アルクのニュース英語雑誌 English Network 4月号(2002年)の特集記事「通訳者の訓練法を盗め!これから始めるリスニング」を執筆しました。ここではその内容を簡単に紹介します。
これから始めるリスニング −音読スピードがリスニングのカギ−
Step 1 基礎トレーニング
 タスクリスニング
 スラッシュ・リーディング
Step 3 発展トレーニング
 シャドーイング
 ディクテーション
Step 2 応用トレーニング
 リピーティング
 シャドー・リーディング  
Tips トレーニングのヒント
 自分の音読スピードを知る
 ボキャブラリー・ビルディング T
 ボキャブラリー・ビルディング U
  English Networkという雑誌について知りたい方へ

コラム 音読スピードがリスニングのカギ
 リスニングは、コミュニケーション活動の中で占める割合がもっとも高く、また同時にもっとも難しいとされています。実際、ほとんどの英語学習者の悩みは、思うように英語が聞き取れないというリスニング力不足にあります。

 英語が聞き取れないのには、いくつかの要因があります。それは、語彙力や文法力の不足であったり、時事問題に関する知識や一般常識の欠如であったりします。なかでももっとも大きな要因として考えられるのは、1分間に約160語といわれるネイティブの音読スピードについていけず、音を単語として認識できないということです。たとえば、複数の単語が一つの単語に聞こえたり、ある単語がまったく別の単語に聞こえたりするということです。

 では、もしあなたが抑揚、弱音、消音、連結といった英語のプロソディー要素を忠実に再生しながら、1分間に160wpm(words per minute)のスピードで英文を読むことができればどうでしょう。ネイティブと同じ音読スピードで英語の音声を再生しているわけですから、当然ネイティブが英語を話す際に生じる音声変化にも対応できるはずです。したがって、英語のプロソディー要素を忠実に再生しながら、音読スピードをネイティブ並みに高めることがリスニング力向上のカギなのです。

 では、どうすれば160wpmのスピードで音読できるようになるでしょうか。それを実現するために、この特集では、音読スピードが約100wpm(VOA Special English)と約160wpm(VOA News)の2種類の音声教材を活用し、同時通訳者訓練法(スラッシュ・リーディング、 リピーティング、シャドーイングなど)を取り入れた音読強化トレーニングを紹介しています。このトレーニングを継続的に実践すれば、 音読スピードを効率よく高めることができます。また、応用トレーニングでは、聞き取った英文を保持しておく能力(リテンション)の強化法を、 最後の学習のヒントでは、単語の効果的な覚え方を紹介しています。

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