気象病では、気圧や気温、湿度などの天候の変化によって、様々な器官に失調が起こります。一番の要因は気圧の変化です。梅雨や台風時などの低気圧の接近時やクーラーや春秋の気温の寒暖差で発症します。低気圧になると体内がむくみます。そのために各種の器官に失調がおこるのです。気圧は主に内耳で感知します。近年の日本での研究で、内耳の耳石器で気圧の変化を感知していることが判ってきました。気圧が変化した際の微細な圧力変動を、耳石器にある前庭神経が敏感に感知して脳に伝えています。
頭の中が低気圧でむくむと片頭痛が誘発されます。筋緊張が強くなって緊張性頭痛や肩こりが悪化します。全身のむくみから血圧が変化し、眼圧も上がります。自律神経が乱れることにより血管が収縮拡張し血流や痛みの知覚センサーが刺激され、頭痛、倦怠感、神経痛、立ちくらみが起こります。また精神の失調から、気分の落ち込みやイライラ、不眠が引き起こされることもあります。
耳鼻咽喉の疾患は特に気象の変化の影響を受けます。
・メニエール病、遅発性内リンパ水腫:内リンパ水腫の増悪でめまい、耳鳴り、難聴、耳閉感が強くなります。過去に突発性難聴や前庭神経炎で神経を痛めていると遅発性内リンパ水腫を引き起こしやすくなります。
・アレルギー性鼻炎、鼻過敏症:寒暖差や気圧の変化で鼻粘膜の血管が拡張し血管運動性鼻炎が増悪します。
・副鼻腔炎:副鼻腔ブロックにより目の周囲の痛みが発生します。
・耳管狭窄症:鼻から耳への耳管を介した換気が悪くなるため、耳閉感、耳痛が発生します。換気が全くなくなると滲出性中耳炎を引き起こします。
・咽頭炎、扁桃炎:免疫機能が低下して、慢性扁桃炎が増悪することがあります。
治療は、引き起こされた疾患に対する治療を行います。漢方薬の五苓散が、体の余分な水毒を取ることで体のむくみを軽減することから有用です。 免疫機構には、T細胞や抗体を介して特定の病原体を防御する獲得免疫と、マクロファージや樹状細胞・NK細胞・好中球を介して病原体の共通部分をパターン認識して応答する自然免疫があります。免疫不全とは、外界の細菌やウイルス・真菌(かび)などの病原微生物から体を守る免疫が正常に働かなくなる状態です。