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当院は、耳鼻咽喉科、気管食道科、アレルギー科専門クリニックです

TEL. 089-973-8787

〒790-0045 愛媛県松山市余戸中1丁目2-1

'00年 月別疾患情報

00年12月
 早いものでもう年の瀬になりました。温暖な当地でも冷え込んだ朝はさすがに吐く息が白くなりました。皆様が健康で来るべき21世紀を迎えられますことを祈念しています。
 冬本番となり、いわゆる風邪の季節となりました。当院では、特徴的な流行はないものの、検査試薬陽性のA型インフルエンザ、39℃台の高熱が2日ほど続くインフルエンザ様感冒溶連菌感染症ウイルス性咽頭炎胃腸炎の合併例、手足口病の不全例など様々な感染症が見られます。気温が低いと上気道の炎症が消退しにくくなりますので、夏に比して中耳炎耳管狭窄症副鼻腔炎、咽喉頭炎が遷延化する方も出てきています。忘年会シーズンですので、飲酒の上で話し込んだり歌ったりして声帯を酷使して声がれの治り難い方も見うけます。急性の声帯炎を誘引として声帯結節声帯ポリープが生じる場合もありますので、声がれの状態であまり過発声を続けるないよう注意して下さい。

00年11月
 夕暮れの訪れの早さに、一足先に冬を感じています。診察室の窓辺の植樹に午後5時半を回ると決まって集っていたすずめの数もめっきり少なくなりました。
 今年はインフルエンザの迅速判定試薬が普及してきたこともあり、愛媛県内でも速くもインフルエンザの疑い例の報告が出ています。急に高熱がでて全身倦怠感が強い場合には、これから3月にかけては、インフルエンザの存在も念頭に置かなくてはなりません。本年より大人へのインフルエンザの予防接種は欧米並に1回で良くなりましたので、少なくとも毎年インフルエンザ様の風邪にかかる方は予防接種をお勧めします。
 インフルエンザの最新情報はこちらで:
インフルエンザ情報サービス
厚生省インフルエンザ対策キャンペーンホームページ

SL「坂の上の雲号」
私の家族が撮った写真です。今月は少々息抜きを。(^。^) 11月23日(祝):予讃線松山〜宇和島間をSL「坂の上の雲号」が走りました。写真は、今年完成した野球王国愛媛の新しいシンボルである、3万人収容の「坊ちゃんスタジアム」をバックに力走する梅小路機関車館所属のC56です。

00年10月
 朝晩の冷え込みに、秋の移ろいの早さを感じる今日この頃です。小中学校の運動会も終わり、一部の保育園や幼稚園の運動会を残すばかりです。当地松山では、10月7日に全市を挙げて、盛大に秋祭りが行なわれます。
 昨年同様、一般的なウイルス性上気道炎が見られるばかりで、特別な感染症は見られませんが、寒冷刺激による粘膜の易障害性があるために、そろそろ中耳や副鼻腔、気管に二次感染を起こしていわゆる風邪が長引く方も出てきました。さすがにこの時期になると、朝方布団からはみ出ていたりすると、てきめん風邪を引き易くなります。入浴後や朝晩に身体を冷やさないようご注意下さい。軽い風邪だと思っても、発熱がぶり返したり、発症後5日以上経っても膿性の鼻水や痰がひどくなる時には、風邪をこじらせた可能性があります。花粉症はイネ科、キク科の雑草が中心です。

00年9月
 ようやく秋らしくなってきました。当ホームページも早いもので開設から1年経ちました。最近のインターネットの普及には目をみはるばかりです。この一年、全国の様々な立場の方から、貴重なご意見やご指導を頂きました。また、メールを介しての医療相談では、なにがしかのお力添えもできたと思います。今後も、当ホームページを訪れた方に少しでも有用な情報をお渡しできればとの思いで、ページの更新ができればと思っております。
 例年通りの9月を迎えています。高熱、咽頭痛、口内炎、目の充血、皮疹などを来す夏風邪は姿を消し、鼻汁から始まり湿性の咳に移行する一版的なウイルス性上気道炎の季節となりました。朝晩の冷え込や、台風シーズンの低気圧の刺激、運動会シーズンや新学期に伴う体調の乱れなどで、過敏症としての鼻炎メニエール病が増悪する方も見られます。
 花粉症はイネ科の雑草によるものがほとんどです。
 今月以降の疾患情報につきましては、昨年度の記事もご参照下さい。

00年8月
 暑中お見舞い申し上げます。毎日暑い日が続いていますが、皆様は如何お過ごしでしょうか? 当地松山では水不足も心配されています。6年前の夏から秋にかけて3ヶ月に及ぶ水不足があり、最悪の時には20時間(記憶が定かではありませんが、、)断水になり市民生活に大きな影響を残しました。早くまとまった雨がほしいものです。
 8月は、イネ科の雑草ではなく稲自体の花による花粉症がある程度で、花粉症としては一服です。今年は猛暑でエアコンの売れ行きがよいとの報道を耳にしました。鼻の粘膜には冷気を体内に入れないような自律神経の調節機構があります。クーラーの効き過ぎる部屋では、鼻の粘膜が腫脹し水鼻が出ます。また、エアコンのフィルターからほこりが舞ったり、室内の空気が冷えるだけでなく乾燥したり、室外との温度変化が大きくなったりと、アレルギー性鼻炎鼻の過敏症の方は、症状が出やすくなります。夏バテで体力、抵抗力の落ちた方や、ご年配の方や小さなお子様のいるご家庭では閉めきった部屋でクーラーをかけすぎない様、ご注意下さい。
 旧盆から8月末にかけては、夏風邪が終息し、プールの季節もピークを過ぎるため、例年当院の外来も落ち着きを取り戻します。私や当院のスタッフにとっては、英気を養い、かつ研修を行なう時節です。皆様が夏バテせずに健やかにすごせます様お祈り致します。

00年7月
 夏本番となりました。真っ黒に日焼けした子供達の肌がまぶしい季節ですね。私も学生時代9年間テニスをして、夏は真っ黒焦げでしたので、在りし日を思い出して少しばかりうらやましくなります。
 梅雨前線の通過や、暑さとクーラーによる温度変化などから、内耳の刺激による低音障害型感音難聴メニエル病、上咽頭の腫脹による耳管狭窄症などにより耳鳴り、耳の塞がった感じ、めまい、頭の重い感じなどが出てくる場合があります。クーラー病と言われる体調不良や自律神経失調の中には無自覚性の耳管狭窄(BUTS症候群)があるとの報告もあります。
 夏は高温多湿や汗による湿疹の季節でもあります。耳の穴(外耳)や鼻の入り口(鼻前庭)は湿疹を起しやすい場所です。毛穴が雑菌で化膿する耳せつ鼻せつから全身の毛穴に掻き傷などから化膿が広がる伝染性膿痂疹(とびひ)を生じたりします。一般的な雑菌であるブドウ球菌による湿疹は軟膏を塗る程度で収まることが多いですが、溶連菌によるものや、外耳の皮膚の下の軟骨や骨の膜や鼓膜まで炎症が波及した場合などは内服薬の治療が必要です。また、皮膚の弱い乳幼児で全身に急速に広がる場合には、皮膚科的な全身的な治療が必要となります。
 咽頭結膜熱(プール熱)ヘルパンギーナ手足口病流行性角結膜炎(はやり目)などの夏風邪のシーズン真っ盛りとなりました。お子様が夏休みで集団生活から開放される7月下旬までこの傾向は続きます。特に、咽頭結膜熱ヘルパンギーナ手足口病では、発症当日は高熱とのどの痛みだけで、どのような風邪か判別がむずかしいものです。多くは、2日程度の熱で二次感染も来さず軽快してゆくことが多いのですが、中には高熱が4日以上続き、脱水無菌性髄膜炎による嘔吐や意識障害を来す場合もあります。このような場合、夏風邪といえども総合病院の内科、小児科に入院して経過を見る必要が出てきます。高熱が続く間は、水分補給を十分行なって安静にして、高度な頭痛、吐き気、うとうとするような意識の低下が出ないか注意していて下さい。
 当地、松山市では5年振りで麻疹(はしか)が流行しております。県外での情報のような大人の発症はほとんどない模様ですが、現在の20才台以下の年齢の方は、麻疹の予防接種が学校での集団接種から病院での任意接種に代わってきた年代ですので抗体を持っていない人もいます。身近に発症した人がでれば、ご注意下さい。麻疹は脳炎、肺炎の合併が怖いですから、内科、小児科での治療が主体となりますが、特に小児では中耳炎の併発もありますので、耳の症状の発現が疑われたら、かかり付けの小児科の先生にまず相談してみて下さい。

00年6月
 さわやかな日もあれば、蒸し暑い日もあり、院内にもドライ冷房をいれる季節となりました。
 まだ流行とまではいえませんが、夏風邪のシーズンとなりました。目が充血する咽頭結膜熱、扁桃腺の周囲に口内炎が多発するヘルパンギーナ、口の中と手足に水ぶくれができる手足口病など、アデノウイルス、ロタウイルス、コクサッキーウイルスなどによる感染症も目だってきました。麻疹(はしか)や水痘(水ぼうそう)、インフルエンザのような強い感染力はありませんが、集団生活で感染しやすい病気です。幼稚園、保育所、小学校低学年のクラスでは流行するケースもありますのでご注意を。これらの夏風邪は、大人が感染した場合には割合軽くすみますが、それでものどの痛みは普通の風邪より強くなります。お子様のいる家庭では、お子様からうつされないよう、体調に気をつけて下さい。
 学校での水泳もまもなく始まります。活動的な幼稚園では6月早々からプールでの水遊びを始めるところもあるようです。中耳炎、鼻炎、副鼻腔炎(ちくのう症)になり易い体質のお子様は、気になる症状があれば今のうちに治しておいて下さい。

00年5月
 半袖のシャツが肌に心地よい、緑鮮やかな最高の季節になりました。新生活を迎えた皆様の体調は如何でしょうか?まだまだ1ヶ月では新生活への適応はできないのが当然と考えて、必要以上にストレスを貯めないようリラックスを心がけて下さい。がんばって下さい。私も、ゴールデンウイークは家族でハウステンボスに旅行して、久しぶりにリフレッシュしてきました。(^.^)
 今月は特に流行性疾患はみられませんが、当院ではアデノウイルスによると思われるウイルス性咽頭炎が見られます。真夏に流行するプール熱(咽頭結膜熱)程の病原性はありませんが、軽く目が充血して、のど全体が赤くただれてなんともいえない痛みが生じます。
 5月後半から6月にかけては学校検診の時期です。検診の方式は、校医と学校が個別に相談して決める方式が多く、全国一律の形式はありません。松山では、小学校の場合、問診表で訴えのあった児童を抽出して検診する場合が多いようです。耳や鼻の病気は水泳で悪化するものも多く、また小学生ぐらいでは慢性的な症状があっても自分で症状を訴えないことも多いですから、普段、病院へ行くほどでないと思うような軽い症状でも、もしあるようでしたら、学校検診の機会を積極的に利用して下さい。

00年4月
 桜の花も咲き、春爛漫となりました。新生活、新学期も始まり、緊張の中にも期待感のある、私の最も好きな季節になりました。毎年のことながら、3月末には当院かかりつけだった方々の転居も相次ぎました。皆様の転居先での、ご活躍とご健康をお祈りしております。
 春休みで集団生活がないことから、学童の流行性疾患は特に見られません。インフルエンザ様の高熱を来すウイルス性感冒もわずかに見られる程度です。インフルエンザ自体も完全に終息しました。結局、当院ではB型インフルエンザの流行は見られませんでした。
 慢性鼻炎や慢性扁桃炎の体質のある方の中には、冬の間に上気道粘膜の炎症が続き、感冒後の細菌感染から急性副鼻腔炎となる方も見られました。気温の上昇とともに粘膜も正常化し易くなりますので、ある程度の自然治癒も期待できますが、一方で慢性化する方も見られますので、治りの悪い方は注意が必要です。
 スギ花粉症は、当地松山では例年よりかなり軽く終わりました。ある程度花粉が飛散したのは3月6日のみで、大量飛散の日はありませんでした。4月10日前後が飛散終了日と思われます。毎年苦しめられた方の中には、今年はほっとした方も多かったのではないでしょうか。むしろ来年、大量飛散が予想されますのでご注意下さい。初期の雑草の花粉症が4月初旬より始まります。雑草の花粉症は、局地的でゲリラ的に発症しますので、行楽で山や公園に行かれる方はご注意を。

00年3月
 春らしい陽気となってきました。冬の風邪のシーズンもようやく終わりました。私は、運動不足にも拘わらず、おかげさまで風邪らしい風邪をひかずに一冬過ごせました。皆様は如何でしたでしょうか?
 一般的なウイルス性上気道炎が見られる他は、溶連菌感染症単純ヘルペスによる歯肉口内炎が散見される程度で、特に流行性疾患は見られません。インフルエンザは、ほぼ終息しました。B型インフルエンザウイルスによる小流行もまだ見られませんが、3月末頃までは注意が必要です。
 スギ花粉症は、2月末よりある程度本格的な飛散が始まりましたが、3月2日現在、まだ大量飛散は見られません。このまま、スギの雄花の勢いが無ければ良いのですが。花粉の飛散数が少ない為、例年症状の強く出る人でも、抗アレルギー剤の予防投薬だけで症状が全くでない人が多いようです。

00年2月
 松山でも小雪がちらついたかと思えば,ポカポカ陽気の小春日和があったりと,寒いながらも少しづつ春の訪れが感じられるようになりました。
 本年の診察室は集団風邪の流行と共に始まりましたが,例年よりも流行のピークが約1週間遅れて1月の第3週となりました。例年,年末年始の休みが終わり集団生活の始まりと共に風邪が流行するのですが,ハッピーマンデーの制度で冬休みが長かった影響と思われます。
 インフルエンザ情報:松山でもA香港型とAソ連型の2種類のインフルエンザウイルスが検出されましたが,流行の主体はソ連型でした。ここ数年,香港型が流行の主体でしたので,ソ連型に対する集団免疫の低下による大流行や重症化も心配されましたが,今年のウイルスは病原性が弱く,2〜3日の発熱で解熱する方が多く,続発性の気管支炎を来す方も少ないようでした。1月の第3週から2月の第1週が流行のピークと思われます。インフルエンザは感染力が強く,潜伏期も1〜3日と短いため,家族内であっという間に広がります。1歳以下の赤ちゃんでは脳炎の可能性があり,ご高齢の方は回復期に肺炎が続発する可能性もありますので注意して下さい。今年から,インフルエンザの診断試薬と抗ウイルス剤が普及したため,的確な診断と有効な治療が可能となりました。感染初期に抗ウイルス剤を服用するとかなり症状が軽減されます。例年,2〜3月には,B型ウイルスの小流行も見られます。運の悪い(?)人は,インフルエンザの二度がかりもあり得ます。2月中は,油断は禁物です。体調を崩さないよう心がけて下さい。
 スギ花粉症情報:今年のスギ花粉の飛散予想は,東高西低,つまり関西から東で昨年の2〜4倍とかなり多く,中四国,九州では昨年より少なめとなっています。これは,昨年の夏,東日本で猛暑少雨で,九州地方を中心に多雨で日照時間が少なかったせいです。松山でも,スギの植林のある山間部を中心に,1月初旬から症状が出る人もいました。今年は,1月24日が,松山市内でのスギ花粉の初観測日となりました。(愛媛県立中央病院耳鼻咽喉科発表データより)今年も,花粉の量は例年より少なめとはいえ,2月10日頃より本格的な飛散が始まり,3月中旬までの,風の強い日や,雨上がりの後に大量飛散を繰返し,4月上旬で収束する。との,例年のパターンになりそうです。ヒノキ花粉は,スギ花粉と抗原性が似ています。愛媛県中予地方はヒノキの植林も多く,スギ花粉症の方の半数近くが,ヒノキの抗体も持っていますので,そのような方は,ヒノキ花粉が飛散する4月中旬から5月の上旬まで症状が続くことになります。
ご注意

本年度の松山市の飛散開始日は2月10日でした。


00年1月
 あけましておめでとうございます。皆様にとって,この一年が良い年となりますようお祈りしております。
 当院でも,先月,A型インフルエンザが検出されましたが,集団カゼとして流行するまでは至りませんでした。松山市でも,Aソ連型インフルエンザが分離されました。ソ連型は近年流行していませんでしたので,ある程度の流行が予想されます。流行のピークは,集団生活が始まった後の1月中旬と思われます。うがい,手洗いの励行で,感染を予防して下さい。
 スギ花粉症の季節となりました。松山でのスギ花粉の本格飛散は2月10日前後ですが,初飛散は1月10日前後です。1月中から,スギ花粉に敏感な人は症状が出ます。今年の松山のスギ花粉の飛散量は例年より少ない見込みですが,毎年症状が強く出る人は,予防(発症前)投薬が効果的です。松山であれば,1月の下旬から眠気の出にくい抗アレルギー剤を服用していると,症状が出にくく,また出たとしてもかなり軽く押さえることができます。また,発症前のレーザー治療も効果的です。
 #インフルエンザの予防接種ワクチンが全国的に不足しています。昨シーズンの厚生省のマスコミを使った誘導(?)の成果は絶大だったようです。昨年が特にインフルエンザによる死亡者が多かった訳ではないのですが,,, ワクチン不足の原因は,接種する人数が増えたことと,老人保健施設など集団発生で影響の出易い施設にワクチンが優先的に供給され,市中の病院に出回りにくかったことによります。

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