本文へスキップ

当院は、耳鼻咽喉科、気管食道科、アレルギー科を専門とし、地域医療に貢献します。

TEL. 089-973-8787

〒790-0045 愛媛県松山市余戸中1丁目2-1

’21年 今月の疾患情報

     
     
  30日   年の瀬です。年内の診察も無事終了しました。12月に入りコロナの発生も無くなり、12月後半には昨年を思わせるようにコロナ以外の感染症も無くなりました。当院の外来も例年になく穏やかな年末となりました。突発性難聴、急性扁桃炎、めまい症の大人の方や急性中耳炎のお子様のほとんどが年末には症状所見が落ち着きました。私も安心して年末年始のお休みを迎えることが出来ます。(^^)
 この1年も新型コロナが広がった昨年に引き続き、まさに激動の1年でした。発熱外来の本格的な運用、新型コロナワクチンの個別接種会場になるなど、当院外来の在り方も様変わりしました。私事でも5月に病気治療に専念しました。来年も後治療を行うことから1月10日まで休診することになりました。来年はしっかりとした体となって診療を行いたいと思います。
 今年1年、当院をご利用頂きありがとうございました。皆様の来る年が幸あるものでありますようお祈りしております。 
  22日   ここ10日ほど、昨年を思わせるように風邪の流行が無くなっています。溶連菌が散見される程度ですが、当院近隣のある保育園ではRSウイルス感染の集団発生がありました。夏に大流行したRSウイルスですが9月中旬には流行は一旦収束していましたので少しビックリです。愛媛ではコクサッキーA6型の手足口病、ヘルパンギーナの報告が続いていますが、当院では見られていません。
 オミクロン株が欧米で急速に広まっています。日本でも2月ぐらいには広がるのでしょうか?
 インフルエンザは11月に兵庫で1学級のみ学級閉鎖の報告がありました。全国的には徐々にA型の報告が増えています。3年ぶりの小流行があるかもしれません。愛媛でも先週、東予と松山で報告がありました。当院でも一昨日からはインフルエンザ様の熱型の方には念のためにインフルエンザの迅速検査も行い始めました。

 M-1グランプリ、録画ですが予選から全て見ました。錦鯉の優勝、すばらしいです。まさに中年の星です。昨年、私はグランプリ終了後の受賞者のドキュメンタリーみていましたので、錦鯉の優勝が決まった時には審査員のように感極まりました。 
  5日 一昨日より日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会秋季大会のWeb開催分が行われています。今年から耳鼻咽喉科学会は頭頸部外科という名称も追加しました。専門医制度を行う主要な科の中では最も長ったらしい学会名になりました。今でも耳鼻科は耳鼻やのどの中の手術はおこなうけど首の手術は外科で行うと勘違いしている人もいます。長たらしい名前ですが、耳鼻科のテリトリーを明確にした学会名の変更は私も賛成でした。
 最近は特定の治療や投薬を行う場合に「専門医資格を有する者」「耳鼻咽喉科診療経験を5年以上有する者」「00の治療に対する講習会を受講済みの者」などが求められることが多くなってきました。専門性を標榜するためだけでなく、診療を行う面でも専門医資格は以前より重要となってきています。
 専門医資格を習得するためには、初期研修後に専門各科の研修病院で所定の年限研修カリキュラムに沿って研修した後に専門医試験に合格する必要があります。私も昔、専門医試験の合格通知を頂いた時に同期生と一緒にお祝いした記憶があります。懐かしいです。専門医となった後も、資格を維持するには更新手続きを続けなければいけません。日耳鼻学界は5年間で更新する必要があります。そのためには、5年間に所定の学会に必要回数参加する必要がある他に、学術講演会や講習会に規定回数以上出席、臨床例数の報告、学会発表や論文掲載の報告、地域医療での活動報告などが求められます。
 私も来年春が更新の時期になっています。更新には所定回数の学会参加が必要です。勤務医は大学勤務以外でも研究活動のための出張が年に数回認められることがほとんどですが、私のようにクリニックの臨床医はそうは休めません。特に私は好きでやっているといえばそれまでですが、日曜診療も含め盆暮れ祝日以外は診療していますので日曜開催が多い地方学会にもなかなか参加できません。また、平日夕方からの研究会も多くは午後7時ごろから始まりますので、コロナ禍の前までは診察終了が午後7時以降遅い時は10時を超えるという診療を続けていたので、これもなかなか参加できかねていました。そのため新型コロナが広がる以前までは、日耳鼻総会には出来るだけ休診にして参加してきました。ところが新型コロナの感染が広がったことで、昨年より会社でリモートワークが広がったように、学会や研究会でもWeb開催が始まりました。昨年5月、日耳鼻総会も初めてWebと現地で同時開催されました。そのため私も、日耳鼻総会以外の県外での学会も県内での研究会でもWebで参加することが可能となりました。大きな学会は3日間行われることが多いです。大学の教授准教授クラスでないとなかなか3日間フルに参加することは大学のメンバーでも難しいです。ところがWeb開催では、私のような立場でも自宅で夜間にフルに演題を見ることが可能となりました。リラックスして視聴して、気になる箇所は動画を止めたり巻き戻しできるのでしっかり記憶に残ります。薄暗い学会場で聴くより眠くなりません。(^^) 専門医更新のための出席ポイントもいっぱいたまります。コロナ禍大変なことばかりですが、このWeb開催だけは私にとっては良い影響となりました。もっとも、研究者は現地の学会に参加することによって、最新の研究動向を確認できたり、ライバル達と意見交換できます。やはり現地開催は研究のためには必要です。私としてはアフターコロナ時代にもWeb開催が続けば良いのですが、開催費用が馬鹿にならないくらいに高くつくという問題もあり、コロナが終息すれば現地開催のみに戻るでしょう。オミクロン株はどうやら軽症例が多そうだとの報告が複数でてきました。新型コロナの流行の面でみれば、来年の学会は通常開催となっていて欲しいです。 
12月  1日   松山の12月は氷雨で始まりました。当院のコロナワクチン接種は一旦休止ですが、代わってインフルエンザの接種がピークを迎えています。昨年接種した方は、インフルが日本から消滅していたことで”無駄”に終わりました。(^^) さて2021/2022シーズンのインフルの流行はどうなるのでしょうか? 世界的にB型山形株が全く検出されないことから山形株は消滅した?との論文もありましたが、B型ビクトリア株は世界でチラホラ検出されています。この夏南半球のオーストラリアでは今年もインフルの流行はありませんでしたが、オミクロン株で有名になった南アフリカでは現在、インフルも発生しているとのことです。さて日本ではどうなることでしょう。こんなことをお伝えしながらインフルワクチンの接種を行っています。

  NHKでまふまふさんとヒカキンさんの対談をみました。恥ずかしながら私はまふまふさんの歌を全く知りませんでした。(私の流行へのアンテナはいまや雑誌の日経エンタテェイメントに負うばかりです。この雑誌でも最近は”わけのわからない”ジャンルが多くなって読み飛ばすページも増えていました) いじめに遭ったり対人恐怖でひきこもりであったりしながら、遂に今年、東京ドームでライブを開催しています。音楽的な才能は当然として、歌詞や発する言葉を聞いて文学的な土台もしっかりあるんだなと感じました。このような才能が開花するのは、ネットやSNSの存在がなければ考えられなかったでしょう。その意味では、時代はいい方向に向かっているように思えます。

 4年前からクリスマスシーズンに私が楽しみにしていたのは、atum0201氏のクリスマス・コラージュビデオです。今年もYouTubeに新作を届けてくれました。
 CHRISTMAS EVE 2021 山下達郎(クリスマス・イブ)

 山下達郎でもうひとつ。結婚式のエンドロールビデオです。私はコロナ禍の披露宴にはまだ出席したことがありません。この式でも来賓の方のスピーチはマスクを通してです。関係者の方の準備は大変だったでしょうね。
 【結婚式エンドロール】/山下達郎 ずっと一緒さ/ザ・リッツカールトン京都  
     
  27日    南アフリカで同定された新型コロナウイルスの新たな変異B.1.1.529系統が、WHOの緊急会合でオミクロン株と名図けられました。素早い対応で、事態の深刻さを危惧しています。
 最新の文献では、オミクロン株はスパイクタンパク質に32か所と多数の変異を有しています。それらの変異のうち、1)H655Y、N679K、P681HはS1/S2フリン開裂部位近傍の変異であり、細胞への侵入しやすさに関連する可能性がある 2)nsp6 における 105-107 欠失はアルファ株、ベータ株、ガンマ株、ラムダ株にも存在する 変異であり、免疫逃避に寄与する可能性や感染・伝播性を高める可能性がある 3)ヌクレオカプシドタ ンパク質における R203K、G204R 変異はアルファ株、ガンマ株、ラムダ株にも存在し、感染・伝播性 を高める可能性がある と報告されています。スパイク蛋白のフリン開裂の変異は新型コロナが新型である最大の特徴です。自然界の変異ではまず起りえない変異であることから、新型コロナが人工のウイルスであると疑う研究者の最もアカデミックな根拠です。今回のオミクロン株では、そのもっともいやらしい部位であるフリン開裂を規定する遺伝子の変異が多数起こっています。私はアルファ株やデルタ株よりもいやらしい気がしてなりません。日本は現在、劇的に新型コロナの感染が減少し、世界の”謎”となっていますが、日本も安閑としていられなくなりそうで怖いです。

 当院でも頭痛を訴える方の来院は少なくありありません。耳鼻科でもっとも特徴的で頻度の高い頭痛は、副鼻腔炎まで至らない鼻炎の状態であっても副鼻腔や中耳への換気が阻害されて起こる副鼻腔ブロックや耳管狭窄ですが、当院でも片頭痛はまま見られます。片頭痛は、思春期頃から多くは30歳までに発症することが多く、女性が男性の約4倍、有病者は国内で840万人と多くの人が苦しめられています。。
 この片頭痛の領域で、今年エポックメイキング的な新たな治療が始まりました。片頭痛の発現機序についても近年研究が進み、ストレスなどの刺激により脳内セロトニンが減少し、三叉神経が興奮してCGRPが放出されて受容体と接合して血管が拡張し、血管周囲の神経が痛みを感じることが判ってきました。今年、このCGRPの反応をブロックするCGR受容体拮抗薬3剤エムガルティ、アジョビ、アイモビーグが発売されました。これらはいずれも注射剤で、1ヶ月~3ヶ月に1回注射、保険適応で1本4万円前後と高価ですが、従来のトリプタン製剤や予防薬で発作をコントロールできない例でも劇的に効くようです。当院通院の方でも、早速この治療を受けている方がおられました。この薬は片頭痛の専門医により処方されます。当院でも片頭痛発作のコントロールの難しい方は頭痛外来の専門医に紹介したいと思います。
  23日   今日の松山は最低気温が7℃、最高気温が13.5℃と12月並みの寒さでした。久万町では霧氷も見られました。街もクリスマスモード、本格的な冬の到来です。祝日の今日、私は愛媛県美術館の「平等院鳳凰堂と浄土院 その美と信仰 展」に行ってきました。美術館も大街道周辺も久方ぶりの賑わいでした。愛媛の新型コロナは、昨日まで8日連続で感染者0人でした。アフターコロナが訪れればいいですね。

 当院でみられる感染症は、溶連菌感染症、小児の手足口病が散見される程度で、多くの方は、ライノ、エコー、旧来のコロナなどの軽いウイルスとによると思われる急性上気道炎です。声がれが強い方の中にはパラインフルエンザウイルスもあるかもしれませんが総じて症状の軽い人が多いです。まれに扁桃周囲膿瘍化する方や喘息性気管支炎で酸素飽和度の低下する方も見られました。「重い」風邪の例には細心の注意を払って経過を診るようにしています。 
11月  13日   11月に入り急に冷え込みが強くなりました。秋らしい秋が無く、夏から初冬に一気に移り代わりました。急に冷え込んだせいか、先週1週間、当院では風邪症状で受診される方が急に増えました。コロナ前の外来を思い出すような、時間に追われる外来となりました。営業時間短縮が終わった飲食店のような気分でした。
 10月末には、当院より海沿いに位置する小学校、中学校、高校で、コロナによる休校が相次ぎました。感染拡大が少し不安になりましたが、ここ3日連続、愛媛県の新規感染者0名となり、また少し安心しました。

 秋の雑草花粉症は終わりましたが、秋のスギ花粉を感じる方の来院がありました。例年、11月を中心に市街地でもスギ花粉の飛散がわずかながら観測されます。
 そろそろ来シーズンのスギ花粉の飛散予想の発表がはじまりました。今年の夏、四国地方は、気温が低く降水量が多く日照時間が平年並みでした。松山のスギ花粉の飛散量は例年よりやや多めでした。四国地方の予想をみると、日本気象協会では、例年の70%、今シーズン比80%。ウェザーニュースでは、平年並みの80-120%、今シーズン比では少なめの50-80%。花粉協会では例年よりやや多めとなっています。やはり、来シーズンは”軽い裏年”程度の少なめの飛散量でしょうか? 
  31日   遂に愛媛の新型コロナ感染者数が1人新規事例0人となりました。コロナの劇的な現象はワクチン接種の広がりが主な理由と思われますが、デルタ株の遺伝子変異で増殖しにくくなったとの論文も出てきました。変異も時にはいい方向に向かいます。(^^) 松山市のコロナ接種も新規は10月27日で終わりました。12才以上と未接種の大人の新規例は今後月に400例ぐらいとのことで、余ったワクチンの破棄の問題から、今後の新既接種は松山市医師会館を中心とした集団接種会場のみとなります。来月からは当院でも、12月から医療従事者の1月からは一般の3回目の接種が始まります。当院では幸いにもこれまでアナフィラキシーの例はなくホッとしています。
 松山の小学校の修学旅行は、この秋に多く行われています。今日の診察でも、修学旅行前の風邪症状で心配で来院したお子さん、修学旅行直後に風邪をひいて来院したお子さんの来院がありました。修学旅行は小学生のイベントでも最も楽しみなものでしょう。ひとりでも多くの子供たちが修学旅行に参加できるようと願いながらの診察でした。今年の修学旅行の行き先のほとんどが、愛媛県内と香川のレオマワールドを巡るパターンです。来年の6年生は瀬戸内海を渡れますように。

  突発性難聴、メニエール病、良性発作性頭位幻暈症、外傷性鼓膜穿孔、上咽頭腫瘍、縦隔腫瘍、声帯結節、聴覚情報処理障害、鼻炎のレーザー治療、鼻茸摘出術、鼻骨骨折整復術など。 
  21日   今日の午後は、さくら小学校の就学児健診に出務してきました。健診の形式は今年も昨年に引き続き、感染対策として各科の健診会場を5年生が引率するのではなく保護者が引率する形式でした。例年なら在校生のお兄さんお姉さんに連れられて少し緊張気味で健診を受ける子供たちが多いのですが、今年は、健診が終わって「のどが痛かった」などとお母さんに報告したり、お母さんが「頑張ったね」と励ましたりと、甘えた子供たちの表情が窺えて、それはそれでほっこりしました。

 3ヶ月ぶりくらいでしょうか、久しぶりにアデノウイルス陽性のお子様の来院がありました。手足口病や溶連菌咽頭炎も散見されますが、やはり風邪にかかる人は、大人も子供も少ないです。

 全国的にも愛媛県でも新型コロナの発生は劇的に少なくなりました。世界的にもこれだけ急激に感染者が減るのは例がないようです。やはり一番の要因はワクチン接種が進んだことでしょうか。日本はワクチンを少なくとも1回接種した人の割合が世界で4位、接種が完了した人の割合では5位です。日本より上位は中国、インド、米国、ブラジル、日本の順ですので、ファイザーかモデルナのワクチンを打った人だけをみれば、日本は世界で米国に次いで2番目です。また日本は接種者の大半が6~9月接種で集中的に接種が行われました。やはり、短期間に接種率が高まったのが感染の激減に繋がったのでしょう。イギリスのように接種が普及した後に再度感染が拡大している国もありますので、感染第6波には注意しなければいけませんが。

 当院では18日からマイナンバーカードによる保険証に資格確認を始めました。昨日からは全国的に本格運用が始まりました。現時点で運用を始めた医療機関は全国的にも全医療機関の8%とのこと。実際にマイナンバーカードを使って資格確認する人は1%もいないとの意見もあります。当院でもまだマイナンバーカードを提示する第1号の方はまだ表れていませんが、運用を始めると、再診の方の資格確認も当院のレセコンと国のデータベースで自動的に照合してくれます。当院でもこれまでは毎月コンスタントに資格確認できないレセプトが発生していましたが、これからはそのあたりの確認が瞬時に出来ますので、その点ではおおいに有用です。受付スタッフは確認するステップが増えて負担が増えましたが、少しずつ円滑に運用できればと思います。スタッフのみんな、ありがとう。 
  10日   連日、30℃と汗ばむ陽気が続いています。まだ昼間は冷房がかかせません。私の衣替えもまだまだです。
 5日、真鍋淑郎氏ノーベル物理学賞おめでとうございます。気候変動の分野で物理学賞なのですね。7日は松山の秋祭りでした。2年続けて神輿の巡行はありませんでした。子供たちのちょうちん行列や子供神輿もありませんでした。例年ならば診察中に子供たちの元気な掛け声が聞こえてくるのですが、、 来年こそは聞きたいです。
 薬局でも厚労省が承認した新型コロナの迅速抗原キットが購入できるようになりました。従来のいわゆる研究用キットは感度の低い粗悪品も混じっていたそうですが、これからは医療用同等の感度が期待できます。今後当院でも自宅で抗原陽性となった方からの相談にも対応しなければいけません。当院ではPCR検査は行っていませんので、相談のあったケースではPCR検査実施医療機関や検査センターへの紹介で対応することになります。

 雑誌「日経コンピュータ」でみずほ銀行のシステム障害のレポートを読みました。三井住友など他のメガバンクのシステムは支店単位でメインフレームを作っているために、普通預金や定期、為替などの勘定系のデータが同一ハードウェア内で完結することから障害はシステム全体に広がりません。ところがみすほ銀行のシステムMINORIでは、全店のメインフレームが機能単位のハードウェアに分割されていたことで障害の連鎖が起こったようです。専門的な解説はわたしには難しかったのですが、膨大なプログラムの設定も最初は人力で行うことになります。特定の責任者がこの膨大なシステムを全て俯瞰して不備をチェックすることは不可能に近いです。つまるところ、デジタルなものでも結局人間が作るものということで、技術者の大切さがよくわかりました。
 最近の将棋界では、AIで分析した最善手の棋譜、特に序盤戦の膨大なパターンを暗記した棋士の成績がよいそうです。私からみれば、棋士が膨大な棋譜を暗記できるだけでも凄いのですが、肝要なのは最善手を見つけるためのAIのプログラムの設定をいかに優れたものに出来るかだそうです。AIコンピューターを上手く操るのも結局は人間ということになりそうです。いかにAIやDX( デジタルトランスフォーメーション)が進む世界となっても、結局は最初に個々の人間の英知がなければ活用できないようです。時代がすすもうと最後はやはり人間力如何ということで、少しホッとしました。 
10月  2日   当院のインフルエンザワクチンの予約が始まりました。出来るだけ予約サイト経由の予約をお願いします。今年の注意点としては、新型コロナウイルスワクチン接種日の前後13日間は他のワクチンは接種出来ません。つまり、インフルエンザワクチン接種後13日間はコロナワクチンは接種出来ず、コロナワクチン接種後13日間はインフルエンザワクチンは接種出来ません。コロナワクチンと他の予防接種との相互関係が明確になっていないことによる10月1日現在の指針です。米国では既にコロナとインフルのワクチンの同時接種も行われています。日本の指針も今後変更になる可能性があります。

 秋花粉はピークを迎えています。8月後半より秋のイネ科花粉の飛散が目立ち始め、9月に入りキク科の飛散が始まります。ヨモギが9月上旬より、ブタクサが9月中旬より飛散します。9月下旬から10月上旬が秋花粉の飛散ピークとなります。飛散数は少なくなりますがイネ科花粉は11月初頭まで飛散が続きます。その後、11月を中心に秋のスギ花粉の飛散がわずかにみられるようになります。当院でも秋花粉で鼻や目が痒くなる方も目立っています。今日は好天の中、当院近隣の余土中学校で体育祭が開かれました。移転した余土中は石手川の土手近くに位置します。中には花粉症でムズムズした方もいるのではないでしょうか。また、余土中の石手川対岸には坊ちゃんスタジアムのある松山中央公園があります。中央公園や周囲の石手川の土手道ではウォーキングやジョギングする方もよく見かけます。雑草花粉の飛散距離は数10~100mほどですが、多量の花粉に暴露すると強い反応が見られます。広々とした公演では感染予防のマスクも外したいところですが、秋花粉症の人は息苦しくない程度にマスクは着用したほうがいいと思われます。 
     
  29日  感染症はさらに少なくなっています。新型コロナウイルスの感染者はますます減って、緊急事態宣言、まん延防止地域は全て解除になります。一般の感染症も少なくなっています。当院でも発熱や咽頭痛の方が散見される程度です。ライノウイルス、エコーウイルスなどで上気道炎を引き起こすケース、サボウイルス、アストロウイルスなどで感染性胃腸炎を引き起こすケースがほとんどでしょうか。風邪症状で受診する方が少なくなったせいで、めまい症で受診される方が相対的に目立ちます。 
   23日  中秋の名月、虫の音と秋は深まりつつあります。松山市内では地方祭の提灯や紙垂をみかけるようになりました。
 新型コロナの第5波は全国的に収まりつつあるようです。人流と感染者数の関係について様々な意見が見られますが、やはりワクチンが増えた影響が大きいのでしょうね。松山市はいよいよ26日で営業時間短縮要請が解除される見込みです。今日のロープウェイ街は思ったほど観光客は多くありませんでした。都会の人の多くは車で移動できる範囲で出かけたのでしょうか? このまま第5波が劇的に終息して欲しいものです。

 当院休診の今日、私は巣ごもりのドラマ鑑賞で過ごしました。第73回エミー賞をNetflixのオリジナルシリーズ「ザ・クラウン」と「クイーンズ・ギャンビット」が席巻したとの報道をみて早速見てみました。両者ともゴールデングローブ賞も受賞しています。「クイーンズ・ギャンビット」、今のところ私の中で今年1番のドラマとなりました。孤児の女流棋士が世界王者を倒すマンガみたいな展開ですが、映像は1960年代の風景をしっかりと切り取っています。チェス対戦中の表情、手の動きに見入りました。登場人物に悪人がひとりもいないのにもホッとしました。いつか碁や将棋でもこんなドラマを見てみたいです。「ザ・クラウン」、エリザベス女王の半生を描いています。最初の第1話から大作映画並みのセットとロケです。現王室のドラマ化です。タブーはないのでしょうか? チャーチル首相やサッチャー首相とのやり取りなど、しっかり見れば英国の戦後史の勉強にもなるのでしょうが、、 なにせ現在までで4シーズン40話です。私は女王の戴冠式までにしておきます。
  19日   観測史上初めて福岡県に上陸して日本列島を真横に通過した台風14号ですが、17日未明に松山を通過しました。幸い松山では雨台風の模様で、当院でも前もって発熱外来のテント撤去など準備をしていましたが被害はありませんでした。

 ここ1週間、風邪らしい風邪はほとんど無くなっていました。ワクチン接種の効果は抜群のようで、あれだけ人出の多い首都圏でも新型コロナの第5波は急速に小さくなっています。松山でも感染者数は劇的に減りました。RSウイルス感染症もほぼ見かけなくなりました。感染性胃腸炎、ヘルパンギーナ、溶連菌咽頭炎がわずかに散見される程度で、当院外来も閑散としていました。おかげで診察の合間に、普段なかなか目の通せない学会誌を読むことが出来ました。(^^)/
 朝晩の冷え込み、秋雨前線や台風襲来などで、9月に入り気圧や気温の変化の大きい気候が続いています。例年よりメニエール病などのめまいの方が目立っています。一方、ひんやりとした季節になりましたが、鼻炎で鼻から耳がかゆくなる→必要以上に耳掃除をする→外耳炎を発症するパターンや、外耳炎がカビ(皮膚の真菌)の増殖で慢性化するケースもまだ見受けます。

 松山市の高齢者インフルエンザ定期接種は10月15日よりの開始となりました。昨年は特例で10月1日開始でしたが、例年通りに戻りました。当院では10月1日より予約を開始いたします。
 口蓋扁桃縮小手術についての問合せを時に県外からも受けます。この手術は日帰り手術といえど翌日までは手術部位周囲の腫脹が強く、術後10日前後は口内炎の形成にともなってのどの痛みが続きます。そのため手術を行うに当たっては翌日までの松山滞在と術後7~10日後の再診による経過観察が必要です。現在、当院では原則として愛媛県在住(特に自宅からの通院可能な方)にのみに行なっています。愛媛県外に在住の方で手術を検討される方には、まずは最寄りの耳鼻科で口蓋扁桃全摘出手術を検討するようお勧めしています。

  頚部リンパ節炎、悪性リンパ腫、腺腫様甲状腺腫、亜急性甲状腺炎、内耳振盪症、羽虫による外耳道異物など。 
  12日  9月は欧米では新学期ですが、当院ではインフルエンザシーズンの代わる月にあたります。今月からは20021-2022シーズン入りです。当ホームページのインフルエンザのページを更新しました。
 昨シーズン、新型コロナウイルス流行による感染予防のニューノーマル下、インフルエンザの発生が世界的に消失しました。(^^) この春には、B型山形系統が世界的に全く検出されないので、B型山形系統は世界から無くなったかも?という論文も目にしました。
 しかし、日本の発生状況をみてみると、8月15日より報告が上がり始めています。青森、宮城、栃木、広島県から報告があり、全く発生していない訳ではありません。
この夏、昨年小児の間で全く発生しなかったRSウイルスが大流行しました。昨シーズン、全く発生していなかったインエンザも個々人の基礎免疫が低下していると考えられることから、今シーズンは流行する可能性が高いと思われます。
 また、インフルエンザと新型コロナウイルスのワクチンを混合した製剤の開発が始まっています。

 今シーズンのインフルエンザワクチンの接種ですが、松山市は今シーズンも高齢者インフルエンザ定期接種を10月中旬には始める予定です。当院でも10月1日から予約を開始して、10月15日より昨年同様接種を行う予定です。
 今シーズンは、原則として予約サイトを通じての予約とします。昨シーズン、高齢者定期接種、一般向け通常ワクチン、一般向け防腐剤フリーワクチンの受付を電話で行っていましたが、受付業務への負荷が多かったことから、今シーズンはアイチケット様の予約システムを導入することとなりました。導入のガイダンスを受けてみると、これがなかなかの優れものです。まるで航空会社で予約しているみたいです。くしくも、当院で一番のITとなりました。
 また当院では、10月から国のシステム運用開始と同時にマイナンバーカードによる保険証の確認システムを導入します。まだマイナンバーカードが十分に普及していない現状ですが、こちらのシステムもどのくらい活用できるのか、注目しています。 
9月  6日  9月になりました。夜の虫の音が心と体を冷やしてくれます。
 新学期とともに小児への感染拡大が心配された新型コロナですが、東京も松山も第5波はピークアウトの様相です。少しホッとしています。
 RSウイルス感染症も下火になりつつあります。溶連菌咽頭炎は散見されます。今日は手足口病を発症した大人の方の来院がありました。口内炎のできる夏風邪のヘルパンギーナは当院でも7月を中心に散見しましたが、手足口病は今年初めてです。松山の手足口病はコクサッキーA4のようで、髄膜炎を誘発したり皮疹が強くなるタイプではありませんので、少し安心して診ています。 
  28日   13日間に及ぶ雨や曇りの天候から、3日前からようやく晴れ間がのぞきました。今日は快晴、最後の猛暑の頑張りでしょうか。
 今日は1ヵ月半振りぐらいに、RSウイルス陽性の方がひとりも見られませんでした。この夏猛威を振るったRSウイルスも漸く勢いが無くなりつつあります。
 新型コロナ感染症のページを更新しました。新型コロナの自宅療養者を在宅医療している医師の中には、適応外治療としてイベルメクチンやマクロライド系抗菌剤を用いているとの報告もあります。世界的にもインドをはじめ積極的にイベルメクチンを治療薬として使っている国もあります。私も副作用がなく薬価も安いイベルメクチンを日本も早く正式に治療薬とすればいいと感じていましたが、最近の10のランダム化比較試験を対象にしたメタ解析では有効性が認められていませんでした。この経過ではわが国で正式に承認されていないのも納得です。現在、本邦で進められている医師主導治験の結果がどうなるのかを注目しています。
  18日  ここ4ヶ月程続いていました私の療養もほぼ落ち着きました。しばらく留守にしていた講師としての勉強や資料作成など、ようやく日常に戻せそうです。

 愛媛の新型コロナの新規感染者も今日は過去最高タイ記録となりました。9才以下の感染者も10名報告されています。愛媛の自宅療養者も増えています。軽症者が発症した場合の治療として、イベルメクチンやクラリスロマイシン、ステロイドの投与が有効との報告もありますが、いまだ有効性の実証された確たる治療法がありません。イベルメクチンに関する成績報告も玉石混淆のようです。日本でも緊急の治験が進んでいますが、副作用がなさそうなので少しでも有効であれば緊急承認を待ちたいと思います。抗体カクテル薬も日本に入ってくるのは月に数万本らしいですので、重症化リスクの極めて高い人以外への投与は現実的ではありません。まだ現時点では地域の外来診療で有効な治療を進めるのは難しいようですので、新型コロナの5類感染症への引き下げは現時点では政府の見解通り時期尚早と思います。
 当院でも昨日から目立ってオンライン診療を希望する方が増えました。院内感染を危惧する患者様が増えてきた影響です。デルタ株はより感染力が強いとされ、エアロゾル感染します。当院でもより一層の院内感染予防、新型コロナ感染が疑われる方の診察は発熱外来で時間的空間的分離を徹底するなど、対策を徹底したいと思います。

 アフガニスタンの首都陥落、私にとって今年一番の衝撃のニュースです。これで地政学で言うハートランドの大部分が反米勢力下になりました。イランとパキスタンのスンニ派の間にシーア派の支配国の復活です。シリアやイスラエルに対する影響も出てきます。一神教間のパワーバランスの地殻変動や中国の西進政策の大きな転換点になるかもしれません。今後のタリバン新政権の内政外交、各国の国連外交に目が離せません。 
8月  9日   Tokyo2020が終わりました。閉会式での古関裕而氏のオリンピックマーチには感激しました。思えば五輪招致が決まった際の「トキョ!」は今でも鮮明です。アベノミクスやインバウンド需要下の高揚感が懐かしいです。無観客・感染対策下の関係者の活動の困難さはいかばかりだったか。本当にご苦労さまでした。私は特に、五輪に出場できなかったりメダルに届かなかった全てのアスリートに敬意を表したいと思います。

 8月に入っても小児のRSウイルス感染症はさらに増えています。RSウイルス感染に続発する急性中耳炎のお子様も目立ちました。溶連菌咽頭炎も散見されました。これからお盆休みに入り集団保育の機会は減りますので、さすがにRSウイルスの流行は減少に転じると思います。一方、新型コロナの感染拡大には戦々恐々です。デルタ株の感染力の強さはやはりという感じですし、ペルー由来のラムダ株、カルフォルニア由来のイプシロン株はワクチンを打っていても安心できません。ワクチンの抗体価も接種後半年以降は結構減弱しているとのデータも見ました。お盆明けの当院の発熱外来も慎重に慎重に対応したいと思います。 
     
  31日   五輪開幕から1週間、連日の日本選手の大活躍に元気をもらっています。

 首都圏を中心に感染のオーバーシュートとなっている新型コロナですが、幸いにも四国は全国でも最下位近くの感染者数です。それでも感染者数は増えつつあります。中村県知事も松山は第5波の入り口と表明しています。1週間前の連休中、私は道後温泉の周囲を自転車で通りかかったのですが、県外ナンバーの車の多さにビックリしました。お盆明けには松山も感染拡大が目立ちそうで、私もより一層感染予防に注意しようと思います。
 40~50才代へのワクチン接種の加速化が急がれています。当院でのワクチン接種も50才代まで対象が広がってきました。いまのところ松山では、個別接種医療機関への予約の割り振りやワクチンの配送にトラブルはないようです。今後も確実に接種率が上がればと願っています。
 当院では新型コロナの抗体検査を行っています。抗体のS蛋白を計測することから、過去の感染の有無だけでなく、ワクチンによって抗体がしっかりついて感染予防効果があるかどうかも判断できます。今月に入り複数の方から検査の依頼がありました。希望される方はご相談下さい。

 ここ1週間、当院でもRSウイルス感染症がさらに増えています。小児科に紹介、入院のお子様も複数例にのぼります。ある総合病院からはベッドが満床で他の病院に紹介をするようにとの依頼もありました。風邪から喘息様になっていたご高齢の方を調べるとRSウイルスであったケースもありました。過去には子供の夏風邪の手足口病などが夏休みに入っても増えることはあったのですが、新型コロナとRSウイルス、夏休みに感染症がこれほど猛威を振るうのは極めて珍しいです。

 28日は土用の丑の日でした。29日にはお二人、ウナギの骨がノドに刺さった方の来院がありました。ウナギは近年、本当に高級魚となりました。当院でも徐々にウナギの骨の咽頭異物例は少なくなっていますが、やはり今年も耳鼻科の夏の風物詩となりました。ウナギの骨は小さいと糸より細いぐらいですので、扁桃腺や舌根扁桃の中に埋もれてしまうと見つけることが難しくなるのですが、幸いにも今年のお二人は耳鼻科用のピンセットで簡単に取ることができました。(^^)

 松山でも連日30℃越えの真夏日が続いています。外耳炎や鼻せつの方が増えています。メニエール病は低気圧が影響する代表的な病気ですが、近年は脱水も悪影響を与えることが判っています。当院の外来で、メニエール病が最も目立つのは「50才代女性のお盆明け」です。長梅雨は開けましたが、猛暑で脱水や熱中症を来しやすい季節となっています。メニエル病の方は、疲れをためて夏バテしないよう、水分補給で脱水気味にならないようご注意ください。 
  22日  今日明日は当院もお休みを頂いています。私もステイホームです。朝は往年のイタリア映画の「ひまわり」を鑑賞、昼は上高地河童橋のライブ映像で涼み、夜はサッカー男子の応援でした。無観客のせいで久保選手のシュートがゴールポストを叩いた音が鮮明に聞こえました。明日はいよいよ五輪開会式です。問題噴出でどんな演出になるのか逆に興味深々となる方も多いと思いますが、私はとりあえずブルーインパルスの描く五輪を見られるだけでも感無量になりそうです。

 週明けには観測史上最長65日に及び全国でも一番遅くなった四国の梅雨が明けました。昨日は夏休み入りです。今月に入り当院でもRSウイルス感染症の方が目立ちました。中にはお孫さんからうつされたご高齢の方もおいでました。RSウイルスも含め急性上気道炎に罹る子供達が昨年同時期よりは増えましたので、急性中耳炎を続発した子供達も久々に目立ちました。今年は2年ぶりに学童のプールが再開されました。今週の診察でお話を伺うと、この連休に家族で海や山での行楽を予定している方もチラホラおいでます。炎症反応の強い急性中耳炎にかかった子供たちには、次回の経過を診るまではプール遊びは控えるようにお伝えしました。 
  11日   今日は一日、真夏のような晴天でした。四国も梅雨明けかと思いましたが、今日は九州南部だけの梅雨明けでした。当院の発熱外来ですが、この暑さで数分防護衣を着用しているだけで汗だくになります。頑張ります!
 当院外来もそろそろと夏の雰囲気です。暑さの影響で、外耳炎が耳介や首の皮膚に広がる方が出てきました。ウナギの骨による咽頭異物の方の来院も見られました。

 愛媛の新型コロナの週間単位の発生率は全国でダントツ1位となっています。ちなみに2位は徳島県です。しかし五輪が始まる来週の連休ぐらいからは、どうしても首都圏からのデルタ株の流入は避けられそうにありません。要警戒です。
 当院のワクチン接種も先週から対象者が60~64才に広がりました。全国的にはファイザー、モデルナともに供給の停滞が起こっていますが、今のところ当院への供給体制は滞っていません。松山市はこれから7月中に一気に16歳まで接種券を発送する予定となっていますが、今後スケジュール通りに進むのか少し心配です。

 全国的に流行化したRSウイルスですが、愛媛県でも7月に入りますます増えています。先週後半には迅速検査キットの出荷調整が始まりました。検査試薬の出荷調整は、インフルの大流行期以降ここ2年半以上ありませんでした。関西を中心に小児の間で相当流行しているようです。

 6月以降、松山市内の保育園ではRSウイルスやアデノウイルス、溶連菌などでなくて原因が特定できない熱発の風邪が目立っています。どんなウイルスかなと思っていましたが、先週松山市保健所からの検出病原体で、不明熱の患者検体からパラインフルエンザ3型が4例報告されました。ああ、6月の発熱のお子様の多くがパラインフルエンザだったんだなと納得しました。
 パラインフルエンザ1.2型は秋に、3型は春から初夏に小児の間で急性呼吸器感染を引き起こします。声門下喉頭炎(クループ)の代表的な病原菌で、耳鼻科領域では耳下腺炎も引き起こします。パラインフルエンザウイルスの同定は、培養によるウイルス分離同定が王道で保健所など研究室レベルで行います。市中の医療機関レベルではウイルスの抗原検査や抗体検査がありますが、パラインフルエンザの抗原検査を扱う検査センターが無くなっていることから、現状では抗体検査を行うことになります。抗体検査は感染時期と2週間後の抗体価を比較して抗体価の上昇があれば感染が確認されますので、実臨床の場では実際的ではありません。多くは臨床所見より総合的に判断することになります。

  頚部腫瘤、耳介血腫、概日リズム睡眠障害、自己免疫性難聴など 
7月  7日   当院では3日前に蝉が初鳴きしました。現在、梅雨前線は四国の北に位置しており、松山は猛暑となっています。四国は5月15日に史上最速で梅雨入りしています。来週には梅雨明けとなりそうですが、例年なら1ヵ月半の梅雨が2ヶ月の長期間になりそうです。箱根の土砂災害には言葉もありません。開発の自然災害に及ぼす影響をしっかり解明してもらいたいと思います。
 政府は首都圏に4回目となる緊急事態宣言の発出を検討中です。デルタ株の拡大は避けられそうにありません。五輪も完全な無観客になるのでしょうね。残念です。一方現在、愛媛県の新型コロナの発生は週平均で全国で46番目。今日、愛媛が感染者0名で、島根県が1名ですので、ひょっとしたら愛媛が全国最下位になるかもしれません。当院の発熱外来も少し心に余裕を持って診療を行えています。
 今日、当院で今シーズン初めてRSウイルス陽性のお子様を見ました。6~7月の真夏前にRSが流行するのは史上初めてです。RSウイルスは乳幼児が感染すると細気管支炎で重症化する場合があります。小児科との連携をしっかり行っていきます。 
     
  30日   暑いですが、梅雨明けはまだまだのようです。
 今週の愛媛県の対人口比のコロナ感染者は全国44位であの鳥取県より下位です。今日も愛媛県内での感染者は報告されていません。デルタ株の報告も見られていません。落ち着いたまま夏休みを迎えて欲しいです。
 当院での感染症は溶連菌が散見される程度です。アデノウイルス、RSウイルス、クループを来すパラインフルエンザウイルス、口内炎を誘発するエンテロウイルス系の夏風邪はほとんど見かけません。それでも、集団保育児を中心に熱のでる風邪のケースが目立っています。昨年流行しなかったRSウイルスが、全国的には今年は夏から流行しているように、昨年の夏よりは一般的なウイルス感染症が小さなお子さんに増えてきている印象です。

  小児の構音障害(サ行吶)、急性化膿性甲状腺炎、扁桃周囲炎、先天性耳瘻孔急性増悪、外耳道真菌症、口腔カンジダ症など。 
  13日  診察の際にアレっと思って見てみると、マスクの周りだけくっきりと日焼けしていない子供さんを二人に遭遇しました。みんなマスクをしてしっかり外遊びしているのでしょうね。

 小さなお子さんが細気管支炎で重症化することもあるRSウイルスが2年振りに全国的にも愛媛でも流行してきています。昨年は保育園の休園で感染が広がらなかったと考えられています。RSウイルスは消失はしていなかったようで、RSウイルスに対する免疫のついていない乳幼児への感染が例年より早く始まったようです。
 当院でも急に高熱のでた急性上気道炎の方が、6月に入ってやや増えてきました。溶連菌による発熱の人が一番多いですが、アデノウイルスの人も散見します。当院ではまだRSウイルス陽性の方は見られませんが、これから徐々に一般的な感染症の人が増えてくるかもしれません。
 蒸し暑い日が多くなってきました。外耳炎、鼻前庭湿疹からのとびひや鼻出血の方が目立ってきました。

  聴覚情報処理障害APD、反復性鼻出血、挿管後嗄声、頚部リンパ節炎、接触性皮膚炎、椎骨脳底動脈循環不全VBI など 
6月  9日   今日の松山の最高気温は33.0℃と真夏日となりました。ちょうど熱いさ中にさくら小学校の学校健診に行ってきました。健診の始まる時間はちょうどお掃除の時間でした。中庭では汗ばんで草むしりに精を出している子供達もいました。これだけの暑さの中での健診はめったにありません。汗が引かないで健診を受ける子供達も目立ちました。ちなみにさくら小では明日がプール開きです。二年振りのプールで、水温も高いでしょうから、明日は皆が歓声をあげてプールに飛び込みそうですね。
 2019年の疫学調査では、小学生の5割が花粉症、4割がハウスダストアレルギーです。また、昨年夏の国立育成医療研究センターの報告では小学校5年生の6割が花粉症、6割がハウスダストアレルギーと、さらにアレルギーの有病率は高くなってきています。問診表に鼻炎症状のチェックがあり健診に回ってきた子供たちの大半がアレルギー性鼻炎を持っているのが現代の実態ですが、健診では鼻炎の所見がはっきりしているケースのみ健診病名を付けますので、健診の報告書で「アレルギー性鼻炎」と記載されていれば”軽くない”アレルギー性鼻炎があるものと捉えて下さい。

 当院のコロナワクチン接種は、今のところ滞りなく進んでいます。アレルギー症状の発現やワクチンの余剰は生じていません。当院でも再来週の20日からは週当たりの接種件数がさらに増えます。遅ればせながら松山市も高齢者の接種は7月中に終わることが出来そうです。
 コロナの変異株について、愛媛県ではまだインド型(デルタ型)は検出されていませんが、対岸の広島県では既に報告されています。ワクチン接種のペースが変異株の感染拡大のペースを上回れば良いのですが。
 例年なら沖縄を中心に全国でまだ検出されるインフルエンザB型ですが、今年の春からは全国集計でも見事に1例も検出されていません。近年流行していたB型には、ビクトリア株と山形株があります。このうちの山形株は世界的にも全く検出されなくなっているとの論文が数日前に発表されました。世界的な感染予防の行動でB型山形株は世界から消失したかもしれません。それでもコロナは消失しない、、しぶといです。 
     
  30日   今日から当院で新型コロナワクチンの接種が始まりました。接種後に体調を崩す方はおられず、接種第1日目はスムースに進みました。 
  26日   現時点で愛媛県は、全国でも東京に次いで低いワクチン接種率です。あれっという感じですが、今日、当院スタッフの医療従事者枠の新型コロナワクチンの2回目の接種がようやく終わりました。2回目は、1回目より腕の痛み、倦怠感、発熱などの副反応が強く出るとされていますので接種を受けるスタッフはやや緊張気味でした。
 昨日、J&J製のワクチンが承認申請されました。来年には承認見込みとのこと。ワクチン接種の進む欧米では、お店の営業が平常化したり、マスクの着用義務が徐々に解除されています。今後は接種のペースが日本でも一気に加速しそうです。早くアフターコロナの時代がやってきて欲しいものです。
 当院で始めた新型コロナの抗体検査ですが、当院で用いる試薬は、スパイク(S)蛋白質のIgG抗体を定量測定するものです。アボッジャパン製で、従来のウイルス細胞内のヌクレオカプシド(N)蛋白を検出する検査ではなく、感染成立に重要な役割を果たすウイルス表面のS蛋白質を測定するため、ファイザーやモデルナのmRNAワクチン接種後の効果の持続性や集団免疫獲得の評価にも有用です。検査を希望される方はお問合せ下さい。 
  22日  やはり例年以上に感染症は少ないようです。過去3週間、全国集計でもインフルエンザは1例も報告されていません。当院でもアデノウイルス感染症、溶連菌咽頭炎、感染性胃腸炎が散見される程度です。

 松山市では今日から、コロナワクチンの高齢者への集団接種会場での接種が始まりました。医療機関での個別接種は31日から始まります。当院も個別接種の医療機関となっていますが、当院では日曜診療を行っていることから30日の日曜日から開始されます。厚労省や保健所との情報共有などの準備はいまのところ滞りなく進んでいます。
 また、当院では今日より新型コロナウイルスの抗体検査を開始しました。抗体検査は、現在の感染を確認するPCR検査や抗原検査とは異なります。コロナの抗体価は感染後10日後以降に上昇します。抗体があるということは、過去に感染した事実がある、再感染による発症は抑えられる可能性が高い、ワクチン接種後ならばワクチンの効果が続いている などと評価できます。当院では、ある一定量の抗体の有無をみる定性検査より感度が高いとされているIgG抗体の抗体価を数値で示す定量検査を行います。中和抗体そのものをみる検査はまだ研究所レベルですが、臨床的にはIgG抗体の検査で十分評価は可能です。現時点では医療保険ではまだ未承認ですので、まず自費診療として行います。詳細を、当院の「新型コロナウイルス感染症」のページに挙げました。これを機会に、このページの更新も行いました。イギリス株やインド株などの変異ウイルスやワクチンの有効性、中和抗体の持続性などの最新の知見を追加しました。 

 やはり例年以上に感染症は少ないようです。過去3週間、全国集計でもインフルエンザは1例も報告されていません。当院でもアデノウイルス感染症、溶連菌咽頭炎、感染性胃腸炎が散見される程度です。

 松山市では今日から、コロナワクチンの高齢者への集団接種会場での接種が始まりました。医療機関での個別接種は31日から始まります。当院も個別接種の医療機関となっていますが、当院では日曜診療を行っていることから30日の日曜日から開始されます。厚労省や保健所との情報共有などの準備はいまのところ滞りなく進んでいます。
 また、当院では今日より新型コロナウイルスの抗体検査を開始しました。抗体検査は、現在の感染を確認するPCR検査や抗原検査とは異なります。コロナの抗体価は感染後10日後以降に上昇します。抗体があるということは、過去に感染した事実がある、再感染による発症は抑えられる可能性が高い、ワクチン接種後ならばワクチンの効果が続いている などと評価できます。当院では、ある一定量の抗体の有無をみる定性検査より感度が高いとされているIgG抗体の抗体価を数値で示す定量検査を行います。中和抗体そのものをみる検査はまだ研究所レベルですが、臨床的にはIgG抗体の検査で十分評価は可能です。現時点では医療保険ではまだ未承認ですので、まず自費診療として行います。詳細を、当院の「新型コロナウイルス感染症」のページに挙げました。これを機会に、このページの更新も行いました。イギリス株やインド株などの変異ウイルスやワクチンの有効性、中和抗体の持続性などの最新の知見を追加しました。 

 ANAの搭乗時に流れるboarding music「Another Sky」は、時々当院診察室のBGMでも流れています。この曲を聴くと、仕事であれプライベートであれ旅の始まりのワクワク感と緊張感を思い起こされます。素敵な「Another Sky」を見つけました。乗り物好きの私にとって、日本の旅客路線からB747が無くなったあとの最巨漢機のエアバスA380の前でANAスタッフが演奏する「Another Sky」は胸熱です。コロナ禍の直前にA380を導入したANAはその運営に頭を悩ませています。アフターコロナに向かってみんなが元気になって欲しい、そう感じるPVでした。

【Another Sky ANA格納庫演奏 / メイキング編】ANAチーム羽田オーケストラとコラボ!
 Another Sky ー TARO HAKASE &ANA Team HND Orchestra
  16日  昨日、15日に四国が観測史上最速で梅雨入りです。平年の6月5日より21日早く、昨年より26日も早くなりました。季節感がおかしくなりそうです。雨が続くとイネ科花粉の飛散は抑えられます。最近は屋外でもマスク着用がデフォルトになっています。今年は雑草花粉症で症状の強い人をひとりも見ませんでした。(^^)

 31日から松山市でも高齢者のコロナワクチン接種が始まります。当院も個別接種の医療機関となっており、かかりつけの方からの問合もありました。松山市ではワクチンの1バイアル6名分を無駄にしないよう接種の予約業務は全て市が行っています。予約は市の窓口を通してお願い致します。防衛省が行う大規模接種センターは広域での予約体制になるようですが、愛媛県ではそれぞれお住いの市町村で接種するようになっています。松山市以外の方は、それぞれお住いの市町村で予約をして下さい。


伊予灘の夕日の遠景です。右手に興居島の小富士の影が見えます。 
5月 11日   私の療養も、どうにか経過良好ということで、明日より診療を再開いたします。

 昨日、松山市でも高齢者のコロナワクチン接種の予約が始まりました。コロナの重症者増加、ワクチン接種の本格化、オリンピックの開催問題など混沌とした我が国の状況ですが、これから5月後半に向けて流れが良い方に向かって欲しいです。
 療養中、「米石油パイプライン大手へのサイバー攻撃」のニュースに衝撃を受けました。社会インフラの脆弱性は、私たちの身近に迫っているようです。

 今シーズンの花粉症ですが、スギ花粉は4月11日に、ヒノキ花粉は5月2日に飛散終了でした。スギ花粉は例年の1.5倍、昨年の4倍の飛散数でした。昨年の飛散がが少なすぎただけで、今年も大量飛散までは至りませんでした。

 療養中はこんな歌を聴いていました。思えば私が中学受験や高校受験の際に良く聞いていた歌です。さだまさしさんは、季語辞典も手元に置いて作詞をしていると聞いたことがあります。風景や季節の描写を通して人の情動が目の前に浮かんでくる詩歌です。

「療養所」 さだまさし

病室を出てゆくというのに
こんなに心が重いとは思わなかった
きっとそれは
雑居病棟のベージュの壁の隅に居た
あのおばあさんが気がかりなせい

たった今飲んだ薬の数さえ
すぐに忘れてしまう彼女は しかし
夜中に僕の毛布をなおす事だけは
必ず忘れないでくれた

歳と共に誰もが子供に帰ってゆくと
人は云うけれどそれは多分嘘だ
思い通りにとべない心と動かぬ手足
抱きしめて燃え残る夢達

さまざまな人生を抱いた療養所は
やわらかな陽溜りと かなしい静けさの中

病室での話題と云えば
自分の病気の重さと人生の重さ それから
とるに足らない噂話をあの人は
いつも黙って笑顔で聴くばかり

ふた月もの長い間に
彼女を訪れる人が誰もなかった それは事実
けれど人を憐れみや同情で
語れば それは嘘になる

まぎれもなく人生そのものが病室で
僕より先にきっと彼女は出てゆく
幸せ 不幸せ それは別にしても
真実は冷やかに過ぎてゆく

さまざまな人生を抱いた療養所は
やわらかな陽溜りと かなしい静けさの中

たったひとつ僕にも出来る
ほんのささやかな真実がある それは
わずか一人だが 彼女への見舞客に
来週からなれること


「第三病棟」 さだまさし

僕の病室 君のそろえた
青い水差しと 白いカーテン
子供の声に 目覚めれば 陽射し
坊やが窓越しに 笑顔でおはよう
あの子の部屋は 僕の真向い
お見舞の 苺が見える
やがて注射はいやだと泣き声
いずこも同じと 君が笑う

遊び盛りの 歳頃なのにね
あんなに可愛い 坊やなのにね
カルテ抱えた 君は一寸ふくれて
不公平だわとつぶやいた
紙飛行機のメッセージ
坊やから届いたよ
夏が過ぎれば 元気になるから
そしたら二人で キャッチボールしよう

返事をのせた 飛行機を折って
とばそうと見たら からっぽの部屋
少し遅めの 矢車草が
狭い花壇で 揺れるばかり
受けとる人の 誰もいない
手を離れた 飛行機
君と見送る 梅雨明けの空へ
坊やのもとへと 舞いあがる
 
 療養中は骨太の本にも触れることができました。MIT政治学部教授テイラー・フレイヴェル著「中国の領土紛争 武力行使と妥協の論理」2019年刊。著者のスタンフォード大学博士論文に加筆した骨太の学術書です。防衛省防衛研究所の諸氏が翻訳しています。
 領有権を主張するための戦略を国家がいかにして選択するかを説明するふたつの理論、協調とエスカレーションに基づいて考察しています。国家は、1,なにもせずに解決を引き延ばす 2.譲歩し妥協する 3.威嚇するか武力を行使する の戦略からひとつを選択します。国家の主権に対して妥協した場合には国内で指導者が懲罰を受けるコストがあり、危機をエスカレートした場合には結果が不確実なことから、多くの場合は何もしないという戦略のリスクが最も少なくなります。
 著者は1949年の中華人民共和国建国以来の23の領土紛争について、世界で初めて類型的に研究しました。中国は建国以来のほとんどの時期は解決の引き延ばしを図ってきましたが、対北朝鮮では北朝鮮を援護するために妥協を、対インド、ネパール、パキスタンではチベット内乱による妥協を、中央アジア諸国とは新疆ウイグルでのイスラム教徒の反乱に起因して妥協を、対ソ連、ロシアとは天安門事件、ソ連崩壊による妥協を、南シナ海ではベトナムやフィリピンなどの先行に対してエスカレーションを選択しています。国家統一をめぐる紛争では香港、マカオに対しては引き延ばし戦略を、台湾に対しては妥協しない戦略をとっています。日本語版の刊行に当たって著者は、尖閣諸島をめぐる紛争の章を加筆しています。
 筆者は紛争の原因やその妥当性については背景として触れるだけです。あくまでも紛争が起こった後の動きを、権力基盤や当時の内政問題、外交問題を基に類型化していきます。パワーポリティクスに携わる外交官の指針となります。
 
     
  24日   明日から私の療養のために3週間の休診を頂きます。今日の診察では患者様から励ましの言葉を頂きました。ありがたい限りです。かかりつけの患者様にはご迷惑をおかけします。私は開院以来、中予の耳鼻科日曜診療を担ってきた自負がありましたが、明日から4回の日曜日はこれを担うことが出来ません。忸怩たる思いです。
 ちょうど明日からは大阪や東京が緊急事態宣言入りです。愛媛もまん延防止重点措置入りです。なにか因縁めいたものを感じます。大阪や兵庫では現在、呼吸不全やCTで明らかにコロナ肺炎の所見を示してもPCR検査が陽性でなければ自宅待機を余儀なくされているようです。酸素飽和度SpO2が80%台でなければ中等症重症の患者受け入れも困難になっています。酸素飽和度80%台といえば、平素なら当院でも基幹病院に救急受け入れを要請しているレベルです。(実際当院で最近、新型コロナ感染ではありませんでしたがSpO2 80台で基幹病院に急遽紹介したケースがありました) 医療崩壊は始まっています。変異型コロナは本当に恐ろしいです。首都圏やそして愛媛でも、これから感染爆発しないことを祈念しています。 
  21日   コロナワクチンの接種スケジュールですが、全国の集計で医療従事者の接種はまだ15%しか済んでいないとのことです。松山西部地区の医療従事者の接種は3日前にようやく始まりました。5月下旬までに2回目の接種が終わる予定で、続いて5月31日から高齢者の接種が始まります。
 私を含めた当院スタッフは、今日の午後から1回目の接種を受けてきました。私の場合、接種時はほとんど痛みはなく、急性の副反応も見られませんでした。夜になり腕に鈍痛を感じ出しましたが、今のところ発熱は認めません。早く新型コロナのスパイク蛋白の抗体がついて欲しいものです。

 ゴールデンウィークを前に図書館の本を借り貯めするために図書館を梯子しようと思いましたが、松山市がまん延防止の申請を検討している段階でもあり、松山市中央図書館は既に閉館、愛媛大図書館は学外者の入館は禁止、唯一、愛媛県図書館のみ開いていました。行ってみると明日からは本の予約者以外の利用は停止になるとのことでした。ギリギリ間に合いました。小説は司馬遼太郎の「梟の城」のみで、あとは読みがいのある歴史書や図鑑を中心に借りてきました。まさに”開いてて良かった”です。

 今日は本来なら公道で聖火リレーが行われる予定でしたが、松山市は点火セレモニーのみが無観客で開かれました。


聖火リレーのコースだった一番町通りには聖火リレーの幟がはためいていました。県庁本館には「祝 マスターズ優勝 松山英樹選手」の横断幕です。


県庁の向かいのNTTの建物には、道後温泉本館をバックにトーチを掲げて走る錦織選手の巨大なポスターです。かれこれ2年前には設置されていました。2年前が蜃気楼のようです。


城山公園内の点火セレモニー会場です。密集を防ぐため、会場の周りはフェンスやテントで目隠しされ、一般の人は近づけないようになっていました。警備がものものしいのはお祭りにはそぐいません。まさかこんな事態になるとは思いませんでした。コロナが恨めしいです。


駐車場に戻ろうと歩いていると、唯一、このポイントからだけ聖火が見えました。周りに人垣はなくパラパラと20~30人位の人が見たのではないでしょうか。遠目ながら生の聖火を見ることができました!  
  14日  今日の夕方に、松山市内の聖火リレーの中止が発表されました。点火式のみを行い、ランナーの走る機会がなくなるのは全国で初めてです。早速、全国ニュースでも速報されていました。松山の予定コースは、道後温泉飛鳥乃湯→県民文化会館前→勝山通り→1番町県庁前→城山公園でした。楽しさそうなコースだなと私も楽しみにしていたので、残念です。
 新型コロナの変異株が日本でも猛威を奮いつつあります。小児も発症し、中高年の重症例も増えています。新型コロナでもこれまでに数万の変異ウイルスが発生していますが、感染力に影響を与える重要な変異がウイルス表面のスパイク蛋白の変異です。スパイク蛋白変異の主なものを挙げると、N501Y変異がイギリス型、N501Y+E484K変異がブラジル型、南アフリカ型、フィリピン型で、E484K変異のみが日本型です。日本でも既にフィリピン型以外は全て検出されています。これからゴールデンウィークにかけてまさに正念場です。私もより一層気を引き締めたいと思います。

 東芝の買収問題が報道されています。日本の「失われた30年」はまだまだ続きそうです。 私が大学を卒業したのが1986年、大学院卒業が1991年でした。日本のバブルは1985年のプラザ合意から始まり、1990年に株式のバブル崩壊、1993年に土地バブルの崩壊ですので、私の大学時代はまさにバブルの発生崩壊と軌を一にしていたことになります。日本のバブルはわずか5年で発生し崩壊しました。ピークには大都市圏の平均地価が1年で50%以上上がり、株式やゴルフ会員権、リゾートマンション価格が高騰しました。
 この時代のことが良く解る書籍を紹介します。軽部健介著「検証 バブル失政 エリートたちはなぜ誤ったのか」2015、太田康夫著「金融失策 20年の真実」2018、武藤敏郎編著「蘇る金融 破綻処理の教訓」2010、岩田一政著「デフレとの闘い 日銀副総裁の1800日」2010です。
 時系列でこの時代を紹介すると、1985年プラザ合意で円切上げ→澄田日銀総裁下での円高不況→マネーサプライを見ながらの日銀円卓会議や政策委員会での公定歩合引下げ→レーガンや父ブッシュ大統領相手の日米交渉、国際協調、東京サミット→ルーブル合意→BIS規制→ブラックマンデー→物価安定策、地価上昇などの資産インフレ→日銀コマーシャルペーパーCP市場での翌日物オペ→公定歩合引き上げ→三重野日銀総裁下でのバブル崩壊→橋本首相の金融ビッグバン政策→住専問題→1997年日債銀、山一證券破綻→福井日銀総裁下の不良債権への公的融資→郵貯民営化→超円高不況→黒田日銀総裁下のアベノミクス で、現在に至ります。
 特に軽部氏の著書では、バブル萌芽期の大蔵省と日銀の政策決定過程を、当時の関係者への聞取り調査などの膨大な取材量で明らかにしています。早く公定歩合を戻したいが旧日銀法では大蔵省の意向に逆らえない日銀と、一方、大蔵省は、財政立て直しのためにプライマリーバランス正常化を目指し、円高不況解消圧力を経済界やマスコミ、国民から受け、米国から貿易黒字解消のための内需拡大を求められた日本政府から圧力を受けていました。バブル崩壊後も住専問題などで国民世論の批判が大きくなかなか公的資金投入は出来ませんでした。
 バブルは崩壊して初めてバブルと判ると歴史は伝えます。日銀マンや大蔵官僚、政治家の立場をなぞると、その時その立場で”それなりに”最善を尽くしているのが痛いほど分かりました。特に、物価が上昇しないで資産インフレがすすむ事態のために、全ての関係者の行動が1年遅れたように見えます。
 今現在、黒田日銀総裁下の超金融緩和政策が続いています。超高齢化少子化社会を前にして超緩和の先に何が待っているのか。答えを得るのは本当に難しそうです。 
  12日   昨日、BSで吉野の千本桜が中継されていました。満開は例年より約2週間早かったそうです。松山の桜は、早くも散り際です。松山のスギ・ヒノキ花粉症のシーズンも例年より10日間程は早まっています。スギ花粉は飛散終了間近、ヒノキも飛散のピークは過ぎて少量飛散のレベルになっています。多くの方は花粉を感じなくなっていますが、ヒノキ花粉を感じる方の来院もまだ見られます。

 松山出身の松山英樹選手。マスターズ優勝おめでとうございます。愛媛の地方ニュースもお祭り騒ぎです。日本人がマスターズで優勝するとは、、驚嘆しました! 昨日、松山選手が3rd終了時点でトップだったことから、私も急遽録画していました。今晩は、解説の中島常幸選手やアナウンサーまでもが涙にむせんだという中継を、ネットからプリントアウトしたオーガスタナショナルコース( 私も何度かゲームソフト上では回ったことがあります(^^) )の配置図を片手にゆっくりと楽しみたいと思います。結果を知っているので、松山選手の1番ホールのボギーも余裕を持ってみられます。

  我庭(わがにわ)に 一本(ひともと)さきし すみれ哉  子規 (子規記念博物館 今月の俳句 より)


 4月10日の道後公園の「植物季節観測用標本樹(桜)ソメイヨシノ 松山地方気象台」です。もう大方が葉桜ですが、北面には散り際の花びらが残っていました。  
4月  1日   4月になりました。新年度入りです。新入生、新社会人の幸多き新生活を祈っています。昨日は「浪人が決定した」という卒業生も来院しました。更なる飛躍を祈りつつ、「春夏はあっという間に過ぎるので油断大敵」と発破をかけさせてもらいました。がんばれ!浪人生。


 桜舞う東堀端とわずかに黄砂で霞む松山城です。松山一のアングルといえば、この構図と道後温泉本館でしょう。私が撮ってる横には、一眼レフで撮影しているカメラマンがお二人いました。 
  31日  今日の松山の最高気温は20.1℃で4月並みの気温でした。東京は23℃越えで5月並みでした。明日の松山も予想最高気温23℃と汗ばむ陽気になりそうです。ヒノキ花粉の大量飛散が続いています。ここ3日間、松山にも今年4度目で今年最多の黄砂飛来です。今日の朝は車のボンネットが薄っすら黄色くなっていました。
 大阪府が新型コロナのまん延防止策の適応を申請しました。全国的にも松山も変異ウイルスによる第4波入りは疑いようがありません。繁華街クラスターから市中へ感染が広がりを見せています。当院でもよりいっそう感染予防に注意を払いたいと思います。
 今日は年度末。今日の午後には新年度に向かってのレセプトコンピューターの更新を済ませました。毎年度になった薬価改定と、初診料再診料の変更以外は大きな変更はありません。今期のシステム更新はトラブルなく進められそうです。
 例年、年度末には難治性中耳炎のお子様を中心に転居先の医療機関に紹介状を託すことが多いのですが、この冬は風邪が流行らなかったことから続発的に中耳炎に罹るお子様も極端に少なかったことから、紹介状を書く機会も少なかったです。(^^) 
  27日   新型コロナ、松山では”繁華街クラスター”で過去最高の発生数です。松山でも変異型の発生が主流となってきました。全国的な第4波の到来が早まりそうで心配です。
 1週間前が雨模様で週の後半から汗ばむ陽気です。今日、ヒノキ花粉が18日に続いて大量飛散した模様です。スギ花粉の飛散はほとんど終息しています。2月後半からの暖冬で、スギ、ヒノキともに花粉飛散のピークが例年より早くなっています。

  壊死性リンパ節炎、ハント症候群、亜急性甲状腺炎、腺腫様甲状腺腫、嗅覚低下、咽頭乳頭腫など
  24日  聖カタリナ高校の選抜野球、大健闘でした。
 フランスは再度のロックダウン入りです。ワクチン接種が進む米国と英国で新型コロナの流行が落ち着きつつあり、ワクチン接種率が4%と低いフランスで変異株による感染拡大です。松山でも変異株のクラスターが出てきました。東京や兵庫、沖縄でも感染者が増えつつあります。感染第4波も懸念されます。医療関係者へのワクチン接種は遅々として進みません。EUが域内の感染拡大のために域内への流通を優先させています。わが国でも特例で財政支援下での治験の拡大化は無理なのでしょうか?
 今シーズンの松山のスギ花粉の飛散は、このまま推移すればどうやら大量飛散の2年前、9年前には至らないようです。2月下旬からの暖冬でスギ花粉の飛散は早めに終わりそうです。代わって先週末からヒノキの飛散が早めに始まったようです。

  
 今日は午後から勝岡の運転免許センターに免許の更新に行ってきました。帰りは久しぶりに三津浜を回ってドライブです。
 (写真上)白石の鼻からは、陽光の海の向こうに鹿島と高縄山(標高993m)が遠望できます。(写真下)松山観光港のデッキからは広島行きの高速艇スーパージェットと小倉行きフェリーくるしまが停泊していました。旅情をそそります。デッキの前のホールでは以前にパーティーの出来るレストランがありましたが、コロナ禍の影響でしょうか、閉店していました。以前、当院でも祝賀会に利用したことがありました。港の夜景を見ながらのパーティーは素敵でした。閉店は残念です。

  
 (写真上)梅津寺の丘にはカンヒザクラ(寒緋桜)でしょうか。真っ赤な桜が満開でした。今年は過去2番目の早い桜の開花で、ソメイヨシノのほとんどが散り際でした。私もなんとか花見に間に合いました。海側を見ると、梅津寺駅ホームの「東京ラブストーリー」のハンカチはひとつもありませんでした。やはりコロナで県外から訪れる人がいなくなったせいでしょうか。(写真下)三津の港です。この奥に、映画「がんばっていきまっしょい」にも登場した市道として無料で利用できる三津の渡しがあります。  
  20日   春分の日、当院もお休みさせて頂きました。松山は久方ぶりの大雨でした。石手川には放流の警報サイレンが鳴り響いていました。
 今は、東北地方の地震の臨時ニュースが流れています。これも東日本大震災の余震でしょう。千年に一度の地震は、50年単位で余震が続きそうです。富士山直下や南海トラフでは、ますますひずみが蓄積していそうです。

 昨日は日本アカデミー賞の発表がありました。そういえばここ1年以上、私は映画館に行っていませんでした。今回のアカデミー賞ノミネート作品も、地上波放映やネット配信の「Hukushima50」「コンフィデンスマン」しか見ていませんでした。コロナ禍でも良質な作品は生まれ続けています。「鬼滅の刃」もいつの間にか興収歴代1位385億と凄いことになっています。4月23日からはついに北米でも公開です。映画館や美術館にも足を運ばなければいけません。
 奈良の都に春を告げる東大寺二月堂の修二会「お水取り」の5時間にわたる生中継番組がNHK-BSで放映されました。番組では堂内の修験者の作法が初めて中継されました。例年なら参拝客でごったがえす「お松明」も、今年は無観客な静寂の中で観ることができました。製作費や広告収入を気にしないですむNHKは攻めた良質の番組を提供してくれます。(受信料を徴収する公共放送ならば、子会社も連結決算で職員給与は公務員並みに、職員採用には国籍条項を、とうい愚痴もありますが) 聖武天皇が東大寺を創建した理由のひとつは当時全人口の1/3が亡くなったともいわれる天然痘に対する疫病退散で、東大寺の創建には全国民のおよそ半数が寄進しています。修二会では、修験者は人々の安寧も祈って自らの体に痛みを与える秘儀もありました。コロナ禍の今こその中継でした。

 図書館でジャンルを決めずに借りて乱読するのが、私の読書スタイルですが、今冬は連年より時間が出来たこともあって、特に宗教、中世日本、金融を中心にして歴史を見ることができました。
 現在の世界の宗教の信者は、多い順に、キリスト教、イスラム教、ヒンズー教、不可知倫者(人知を超えた問題は扱わない哲学のために、肯定や否定という立場を取らない者)、仏教、東洋宗教(儒教、道教、日本神道など)、アニミズム信仰、無神論者(唯物論のマルクス主義も含みます)、新興宗教信者、シク教、ユダヤ教です。宗教は物事の本質を探究する思想の流れ、神話や伝承→宗教(神学)→哲学→科学(社会科学、自然科学など)の中でも人の無意識化の行動を規定する最重要な要素です。地政学とともに宗教が世界史の流れを作っています。私は不可知論者的ですが、どんな宗教の本を読んでも宗教史はおもしろいです。
 中世日本史では、呉座勇一氏の著書には大いに感銘を受けました。「応仁の乱」「陰謀の中世史」に続いて、「日本中世への招待」「戦争の日本中世史」「一揆の原理」と、呉座氏は、他の研究者がどのような資料を基にして持論を展開しているのかを広く紹介します。日本史学会の中で、何が解って何がまだ解ってないのかがよくわかります。一揆の意味は、農民一揆や一向一揆の「集団で反抗する」ことではなく、「その集団が気を一にして同じ考えで集まることを誓う」ことで、武士でも貴族でも一揆を結んでいました。一揆は決して支配者階級の打倒を目指したのではなく、集団への理不尽な処遇の改善を求めるものでした。
 板谷俊彦著「金融の世界史 バブルと戦争と株式市場」、野口悠紀雄著「マネーの魔術師」では、金融から世界史を辿りました。メソポタニア時代からオプション取引の原型があり、これはブドウの収穫を担保するものでした。中南米の銀鉱山の発見でスペインの衰退が逆に早まり、オランダやイギリスの胡椒の輸入会社(東インド会社)の設立で株式が制度化されました。キリスト教やイスラム教の一神教世界では金利を取ることは禁じられていましたが、ユダヤ教では他教徒から取ることは可能でした。江戸時代の堂島では近代的は先物取引が米取引から始まりましたが幕府は様々な規制をかけています。通貨の悪貨改鋳や国債発行は、国家が有事で資金調達を必要とする戦争がきっかけとなることがほとんどです。日露戦争は高橋是清外相のイギリスでの起債が出来なければ負けていたかもしれませんでした。このように宗教同様、通貨の発達も歴史を大きく左右しています。
 野口悠紀雄氏は、異次元金融緩和やアベノミクスを批判する立場や、仮想通貨ブロックチェーンの経済への影響の分析で有名です。氏の「異次元緩和の終焉」「経済データ分析入門」「世界経済入門」「日本経済入門」は傾聴に値します。氏は、異次元緩和で日銀が国債を購入するとマネタリーベース(日銀当座預金)は増えるが、マネーストック(市中銀行の預金と市中通貨)が増える訳ではないので物価は上がらないとします。日銀の力だけではマネーストックを調整することは不可能で、長期金利の調整も困難です。このまま日銀当座預金が際限なく増えると金融正常化が困難になり、物価2%が達成できても短期金利も上げざるを得ないので、国債の無期限借り換えによる国債の紙幣化で過剰インフレが発生して給与所得者や年金受給者の被害が大きくなると予想します。その物価も、原油価格を中心とした輸入物価により規定されるので、円高になる方が経済発展が進む、としています。円安で一時的に企業の利益や株価が上昇しても、構造改革が進まなければ企業内留保が増えるだけで、消費者の購買量は増えないために経済発展は出来ないとします。MMT(現代貨幣理論)では、為政者が発行する通貨でのみ税を徴収できて、自国通貨建て国債を発行できる国は財政破綻しないとしています。MMT理論と野口氏の理論、判らないなりにどうも野口氏の方が信じられますが、みなさんはどうでしょうか? コロナ禍で、これだけ国の予算が増えて国債を増発しています。MMT理論ならば、物価が上がらなければもっと国債増発してしまえになりそうです。野口氏の理論ならば、国民への一律の給付金をもっと増やした方が、退蔵される部分はあったとしてもマネーストックが増えて消費者の購買力や賃金は増えそうです。最後に同じく野口氏の「1500万人の働き手が消える2040年問題」、医療者の私には衝撃的でした。2040年には就業人口の1/4が医療介護関係になり、このような社会は持続不可能としています。氏は、医療保険制度、介護保険制度、年金制度の限界も指摘しています。少子高齢化の改善が不可能ならば、社会を維持するためには外国人労働者の受け入れが必要とも主張しています。北欧やスイスでも外国人労働者を多く受け入れていますが、私は島国日本は、経済が衰退してインフラの維持にアップアップして限界集落が荒廃しても、つつましく少数の国民で暮らす国であってほしいと思いますが、このようなことは可能なのでしょうか? 
  17日   今日は汗ばむ陽気でした。桜も開花し、一気に春本番です。心配された黄砂の飛来は、松山では昨日今日と少数だったようです。

 新型コロナは明日にも首都圏の緊急事態宣言が解除されます。コロナの四国での発生は、最近はごくわずかです。変異株は気になりますが、これから春に向かってリバウンドなく推移して欲しいものです。
 ワクチン接種に関してですが、ファイザーのワクチンの供給はまだまだのようです。当院でも医療従事者枠として希望者は接種の申請を行っていますが接種時期はまだ確定されていません。アストラゼネカのワクチンでは、血栓形成の可能性の報告がでてきました。今後の詳細な治験データに注視しています。ファイザーやモデルナのワクチンは新型コロナの遺伝子コードが発表になった翌日には開発が始まりました。従来のワクチン開発では、候補の開発に5~10年、臨床治験のフェイズ1~3で9年かかるところ、特例で1年で完遂しています。コロナのワクチンの治験では、接種群対照群合わせてファイザーは4.4万人、モデルナは3万での被検者のデータを基に緊急承認されました。日本では考えられないほどの機動性です。私が知る限りでは米国FDAは治験スケジュールは縮めているものの段階は踏んで透明性のあるデータを公表していますので、少なくとも米国製に関しては治験の進め方に瑕疵はないように思います。5月にはファイザー、モデルナ、アストラゼネカと複数のワクチンの供給が進みそうですので、日本でもスムースに接種が進むことを期待しています。

 一昨日、エピナスチン(先発名アレジオン)ドライシロップが急遽自主回収となりました。回収理由は、ICH-M7ガイドラインにおいて発癌性が不明の既知の変異原性物質のうちクラス2分類される可能性のある分解物が許容限度値を超えて確認されたためとのこと。当日の10時に発表、昼には当院にもFAXでの情報提供や製薬企業のMR(薬剤情報担当者)さんの訪問による説明を受けました。抗アレルギー剤のアレジオンドライシロップは当院でもよく処方していました。1日1回の服薬で、小児では眠気を誘うことはほとんどなく、良く効きます。発売されて16年経ち、ジェネリックも3社から発売されています。今回の発表は先発メーカーのベーリンガーインゲルハイムからの情報の様で、後発品メーカーも寝耳に水だったようです。どういう経緯で変異原物質が確認されたのかは、MRさんの立場からも急な情報で知らなかったようです。小児のお薬で発癌性物質となればセンセーショナルですが、今のところ発癌性が確認されているのではないようです。「自主回収」とは薬局に流通している在庫を回収するということで、既に処方されたお薬の回収や服薬中止ではありません。ICH-M7ガイドラインは潜在的発がんリスクを低減するための医薬品中 DNA 反応性(変異原性)不純物を評価するガイドラインで、クラス2は、その製品の使用で健康被害を引き起こす恐れはまず考えられないレベルということですので、現時点では過度に心配する必要はなさそうです。しかし変異原性物質が少量でも含まれているということで、当院でも継続的に服薬されているお子さんには服薬を中止して頂き、代替のお薬に変更することとします。
 この冬は、ジェネリックメーカー小林化工の問題(水虫薬に高濃度の精神安定剤が誤って含まれた)から操業停止になったことで、小林化工が下請けとして製造していた抗アレルギー剤プランルカストが供給不足になった、同じくジェネリックメーカー日医工の問題(長年に渡る製造管理の不正)でフェキソフェナジンの供給が滞った、問題があった訳ではありませんが、恐らく企業サイドからみて収益がないことから点鼻薬ナシビンが3月で発売停止になるなど、当院での鼻炎の治療薬の処方が制限されました。全てにおいて代替薬で対応させて頂いています。
  16日  今日の午後、当院のポールロボでは花粉の大量飛散を観測しました。恐らくヒノキ花粉大量飛散の第一波+スギ花粉ですが、黄砂も含まれていると思われます。15日に北京では過去10年で最大級の黄砂の飛来が見られ、航空機の欠航も相次ぎました。松山でも明日15日に黄砂の大量飛来も想定されます。(気象庁の予報ではそれほどには見えませんが) 黄砂によって車のボディが傷みます。それだけでなく、黄砂や黄砂に付着したPM2.5の成分と花粉が重合すると花粉症の反応が強くなります。明日は目をこすり過ぎないようご注意下さい。
  15日   今日15日、松山で桜が開花しました。平年と昨年より10日早く、2010年の3月14日に続き、史上2番目に早い開花です。高松と高知でも開花、高松は史上最速でした。松山の標本木は以前このコーナーでも写真で紹介した道後公園にあります。高松の標本木は栗林公園に、高知の標本木は高知公園にあり、東京は上野公園にありますから、標本木はその土地の一番の公園に設置しているのでしょうね。黒潮が当たり例年日本一早い開花を競う宇和島は既に12日に開花しています。松山は2月17日の雪模様以降は暖かい日が続きました。松山の2月の月平均気温は平年より2度以上高くなり、3月に入っても気温は平年を上回る日が続いていたことから、こんなに早い開花になったようです。”ここ数日、スギ花粉の飛散はめっきり減りました。”スギの飛散は桜とともに終わり”ますので、スギ花粉の本格的な飛散は終わったようです。 
  12日   一雨ごとに春の気配です。日も長くなってきました。受験シーズンも大学入試の後期日程を残すだけとなりました。県外への就職や進学が決まったスギ花粉症の学生さんには、時にその土地の花粉情報をお伝えしています。お勤めの方もそろそろ移動の時期になってきました。転居先の病院に紹介状を書く機会も増えてきました。

  石手寺へ まはれば春の日 暮れたり  子規

 この冬はインフルエンザを見ないままに終わりそうです。インフルエンザが流行しなかった理由の最大の要因は感染予防の徹底につきますが、感染ルートの観点で見ると、南半球からの伝播や華南地方のブタ→ヒトの伝播が国内に入ってこなかったことも要因に挙げられそうです。来年の冬の風邪の流行はどうなっているでしょう。 変異型の新型コロナが鈍く流行して毎年ワクチンを打つことになるのでしょうか? 季節性インフルエンザの流行に戻るのでしょうか? 先日ロシアから報告された鳥インフルエンザH5N1のヒトへの感染のヒトーヒト感染化も気になります。
 3月も引き続き当院でも流行性疾患は目立ちません。アデノウイルス感染症だけは例年の冬相当に見られていますが、溶連菌咽頭炎や感染性胃腸炎が散発程度です。1月に少し目立ったヘルパンギーナは2月後半からは見られなくなりました。
 スギ花粉の飛散ピークは終わりました。目立った飛散はあと1週間程度と思います。粘膜の腫れの強い方は少なくなりましたが、ベースにハウスダストアレルギーがある方や野外活動をよくする方の中には、まだまだ鼻粘膜や結膜、顔面皮膚の反応の強い方も目立ちます。ヒノキ花粉が、3月5日に初観測され、3月7日に飛散開始しました。例年よりやや早く飛散が始まったようです。スギ花粉の共通性抗原であるヒノキ花粉症も持っている方は、4月下旬まで症状が続きますので、引き続き花粉暴露予防と治療を続けて下さい。

 扁桃周囲炎、耳介血腫、軟口蓋形成術、アレルギー性鼻炎へのレーザー手術、唾石摘出術、鼻茸摘出術、鼓膜チューブ留置術など。 
  6日  びわ湖毎日マラソン、鈴木健吾選手、2時間4分56秒の日本新記録での優勝おめでとうございます。私は録画で観ましたが、38Kmからのスパート、ゴールまでペースの落ちない走りにはビックリしました。優勝インタビューも全く疲れていない様子でした。鈴木選手は宇和島東高出身です。優勝は高校時代に陸上部の後輩だった知人から教えてもらいました。
 次は19日からの春の選抜高校野球に初出場の聖カタリナ高校の活躍が楽しみです。第5日目23日の初戦の相手は東京の東海大菅生。東海大菅生は昨夏昨秋と2季連続で東京王者です。相手に不足はありません。 
3月 1日   雨上がり、暖気、強い風の今日もスギ花粉が大量飛散しています。きっちりと1週間毎に3度目の大量飛散です。アレルギーの遅発相が徐々に強くなって粘膜の腫脹の強い人が目立ってきました。結膜炎(春季カタル)や顔面皮膚炎の強くなった方も目立ちます。

 小学校の修学旅行前で、旅行に参加できるかどうか心配になって受診する小学生も見られました。そうでした、今年は多くの学校で修学旅行が延期になっていました。3月ですので卒業旅行みたいです。思い出がいっぱい出来るといいですね。
     
  27日  2月15日、20~24日、今日とスギ花粉の大量飛散が続いています。 特に今シーズンは初めて発症するお子様の来院が目立っています。受験生、妊婦さん、授乳婦さん、それぞれに対応できる治療法がありますのでご相談下さい。

  突発性難聴、良性発作性頭位幻暈症、亜急性甲状腺炎、唾石、外リンパ瘻、反回神経麻痺、動脈性鼻出血など。
  23日  この土日、20、21日にスギ花粉が大量飛散しました。飛散ピーク時の飛散数でみると、8年前の2013年までは至りませんが、2年前と同レベルの大量飛散です。15日と19日から今日23日まで結構な飛散数です。寒波で雨雪混じりの天候の後に急に暖かくなりましたので、急に飛散する条件が揃っていました。シーズン初めの予想は「平年よりやや少ない」でしたが、どうやら「平年よりやや多い」レベルになりそうです。ここ数日は2~5才の年齢も含めて初めて花粉症を発症した方の来院が相次ぎました。
  19日   昨日の松山はボタン雪が舞いました。明日からは一気に暖かくなります。来週前半は「雨上がりの暖かい日」となります。スギ花粉の大量飛散が予想されます。市街地ではスギ花粉は午後3時から午後9時頃にかけて飛散量が多くなります。花粉の大量暴露にご注意下さい。今日の診察では、2才や3才で花粉症デビューのお子様がいました。やはり花粉症の若年発症は進んできているようです。お父さんお母さんが花粉症のお子さんは、まだ発症していなくても、花粉が大量飛散する時期には花粉を吸いすぎないよう夕方の外遊びでもマスクを着用した方が良いと思います。

 昨日、愛媛大学附属病院における新型コロナの抗体検査に関する報告がありました。昨年12月の病院職員と外来患者計1407名からは1例も抗体保有者は検出されませんでした。どうやら愛媛県内では、新型コロナに対する集団免疫は全く獲得されていないようです。ワクチン接種が進まなけれな集団免疫の獲得は難しそうです。 
  14日   昨夜の緊急地震速報。暗澹たる気分になりました。しかし、早く正確な速報システム、国や地方自治体、気象庁、警察、電力会社や携帯電話各社、マスコミの迅速な対応など、心強く感じました。
 スギ花粉の飛散量が増えてきました。今晩は雨模様ですが、明日以降の雨上がりには最初の大量飛散日を迎えそうです。コロナ下でのマスク着用習慣によって、花粉症の皆さんも例年以上に花粉暴露対策は厳重だと思いますが、それでも今週以降は花粉を被らないようご注意下さい。 
  9日  スギ花粉が毎日飛散し始める飛散開始日が、当院では2月8日になりました。昨日は、ゴルフに行って強い症状の出た方など急に花粉症症状の出た方の来院が目立ちました。
  7日   暖かい日が続いています。コロナの第3波は勢いが減じています。ホッとしています。スギ花粉はパラパラ飛散していますが、松山の飛散開始日はまだのようです。

 大河ドラマ「麒麟がくる」最終回を迎えました。かっこいい明智光秀、かっこいい織田信長で終わりました。私はこの終わり方で良かったと思います。楽市楽座や関所廃止、当時最も強大だった宗教勢力の排除など、信長は日本史一の改革者だったと思います。他の武家政権は征夷大将軍や関白の権威でとどまっていましたが、信長が天下を統一していたらこの国の形はどうなっていたのでしょうか? やはり本能寺の変は日本史上最大の事件です。
 私も年をとりました、、 若かりし頃は現代史や国際政治が興味の主体でしたが、年々興味の対象が古い歴史に向かっています。私の戦国時代の歴史観は多くの人と同じで、司馬遼太郎史観が最初です。司馬氏の戦国4部作、斎藤道三→信長→明智光秀を描いた「国盗り物語」、秀吉の一代記の「太閤記」、家康と石田光成の「関ケ原」、真田幸村と大坂冬の陣夏の陣の「城塞」に描かれた史観です。司馬氏が小説を発表した後の近年の研究で、道三が油売りではなく道三の父が油売りであったことが判りました。「麒麟がくる」では美濃時代の道三をどのように描くのかが興味のひとつでした。そしてドラマの終盤に向かっては、光秀が本能寺の変を起こした理由をどのように描くのかが興味深々でした。
 ドラマと並行で読んだ呉座勇一氏の「陰謀の日本中世史」にはまりました。大河ドラマ10作分ぐらいの面白さです。呉座氏はベストセラー「応仁の乱」で、日本史の中でも複雑怪奇な応仁の乱の流れを実に分かりやすくまとめています。歴史資料の整理能力が凄いです。「陰謀の日本中世史」でもその能力を遺憾なく発揮しています。武士が権力を持ち始めた保元平治の乱から源平合戦の腰越状、承久の乱、応仁の乱、本能寺の変、関ケ原の戦いまで、司馬史観も含めて過去の日本史研究家や作家の発表した実に多くの説を取り上げて、具体的な史実に照らして、陰謀論(因果関係の単純明快すぎる説明、論理の飛躍、結果から逆行して原因を引きだすなどの論)を論破しています。本能寺の変でも、朝廷黒幕説、足利義昭黒幕説、イエズス会黒幕説、家康黒幕説を取り上げるだけでなく、光秀単独説でも家康饗応問題、信長の叱責問題、長曾我部氏の扱い、細川藤孝との交流など実に多くの説の検証を試みています。この本の知識をベースに歴史小説やドラマを鑑賞すると、作品がどのような観点で作られているのかが解って、読んだり見たりする楽しさが倍増します。 
2月  2日   二月になりました。今日の昼間は春の陽気でした。当院のポールンロボでは午後からスギ花粉を飛散しました。山口県西部でも1月31日に花粉飛散開始日を迎えました。スギ花粉の飛散が始まったようです。
 私が松山に住んでいて一番季節感に敏感になるのが「椿まつり」です。伊予路に春を呼ぶ椿さんは例年45万人もの参拝者が訪れる松山一のお祭りです。私は折に触れ「椿さんとともにスギ花粉の飛散が始まり、椿さんのころにインフルエンザの流行がピークを迎える」とお伝えしています。椿まつりは旧暦の1月7日から9日に開催されることから、今年は2月18日からと例年よりやや遅くなっています。今年の椿まつりは参拝者の密を避けるために、例年24時間だった参拝時間を昼の9時間に短縮する代わりに日程を11日間に延長してゆっくり参拝できるようにするそうです。今年は一足先にスギ花粉が飛びはじめ、インフルエンザはこのままいくと全く流行らずに椿まつりを迎えそうです。今年はなにもかも異例ずくしになりそうです。
 今年の旧正月は2月12日です。昨年の旧正月には中国からの観光客が松山でも目立っていました。これも、1年前が嘘の様です。 
  28日  花粉症の初期治療(予防投薬)で受診する方が目立ってきました。1月の積算気温は昨年より少なく推移しています。明日からまた寒波到来ですので、今年の1月は寒い1月になりそうです。例年なら今の時期はスギ花粉が”パラパラ”落ちてきますが、寒さの影響もあり、スギ花粉はまだほとんど飛散していません。過去の飛散数を見てみると、表年裏年が交互に見られますが、2015年は表年だったにもかかわらず前年より飛散数が少なくなっていました。今年は表年に当たりますが、このままいくと今シーズンは飛散の少ない表年になるかもしれません。私の今シーズンの飛散予想を「例年よりやや少ない」に修正することにします。

 当院の感染症の1月の発生状況としては、アデノウイルス、溶連菌、マイコプラズマ、百日咳、突発性発疹、感染性胃腸炎、RSウイルス、ヘルパンギーナが見られましたが、いずれも少ないです。インフルエンザは今シーズンまだ1例も見られません。
 感染研の1月第1週の全国集計をみても、全ての感染症が例年より軒並み少ないです。唯一、突発性発疹のみが例年並みです。突発疹の原因ウイルスのヘルペス6型、7型は市中に”うじゃうじゃ”漂っていますので、赤ちゃんの生まれて初めての熱発を引き起こすことの多い突発疹だけは減らないようです。インフルは、1月第1週の報告数は全国で73件(内1件は松山からです)、入院数は6件、第2週の学級閉鎖は0クラス(昨年同期は98クラス)でした。全く無くなった訳ではないようですが、集団発生は全く見られません。
 
 新型コロナの医療従事者に対するワクチン接種希望のアンケートがありました。まず最初に日本で予定されているのはファイザー/ビオンテック製のワクチンです。これは史上初めてのmRNAを使ったワクチンです。新しい機序のワクチンですので、私も接種を受けるべきかどうかの判断がつきかねていました。
 一昨日、初めてファイザーや、同じくmRNAワクチンのモデルナのワクチンの第Ⅲ相までのFDAの治験データを見ることができました。ともに接種開始後1ヶ月で中和抗体はコロナ感染者よりも高値で付いています。さらに詳細にデータを見ると、〇細胞の核内へのアクセスのシグナルはない 〇逆転写酵素の箇所はない 〇数日内で体内の細胞質からは排除される 〇ファイザー、モデルナともに対照群より優位に(私が見た限りでは劇的に)発症抑制効果がある(重症化例も劇的に少ない) 〇高い中和抗体反応とTh1細胞優位の反応があり抗体依存性感染増強ADEやワクチン関連増強呼吸器疾患が見られない 〇発熱や倦怠感などの軽微な副反応は接種後2日目までが主である 〇接種事業開始後の12月23日までのCDCの集計では重篤な副反応はアナフィラキシーが11/100万接種(インフルワクチンは1~2、帯状疱疹ワクチンは10、狂犬病ワクチンは89/100万接種)で、原因はmRNAをコーティングする脂質の表面位あるポリエチレングリコールPEGによる可能性が高いのでPEGに過敏な人の接種は禁忌としているが死亡例はない(どうやら接種後に死亡した例があったというネット上のニュースはフェイクだったようです) 〇顔面神経ベル麻痺は自然発生率以下 などから、安全性が高く有効な印象です。現在接種はファイザーは16歳以上、モデルナは18歳で行われていますが、小児への治験も進められています。米国では妊婦や授乳中の接種も接種者本人の希望があれば行われているそうです。
 通常のワクチン臨床試験は10年以上かけて行いますが、パンデミック下の今回の臨床試験は12~18ヶ月のスピード試験です。しかし米国の底力でしょうか、臨床試験のスケジュールをみると緻密かつ正確に行われているようです。何よりも、対照群も含めてファイザーで4万3千名余、モデルナで3万の被験ボランティアが直ちに集まって治験が始められたのは凄いと思います。私もこのデータを見ると、ワクチン接種を受けようと思いました。
  20日  全国的には2回目の緊急事態宣言が7日に発出しましたが、愛媛県でも感染者が集中する松山市で、酒類を提供する飲食店への午後8時までの時短営業要請が始まりました。愛媛県では県と市が共同で休業や時短営業に対して補助金を支給する制度になっています。昨夜、松山の三番町通りを車で通る機会がありましたが、通りは店を閉めている居酒屋さんがほとんどで、本当にひっそりとしていました。幸い愛媛県ではまだ感染爆発には至っていません。市民・飲食店一丸の取り組みで感染拡大に歯止めがかることを祈念します。

 当院の花粉観測器ポールンロボの稼働が始まりました。当ホームページの花粉観測コーナーの更新も本日から開始します。
 観測データは8日から記録され、早速8日には3個の飛散が観測されていたことから当院での花粉初観測日は8日となりました。さらに続く13~16日にも軽度レベルでの飛散が観測されていました。ポールンロボは花粉と粒子径の近い黄砂もカウントしますので、14,16日のデータは黄砂の飛来を反映していると考えられます。山口県でもこの時期は花粉の観測は僅かでした。1週間前に花粉症症状で来院された方の多くは、黄砂への過敏症だったと思われます。 
  16日   13、14日とスギの飛散少量飛散が疑われましたが、実は黄砂も飛来していました。気象庁の黄砂の観測地点は現在11ヶ所です。松山の近辺では福岡、広島、高松の気象台で観測しています。14日に広島で黄砂が観測されました。1月に黄砂が観測されるのは珍しく、広島では22年振りです。気象庁の黄砂解析予測図を見てみると、松山も14日と今日16日の午後2時には黄砂が飛来していたようです。
 黄砂はタクマラカン砂漠、ゴビ砂漠、黄土高原由来のケイ素に硫酸アンモニウムが付着した刺激のある砂で、この砂が浮遊中にヒ素やマンガンなどの金属成分、細菌やカビが付着し、黄砂飛散中はダイオキシン濃度も上昇します。このように黄砂は単なる砂ではなく、化学物質過敏症のような健康被害ももたらします。黄砂の粒子径は4~7㎛、ちなみにインフルエンザウイルスは0.1㎛、PM2.5は2.5㎛以下、ダニの糞20㎛、スギ花粉30㎛、髪の毛70㎛です。
 例年、日本での黄砂の初観測はスギ花粉が飛散する3月頃が多いです。昨年はグッと遅く5月でした。今年のスギ花粉の飛散開始も早くなるのでしょうか?

 新型コロナで注視されるのは高齢者の感染や重症化についてですが、日本でも小児の感染も広がりつつあるようです。1月7日までで全国での乳幼児の感染者数が731人、職員も含めて感染者が発生した保育園は903ヶ所にのぼっています。一昨日は愛媛県でも10歳未満の新規感染例が2例報告されています。幸いにも日本ではまだ、コロナ感染による10才代以下での死亡は報告されていません。やはり子供は重症化し難いようですが、保育施設での感染や、子供から高齢者への感染にも注意を払う必要があります。 
  15日   明日から始まるのは「大学入学共通テスト」でした。共通一次→センター試験→共通テスト で今年からは共通テストにでした。共通テストは、コロナへの対応で、本試験2回、追試験、特例追試験の4回実施されます。今日、文科大臣から試験欠席者への診断書の必要なしとの通達も出ました。受験生の皆さんは体調に留意してベストを尽くして下さい。

 昨日今日と寒波が緩みました。今日の松山の最高気温は15.5℃で3月下旬並みの陽気でした。この陽気のためか、どうやら昨日今日とスギ花粉の飛散があったようです。今日は花粉を感じ始めて受診された方もいました。花粉症対策のレーザー治療を希望される方の来院もありました。
 山口県のスギ花粉の初観測日は4日でした。当院のポールンロボも設置は完了していますが測定データの開示は1月下旬からですので、確定的なことはまだ言えませんが、昨年の当院での初観測日が13日であったように、今シーズンも散発的な飛散は始まったようです。
  北風の 南にかはる 小春哉  子規

  メトトレキセート関連リンパ節腫脹、亜急性甲状腺炎、中枢性めまい症、舌血腫、マイコクラズマ感染症、百日咳、喉頭痙攣、帯状疱疹(三叉神経領域)など
  14日  明後日からセンター試験が始まります。コロナ禍の中ですが、再試験の日程も確保して試験は予定通り行われます。今日は試験にむけての体調不良を気にする受験生の来院がありました。本番では体調万全で力を発揮して欲しいと思いながら診察を進めました。

 今シーズンの当院のインフルエンザ予防接種は終了しました。幸い当院では接種による有害事象は認めませんでした。厚労省による新型コロナのワクチン接種の準備も進んでいるようです。早くも1ヶ月後には新型コロナの治療を行っている基幹病院の医療スタッフの接種が始まります。それにしても厚労省や保健所の職員の業務量は凄いことになっています。頭が下がります。

 先日、「昼間の眠気が強い」との訴えの学生さんの来院がありました。訴えは、過眠症やナルコレプシーの状態ですが、過眠症の診断治療はいまだ確立されていません。これを機会に、睡眠障害について、2014年の「睡眠障害ガイドライン第3版(ICSD-3)」と昨秋発刊された睡眠学会編の「睡眠学第2版」を参考にまとめてみました。睡眠障害の分類を頭の中で整理できました。
 思春期の睡眠障害は、生活習慣や環境因子などが絡んで、治療方針を立てるのは難渋します。ナルコレプシーの診断には、反復睡眠潜時検査が有用です。愛媛県内でこの検査が出来るのは愛媛大睡眠外来だけでしょうか。愛大の睡眠外来は患者様が殺到していることから、私の立場では紹介しても予約日がかなり遅くなることが難点です。最新の睡眠障害のガイドラインでは、スマホやタブレットなどのスクリーンメディアやゲームによる睡眠への影響も取り上げられています。生活習慣としてこれらのデバイスにどのように本人が接しているのかも、今後の診察では確認したいと思います。

21.1 不眠症
 21.1.3 慢性 小児期の行動性不眠症
 21.1.4 短期
21.2.1 臥床時間過剰:成人9~10時間以上
21.2.2 短時間睡眠者:睡眠時間5~6時間以下

22.1 睡眠呼吸障害
22.2 閉塞性睡眠時無呼吸
 22.2.3 小児:AHI1以上
 〇内視鏡検査Muller maneuver 軟口蓋や舌根の閉塞を評価 坐位経鼻内視鏡下咽頭腔を観察 鼻を塞いで強く息を吸う 軟口蓋閉塞は全周型、前後型、左右型
22.3 中枢性睡眠時無呼吸 
 22.3.1 チェーン-ストークス呼吸を伴う中枢性無呼吸:心不全
22.4 睡眠関連低換気障害
 22.4.1 肥満低換気症候群 
 22.4.2 先天性中枢性肺胞低換気症候群:延髄呼吸中枢の障害 
 22.4.3 視床下部機能障害を伴う遅発性中枢性低換気 
 22.4.4 特発性中枢性肺胞低換気 
 22.4.5 薬物または物質による睡眠関連低換気 
 22.4.6 身体疾患による睡眠関連低換気
22.5 睡眠関連低酸素血障害
22.6.1 いびき 
 22.6.2 カタスレニア:睡眠中のうなり

中枢性過眠症
 〇反復睡眠潜時検査MSLT:睡眠ポリグラフ検査PSGの翌日日中に2時間間隔でPSGを5~6回検査、平均睡眠潜時8分以下で睡眠開始時レム睡眠時間SOREMPが2回以上あればナルコレプシー これ以下で特発性過眠症
23.1 ナルコレプシー:根治療法はなく生活指導と対症的薬物療法 タイプ1:;情動脱力発作、オレキシン欠損に基づく タイプ2;脳脊髄液CFS中オレキシンAが110以上
23.2 特発性過眠症
23.4 睡眠不足症候群
23.5.1 身体疾患による過眠症:視床下部腫瘍、視神経脊髄炎・多発性硬化症などの脱髄疾患、遺伝的、神経変性疾患
23.5.2 薬物または物質による過眠症
23.5.3 精神疾患に関連する過眠症
23.5.4 長時間睡眠者:成人で10時間以上

24.1 概日リズム睡眠・覚醒障害:体内時計の異常
24.6 交替勤務障害、時差障害

25.1 睡眠随伴症
 25.1.1 ノンレム関連睡眠時随伴症:錯乱性覚醒、睡眠時遊行症、睡眠時驚愕症 暴力行為との関連
 25.1.2 睡眠関連摂食障害
25.2 レム関連睡眠時随伴症:望ましくない夢体験をレム睡眠中に実演
 25.2.2 反復性孤発性睡眠麻痺・悪夢障害:金縛り
25.3.1 頭内爆発音症候群
25.3.2 睡眠関連幻覚
25.3.3 睡眠時夜尿症
23.3.5 薬物や物質による睡眠随伴症

睡眠関連運動障害
26.1 むずむず脚症候群:感覚運動障害 周期性四肢運動PLMと関連 下肢が顕著に侵されるが21-57%で腕にも症状 鉄欠乏、妊娠、慢性腎不全、長期臥床が誘因 *推定患者数200~400万人、女性が1.5倍多い 症状進行で昼間に症状出現も 発症機序不明ながら脳内ドーパミン不足説有力 治療;ドーパミン作動薬、鉄分補給、人参養栄湯、カフェイン・アルコール・喫煙を控える
26.2 周期性四肢運動障害
26.3 睡眠ブラキシズム:睡眠関連歯ぎしり2-4才18.5% 5-7才27.4% 若年成人8-10% 60才5%未満
26.4.1 睡眠関連下肢こむらがえり:高齢で頻度高まる 原因不明 過激な運動、長時間の立位、脱水、妊婦
26.4.2 睡眠関連性律動性運動障害
26.4.3 乳幼児期の良性睡眠性ミオクローヌス
26.4.8 睡眠時にきつけ(睡眠時びくつき)

27.1てんかん

内科疾患と睡眠障害
28.1.1 脳血管障害
28.1.2 多系統萎縮症
28.1.3 パーキンソン病
28.1.4 認知症
28.1.5 睡眠関連頭痛
28.2.1 逆流性食道炎GERD
28.3.1 睡眠関連心筋虚血、虚血性心疾患、高血圧
28.3.2 心筋梗塞、脳梗塞
28.3.3 高血圧
28.3.4 心房細動、不整脈
28.3.5 心不全

28.4.1 閉塞性肺疾患
28.4.2 気管支喘息
28.4.3 間質性肺炎
28.5.1 肥満
28.5.2 糖尿病
28.5.3 脂質異常
28.5.4 尿酸
28.5.5 甲状腺
28.6 腎疾患

29.1.1 乳幼児突然死症候群
29.1.3 小児期の情報通信機器使用と睡眠:AAP2016年提言 18ヵ月未満の小児にはスクリーンメディアを使用させない 2才以上でも使用を1日1時間以内とする 2018年のICD-11で「ゲーム障害」を疾患として認定
29.2.1 睡眠関連喉頭痙攣
29.2.2 鼻閉と睡眠
29.3.1 周産期
29.3.2 更年期
29.4 整形外科疾患:腰痛、線維筋痛症、関節リウマチ
29.5 皮膚疾患:アトピー性皮膚炎
29.6.1 夜間頻尿
29.6.2 前立腺肥大、過活動膀胱、間質性膀胱炎、膀胱痛症候群

30.1 精神疾患
 30.1.1 気分障害:大うつ性障害、双極性障害、季節性感情障害
 30.1.2 統合失調症
 30.1.3 PTSD、不安障害、パニック症候群
30.2 発達障害:ADHD、自閉症スペクトラム障害ASD

31.1 顎関節症:口腔内装置OA 下顎前方移動型 下顎位タイトレーション CPAPと口腔内装置の同時使用
31.2 顎顔面形態異常:小顎症
 31.2.2 顎変形症
 31.2.4 不正咬合:OA治療やCPAPで不正咬合悪化の可能性も 
  9日   年末の愛媛県の感染症情報が発表されました。全ての感染症が無くなっている感があります。(^^) 例年なら猛威をふるっているインフルエンザも全く診ないで春を迎えそうです。まさかこんなことが起こるとは、、こんな状況を経験できるとは、想像だもできませんでした。こんな中で広がる新型コロナの不気味さを改めて感じています。
 しかし一般的な感染症が全く無くなった訳ではありません。当院でも12月中旬に目立ったヘルパンギーナですが、年始にも見かけました。アデノウイルス、感染性胃腸炎、マイコプラズマ、百日咳も僅かですが見かけます。12月の松山のヘルパンギーナはコクサッキーA4でした。手足口病で問題となるエンテロウイルス71やコクサッキーA6とは違いますので、特別に重症化することななさそうです。

 今日9日はちょうど1年前に中国当局が、12月31日に集団発生した武漢での原因不明の肺炎が新しいタイプのコロナウイルスであると発表した日です。あれからちょうど1年、世界の誰もがこんなことになるとは想像できなかったでしょう。3日後の1月12日に中国は新型コロナウイルスのDNAシークエンス情報を発表しました。ちなみに、その直後にはモデルナやファイザーがワクチンの開発に着手しています。当時私は、わずか10日余りでコロナの遺伝子配列を解析していた中国の感染症研究のレベルの高さにビックリしていましたが、先日のNHKスペシャル「新型コロナウイルス ~パンデミックの起源に迫る~」を見ると、実は前日の11日にシドニーの研究者が遺伝子配列を公表していました。中国はやむに已まれず発表したのでしょうか? 中国はいまだにWHOの調査団の入国を拒んでいます。あのテドロス事務局長でさえ3日前の記者会見で「大変失望した」と述べています。なんともスッキリしません。 
1月  3日   新しい年を迎えました。本年も当院を宜しくお願い致します。皆様の1年が健やかでありますように。首都圏では緊急事態宣言の再発出も取り沙汰されていますが、今年は希望の持てる年になることを祈念しています。


 
 道後温泉旅館「ふなや」の正月飾りです。道後公園には青鷺(あおさぎ)が羽を休めていました。ちなみに時太鼓で有名な道後温泉本館の振鷺閣(しんろかく)の搭上に鎮座しているのは白鷺です。