最近の話題から

2006年(平成18年)分



 においの嗅ぎ分けはなの粘液(粘膜)にも役割 東大グループ発表

鼻の細胞を保護する役目しかないと思われていた粘液が、微妙なにおいの違いを嗅ぎ分ける役割を担っている可能性を、東原和成・東京大助教授(生命科学)らのグループが突き止め、(12月)7日付けの米科学誌「ニューロン」に発表した。今後、嗅覚障害の治療などに役立てられるかもしれない。

鼻の細胞にある受容体は、におい物質をとらえ、神経を通じて脳に信号を送っていることがわかっている。だが、受容体だけでは、においの微妙な違いをどのように嗅ぎ分けているかを説明できなかった。

そこでグループは、鼻の細胞を覆っている粘液に着目。生きたマウスで脳の反応を調べ、粘液のあるマウスは、ないマウスに比べて、におい物質の違いをきちんと区別し、わずかな濃度でもにおいを感知できることがわかった。

まだ粘液の成分はよくわかっておらず、今後、含まれる蛋白質などを調べ、微妙な嗅ぎ分けの仕組みを明らかにしていく考えだ。

東原さんは「将来、人工的に粘液を作り出し、鋭敏ににおいを感じ取れるセンサーの開発に役立つかもしれない」と話ている。

三輪高喜・金沢大助教授(耳鼻咽喉科学)の話: (鼻の)粘液には、におい物質と結合して体内に取り込む蛋白質があるといわれ、以前は盛んに研究された。最近はあまり研究されていないが、これをきっかけに研究が進みそうだ。
   (朝日新聞 2006/12/13より引用)

 人間の五感(視覚、聴覚など)の中で嗅覚は研究が最も遅れている分野で、今後の研究成果の結果が待たれます。


 アレルギー抑える新物質ー北大が開発 副作用少なく

北海道大学の五十嵐靖之教授らは、花粉症やぜんそくなどのアレルギー症状を抑える新物質を開発した。炎症を起こす物質の放出を抑え、クシャミやかゆみなどが減る従来の薬剤に比べ副作用が少ないと期待される。抗アレルギー剤として製薬会社と共同で実用化に乗り出す。

炎症物質が細胞外に放出される際には、細胞膜を構成する脂質の一種(C1P)が働く。五十嵐教授らは C1P を合成する酵素の働きを妨げると炎症物質の放出が抑えられることを突き止めた。合成酵素の働きを妨げる物質の合成にも成功した。製薬会社と共同で効果と安全性を調べる。
   (日経新聞 2006/12/01より引用)

 抗アレルギー剤は従来から多種ありますが効果が強いものは若干副作用もありました。この薬剤は副作用が少ないらしいので期待が持てます。


 乳酸菌食品、花粉症を緩和

乳酸菌食品を毎日とれば、スギ花粉症を含むアレルギー性鼻炎の症状を緩和する効果が一定程度あることが、厚生労働省の研究班(主任研究者 岡本美孝・千葉大教授)による調査でわかった。食品メーカーの研究でヨーグルトなどの効果を示した例はあるが、公的研究でも裏付けられた形だ。岡本さんは「食品だと安価かつ安全に摂取できる利点がある。ただ、薬ではないので、短期間で大きな効果は期待できないようだ」と話している。

昨年11月から今年4月、花粉症を含むアレルギー性鼻炎の患者89人を無作為に2グループに分け、44人には特定の乳酸菌粉末50ミリグラムが含まれる食品を、45人には入っていない食品を毎日摂取させた。一日あたり、市販のヨーグルトだと100グラム程度にあたる。

摂取した半年間、くしゃみや鼻水、鼻づまりの頻度などを日記につけてもらい、症状なしから最重症までの5段階で点数化し、血液検査も実施して両者を比べた。その結果、鼻水と鼻づまりの症状で乳酸菌を摂取しなかったグループは花粉飛散期に悪化したが、摂取したグループではあまり変化がなく、最大1段階ほど差がでた時期があった。ダニによるアレルギー性鼻炎も摂取グループの方が医師の診断で改善傾向があった。

研究に用いたのは死んだ乳酸菌。前年の研究では生きた乳酸菌を使ったが効果は表れなかったという。その差がなぜ出たのか、仕組みは不明だ。
   (朝日新聞 2006/11/29より引用)

 ここ数年、乳酸菌飲料が花粉症に有効との研究が報じられていましたが、今回は公的研究で効果が認められ、より客観性が得られたことになります。ただし「抜群の切れ味」ということではないようです。


 口腔白板症、がんになる可能性

舌や歯ぐきなど口の中にこすっても取れない、帯状やまだらに白く変化した部分ができることがある。口腔白板症といい、将来、がんになる可能性がある。
違和感や味覚障害などの自覚症状がない場合がほとんどだが「約一割は将来、がんになる可能性がある、前がん病変である」と東京医科歯科大学の小村 健教授は指摘する。特に舌の側面や下側、舌と下の前歯の間にできた白板症のうち、いぼ状やただれている場合はがんになる可能性が高い。

原因はよくわかっていないが、たばこやアルコールなど刺激物の影響が考えられている。組織を切り取って顕微鏡で確定診断する。薬物療法ではビタミンAが有効な場合が多い。痛みなど刺激がある場合は切除する。

口の中にできるがんの年間発症数は約五千人とほかのがんより少ないが気付きにくい。「白板症のような前がん病変を見つけることで、早期診断・治療が可能になる」(小村教授)

口腔白板症の特徴
出来やすい部位  舌、歯ぐき、ほほ、上あご、舌と下の前歯の間
症状         痛みや味覚障害などの違和感はほとんどない
治療         ビタミンAの投与か、治らなければ手術的に除去
   (日経新聞 2006/11/26 「一分間人間ドック」より抜粋引用)

 舌癌や口腔底がんは治りにくい口内炎や白板症で発症することが多く、とくに飲酒、喫煙される人は要注意です。


 しゃべれるイヤホン ー三洋 1台2役、鼓膜から声拾う

三洋電機は(10月)3日、イヤホンとマイクの機能を一体化する技術を発表した。「一人二役」の信号処理用 LSI (大規模集積回路)チップを開発。話した時に鼓膜から出る小さな音声をイヤホンが拾う仕組みで、口から出る音声を拾うマイクより、周りの音が入り込みにくいという。にぎやかな場所でも音声が伝わりやすく、携帯電話や工事現場向けトランシーバーに活用できそうだ。

三洋は、話している時に鼓膜からも口の30分の1程度の微弱な音声が出ていることに着目。イヤホンで鼓膜から出るわずかな音を拾い、それを鮮明に増幅する LSI を開発した。イヤホンの中では、鼓膜から通じて送られてくる信号と、外部から入る信号が混じり合うが、新開発の LSI  は混じり合った音を区別して処理できる。

商品化の時期は未定だが、11月からサンプルを一個三千円で発売する。
   (朝日新聞 2006/10/04より引用)

聴覚系の研究は日進月歩で、内耳から放射される音を利用した聴覚検査も臨床応用がされてきており、骨伝導を利用した携帯電話なども開発されてきています。鼓膜からの微弱な音声を利用するとはまた新しい試みです。


 突発難聴 ゼラチン療法 −京大グループ新治療ー 薬と混ぜて患部に付着

耳が突然聞こえなくなる「突発性難聴」に対して、京都大の伊藤壽一教授(耳鼻咽喉科)と田畑泰彦教授(生体材料学)らのグループが、薬を特殊なゼラチンに混ぜ、鼓膜の奥にある内耳にくっつける新しい治療法を開発、動物実験で効果を確かめた。内耳は手術が難しく、服薬や点滴では薬がほとんど届かないが、新治療法ではゼラチンから薬が少しずつ溶け出す。(9月)7日、京都市内で開かれた日本組織工学会で発表した。

突発性難聴は毎年3万5千人が受診しているとされ、多くは、何らかの原因で音を電気信号に変えて脳に伝える内耳の神経機能が低下していると考えられる。ステロイドを大量点滴する治療法があるが、ステロイドが使えなかったり、効かなかったりすることも多い。これまで内耳の神経細胞を活性化させる薬が見つかっても、患部に届ける方法がなく、有効治療法は確立していない。

そこでグループでは、田畑教授らが開発した体の中で少しずつ溶けて薬を放出する特殊なゼラチンを利用。ゼラチンに、神経細胞の成長を促す働きのあるメカセルミンという薬を混ぜ、小さな塊を人工的に難聴を起こしたラットとモルモットの内耳の膜にくっつけた。

すると2週間後には大部分のラットとモルモットで、聴力が正常に近い状態に戻り、内耳の神経細胞が働きを取り戻していた。

ゼラチンをくっつけるのは中耳と内耳の境にある膜で、鼓膜に小さな穴を開けて通す。伊藤教授は「内視鏡を使えば安全に治療が可能」と話している。同大学の医の倫理委員会に臨床研究の申請中で、承認され次第、人での有効性を確かめる。
   (朝日新聞 2006/09/08より引用)

耳鳴り、めまいの治療法として鼓室内に薬剤を注入する試みは今までにもありました。突発難聴に応用できれば朗報です。薬剤を徐放剤の形で投与するアイデアと新薬剤の効果に期待です。


 ガムを噛んで癌(がん)予防 −唾液中のアルデヒドを完全不活化ー

(ニューヨーク発)ヘルシンキ大学(フィンランド・ヘルシンキ)内科の Mikko Salaspuro 臨床教授らは発ガン性物質であるアセトアルデヒドが L-システインにより分解されることを確認し、イタリア・グラドで開かれた第11回国際口腔癌学会で、 L-システイン入りチューインガムを初公開した。

アセトアルデヒドの体内濃度が高い喫煙者や飲酒者は、それを中和する L-システイン入りのガムをかむことで、口腔、食道、咽頭など上部消化管の発ガンリスクを抑えられる可能性が出てきた

L−システインは処方なしで入手できるアミノ酸。 Salaspuro教授らは、7人の志願者を対象に L-システインを徐放するガムを用いて研究を行った。その結果、たばこ5本の喫煙中に L-システイン5mg 含有のガムをかむことで、唾液中のアセトアルデヒドが完全に不活化され、体内濃度が大幅に低下したことが確認された。

このガムは、ヘルシンキ大学による1990年代からの長期研究の成果で、この研究により消化管フロラで産生される限局性アセトアルデヒドが発ガンリスクを高めていることが確認された。その後、日本人研究者らにより、アセトアルデヒドを除去する機能が遺伝子突然変異により低下した日本人において、消化管での発ガンが大幅に増加することが確認された

同教授らはこの研究報告に基づき、この種の遺伝子突然変異を伴うアジア人において、少量飲酒後のj唾液中のアセトアルデヒド量が2−3倍に達することを確認した。これまでの研究は先進国における上部消化管の発ガンの最大80%までが、喫煙を飲酒によるものであることを示している。

さらに、同教授は喫煙や飲酒の有無にかかわらず、胃がんの危険因子とされる萎縮性胃炎や無酸症にアセトアルデヒドが関与していることから、 L-システインの補給効果は、喫煙者や飲酒者に限らないとしている。

また、アセトアルデヒドが主に喫煙や飲酒により産生される一方、糖分や炭水化物を多く含む食品によっても産生されることから、同教授らは全消化管への L-システイン補給を目的とした徐放薬を開発中である。これについて、同教授は「ただし、このようなガン予防の検証には、長期に及ぶランダム化比較試験を行う必要がある」と述べている。

なお、 L-システイン入りガムの製造法は、ヘルシンキに拠点を置く多国籍企業 Biohit Oyj社が特許を取得している。
   (Medical Tribune 2006年07月13日 vol.39, No.28より抜粋引用

 飲酒と喫煙は食道がんの二大危険因子で、1日1.5合(日本酒換算)で8倍、1日たばこ1箱30年以上の喫煙で4倍、両方で30倍発ガンリスクが高くなるそうです(愛知県がんセンターの研究)。アルコールはアルコール脱水素酵素(ADH)でアセトアルデヒドになり、アルデヒド脱水素酵素(ALDH)で酢酸になります。ALDH2はアセトアルデヒドの主たる分解酵素であり、東アジア人特有の遺伝子変異により、約4割の日本人で活性が欠落しているそうです(日本医事新報 No.4293 2006年8月5日 153頁 横山 顕氏論文より引用)。飲酒で顔が赤くなる体質の人にはこのガムは朗報です。



 「ペロリ」疲れ判定へ −唾液のウイルス確認ー残業に比例ー

ぺろりとなめるだけで疲れの程度がわかる。そんな簡単な疲労検査が数年で実現しそうだ。残業時間に比例して、体内にすみ着いているウイルスが唾液中に増えることを慈恵医大の近藤一博教授(ウイルス学)らが突き止め、(7月)22日、大阪市であった日本疲労学会で発表した。ウイルス量が疲労度の目安になるので、なめるだけで誰でも簡単に疲労を測れる方法の開発につながり、過労死を防ぐ有力な手がかりになるという。(中村通子)

このウイルスはヘルペスウイルスの一種の HHV6と HHV7という。乳幼児の病気である突発性発疹の原因ウイルス。ほとんどすべての日本人が幼い頃から体内に持っていて、成人なら病気を起こすことはない。

近藤教授らは、残業がない定時の仕事をしている事務職の20人と、一日5時間以上残業している研究職や営業職の40人の唾液で、これらのウイルス量を測った。

その結果、残業のない人では、唾液1ミリリットル中の HHV6が平均500個、HHV7は平均5千個だった。これに対し、残業が多い人では、どちらも10倍以上検出され、残業時間が多い人ほど多かった。不規則な生活リズムで厳しい長時間労働をしている人は、一週間休んでもウイルスは減らなかった。

04年の文部科学省研究班の調査で、疲れが半年以上続いている勤労者は約3千万人に上り、うち240万人は疲れのため休・退職に追い込まれている。近藤教授は「リトマス試験紙のような、なめるだけで疲労のたまり具合が分かる簡易キットを2,3年のうちに開発できると思う」と話す。
   (朝日新聞 2006/07/23より引用)

 ヘルペス群のウイルスは唾液中に存在しており、疲労したり、ストレスがかかると口内炎ができる原因の一つであるとする学説が以前からありました。最近では慢性疲労症候群との関連も考えられており、簡易検査が施行できるようになると色々な病態が解明される期待がかかります。


 鼻の粘膜使い脊髄再生 −大阪大教授ら、臨床研究へー

首を骨折して脊髄を損傷した患者に対し、患者自身の鼻の粘膜を移植し、脊髄を再生させる臨床研究を大阪大のグループが計画している。近く同大倫理委員会で承認を受ける見通し。鼻の粘膜には、神経細胞の成長を促す特殊な細胞があると考えられ、ネズミの実験では有効性が確認されている。

計画をしているのは吉峰俊樹・大阪大教授(脳神経外科)らのグループ。患者自身の鼻の粘膜組織を採取し、手術で脊髄損傷の患部に直接移植する。

脊髄などの中枢神経は損傷を受けると再生しないが、臭覚神経は再生可能とみられるその原因のひとつとして、鼻の粘膜に神経細胞の情報伝達にかかわる部分の成長を促す特殊な細胞があると考えられている。鼻の粘膜にある細胞によって、脊髄の神経細胞の成長を促し、体のまひの改善が期待できるという。

臨床研究はポルトガルや中国で実施され、ポルトガルでは、まひした足をわずかに動かせるようになった例が複数あるという。中国には04年以降、日本から10人以上の患者が渡航して治療を受けたとされるが、効果ははっきりしない。

患部が感染症を起こしたり、臭覚に障害が出たりする可能性もあり、大阪大ではインフォームド・コンセント(患者への説明と同意)を慎重に行いたいとしている。

脊髄損傷患者は国内に10万人以上おり、交通事故やスポーツ事故などで毎年5千人の患者が生じている。(行方史郎)
   (朝日新聞 2006/07/11より引用)

 以前スーパーマン俳優のクリストファー・リーブ氏が落馬事故後、大掛かりなリハビリの模様が報道されましたが、この画期的なアイデアが人体に活用できれば大きな福音となります。


 音の強弱で聴力鍛える 同志社大・リオンが装置ー難聴改善などに効果

同志社大学の力丸 裕教授と補聴器大手のリオンは、聴力を高める訓練装置を試作した。話者の音声を変換して取り出した音の強弱を聞き取る装置で、難聴の人で効果があった。2−3年後の実用化を目指す。

音声には「あ」「い」といった音と、それぞれの音の強さという二つの特徴がある。力丸教授らは、人は音に頼って音声を理解しており、強弱はほとんど聞き取っていないことに着目した。

補聴器を改良、周りの人が話した言葉から音の強弱だけを取り出した「劣化雑音音声」と呼ぶ特殊な音に変換する。最初は雑音のように聞こえるが、慣れてくると何を言っているか理解できるようになるという。

難聴の人が劣化雑音音声を聞く訓練をしたところ、普通の音を聞き取る力が改善した。通常は活用していない情報でもうまく使うことによって聞き取れるようになるのではないかと推測している。

補聴器を使っていて機械類に近づくとキーンという雑音が聞こえることがあるため、聴覚が弱くても使わずに我慢する人もいるという。新装置は訓練のときだけ使うため、抵抗感も小さいとみている。生まれつき聴覚の弱い人や老人性難聴の人で改善効果を調べる。
   (日経新聞 2006/06/16より引用)

 視力訓練の試みは多々あるものの、聴力訓練の方は余り類例がなかったのでうまく効果が出るようなら画期的な試みです。


 黄砂でアレルギー悪化 大分の大学 マウス実験で確認 − 「予防へマスクの着用を」

黄砂が肺に入ると花粉症や気管支喘息などのアレルギー症状が悪化するというマウス実験結果を、市瀬孝道大分県立看護科学大教授(環境毒性学)と国立環境研究所などのグループが(4月)29日までにまとめた。黄砂が呼吸器に影響を及ぼすことは指摘されていたが、黄砂とアレルギーの関連を実験で確かめたのは初という。

市瀬教授らは、マウスの肺に、アレルギー症状を起こす卵白アルブミン(卵の白身の成分)と中国・ゴビ沙漠南部で採取した黄砂をカテーテルで注入し実験。

卵白アルブミンだけでも気管支などに炎症が起きたが、黄砂を入れた場合は炎症はより強かった。肺を洗浄した液体を調べると、アレルギー性疾患で増える白血球の一つ好酸球は十数倍、好酸球を増加させる生理活性物質「インターロイキン5」は百倍以上だった。

韓国の黄砂の量は日本の五ー十倍とされる。海外環境協力センターによると、黄砂があった数日間は呼吸器や循環器の病気で入院した人がそれぞれ8%、4%増えたという韓国の大学の調査結果がある。

市瀬教授は「日本の黄砂は韓国と比べ細かく、肺に入りやすい。微量でも吸い込むを花粉症やぜんそくなどが悪化する可能性があり、マスクで防ぐことが必要だ」と指摘している。

黄砂 : 中国のタクラマカン砂漠や黄土地帯、ゴビ砂漠の砂が低気圧などによって巻き上げられ、風で日本や韓国などの東アジアに運ばれる現象。多いのは3−5月で空が黄色に見える。黄砂にはケイ素やカルシウム、アルミニウムなどが含まれる。黄砂が多いと浮遊粒子状物質(SPM)の濃度が上がり、環境基準値を超える原因になる場合がある。韓国では黄砂による年間被害額は364億円に上るとの試算結果がある。
   (愛媛新聞 2006/04/30より抜粋引用)

 この時期はスギ花粉症はほぼ終わり、ヒノキ花粉とイネ科花粉症の患者さんが受診されます。黄砂自体は無機物が多く、直接アレルギーを起こすことは少なく、呼吸器粘膜を機械的に刺激したり、ジーゼルエンジンの排気ガス中の微粒子のように症状を増悪させる効果があるのでしょうか。


 重度聴覚障害者 運転免許OK−国際交通安全学会結論で2年後にもー警察庁 幅広ミラーの装着 条件

警察庁は(4月)13日、運転免許が取得できない重度の聴覚障害者について、死角を減らすワイドミラーの装着などを条件に普通免許を認める方針を決めた。聴覚障害者の社会参加拡大を念頭に、現行の運転免許試験で合格に必要な聴力基準を事実上廃止する。同庁は道交法改正などの手続きを進め、二年後の導入を目指す。

警察庁の委託で、聴覚障害者による走行実験などの研究を進めていた国際交通安全学会が「聴覚障害者もワイドミラーを活用して慎重な運転に努めれば十分に安全確保できる」と結論付け、普通免許を認めるよう提言した。

現行の運転免許試験は聴力の合格基準を「十メートルの距離で九十デシベルの警音器(クラクション)の音が聞こえること」とし,タクシーなど旅客車両を除き補聴器の使用を認めている。警察庁が2002年から04年にかけて実施した調査によると、米国やドイツ、フランスなどは聴力を自家用乗用車の免許の要件とせず、英国では大型旅客車両の免許も取得でき、聴覚障害者の社会参加拡大を図るため見直しが求められていた。
   (日経新聞、愛媛新聞 2006/04/14より抜粋引用)

 海外、特に中国や、東南アジアなどでは前後の車や、歩行者などに注意を喚起するとき、クラクションを頻用し、騒音公害のような状況を醸しだしています。日本ではクラクション殺人が時に話題になったりしますが、音で注意を喚起することは少なく、そういう意味からも、聴力障害者でも日常運転に余り支障はないように感じます。


 耳の中の皮がはがれるー耳掃除は入り口1センチまでに

質問: 33歳の女性。約5年前から耳の中の皮が、はがれるようになりました。最近は2日に一度のペースではがれ、毎日耳掃除をしていても、ひどくなる一方です。皮膚科で「体質だから仕方がない」と言われました。聴力に問題はありません。放っておいても問題ないでしょうか。(東京都・ Y)

Q: 病気でしょうか。
A: 症状や年齢からすると「外耳道炎(湿疹)」が考えられます。日ごろ耳かきをする習慣がある人に起き、炎症を起こしたり治ったりを繰り返します。

Q: どんな人に多いのですか。
A: 20−50代の東洋人女性に多いです。痛みや、耳あかが詰まって聞こえなくなって、受診することがほとんどです。

Q: 病気の仕組みは。
A: 耳の入り口から鼓膜までの3.5センチほどを外耳道といいます。奥の三分の二は普通の皮膚と違い、毛や皮脂腺がなく、薄い皮膚があるだけです。刺激に弱いのですが、ベルトコンベアーのように皮膚が外に向けて移動し耳あかを外へ出す作用があります。このため耳掃除は、耳の入り口1センチほどでよいのです。しかし耳かきや綿棒でひっかいて傷ができ炎症を起こすと、この自浄作用が阻害され、耳あかが奥にたまったり、かゆくなったりして、耳を触るという悪循環に陥ります。

Q: どう治療するのですか。
A: 炎症を消すステロイドと、かゆみ止めの抗ヒスタミン剤を使います。2,3回の通院で治るのですが、かいてしまう習慣があるので再発が多いのです。一切触らないことが大切です。

Q: 耳あかがにおうそうです。
A: 真菌などが傷に感染している可能性があります。ただ、他人にはにおいませんので、気にする必要はありません。

Q: 他の病気の可能性は。
A: アトピー性皮膚炎や、真菌による脂漏性皮膚炎の可能性もあります。まず耳鼻咽喉科を受診し、細菌感染の有無など外耳道や鼓膜をよく検査してもらって下さい。その際、服用している薬や家族を含めたアレルギーを医師に伝えて下さい。健康な人であれば心配はありませんが、糖尿病にかかっていて緑膿菌に感染すると、骨まで達する悪性外耳道炎になり手術が必要になることもあります。(回答者: NTT東日本関東病院部長 耳鼻咽喉科 深谷 卓氏)
   (朝日新聞 2006/02/20 「医療(どうしました)」より抜粋引用)

 特に皮膚が乾燥すると我慢できないかゆみが起こり、掻きくずす結果、症状の悪化、再発につながりますので、お風呂などで余り皮膚の油分が落ちてしまうほど石鹸で洗ったり、アルコール消毒などは禁物です。


 花粉の飛散 HP(ホームページ)で確認

花粉症シーズン本番を前に、環境省は(1月)31日、(愛媛)県内三ヶ所に花粉自動計測器を設置し、飛散状況を(2月)1日からホームページ(HP)で公開すると発表した。設置場所は新居浜市役所(新居浜市一宮町)、松山大学(松山市文京町)、県山財ダム管理事務所(宇和島市津島町山財)の建物屋上。同省大気環境課は「花粉症患者が外出する際など、予防対策に役立ててほしい」と話している。

同省は花粉観測システム(愛称「はなこさん」)を利用した観測地域を今年、中四国に拡大。花粉の発生源となる山間部や人口が密集する都市部など、県内では東中南予の三ヶ所を県とともに選んだ。

「はなこさん」は、大気一立方メートル中の花粉数を計測器で測り、風向き、風速、気温、降水量などどHPに表示する。データは毎時間更新。2002年度から運用を始め、これまで関東、中部、関西地域の計四十五地点で計測していたが、本年度中に中四国の二十地点などを加えた八十地点に拡大予定。HPアドレスは http://kafun.nies.go.jp/
   (愛媛新聞 2006/02/01より引用)

 従来のプレパラートに24時間で堆積した花粉をカウントする方法に比べ、経時的に花粉飛散状況が測定され、風向きや、気温など気象状況と照らし合わせ、表示されるので実用的価値が一層高まっています。しかし、スギ花粉と同じ位の大きさ(約30μm)の粒子が一緒にカウントされるので、黄沙や雪、スギ以外の花粉も測定カウントされることがあり、シーズン以外のデータはそのあたりを考えながら判定、判読する必要があるようです。


 耳あか ー乾燥型は”突然変異”ー あなたはネバネバ派? カサカサ派?  
             DNA塩基ひとつに違い  日本人7−8割  実は皮膚の破片

乾燥したタイプと湿ったタイプの二つがある、人の耳あか。どちらのタイプになるかは、遺伝情報を担うDNAの塩基配列の、たった一ヶ所の違いで決まることを新川詔夫長崎大教授(分子医療)らが明らかにし、(1月)29日付けの米科学誌ネイチャージェネテイックス電子版に発表した。

実は、耳あかは本来湿っているもので、乾燥したタイプは耳あかではなく、単に皮膚がはがれたもの。乾燥タイプの人は耳あかが出ない”突然変異”で、日本人の約8割がこのタイプだという。

新川教授らは、日本人126人の塩基配列を調べた。その結果、16番染色体にある遺伝子「ABCC11」の三ヶ所にある塩基という物質で体質が決まっていた。塩基が「グアニン」だとあかが湿り(ネバネバ型の38人全員)、「アデニン」だと乾燥する体質(カサカサ、乾燥型88人中87人)になることがわかった。塩基が変異した遺伝子を両親双方から受け継いだ人は「ABCC11」というタンパク質が合成されず、耳あかが出ないことを突き止めた。

さらに、世界の三十三民族、計3、200人について調べたところ、耳あかの出ない(乾燥している)人は日本を含む北東アジアに多く、南方や欧米、アフリカに行くにしたがい徐々に減ることも判明した。

「ABCC11」ができないことによる弊害は今のところ不明だが、このタンパク質は薬剤の代謝や排出と関係しており、特定の抗がん剤などに対する抵抗力に関係していることが分かっている。将来、患者の耳あかを調べることで、薬剤の効果や副作用を予測できる可能性もあるという。また遺伝子が特定できたことで、耳あかのネバネバ型と深い関係が知られている腋臭症の研究も進みそうだ。

新川教授は「一塩基の変異が北東アジアの人に起こり、その後、人類の移動とともに世界各地に広がったと推測し、人類の地球移動の歴史を探る手がかりにもなる」と話している。
   (愛媛新聞 2006/01/30の記事を中心に日経新聞、朝日新聞の記事を参考にして改変)

 日本人の耳あかの乾燥、湿潤を北方系、南方系の人種の差や、縄文人、弥生人の違いとして表現した研究が以前ありました。


 花粉の飛散 今春少なめ 環境省予測 例年の3−8割 −発症減とは限らず

環境省は25日、2006年春のスギとヒノキ花粉の飛散量は例年の30%から80%程度で、飛散が始まる時期もやや遅れるとの予測(確定版)を発表した。

ただし、観測史上最大の飛散量となった昨春に多量の花粉を取り込んでいて体が過敏になり、わずかな量でも花粉症を発症する患者も出ると予想され、同省は「直ちに患者数の減少につながるとは限らない」と注意を呼び掛けている。

調査は、医師や気象の専門家らでつくる民間の非営利団体「花粉情報協会」に環境省が委託して実施した。

昨年7月の気温や日照時間が平年を下回ったことなどの影響で、今年は雄花の数が例年より少ないことが昨年末の調査で確認できた。

過去十年のデータを平均した例年の量と比較すると、
東北では60%、
関東甲信越では30%、
東海北陸では80%、
近畿、中国、四国、九州では40−60%程度。
もともと飛散量が少ない北海道では例年並みで、昨年と比較すると全国的に10−40%の量にとどまるという。

1月に入っても低温傾向が持続していることから、スギ花粉の飛散が始まる時期も例年よりも10日程度遅れる見通し。2月10日ごろに関東以西の太平洋岸でスギが開花し、徐々に北上するとみている。
    (愛媛新聞 2006/01/26より引用)

 愛媛県松山市では1月17日が今シーズンの飛散開始日でした。




2005年(平成17年)分
2004年(平成16年)分
2003年(平成15年)分
2002年(平成14年)分
2001年(平成13年)分