1、帯状疱疹
50歳からの帯状疱疹予防のための任意接種のワクチンです。
帯状疱疹ワクチン 「シングリックス」
対象:50才以上
接種方法とスケジュール:2ヶ月間隔で2回筋肉注射
費用:1回22.000円(消費税込) 2回で計44.000円
予約方法:「電話」または「当院受付窓口」にて予約をお願いします
受付電話番号 089-973-8787
受付時間:当院診療時間内
2、RSウイルス
60歳からのRSウイルス感染予防のための任意接種のワクチンです。
RSウイルスワクチン 「アレックスビー」
対象:60才以上
接種方法とスケジュール:1回筋肉注射
費用:26.000円(消費税込)
予約方法:「電話」または「当院受付窓口」にて予約をお願いします
受付電話番号 089-973-8787
受付時間:当院診療時間内
3、肺炎球菌
★ 令和6年度の接種は休止しています。
(松山市の高齢者肺炎球菌定期予防接種対象者)
ワクチン:23価肺炎球菌ワクチンワクチン [ニューモバックスNP]
対象者:
1、当該年度に65歳、70歳、75歳、80歳、85歳び該当する方で、過去に肺炎球菌ワクチンを接種していない方
2、接種時に60歳から65歳未満の方で、心臓、腎臓、呼吸器の機能に自己の身辺の日常生活活動が極度に制限される程度の障がいやヒト免疫不全ウイルスにより免疫の機能に日常生活がほとんど不可能な程度の障がいがある方(身体障害者手帳1級相当)
費用:松山市の補助により自己負担額4.000円
持参するもの:
松山市より送付された高齢者定期予防接種記録カード
健康保険証や運転免許証などの本人確認等ができるもの
2に該当する方は「身体障害者手帳」
生活保護受給者は「保護受給証明書」
中国残留邦人等の支援給付受給者は「支援給付受給証明書」
4.インフルエンザ < 2024/2025シーズン>
★ 今シーズンの接種は休止しています。
「高齢者インフルエンザ定期接種」対象の方へのご案内
対象:65才以上の松山市または愛媛県内の接種依頼書を持参される方
60〜64才で身体障害者1級に相当する方
費用:1回1.000円 通常ワクチンのみ (ただし、生活保護受給者及び中国残留邦人等支援給付受給者は所定の手続きにより無料)
接種期間:2023年(令和5年)10月16日(月)〜12月21日(木)
予約方法:電話 089-973-8787 (受付時間は診療時間内)
接種時間:月 木:10:00〜11:00 15:00〜16:00
*その他の曜日、時間を希望の方は、予約時にご相談下さい。
*土、日は原則として行なっていません
接種当日:
ご用意いただく物:健康保険証等本人確認できるもの
公的補助者は接種依頼書、保護受給証明書、支援給付受給証明書、身体障害者手帳
院内での接種方法:受付→「予防接種に関する説明書」の確認→検温→予診票の記入→医師による接種許可→接種→院内のパーテーションスペースで30分間待機
〇「予防接種に関する説明書」と、一般接種用の「予診票」は下記よりダウンロードできます。
*高齢者定期接種用の予診票は当日記入いただきます。
〇明らかな発熱を呈している人(当日の体温37.5℃以上)、重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな人、鶏卵アレルギーの人、過去にインフルエンザ予防接種の接種液の成分によってアナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな人・接種後2日以内に発熱のみられた人・接種後2日以内に全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある人、その他、医師が不適当な状態と判断した人は接種できません。
<今冬のインフルエンザについて>
新型コロナウイルスが日本で検出された2018年2月以降、インフルエンザの発生は劇的になくなりました。感染予防対策の徹底がその大きな理由と考えられます。しかし、ほぼ2シーズンにわたりインフルエンザが流行しなかったことで、我が国での個々人のインフルエンザに対する基礎免疫力は低下しているものと思われます。この夏、南半球で冬だったオーストラリアでは、新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行が発生しました。日本でもこの冬は、インフルエンザの3年振りの流行が起こる可能性が指摘されています。
<インフルエンザワクチンについて>
前年の中国のブタの流行からその年に流行する種類を類推した2009年型、A香港型、B山形系統、Bビクトリア系統の4種類(2015/2016シーズンよりB型が2種に増えました)が混合したワクチンです。高齢者の約4割の発症を予防し約8割の死亡予防効果が、就学前児童の2〜4割で発症予防効果があるとされており、特に高齢者に対する接種が推奨されています。0歳児への発症予防や脳炎予防への効果については多様な報告があり、厚労省研究班が04年2月に発表したデータでは有効性は認められないとのことです。現在の不活化ワクチンでの重大な副作用は少ないとされており、高齢者、集団保育中や耳・気管支が弱い幼児、受験生などへの接種は推奨します。ただし、1)接種部位が腫れることはままある 2)学童への集団接種による副作用被害に対し国の責任が問われたことや集団接種しても流行が抑えられないとの報告が出たことなどから、4年に任意接種に切替わった歴史がある 3)厚労省の副作用情報では、約1500万人が接種した02年では小児1名を含む9名の接種後死亡例の報告もある などから、特に乳幼児の接種に際してはその得失をよく理解したうえで接種されることをお勧めします。
大人は1回、インフルエンザに対する基礎免疫の少ない12才以下の小児は2〜4週の間隔を開けて2回の接種が望まれます。初回の接種後約2週間で抗体がつくため、流行入りの前の12月初旬までに接種を済ませていれば効果的です。接種後1ヶ月で約80%に有効な抗体量がつき、成人では5ヶ月後より、小児では4ヶ月後より抗体が少なくなります。抗体の保有期間は約半年ですので、毎年接種する必要があります。65才以上の高齢者には接種への公的補助があります。
2003年より米国で点鼻生ワクチンのフルミストが承認されましたが、2016年に注射接種より効果が低いとされました。
<チメロサールについて>
従来のワクチンには防腐剤としてチメロサールが含まれています。チメロサールは体内で分解されて一部が殺菌作用のあるエチル水銀となります。複数回接種用のワクチンバイアルの開封後の細菌汚染防止のために古くから用いられてきた物質です。1990年代にはチメロサールが自閉症などの発達障害の原因になる疑いがあると問題視されたことがありました。しかし障害を及ぼすのは水俣病の原因となったメチル水銀であって、チメロサールからできるエチル水銀は自閉症との因果関係はないとの研究報告がでています。我が国で承認されているチメロサール含有ワクチンはインフルエンザのワクチンも含めて国内基準や米国環境保護庁の水銀摂取許容量をクリアしていますので安全であると考えられます。
しかし、チメロサールは有機化合物であることから、研究報告は十分ないものの予防接種後の発熱や接種部位の腫れなどのアレルギー反応の原因となる可能性は否定できません。日本の接触性皮膚炎ガイドライン2020によれば、2016年の1390件のパッチテストではチメロサール陽性が2.8%だったとの報告もあります。皮膚のアレルギーの中でチメロサールも決して少ないものではありません。
チメロサール含有ワクチンも十分安全と考えますが、以前の接種で卵アレルギー以外で副反応が生じた人には、チメロサールフリーワクチンの方が安心とも考えられます。チメロサールフリーワクチンは防腐剤が含まれてないことから、ワクチンを無菌状態で保つにはバイアルを使用する際には注射針の穿刺は1回だけにしなければいけません。1バイアルを1人分だけで使い切る必要があるのです。そのため従来のワクチンよりやや高価です。当院の接種では、これらの点を総合的に踏まえながら接種を進めます。
院 長 山 口 幹 夫