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当院は、耳鼻咽喉科、気管食道科、アレルギー科を専門とし、地域医療に貢献します。

TEL. 089-973-8787

〒790-0045 愛媛県松山市余戸中1丁目2-1

インフルエンザ 過去シーズンのまとめ

19/20シーズンの概要
  沖縄ではB形が18年連続で通年発生。9月より全国的に2009年の新型発生時以降で最も早い流行の立ち上がりとなりました。特に沖縄では警報レベルで発生しました。愛媛でも7月までのA香港型から8月にはA09年型に発生タイプが変わりました。9月に松前中、10月に新居浜の幼稚園、今治の中学校、11月に味生小、12月に味酒小中島小で学級閉鎖を認めました。全国は11月10日、愛媛は11月17日に流行入り。全国は12月15日に注意報入り、愛媛は12月22日に注意報入りし、ともに2009年以来最も早い注意報入りでした。1月27日に当院でB型を初検出しました。流行入りが早かった、暖冬、新型肺炎への感染予防の普及などにより、1月下旬より全国、愛媛ともに流行はピークを越え9年ぶりに発生の少ない1月になりました。愛媛県は2月17日には流行終息レベルとなり、警報入りしませんでした。A香港型が全く流行しない700万人規模の小流行のシーズンとなりました。
 流行のタイプは、全国集計ではA2009年型(AH1pdm09)88%、A香港型(AH3亜型)3%、B型ビクトリア型9%です。愛媛ではA09年型93%、A香港型1%、B型6%でした。耐性株は、タミフルとラピアクタ1.6%、ゾフルーザ0.13%、リレンザとイナビル0%。A香港型とB型は全ての薬剤で0%でした。
 10月に日本感染症学会が「ゾフルーザは12才未満では低感受性株の出現頻度が高いことを考慮し慎重投与を検討する」と発表しました。12月10日、広島の中学生の転落死が報道されました。新型コロナウイルスへの感染予防対策の徹底もあり、終息の極端に早いシーズンになりました。

18/19シーズンの概要
 沖縄では17年連続で夏もB型が発生しました。全国的には9月に15の学校施設で学級閉鎖が報告されました。愛媛では、9月10日に湯山小で学級閉鎖となり、愛媛県では過去20年で15/16シーズンに次ぐ早さとなりました。11月までは全国的にも例年より少ない発生でした。当院では11月6日にA型を検出しました。流行入りは全国が12月9日、愛媛が八幡浜を中心に12月16日となり、宇和島・大洲で学級閉鎖がありました。年末年始に4年振りに発生が多くなり、1月13日には全国が警報入り(愛知が週間で過去最高)、愛媛では西条と松山が警報入りしました。1月26日には全国で過去最多となりました。入院患者数も1週間で3205人、集中治療室や人工呼吸器、脳波検査が必要なケースも628人で、前シーズンよりも重症例が目立ちました。インフルエンザ脳症も2月3日までに127例、死亡例が5例と09年以降最多でした。B型は例年に無く発生が少なく、当院では3月19日に検出されました。愛媛は3月10日に流行は終息(注意報レベル以下)しましたが、8月後半までA香港型の散発的な発生が続きました。
 ウイルスのタイプは、全国では A09年型50.5% A香港型48% B型1.5% 、愛媛は A香港型81% A09年型19%.(3月は全てA香港型、3月4週の迅速検査はA型96.5%B型ビクトリア系統3.5%)でした。薬剤耐性は、ゾフルーザA香港型18.5% A09年型2.3%、タミフル、ラピアクタへのA09年型0.8%です。耐性変異が起こると症状が長引きます。3月12日に初めてゾフルーザ耐性ウイルスの他の患者への感染伝播が疑われる3例が報告されました。来シーズンに向けて臨床データの集積と検討が予定されています。

17/18シーズンの概要
 9月は全国的にもインフルの発生が早く、昨年同期の約3.5倍(学校は約5.7倍)で、A香港型、A2009年型、B型ともに検出され、千葉、東京、大阪、鳥取、島根、沖縄では学年・学級閉鎖も報告されました。9月21日砥部町の小学校でB型が集団発生、松山でもB型の散発が続き、10月下旬には東予・中予でA型>B型で散発しました。当院では11月24日にB型を、12月1日にA型を初めて検出しました。愛媛県は11月26日に流行入り、12月10日に注意報入り、松山では12月5日に今シーズン初めてとなる学級閉鎖が三津小学校から報告されました。1月7日に宇和島で警報レベルとなり、1月21日に松山、愛媛とも警報入りしました。2月4日には全国的に過去最高の流行となり、3月4日まで警報レベルの流行が続いています。全国的にはインフルエンザ脳症の報告も増えています。2月4日までに全国で123例発生し、死亡例も9例(1才2例、30才代2例、10、40、70、80、90才代各1例)報告されています。3月18日で長かった警報レベルが終了、4月1日には注意報レベル以下となりました。
 愛媛の流行タイプは、12月はA09年型94%B型6%でしたが、1月に入りA型46%B型54%とB型が1月に優位となる初めてのシーズンとなり、3月はA型14%B型86%でした。12月にはA09年>A香港型>B山形系統、1月はB山形系統>A09年型=A香港型、2月、3月はB山形系統>Bビクトリア系統=A香港型で検出されています。耐性株は昨シーズンと同じ傾向で、タミフルとラピアクタに対してA09年型の1.3%にのみ認めました。
 ワクチンは、当初予定していた製造株の増殖が少なく製造量が予定以下だった影響で、12月まで供給不足が続きました。3月14日に新薬ゾフルーザが登場しました。

16/17シーズンのまとめ
 9月4日北条の老健施設でA型の集団発生があり当院で検出しました。11月17日より松前町北伊予小学校で今シーズン初の学級閉鎖があり当院では13日に検出しました。愛媛県全国ともに例年より2〜3週早く、11月20日に流行入りとなり、12月21日に余土中学校で学級閉鎖あり、12月25日より東予、南予で注意報レベルとなりました。
 1月8日より愛媛、全国ともに注意報レベルとなり、1月29日には松山、愛媛、全国ともに警報発令となりました。2月9日に当院でB型を検出しました。発生のピークは1月末でしたが、2月以降も例年並みに流行が続き、3月26日にようやく松山では注意報レベルを脱しました。3月後半からはB型が徐々に増えて、5月下旬(当院では5月28日が最後)に発生がほぼ見られなくなりました。
 タイプは、愛媛、全国ともにA香港型95% >> B型5% > A09年型 で、ほとんどがA香港型ですが、松山でもA09年型が報告され、A型に二回罹るケースも見られました。耐性株のサーベランスでは、タミフルと注射薬ラピアクタに対してはA2009年型の1.3%に耐性が見られたものの、A香港型、B型への耐性は検出されず、吸入薬のリレンザ、イナビルへの耐性は全く見られませんでした。数年前には抗ウイルス薬への耐性化が心配されていたインフルですが、耐性化は進みませんでした。

15/16シーズンのまとめ
 9月4日松山市西部の中学校でA香港型の学級閉鎖が見られましたが、その後は例年より少ない発生数でした。当院ではA型を12月27日に、B型を1月18日に初検出しました。1月の記録的な暖冬の影響で、年明け後の流行開始は9年振りで、1月24日に全国的な注意報入り、2月15日に平年並みの時期に警報入りしました。例年になく3月中旬に遅いピークを迎え、警報レベルの流行が4月下旬まで続き、5月末にやっと終息しました。。
 タイプ別では、12月はA香港型とA09年型が主体でした。2月にはA09年型とB型が半々で、A09年型は3年振りの流行となりました。3月からはB型が主流となりました。タミフル耐性株が日本では、A09年型で1%に認められました。

14/15シーズンのまとめ
 沖縄では9年続けて夏もB型が発生しました。9月上旬に4都県でA香港型による学級閉鎖が報告され、中旬から中予南部でA香港型が散発的に発生、愛媛県の報告数は全国で3番目でした。10月後半から発生は少なくなりましたが、11月11日に当院でもA型を初検出、11月18日から中予の2小学校で学級閉鎖があり愛媛県が流行入り、12月5日には全国が流行入り、12月21日に愛媛全国ともに注意報入りしました。松山では年末年始に近年にない流行があり警報入りし、1月12日には県下全域が。平年より約3週間早く警報入りしました。B型は年末に四国中央市で目立ち、当院では12月29日に初検出しました。流行のピークは1月中旬と早く、松山は2月中旬に流行レベルを脱しました。5月中旬でA型は終息しましたが、B型は6月中旬に再度学童の集団発生の後、当院では7月中旬の発生が最後でした。沖縄ではB型の発生が続いています。世界的には香港でのA香港型の流行が注目を浴びました。
 タイプ別に流行の推移をみると、愛媛ではA香港型が2月中旬までは98%近くでしたが、2月下旬からはB山形系統が徐々に増えて、3月中旬には半数がB型に、4月からは90%がB型となりました。A09年型は愛媛県では見られず、全国レベルでもわずかでした。A香港型は1年以内に2度目の流行となり、過去の感染による基礎免疫を有する人が多く、12月までの発症者の多くが40才以下でした。1月に入り高齢者にも感染は広がりましたが、高校生の学級閉鎖は目立って少なく、シーズン中にインフルに2回感染した例はわずかでした。2シーズン続けて国内でのタミフル耐性株は報告されていません。
 厚労省の抗原解析の報告では、14/15シーズンはA香港型が91%、A09年型が0.9%、B山形系統が7%、Bビクトリア系統が0.5%でした。因みに13/14シーズンは先の順番で21%、43%、24%、9%。12/13シーズンが46%、2%、13%、6%。11/12シーズンが71%、0.2%、8%、16%でした。Aソ連型は09/10シーズンより観測されていません。今シーズン、A香港型のサブタイプ(サブクレード)が前シーズンと変化して予防接種の株とはタイプが代わっていました。B型は山形系統の流行株に一部変化はありましたが、もともとB型は抗原の差異が少ないとのことです。

13/14シーズンのまとめ
 沖縄では8年続けて通年でB型が発生。9月より島根、和歌山でA香港型、A09型が散発。愛媛では11月初旬より八幡浜を中心に、宇和島、松山で報告が始まり、11月15日に当院でもA型を検出しました。12月5日に大洲の小学校でB型の学級閉鎖、12月に札幌でA09年型の重症肺炎が報告され、12月27日に全国的な流行入り、1月中旬から九州を中心に警報入りしました。愛媛でも1月初めに流行入りし、1月22日に松山の小学校でA09年型の学級閉鎖が見られ、1月28日に愛媛県全体で注意報レベル、2月16日に今治が警報入り、2月25日に松山も警報入りしました。3月は過去平均より発生の多いシーズンとなり、4月に入り警報レベルを脱しました。B型は6月まで散発で発生しました。
 愛媛での発生割合は、3月はA型(香港型10%、09年型40%)、B型50%(山形株、ビクトリア株)で、例年に比べ小児の集団発生は少なめでした。4月に入りB型が90%以上となりました。A09年型のタミフル耐性株が全国で13%、愛媛でも8例中1例報告され、当院でも耐性例が出ました。A香港型、B型では耐性は見られませんでした。

12/13シーズンのまとめ
 ここ数年沖縄では夏に流行する傾向が続いており、8月6日に09年型の流行注意報が出されました。米国で8月に小児の新種豚インフルエンザへの感染が報告されましたが感染拡大しませんでした。9月に入り山口県と神奈川県で09年型の集団発生が見られました。松山でも余戸や古川地区の幼児に集団発生が見られ、9月16日に当院でも初めてA香港型を観測しました。11月中旬より全国的にA香港型の報告が増え、松山市内でも発生が増えました、12月に入り全国的にA香港型が流行入りし、12月5日今治で県下最初の学級閉鎖が報告されました。松山では10月にB型、11月中旬よりA香港型が散見し、当院でも12月14日にA型インフルエンザを検出しました。1月に入りA香港型90%、B型10%の割合で増加、四国中央市、西条市より注意報レベルで広がりました。1月18日頃より松山でも急に発生が増え、24日からは警報レベルとなりました。A香港型が主で、余土などB型が目立つ地域もありました。1月下旬に小学生が流行のピークを、2月中旬に未就学児がピークを迎え、A香港型80%、B型20%の割合で発生しました。3月に入り流行はなくなりましたが、A型、B型ともに4月まで発生しました。全国的にはA香港型以外にも、2009年型が2%の割合で、B型はビクトリア系統、山形系統(予防接種に含まれる)が拮抗して発生しています。B型のタミフル耐性株は、世界的にも今シーズンは見られませんでした。

11/12シーズンのまとめ
 ここ数年沖縄では夏に流行する傾向が続いており、8月6日に09年型の流行注意報が出されました。米国で8月に小児の新種豚インフルエンザへの感染が報告されましたが感染拡大しませんでした。9月に入り山口県と神奈川県で09年型の集団発生が見られました。松山でも余戸や古川地区の幼児に集団発生が見られ、9月16日に当院でも初めてA香港型を観測しました。11月中旬より全国的にA香港型の報告が増え、松山市内でも発生が増えました、12月に入り全国的にA香港型が流行入りし、12月5日今治で県下最初の学級閉鎖が報告されました。年末年始にも3年振りに流行が持続し、1月中旬には県下全域に広がり、1月25日に警報レベルの流行となり、2月初めにピークを迎えました。A香港型は昨年の春にも半年にわたり流行ったことから基礎免疫のある方が多く総じて症状は軽めでした。1月29日に当院で初めてB型を検出、全国的にも10%がB型でした。3月に入りA香港型とB型の小流行が続きました。春休み後半に発生は少なくなりましたが、5月下旬までB型の発生が続きました。

10/11シーズンのまとめ
 9月に茨城県内の小学校で今期初めて新型の集団発生があり、全国的には10月中旬よりA香港型>新型>>B型で報告数が増え、12月中旬より流行入りし年末にやや新型の発生が増えました。愛媛では、全国に遅れて1月初めに流行入りし、A香港型>>B型でした。当院でも1月4日よりA型を検出し始めました。学童の新学期入りと寒波のため、全国的には新型が中心に流行し、松山でも1月23日より学童の学級閉鎖が広がり、30日には警報レベルの流行となりました。松山では新型>>B型>A香港型で流行しました。昨シーズン新型に罹らなかった小児と成人に発症者が多いですが、総じて軽症です。また予防接種も新型とA香港型に有効のようです。 成人では3月中旬まで新型発生が続き、小児では2月中は新型が流行し、3月に入ってA香港型とB型の発生が続きました。4月上旬からは予防接種を受けていない幼児のA香港型と学生のB型の発生が続き、5月の連休まで発生が続きましたが、6月に入り発生は無くなりました。今シーズンは新型、A香港型、B型が持続的に発生する長い流行シーズンとなりました。

09/10シーズンのまとめ
 2月下旬にメキシコでインフルエンザ様の疾患が確認され、3月30日に米国で初めての報告があり、4月14日米国の疾病対策センターが豚インフルエンザの感染例と断定しました。4月28日WHOの警戒水準の引上げに基づき、日本政府が新型インフルエンザの発生を宣言、5月8日に日本人の感染が初めて判明、5月17日に神戸市内の高校生から初めて国内での感染が確認されました。7月には感染は下火になりましたが、8月には沖縄を筆頭に全国に感染が広がり、8月19日に厚労省は事実上の流行宣言を表明しました。愛媛県下でも8月下旬より10代を中心に集団発生の報告が相次ぎ、8月23日当院でも初めて幼児の感染を確認しました。9月に入り北海道を中心に流行が拡大し、肺炎や脳症での死亡例も報告されましたが、愛媛県では一旦発生が少なくなりました。10月23日より中予で注意報レベルで感染が広がり、11月下旬には全県で警報レベルとなりました。これまでの当院の発症者は10代以下が約300名に対し、20代以上が25名、60代以上は見られず、発症者の大部分が小児です。全国的にリレンザ、小児用タミフルの欠乏が心配されました。冬休みに入り、小児の感染は下火となりましたが、大人の発症者がやや増加しました。1月に入り松山の流行は注意報レベルに落ち着きましたが、一部で学童の学級閉鎖が続きました。2月上旬には全国的にも世界的にも感染は下火になりました。2月に入り関西地方でB型の発生が見られましたが、流行は広がりませんでした。3月に入り愛媛県でも全国的にもまた世界的にも新型インフルエンザの流行が終息に向かいました。輸入ワクチンが大量に残り、国は1100億円分もの大量の在庫ロスをかかえ物議をかもしました。その後、4月17日に当院ではB型インフルエンザの小児を確認しましたが学級閉鎖などの流行にはいたりませんでした。5月に入り新型、季節性ともに発生はほとんどなく、インフルエンザのシーズンは終わりました。8月にはWHOで世界的な新型の流行終息宣言が出されました。

08/09シーズンのまとめ
 10月中旬に今治でA型の報告が、11月に中予でも報告が出始めました。全国的には11月下旬より例年より早くA型の流行が始まりました。12月中旬より東中予で例年より1ヶ月早く流行入りし、12月22日に松山でも集団かぜの報告が出始めました。当院では12月1日にA型を、19日にB型を検出しました。松山地区では年末よりA型の小流行が見られました、1月中旬に注意報がでました。タミフル耐性Aソ連型が日本でも急増し、1月16日に今シーズン35検体中34検体が耐性化しているとの報告が厚労省より出されました。1月第4週に入り、県内全域で学級閉鎖が始まり本格的な流行期に入り、2回罹る例も出ました。全国的にはA香港型45%、Aソ連型36%、B型19%で発生しました。県内ではA型ではソ連型がやや多く、中予ではB型が増加しました。2月に入りA型の流行は下火となりましたが、中旬から3月上旬にかけてB型の集団発生が見られましたが、3月中旬には県内の学級閉鎖の発生もほとんどなくなりました。春休み入りとともにインフルエンザの流行はほぼ終息しましたが、B型の発生が少数ながら4月下旬まで続きました。
 4月に豚インフルエンザから変異した新型インフルエンザがメキシコから発生し、5月16日から神戸の高校生が国内で感染し集団発生、翌日確認されました。今後、国内でも集団発生が広がる可能性があります。

07/08シーズンのまとめ
 本州では10月よりA香港型の報告が出始め、松山でも11月に入り発生が始まり下旬に増えました。11月下旬に宇和島で学童の集団かぜが発生し、当院でも12月5日に初めてA型を検出しました。12月10日に松山市南部の小学校で学年閉鎖がありました。年末には、南予と今治で流行の注意報が出ました。1月中旬よりAソ連型の流行が始まり、下旬には八幡浜で流行警報となりましたが、暖冬多雨こともあり感染は広がらず1月下旬には終息し、過去10年で最も発生の少ないシーズンになりました。沖縄では夏季も発生が続き、本州でも6月に岡山の大学生でA型、7月に千葉の小学生でB型、8月に横浜の訓練生でA型の集団発生がみられ、秋には東南アジアからの帰国者からの散発的な感染が報告されました。

06/07シーズンのまとめ
 10月に広島でB型の報告が、11月中旬には東京の小児や松山でもA型の報告が出始めました。当院のA型の初観測は11月20日で県内でも早期で、1月18日にはB型も検出しました。2月後半にはA型B型ともに発生が多くなり、3月に入り南予を中心に学級閉鎖が散発、中旬には中予も小流行となり、3月15日には近隣の垣生小学校で学年閉鎖がみられました。3月20日に厚労省より10代のタミフル服用を控えるようにとの緊急情報が出されました。4月にも再度流行のピークがあり、5月初旬に流行は収まりました。北日本や鹿児島では6月まで流行し、沖縄では8月まで流行が続きました。愛媛ではA香港型とB型が主流でしたが、全国的にはAソ連型も検出されました。

05/06シーズンのまとめ 
 11月中旬に岩手県でA型の学級閉鎖が、沖縄、熊本、長崎各県を中心に少数の発生がみられ、全国的には昨年同期より発生数が多かったようです。松山でも11月14日にA型の初めての報告がありましたが、流行には至りませんでした。 12月27日、厚労省は全国的なインフルエンザの流行期入りを発表しました。これは最近10年間で2番目の早さです。12月中旬より松山でも散発的な発生がみられ始め、当院でも年末の29日に検出され、1月6日より目立ち始めました。1月中旬に南予東予で学年閉鎖があり、A型の流行が本格化しました。愛媛県感染症情報センターからの報告では、1月27日に流行の警報発令となりました。ウイルス型はA香港型が主流ながらAソ連型、B型の検出もありました。A型インフルエンザに2回かかるケースもみられ、初回の感染が香港型で2回目がソ連型と思われました。2月後半からは当院でも少数ながらB型も検出しました。3月に入り流行は下火になり、4月初旬でA、B型とも発生はほとんどなくなりました。6〜7月に、沖縄と東北北海道で、学級閉鎖まで至る小流行がありました。

04/05シーズンのまとめ
 9月27日に豊中市の中学2年のクラスで8人欠席の内の5人からA型インフルエンザが検出され学級閉鎖され、大阪府では平年より1ヶ月半早くウイルスが分離同定されましたが、全国的な流行にはなりませんでした。また10月に入り、タイでは鳥インフルエンザによる人から人への感染も報告されました。12月に入り松山でもB型が散見されましたが集団発生には至らず、A型はみられませんでした。当院では、12月17日に今シーズン初めて、成人、小児ともにB型インフルエンザが検出されましたが、約1週間で終息しました。1月に入り寒波とともにインフルエンザの流行も危惧しましたが、学童の冬休みが曜日の並びの関係で1月11日までと長かったせいもあり、1月前半の中予での目立った発生はありませんでした。その後当院では1月20日にA型が初めて検出されましたが、集団発生は見られませんでした。1月後半からB型が散見され、2月中旬には中予に広がりピークを迎えました。2月下旬よりA型の集団発生例もみられるようになりましたが、学級閉鎖が広がる流行にはなりませんでした。4月後半までB型が主体の小流行が続き、5月までA型の小流行がだらだら続く大変めずらしいシーズンでした。予防接種が効きにくいB型が主体の流行が長引いたこともあり、特に接種の抗体量が減少するシーズン後半にはA型,B型ともに予防接種を受けていても発症するケースが目に付きました。4月後半にB型が終息、6月初旬にA型が終息してシーズンが終わりました。全国的には沖縄では7月にA型の小流行がみられ、これもめずらしい現象でした。

03/04シーズンのまとめ
 11月前半に岐阜から報告が出始めました。インフルエンザワクチンの接種者が3000万人と昨年より40%増えたこともあり、12月初旬にインフルエンザワクチンの供給不足が急に顕在化し、医療機関は予防接種の対応に追われました。初冬が暖かかったせいか、松山では年末には小流行も含めほとんど発生しませんでした。当院では1月8日に今シーズン初めてA型インフルエンザが検出されました。1月9日に厚労省が「昨年より2週間遅いが例年並の時期でA香港型が流行入りした」との流行宣言を出しました。当院でも1月中旬より本格的な流行が始まりました。1月下旬から2月上旬にかけてA型の流行がありましたが、昨シーズンのタイプよりは軽症のケースが多いようでした。2月下旬にはA型の発生はかなり減り、3月14日前後で流行はほぼ終息しました。今年の流行のタイプはA香港型がほとんどで、Aソ連型やB型の流行はなく、今シーズンにインフルエンザに二回感染するケースはありませんでした。全国的なウイルスの分離状況をみると、A(H3)型発生のピークは1月下旬から2月上旬の一峰性で昨年とほぼ同様、一方、B型は今年はほとんど分離されませんでした。

02/03シーズンのまとめ
 02年に横浜でA型H1N2という新しいウイルスが検出されましたが、大流行の恐れのある強毒のウイルスは検出されませんでした。12月下旬に福岡や大阪からA型の流行が目立ち始め、1月に入り全国的にA香港型が流行しました。世界では、香港で2月にH5N1という新型が6年振りに出現し7名が死亡、4月にオランダでH7N7という新型ウイルスが出現し1名が死亡しました。
 当院では、12月13日にA型が検出されました。年末年始はやや終息していましたが、1月中旬に入りA香港型が流行しました。1月19日にはB型が検出されました。A型は2月を中心にだらだらと流行が続き3月初旬に終息しました。B型は3月に狭い地域に限局した流行が散発的に認められ、4月上旬に終息しました。
 1月初めに突然抗ウイルス剤タミフルの供給体制の不備が明らかになり、また迅速診断キットの供給不足も重なって、全国的にタミフル狂騒曲ともいえる異常な事態になりました。厚労省の統計ではインフルエンザが原因の死亡者は例年約600人ですが、4年ぶりに大流行した昨冬は約1.100人でした。

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山口耳鼻咽喉科
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