がんばれ!シャープ 13年3月17日
先日、綱渡りが続くシャープの経営とお伝えしましたが、医療とは関係ないのですが、気になるので少し触れさせて頂きます。昨日、シャープの1000億円の自己増資に銀行が難色、との報道がありました。現在の株価ではとても転換など出来ない2000億円の転換社債の償還がこの夏に迫っています。現在の格付けでは社債発行は無理。ホンハイの670億円の出資話は無くなる。メインバンクを含む都市銀行系のシンジケート団は、既に担保枠がなくなり国の保証でもない限りは新規融資に首は振らない。第三者割当増資はサムスンの100億円だけ。利益の出ている白物家電は国外生産のため円安のメリットなし。最も当てにしていた亀山工場の小型液晶もiPone5の減産で利益を生まない。仮に自己増資できても残りの1000億円規模の液晶在庫の引き受け先の目途が立たない。など、綱渡りどころではない状態のようです。
一時はシャープ以上に自己資本が毀損していたオリンパスですが、世界的シェアを誇る医療用内視鏡(当院も電子スコープでお世話になっています)分野があり、他社の出資が得られました。ルネサスは、マイコン製造で地歩があり、経産省や自動車業界の後押しがあり出資が得られました。シャープは選択と集中で、液晶事業と太陽光パネルに集中投資しましたが、いずれも裏目に出ています。これらの事業は残念ながら、国を挙げて死守するほどの事業とは言い難く、負債は1兆円近いですが、都銀やリーマン・ショック時のAIG保険のようにToo big to fail(大きすぎて潰せない)な金融機関ではありません。エコポイント・バブルに踊らされなかったならば、円高がこんなに進まなければ、液晶技術を死守できていればと、悔やむに悔やみきれません。
大阪の阪神高速湾岸線を走ると、堺ではシャープの(ホンハイの出資により連結決算の対象から外れた)液晶工場の広大な敷地が遠望され、尼崎ではパナソニックの(プラズマ事業撤退を前にして既に減損処理済みの)プラズマパネル工場が間近に迫ってきます。シャープ、そしてパナソニック、関西企業には踏ん張ってもらいたいです。