降りませんでしたが、ようやく本格的な梅雨の気候になりました。松山でも蒸し暑い夜に豪雨です。気道過敏症やメニエール病、片頭痛などの方は、低気圧で症状が誘発されますのでいつも以上に体調管理に留意して下さい。

 新型コロナの方はほぼ毎日来院されています。この5月に2日だけひとりも来院されない日がありましたが、6月も毎日ずっと来院されています。愛媛県では現在JN.1株がメインのようですがXDQ株も検出されていますので、立て続けに発症するケースも見られます。オミクロン株だけで5回発症した方もおられました。全国的にも愛媛県も第11波の到来というほどの感染者数の増加は見られませんが、徐々に増加傾向にあります。新型コロナの収束はいつになるのでしょうか? 6月から新型コロナへの抗ウイルス薬への公的補助がなくなりました。医療保険3割負担の方で、ゾコーバで9千円。ラブゲリオ、おパキロビッドで2万8千円前後の自己負担が必要となりました。感染した方の症状のレベル、基礎疾患の有無、年齢などを考慮しながら抗ウイルス薬を服薬するかどうか、患者様とも相談しながら処方しています。
 1年前にA香港型から発生しはじめたインフルエンザですが、11月からはA2009年型が、今年1月からはB型が発生していました。この冬に3回インフルエンザを発症したお子様もおいでました。ここ2か月半でA型を検出することがなくなり、1ヶ月半前にはB型も見なくなっていたのですが、当院ではここ2週間、またA型を検出するようになりました。新型コロナほどではないですが、こちらもほぼ毎日検出しています。まだ愛媛県の感染症情報センターからは今のA型の遺伝子分析結果は発表されていませんが、急な発熱が目立つことから、私はウイルスに勢いのあるA香港型を疑っています。
 溶連菌も猛威を振るっています。溶連菌も愛媛県では昨年11月以降、過去10年では最も多いペースのまま発生が続いています。ヒト・メタニューモウイルスは見かけなくなりましたが、RSウイルスは多く発生しています。集団保育児からお母さんやお父さん、おばあちゃんがうつされて発症するケースも珍しくありません。手足口病もまだまだ見られています。コクサッキーA10型でしょうか? 全身に皮疹が広がるお子様もみられます。アデノウイルスも見かけますが、こちらは少なくなってきました。また、マイコプラズマ肺炎もまま見かけます。

 血管炎性肉芽腫症や好酸球性血管炎性肉芽腫症の方の来院が続きました。これらは全身性に血管炎が広がる病気で、MPO-ANCAやPR3-ANCAなどの血管を障害する自己抗体を有することが多いです。21世紀に入って病態の解明が進んだ病気で、その研究では日本がリードしていました。気道の入り口である鼻腔から発症することが多く、粘膜のただれ(びらん)が目立ったり鼻中隔穿孔が生じたりします。全身的に広がると、肺炎や腎炎で重症化します。近年、生物学的製剤が有効であるとの報告がなされています。これらの方々は、全身的な検索や自己免疫疾患としての膠原病内科的な治療も求めて、高位の病院に紹介しています。

 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会総会学術講演会が5月に大阪で開催されました。新型コロナが発生してからはオンラインでの参加聴講が可能となりました。やはり学会は最新の知見を効率よく吸収できる有意義な場所ですので、以前は当院を休診にして参加していましたが、オンライン開催が始まって以降は自宅でじっくりと受講することができるようになりました。コロナの発生が下火になって以降は、耳科学会や鼻科学会、平衡神経科学会、音声外科学会などなど各種の分科会や地方部会は対面での開催のみに戻った学会も増えてきましたが、大きな学会はオンライン開催がまだ続いています。対面の学会であれば、質疑応答の討論や機械展示に触れることができ、旧知の方との情報交換もできるメリットがありますが、休診に抵抗感のある私にとっては、オンライン開催がずっと続くことを期待してしまいます。 
     
5月  29日   5月のすがすがしい季節が過ぎようとしています。汗ばむ陽気の日もあり、当院でも冷房が必要になってきました。ここ2日、松山も激しい雨に見舞われました。四国もあと1週間ほどで梅雨入りでしょうか? 今の時期のアレルギー環境の推移は、雨が降り続くとイネ科花粉も飛散は落ち着きますが、代わって、ダニやカビが増えて、低気圧で気圧の変化が大きくなり、冷房で体が冷えますので、ハウスダストアレルギーの方や気道過敏症の強い方で症状が強くなってきます。
 昨年から当院ではカメムシの大量発生に困っています。今年も1週間前より照明に誘われて玄関ドアにカメムシが集まってきています。玄関の風除室にも少し入ってきますので、待合室に入ってこないかヒヤヒヤしています。診察が終わった後、私が風除室内に留まっているカメムシをそろりと追い出しています。(/_;)

 新型コロナがしぶといです。松山でもオミクロン株の変異株がJN.1株からXDQ株に半数近く置き換わっているようです。ゴールデンウィークが明ければ新型コロナの第10波もとりあえず収束するかと思っていましたが、全国的にも2週間前からまた報告数が増えてきています。当院でも連日検出しています。ただし3日前と今日は陽性の方は見られませんでした。新型コロナは血管内皮に感染する変なウイルスですが、感染後の免疫が付きにくいという特徴もあるようです。当院でもオミクロン株だけで4回罹った方もおられました。これから第11波になるのではなく、一度は発生が収束して欲しいのですが、、

 インフルエンザはA型が2か月前に収束し、B型も2週間前にほぼ姿を消したようです。溶連菌とRSウイルスはまだまだ発生が多いです。手足口病、アデノウイルス、ヒト・メタニューモウイルスもまだ散見されます。咳が長引くマイコプラズマ感染症も時に見られます。

 新型コロナウイルスの後遺症に関する講演会に参加してきました。新型コロナウイルスでは「後遺症」と呼ばすに「罹患後症状」と称しています。英語でも long COVID と「長引くコロナ感染症」と称しています。講演の先生のコメントでによると、後遺症と呼ぶと治らないイメージが先行してしまうことから、後遺症と出来るだけ呼ばないようにしているのではないかとのことでした。そうですね。罹患後症状が長引いてアルファ株の当時に感染していまだに症状が3年たっても改善しないケースもあるようですが、多くの人は改善していくようですのでえ罹患後症状という表現は言いえて妙だと思います。罹患後症状の原因の特定と有効な治療法はいまだ確率されていないのが世界的にも現状ですが、原因としては、新型コロナウイルスの持続感染と感染後の免疫異常が大きく関わっているのではないかとのことです。症状で特徴的なのものに運動後倦怠感があるとのことでした。講演会では様々な治療法についても報告されていました。当院でも感染後後遺症に苦しめられている方々の通院が続いています。耳鼻科手技の上咽頭擦過治療お含めて、抗炎症治療や漢方治療など。私も患者様と相談しながら最善を尽くそうと考えています。

  喉頭腫瘍、頚部リンパ節炎、頚部腫瘤、顔面神経麻痺、突発性難聴、多発血管炎性肉芽腫症など。 
     
4月  28日   ゴールデンウィーク入りです。新緑が目に眩しいです。
  つゝじ多き 田舎の寺や 花御堂  子規 

 今回の診療報酬改定はスケジュールが変更され、薬価改定は4月でしたが診療報酬改定は6月になりました。例年なにかしらレセコンの不都合が発生していた当院の新年度入りですが、今年は穏やかな新年度入りとなっています。
 供給の滞っているスギへの舌下免疫薬とメニエール病への中耳加圧治療器ですが、いまだに供給は滞ったままです。舌下免疫の導入や中耳加圧治療を希望される患者様にはいましばらくお待ちください。鎮咳剤や抗菌剤の供給制限は徐々にではありますが改善されてきています。それでも十分な供給にはまだほど遠いです。

 思えば昨年5月に新型コロナの感染症法上の扱いが2類から5類に変更され、6月から皆様も恐る恐るマスクを外し始めたと思います。その影響と新型コロナのへの感染予防でその他の感染症への免疫が落ちていたことから、いままで潜んでいた様々な感染症が6月以降ほほ1年にわたって大流行しました。しかしその流行も4月中旬には漸く落ち着いてきました。
 当院でも新型コロナはまだほぼ毎日検出されてはいますがかなり少なくなりました。愛媛県での新型コロナのゲノム解析ではBA.2系統のJN.1、XBB、XDQ系統が検出されています。4月にはXDQ系統が主流となっています。新型コロナは全身の血管障害を引き起こすやはり特別なウイルスですが、それでも病原性はかなり低くなったと実感します。倦怠感の持続、咳の遷延化、嗅覚味覚障害などの後遺症の続く方はかなり少なくまりました。急性期の少々も軽い方が多くなっています。上気道、特に咽喉頭での粘膜障害が強い印象はありますが、以前のアルファ株やデルタ株のような心臓の障害や呼吸不全をきたすケースは見なくなりました。新型コロナもようやく従来型コロナ並みの”普通の風邪”に近づいてきているようです。
 インフルエンザも当院ではA型は3週間前からは検出していません。B型はまだほぼ毎日検出していますがそれでも少なくなりました。4月下旬は中学生の修学旅行のピークですが、幸いにも今年は、当院からは修学旅行に行けなかった学生さんは出ませんでした。(^^♪
 その他の感染症では、溶連菌咽頭炎がまだまだ過去10年来で最多で推移しています。3月が中心で流行していたヒト・メタニューモウイルスですが4月には少なくなりました。代わってRSウイルスがやや増えています。今年も呼吸不全で当院から紹介入院を余儀なくされた小さなお子さんもおられましたが、皆さん重症化せずに退院できています。私もホッとしています。アデノウイルス、マイコプラズマも散見はされています。
 それでもここ2週間、ようやく種々の感染症は激減してきました。これからゴールデンウィークで子供たちの集団生活は一旦終わり気候もよくなりますので、長かった感染症の流行は終わりそうです。

 ここ1ヶ月、当院では急性喉頭蓋炎の患者様が続きました。のどの腫れが急速に下に広がる喉頭蓋炎、喉頭炎は最悪の場合、窒息につながります。週末の時間外にもかかわらず救急対応して頂いた基幹病院耳鼻科の先生方には感謝しています。心強いです。

 記録的な少量飛散となったスギ花粉は例年より早く3月末に飛散終了しました。ヒノキ花粉も少量飛散のようです。例年より飛散開始が遅く、3月末に、ヒノキ飛散開始→黄砂→直ぐにスギ飛散終了となっています。ヒノキ花粉はそれでも4月10日ごろやや大量飛散しましたが、その後も少量飛散で今日あたりでほぼ飛散終了するものと思われます。10日前に2回目に日本に飛来した黄砂ですが、マスコミの報道ほどには松山では飛来していません。黄砂による気道過敏の増悪を心配されて来院された方もおられましたが、多くは軽い急性上気道炎や温度変化などの気候による過敏症でした。

  頚部膿瘍、外傷性鼓膜穿孔、聴覚情報処理障害、唾石、腺腫様甲状腺腫など。 
     
  27日   年度末も間近です。今年も患者との様々な別れがありました。高校を卒業して県外に出る方も多いです。東京、大阪、京都、神戸、広島、九州へと旅立って行きます。卒業生の皆さんの新たな旅立ちに幸あれ! 転勤で松山を離れる方、家族の転勤で転校するお子様、新たな環境での活躍を期待しています。中耳炎の経過観察や睡眠時無呼吸のCPAP治療の継続のための紹介など続きました。
 
 風邪で熱の出る方はまだまだ多いです。新型コロナの第10波も2月上旬のピークからは徐々に減っていますが、まだまだ見かけます。インフルエンザはA型はほとんど見かけなくなりましたが、B型の流行は続いています。卒業式で広がったケースもまま見られました。乳幼児ではヒト・メタニューモウイルスが目立ちます。溶連菌も学童に目立ち、アデノウイルス、手足口病、RSウイルスも散見されます。水痘のお子様、マイコプラズマの青年も見られました。流行する病気ではありませんが、単純ヘルペスの初回感染、サイトメガロウイルスによる伝染性単核球症も見られました。今年は3月後半になっても例年よりかなり多くの感染症が見られています。これから子供たちが春休みにないりますので、さすがに多彩な感染症も減ってくると思われます。

 スギ花粉は春の嵐となった20日にまとまって飛散しましたが、それでもトータルの飛散量は少なく、このまま昨年の1/10、松山の過去36年で3番目に少ない飛散量でシーズンを終えそうです。ヒノキ花粉も例年よりかなり少なくなりそうです。恐らく昨日あたりが初めての少量飛散で、例年よりかなり遅い飛散開始、かなり少ない飛散量になりそうです。23日には高知で全国で一番早い桜の開花が確認されました。松山の開花も間もなくです。スギ花粉の飛散ももうすぐ終わりです。30日には黄砂の飛来が予想されています。松山でも結構大量に飛来するようです。黄砂も気道の障害を誘発します。鼻や気管の弱い人は暴露しないよう気を付けて下さい。

  先天性耳瘻孔急性化膿、急性喉頭蓋炎、顔面神経麻痺、外傷性鼓膜穿孔、ガマ腫、帯状疱疹、水痘、突発性難聴、良性発作性頭位眩暈症など。
3月  13日   スギ花粉の飛散ピークは終わりました。シーズン前の予想は「平年よりやや少ない」としていましたが、これまでのペースで見ると、前年の6%(1/16)で、松山の観測の記録と比較しても過去36年の観測の中で1994年に次ぐ過去2番目の少量飛散になりそうです。一昨年が極端な少量飛散で昨年が極端な大量飛散でしたので、ここのところスギの樹勢が表年裏年で大きくなっているのでしょうか。診察でも「今年は花粉本当に飛んでるんですか?」との質問も受けました。今年花粉症デビューのお子様も例年よりかなり少ないです。今シーズンは症状の軽い方が多いのが何よりです。(^^♪ スギ花粉の飛散は、あと2週間ほど毎日飛散した後、4月に入ると飛散しない日もでてきて4月中旬に飛散終了となります。スギと共通性抗原のあるヒノキ花粉の飛散がそろそろ始まります。スギが少ない年はヒノキも少ないと飛散量は連動することが多いのですが、ヒノキの飛散の予想は難しいのが現状です。スギ同様に記録的な少量飛散にはならず案外飛ぶかもしれません。ヒノキ花粉はスギ花粉より粒子が小さく抗原性も低いことから軽い症状ながら咳症状が目立つ場合もあります。これから飛散が始まって4月初旬に飛散のピークを迎えます。

 新型コロナですが、まだまだ患者様は多いのですが、それでも第10波は順調に減じてきています。インフルエンザは、A型はほ見なくなりましたがB型はまだまだ見られます。市内でも学級閉鎖が散発しています。3月も広後半に入りますので、今後も順調に流行は収束に向かうと思われます。小さなお子様の間ではヒト・メタニューモウイルス感染症が目立っています。関東で多いRSウイルスですが、先日当院でも検出しました。関東では麻疹(はしか)の発生が増えてきているようです。予防接種を受けていない幼児や時には大人も重症化しますので、愛媛への感染の波及にも注意したいと思います。耳鼻科とは関係しませんが、インバウンド旅行者の増加とともにホテルでのトコジラミの発生がニュースになっています。病院のソファーにトコジラミ、、にならないようにすることも含めて感染予防のこまめな消毒は引き続きしっかり行っていきます。

 せき止めを中心とするお薬の供給不足はなかなか解消しません。大人の咳止め痰気りに続き、小児の咳止め、抗菌剤、総合感冒薬、漢方薬と供給不全が広がっていましたが、最近では小児の抗アレルギー剤や点鼻液の供給も滞っています。お薬の供給状況を考えながら処方しますので、以前と違い変に頭と時間をつかってしまいます。早くスムースな処方ができるようになってほしいものです。薬の安定供給のために4月の薬価改定では供給不足であった咳止めや去痰剤、漢方薬の薬価が大幅に上がる予定です。”病院でもらう風邪薬は安い”のイメージは崩れるかもしれません。 
  24日  1週間前の15日の春一番、16~18日の椿まつりから徐々に飛散は増えていました。今年はまさに松山のスギ花粉症のシーズンは”椿さんで始まる”を地で行く形となりました。今日はさらに飛散が増えて、今シーズン初めて中等度飛散のレベルに達しました。これから1ヶ月の大量飛散が始まります。

 今日午後4時、松山外環状道路の余戸南ICー垣生東IC間が開通しました。松山道松山ICから松山空港までのアクセスがさらに便利になります。朝のラッシュ時に渋滞の多かった余戸南ICと国道56号の接道部の渋滞の緩和が期待できそうです。
 診療が終わって当院3階から外環状道路の高架を眺めてみると、車のヘッドライトやテールライトの光が漏れてきています。ゴーッという車が通る高架橋の音や高架の接合部を車が通過するときのシャーシャーという音も漏れてきます。当院からの音の風景も、電車の通貨音と踏切の警報音、飛行機の離着陸音、遠くから聞こえる船や気動車の汽笛に加えて、高速道の高架橋の音が加わったことから、少し都会のテイストになりました。
  14日   急に暖かくなりました。当院のスギ花粉の飛散開始日は2月10日となりました。当初、例年より早めの飛散開始を予想していましたが、2月初旬の寒波のせいでむしろ例年よりやや遅めの飛散開始となりました。1月に最強寒波で例年より飛散開始がやや遅かった昨年よりも、さらに1日遅くなりました。今日は全国的に記録的な温かさですが今日も花粉の飛散はまだわずかです。来週から本格的な飛散が始まりそうです。花粉の飛散を感じ始めた方の来院が目立ってきました。花粉症へのレーザー治療は飛散が本格化する前に行いますが、駆け込みでレーザー治療を希望する方も見られました。

 新型コロナの第10波はますます目立っています。昨日、今日とヒト・メタニューモウイルス感染のお子様が立て続けに4名見られました。昨年夏にRSウイルスが流行し、昨年秋にRSウイルスの兄弟分のヒト・メタニューモウイルスが流行しました。関東では再度RSウイルスが流行との情報がありましたが、松山ではヒト・メタニューモウイルスがまた増えるのでしょうか。 
     
2月  8日   大学共通テスト、私立高校入試と受検シーズンが続きます。受験生で受診された学生さんが十二分に実力を発揮できるよう最善の治療を心がけたいです。
 いよいよ11日には愛媛マラソンが開催です。当院にも当日参加予定のアスリートの方の受診が見られます。受験生同様、ランナーの方々が体調万全で当日を迎えられるよう、私も最善の治療を目指しています。

 ここ1週間の寒波でスギ花粉の飛散は止まっています。当初の私の予想に反して、飛散開始日は例年よりやや遅い来週初めになりそうです。 
     
  31日   寒いです。この冬一番の寒波の影響でスギ花粉の飛散は少量のままです。毎日飛散する「飛散開始日」は2月5日前後になりそうです。花粉症の初期治療やレーザー治療を希望する方の来院が増えてきました。

 インフルエンザと新型コロナが猛威を振るっています。A香港型の流行に続いて、A2009年型とB型ビクトリア株も流行してきました。今週に入り松山市内の学級閉鎖の報告も一気に増えました。低学年でB型で学級閉鎖、高学年でA型で学級閉鎖、全校で新型コロナも同時発生の小学校もあります。当院では3日続けて、インフルと新型コロナへの同時感染の方の来院が続きました。新型コロナは今年に入り愛媛県でもオミクロン株のJN.1系統が主流になりつつあるようです。オミクロン株への複数回感染も珍しくなくなっています。

  サイトメガロウイルスによる伝染性単核球症、細菌性甲状腺炎、顎関節症、三叉神経領域の帯状疱疹、耳せつ、良性発作性頭囲眩暈症、結節性甲状腺腫、急性顎下腺炎、反回神経麻痺、新型コロナウイルス罹患後症状など
  24日   1月当初よりB型インフルエンザの流行が始まりました。昨年中に主流だったA香港型が引き続き発生しているなかでA2009年型の発生もありB型の発生もありの状況になっています。今週に入り、ある小学校ではA型で学級閉鎖が起こり、ある小学校ではB型で学級閉鎖が、ある小学校ではA型とB型が混在して発生しています。この冬、A型に二度罹ったり、A型B型に二度罹るケースも出ています。まだインフルに3回罹った人はまだいませんが、これから3度罹りするケースも出てきそうです。
 新型コロナも年末からまだ増えてきています。愛媛でもオミクロンのBA.2系統、XBB系統の発生が見られています。関東では米国やインドなど世界で広がっているXBB系統のJN.1も増えているようです。今後、愛媛県でもJN.1系統を中心に新型コロナの第10波の流行が始まるかもしれません。オミクロン株だけでも2度3度発症するケースも珍しくなくなっています。
 当院でも年末に猛威を振るったアデノウイルス、溶連菌は少なくなっています。手足口病もわずかにみられる程度になってます。

 ポールンロボによる花粉飛散の集計を始めました。当院では12日から観測を始め13日が初観測となりました。今日は寒波ですが1月に入り記録的な暖冬であることからスギ花粉の飛散開始は例年よりかなり早くなりそうです。関東では過去最速で1月中の飛散開始も予想されだしました。松山でも1月中に毎日飛散する飛散開始日を迎えそうな気配です。 
  3日   明日は当院の仕事始めです。今日はもう1日ゆっくり過ごさせて頂きました。

 
元旦の松山城です。いつ訪れてもどっしりとした城垣には惚れ惚れします。道後平野の東には雪をかぶった石鎚山が遠望できます。

  
松山気象台が改修され、往年の時計台が復活しました。 この建物は昭和3年松山測候所として建造され、現在は国登録有形文化財に指定されています。気象台の前庭には百葉箱をはじめとする各種の観測機器が設置されています。年末の天気予報の番組で得た知識ですが、中央には黒いタイヤが置かれています。なぜこんなとこにタイヤがと思われますが、この中で初霜などの観測をするそうです。気象台の西の隅(中央の写真の奥)に松山市の梅の標本木があります。近づいてみると既に開花しています。この標本木、例年極端に開花が早いようです。毎年松山が全国でもトップクラスで梅の開花が早いのはこの標本木が気が早いせいですね。標本木を代えた方がいいような気がしますが、さて、気象台の方はどう評価しているのでしょうか。
1月  2日  明けましておめでとうございます。 本年も当院を宜しくお願いいたします。 
 新年から地震、航空機事故と大変な新春となりました。被災で取り残された方々の一刻も早い救出を願ってやみません。


本年も「ふなや」の正月飾りでこのコーナーを始めたいと思います。
     
  31日  本年の診察も無事終りました。28日は診察終了が午後10時を回り、29日も受付は午後0時まででしたが終了は午後6時になりました。コロナ以前の年末が戻ってきたみたいな雰囲気でした。受診された方々にはご協力ありがとうございました。
 12月後半にさすがに最近はないだろうとノーマークだったヒトメタニューモウイルスで喘鳴をきたしたお子様が見られました。インフルエンザや新型コロナ、アデノウイルス、溶連菌、マイコプラズマ、感染性胃腸炎など年末も多彩な感染症が発生していました。例年1月にインフルエンザを筆頭に様々な風邪が流行りますので、さて来春の感染症の流行状況はどうなることでしょう。
 年末は小春日和のような陽気です。来年のスギ花粉の飛散もやはり例年よりは少し早くなりそうです。松山の過去の観測の歴史では1番早い年は1月17日が飛散開始日だったとの記録もあります。さすがにそこまでは早くならないでしょうが、2月初頭から飛散開始もあり得るかもしれません。
 年末の診察ではアフターコロナでこの正月に旅行を予定されている方も多かったです。韓国へ、京都へ、湯布院へなどなど、私としては羨ましい限りですが旅行される皆さんが体調万全で過ごされることを願っています。私はここ最近毎年恒例となっているNHKの「ドキュメント72時間」の年末スペシャルを見てゆっくり過ごしています。
 今年は新型コロナの第7波、第8波、第9派の対応に追われ、6月からはコロナ以外にも実にさまざまな感染症が続きました。また年の後半には咳止めや小児の抗生剤の供給不足が続きました。薬剤の供給状況を鑑みながら処方すると言う余計なところで気をつかう何とも言えない状況も続きました。
 今年1年当院を受診していただいた皆様には本当にありがとうございました。受診された全ての方々に最善を尽くすとの思いで診療を続けて参りましたが、全ての人々に診療を受けて良かったと満足いただけたかどうか。様々なコメントを見てもやはり至らなかったこともあるようです。来年こそは全ての方々に満足いただけるようにとの思いを胸にしたいと思います。コロナとそれに続く感染症の流行の中、忙しい中いつも前向きに診療を進めてくれたスタッフの皆にも感謝したいと思います。マイナ保険証での受付が続くと受付自体が滞ってしまう思わぬ影響も今年はありました。特に受付のスタッフの創意工夫には感謝したいです。
 来年の皆様の1年が健やかで良い年となるよう祈念して、今年のこのコーナーを締めくくりたいと思います。 
12月  13日   早いものでいつの間にか12月も半ばになりました。当院スタッフの結婚式も無事終わりました。新婦はとても素敵で、私も父親になった気分で見守ることが出来ました。当日はかつてのスタッフとも再会できて楽しい時間を過ごすことができました。このところ公私ともに忙しく、このコーナーの更新が滞っていました。今日は久方ぶりにまとまった時間が取れましたので、この文をしたためています。散髪もできました。延滞気味だった図書館の本も返すことが出来ました。(^^;

 当院外来では6月からずっと多彩な感染症が見られています。
 新型コロナの第9波の流行は10月には落ち着きましたが、それでも感染者の発生は続いています。愛媛でのオミクロン株のゲノム解析の状況では、XBB系統が主流ですがBA.2系統も見られています。全国的にはさらにXBB系統の亜型のHK.3系統が増えてきています。愛媛県でも10月から検出されはじめており今後はHK.3系統が主流になると考えられます。いずれもオミクロン株の中の変異株ですが、当院ではオミクロン株に複数回感染してしまった方も見られています。新型コロナはどうやら以前に罹った免疫があてにならない傾向があります。オミクロン株に繰り返し罹った場合、以前の感染時よりは軽症で終わる例がほとんどですが、国外のレポートでは再度罹った時の方が重症化する症例もあるようです。当院でもアルファ株やデルタ株の時のように重症化する例はほとんど見られず、多くは軽症の経過を辿っています。しかし時には咽喉頭粘膜の反応が強かった入り、嗅覚味覚障害や頭痛倦怠感の持続、脱毛などの感染罹患後症状の続く方もいます。複数回の感染とともに後遺症の発現にも注意して経過を診ています。
 インフルエンザは引き続き猛威を振るっています。今年前半はA香港型がほとんどで、まれにB型が散見される程度でしたが、11月以降は以前新型と称されていたA2009年型が増えてきています。先週からは愛媛県でもA2009年型の方が発生は多くなってきているかもしれません。A2009年型にもA香港型の遺伝子配列は一部入っていますが、基本的にはA200年型とA香港型は違うタイプですので、今年インフルエンザに二度罹る人も増えています。
 溶連菌感染症も記録的に流行しています。溶連菌は小児期に複数回感染して免疫が出来て大人になってからは発症しない例が多いのですが、これだけ流行するとお子さんからうつされて発症する大人の方も珍しくありません。アデノウイルス感染症も9月頃より全国的にも愛媛県でも記録史上最大の大流行です。さすがに11月に入ると感染者は減るものと思っていましたが、12月に入ってもいまだに増え続けています。現在流行の株はのどの反応が主体で目や腸での反応は少ないようですが、高熱が続く例が多いです。小児で40℃が4日続く、大人でも39~40℃の高熱がでる方見られています。また、手足口病も引き続き見られています。パラインフルエンザによると思われるクループ性気管支炎、EBウイルスやサイトメガロウイルスによる伝染性単核球症、マイコプラズマ肺炎、原因の病原菌は特定できない壊死性リンパ節炎なども見られています。
 このように多彩な感染症が発生していますので、インフルエンザと新型コロナに同時感染した”フルコロ”や、インフルエンザと溶連菌への同時感染、インフルエンザとアデノウイルスの同時感染、アデノウイルスと溶連菌の同時感染などが見られています。これだけ同時感染の方を続けて診るのは私は過去に経験したことがありません。

 お薬の供給不足も収束する気配がみられません。国はこの冬に鎮咳剤の供給を10%増やすよう製薬業界に要請したとのことですがその程度では供給不足の解消には程遠いようです。大人向けの咳止めや痰気りに続いて、小児向けの抗菌剤の供給不足も広がっています。先々週からはついに小児用の鎮咳剤の供給不足も目立ってきてしましました。処方薬の供給状況を鑑みながら処方しなければいけませんので、余計なところで頭を使わなければいけませんので私もストレスが溜まります。記録的な流行となっているアウイルスと溶連菌については、迅速検査の検査キットの供給もひっ迫して出荷調整となっています。咽頭所見であきらかに溶連菌感染が疑われるお子さんに対しては検査をせずに判断するなどの対応も取らざるを得なくなっています。こちらも頭が痛い問題です。

 気象の長期予報ではこの冬は暖冬傾向との予測です。今年の1月は最強寒波でスギ花粉の飛散開始は遅かったのですが、来シーズンの飛散開始時期はやや早まりそうです。今シーズンの飛散開始は2月14日のバレンタインデーで過去タイ記録の遅さでしたが来シーズンは2月初めから飛散し始めるか、ひょっとしたら1月末からの飛散開始もあり得るかもしれません。1年は早いもので後1ヶ月半で花粉シーズンです。来シーズンの花粉の飛散予報も出そろったようです。愛媛では今シーズンが過去最高に近い大量飛散でしたので来シーズンは裏年にあたります。この夏四国で高温でしたが日照時間が平年並みでしたので、東日本ほどは花粉の生育には勢いはなさそうです。来シーズンの四国のスギ花粉の飛散量は平年並みで大量飛散した昨年よりはある程度少なくな見込みです。

 来院患者総数が今日で91.500人を超えました。過去、このコーナーでは万単位を超えた際には報告していたのですが、忙しさにかまけて報告する前に9万人から1500人オーバーしてしまいました。開院以来、実に多くの患者様に支えられて当院も診療を続けることができました。病院など誰一人来たくて来る人はありません。体調のすぐれない中で止む負えず来院されます。これからも、患者様の体調や不安な気持ちに寄り添って、診察を受ることによって安心して頂けるよう、心して、目の前の患者様に向かい合いたいと思います。