子規博物館の機関誌で特集 |
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子規博物館の機関誌で特集 |
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波郷の業績顕彰へ松山市対応 |
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昭和俳壇に不滅の金字塔を樹立した波郷の顕彰活動は、ようやくその緒につき、県内はもちろん全国的に点が線に、線が面になりつつあることは喜ばしい限りです。
私も顕彰会のメンバーの一人として、でき得る限りの努力をしなければと思っています。多くの人が指摘されているように、俳句といえば子規が松山や愛媛を代表し、他の俳人の影が薄くなっているのが現状です。このままでいいのだろうか。その思いを、去る三月の松山市議会で市長の考えを質しました。
質問の要旨と、市の対応についての答弁は次のとおりです。 |
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(質問)子規博の充実に関連して、人間探求派として、全国的に評価の高い本市出身の俳人石田波郷の顕彰事業について質問します。一昨年の九月議会においても、子規を頂点とした本市の俳句界をさらに重層的なものにするために、その再評価を求めておりましたが、ついせんだって波郷が晩年過ごした奥さんの里、江東区の砂町文化センターにある石田波郷記念館や図書館の中にある関係書籍を集めた常設の展示コーナー、そして点在する句碑や顕彰板も見てまいりました。異郷の地でしっかりと息づいている波郷、そしてそれを温かく包んでくれる下町江東区の人たちの人情に大いに感激して帰ってきた次第であります。この三月十八日で生誕九十周年を迎えようといたしております。それを機に、せめて江東区の何分の一かのささやかなもので結構ですから、本市として何らかの顕彰事業を取り組んでいただき、この松山が石田波郷のふるさとであるということを内外にアピールしていただきたいと思います。御所見をお伺いいたします。 |
波郷記念館のパンフレット |
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記念館所蔵の波郷像 |
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(答弁)子規との関わりということを基本に、節目をとらえて波郷の業績の顕彰に努めたい。新年度には、子規記念博物館の機関誌で波郷の特集をし、全国発信を予定している。又、市立中央図書館で特別コーナーを設け、波郷全集などの関係蔵書の展示を行いたい。 |
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市当局の、波郷をこのままにしてはおけないとの認識は明らかにされました。これからは市民の関心をどう高めるか、私達の運動の充実発展がキーポイントになると思います。更なる努力をおしまないつもりです。
なお、市立中央図書館では、五月一日から十八日まで波郷の著作十八冊、関係書籍十七冊、計四十五冊を特別コーナーで展示しました。又、子規記念博物館では、九月号の機関紙で特集を組む事が計画されていまず。
こうした市当局の基本姿勢を受け、波郷の好物であり、「柿食ふや遠くかなしき母の顔」の句も残している唐錦柿の保存について、市の公園緑地課が積極的に取り組んでいただき、接ぎ木の種苗ができたのも顕彰会活動の一つの成果といえると思います。
とにかく、私たちの運動は一歩一歩を、時間をかけて理解を深めるしかありません。松山市民の皆さんが、私たちの運動に全面的に理解を示してくださることを、私は信じて疑いません。 |
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