★パムッカレで足つぼマッサージ

 パムッカレへはエフェソスから180キロ。
↓ヒエラポリスの遺跡

 ツアーの人たちとも少しづつ話が弾むようになってきた。
 なにせ、道中長いから…。
 新婚さんのダンナ様は、小さいころ、テレビでかわぐちひろし探検隊がカッパドキアを訪れたのを見てから、ずーっとトルコに来てみたかったんだそう。(この話を聞いてから、彼は、ワタシタチから「隊長」と呼ばれることとなった)
 ファミリーの方は、パパさんの転職をきっかけに長期のお休みを取って、新婚旅行で行きそこなった(当時、湾岸戦争の真っ最中)トルコに、家族でやってきたんだとか。
 なるほどー、トルコにはみんなそれぞれ憧れがあるんだねぇ。

 パムッカレ近くの村は、オヤジ度高し。
 女性もいるにはいるんだけれど、じいさんたちが、ひがな外のテーブルで時間つぶしてます、ってな風情。
 いいねぇ。
 まずは、パムッカレ近くで下車して、ヒエラポリスの遺跡見学。
 ここは、紀元前190年に始まった年の遺跡群で、この時代のものとしては、最も内陸にあるので有名。
 そこかしこに石棺の遺跡がごろんごろん転がってる。共同墓地だったそうな。
 なんでも、古代のお金持ちの間では、パムッカレで湯治をして、ここに石棺を作るのがトレンドだったらしい。
 …金持ちの考えることは分からん…。
 大浴場跡や、ドミティアン門と呼ばれる門も残ってる。両方とも、典型的なローマ様式。
 崩れて傾いている遺跡もあって、なんでも、地震のときにくずれちゃったんだとか。
 やっぱり西洋建築は地震に弱いんだわ〜。三匹の子豚の家のレンガの家も、地震にはきっと弱かったに違いない。と、西洋建築の弱点について鋭く考察するワタシであった。

 パムッカレはトルコ語で「綿の城」。
 その名の通り、白い石灰棚が幾重にも段々畑のように広がっている。
 
↓足ツボ刺激

これは、石灰成分を含んだお湯が、長い年月を経て結晶化して台地全体を覆ったもの。
 ガイドブックなんかで見ると、ほんとに雪が積もったように真っ白で、ブルーのお湯をたたえた石灰棚が、見るも不思議で美しい景観を作り出している…ように見える…。
 でも、今はお湯が枯れかけていて、石灰棚の一部にしかお湯を流していない。
 遠くから見るときれいなブルーに輝くお湯も、ブルーというより、ブルーグレイ。っていうか、灰色。
 人がいっぱい入ってたから、そこに沈んでいる石灰が混ざってにごってるのかなあ。
 温度は、人肌よりちょっぴりあったかいくらい。
 子供たちがいっぱい泳いでた。けっこう下の方まで行くことが出来るので、ぐいぐい降りてみた。
 遠くから見たら真っ白でつるつるして見える石灰棚も、ざらざらしてて、裸足で歩くと「いてて、イテテ」。
 「うー、足つぼが刺激されるぅ」
 さすがトルコ。西洋と東洋の文明の十字路。こんなところで東洋の神秘、足つぼ健康法に出会うとは…。トルコ、あなどりがたし。
 
   ★セクシーベリーダンスに見とれる
 
 その日のお宿にはプールがついていたので、嫌がるさくらを引きずって、泳ぎに。(泳げないので、正確には浮かびに行った)
 ここには温泉もあり。というか、スパかな。温度も熱すぎずちょうどいい。もちろん、水着着用。
↓ペリーダンサーの指導を受ける男性陣

 夕食後に、ホテルのディスコでやっているベリーダンスショーを見に行ったのだ。
 ビデオとカメラ持参で、一番前の席でかぶりつきで。
 もちろん、ここでも「お客様、ご一緒に」が。
 ご一緒したかったのに、ぎらぎらしたオーラでも出てたのかしら、ヤル気満々だったのに、誘ってもらえなかった。ちぇーっ!
 ん?しかし、ステージに連れ出されたあの男性3人のうちの一人は、われらが隊長では…?                           
 隊長、おねえちゃんにTシャツまで脱がされて、セクシーダンスを披露して、われら隊員を和ませてくれました。隊長の勇姿はわれらカッパドキア探検隊員の心に深く永く刻まれることでしょう。
 隊長夫人やファミリーのママさんもステージへ。
 あああ〜、うらやましい〜。
 でも、ベリーダンサーのパンツにチップをはさむ、という長年の夢(?!)がかなったので、ちょっとうれしいワタシでありました。

7月15日

  ★おお、雄大なアナトリア

 

 朝ごはんを食べたあと、コンヤへ出発。
 パムッカレからは420キロ。
 遠い…。
 とにかく遠い。たまげるほど遠い。
 島国日本からきた旅行者には、想像できないほど遠い。(ように思えた)
 車窓の景色も、今までと様子が変わってきた。
 中部アナトリアへ向かうにしたがって、畑が、牧草地に。
 緩やかな起伏を描く、のっそりとねそべる山々の谷間には、パッチワークのように広がる畑。
 「わー、子供がクレヨンでぐりぐり塗りつぶしたみたい〜」と、さくらも感激。
 そうかと思えば、乾いた土色の山肌を見せる平らな山が見えたり、ごつごつした灰色の岩を突き出した山のそばを通ったり。
 小さな村の集落も点在していて(村と村の距離はすんごく離れてるけれど)、現役の馬車やロバや、燃える男の赤いトラクターが走っている。
 広大で雄大で。
 こんなところに住んでたら、ゆったりした人間になるなあ。トルコの人のおおらかさって、きっとこの大地からきてるんじゃないかな。
 その、広大な丘の真ん中に、ぽつんとロバが一匹、杭につながれていたりして。
 「あっ!ロバだ!」
 「ほんとだ!かわいいー!」
 カワイイロバちゃんに目を奪われ…その後、不意に無言になる車内。
 「……」
 「ねえ、今のロバ…」
 んん?このだだっぴろい丘に、たった一匹??見渡す限り、人っ子一人、家の一軒もみあたらないぞ〜!
 前の村も次の村も、相当遠いぞ??ええのんか?
 うーむ、雄大だ…。                                             
↓こってりしたヨーグルト。うまい!

  ★絶品!ヨーグルト

 途中、ディナルという町のドライブインで休憩。
 ここは、ヨーグルトと蜂蜜が有名なんだとか。(トルコはヨーグルトの発祥の地だとか)
 ドライブインで売っていたのがあんまりおいしそうだったので食べてみた。
 ……ぜっっぴん!
 日本のヨーグルトとぜんぜん違う!ヨーグルト、っていうより、クリームチーズに近い濃厚さ。蜂蜜もこってりしてて、天然の味がする。
 あのヨーグルトを食べるためだけにトルコに行ってもいい、と思ったワタシでありました。

   ★ナスレッディン・ホジャの町

 アクシェヒルという町でもう一度休憩。
 …って、なんじゃあ、この中途半端なテーマパークみたいなドライブインは?そんでもって、なんじゃこのけったいな像は?おっちゃんが、ロバの背中に反対に乗っているが…??
↑ロバに乗るホジャ…。ロバ、怖いよ…。
 そういえば、この変なおっちゃんがマークの会社も見かけたけれど、いったい、誰??
 あんまりにも変だったので、ガイド氏に聞いてみた。
 「あれは、ナスレッディン・ホジャという人です。ちょっと…ヘンな人ですね」ときた。
 ヘンな人。そりゃ、ぜひ詳しく知りたい。
ホジャについて詳しく知りたい人はクリック→
↓ドライブイン
  ★コンヤでオヤジ舞踊団に憧れる
↓カラタイ博物館・入り口

 このころになると、さくらが絶不調になってきた。暑さとトルコ料理の油にやられたか??
 大丈夫か?と心配しつつ、しっかりビデオを回すワタシ。われながら容赦ない。(後日、ビデオを見たら、死にかけ三分五里のさくら嬢が写っていました)

 コンヤではまず、カラタイ博物館へ。
 元は神学校だったものを現在は陶器博物館として公開している。
 ここで初めて人物を描いたものを見学。青いタイルに描かれたもの。町の城塞からの出土品かな。聞けば、イスラム教が普及する以前のものであるとのこと。
 ここのドームはターキッシュ・トライアングルと呼ばれるもので、トルコ独特の建築様式。青いタイルがステキ。
 
↓メブラーナ博物館

 コンヤはイスラーム神秘主義の一派メヴレヴィー教団の発祥地。

『スーフィズム(神秘主義)とは、元来、「羊毛の粗布を着たもの」の意味で、清貧と禁欲の心を保ち、神との合一の境地に達することを理想とする思想。トルコでは、円舞により神との合一の境地に達しようとするメフレウィー教団がさかんとなり、民衆のイスラム化に貢献した。(山川出版:世界史総合図録より)』

 どんな宗教も、人がどうすれば幸福に暮らせるか、を民衆に分かりやすく説いたもので、伝えたいことの真髄はどれも同じだと思うのだけれど。
 人間なんて本当は、自分の口を食べさせていくだけの糧があって、明日の心配をせず、きれいな水と空気があれば、本当はそれだけで十分幸せなんじゃないかな。なんていいつつ、ワタシゃ欲深いから無理だわ、なんて思ったりもして。
 トルコのガイドブックなんかを見ると必ず載っている白い上着と長い袖の服を着て、円筒状の帽子をかぶったおっちゃんたちが踊っている写真。
 これは、セマーと呼ばれるこの教団の舞踊で、踊り手はセマーゼンと呼ばれる。帽子は墓石を現し、右手を上に、左手を下にするのは、アラーの恵みを人々に振りまくことを意味する。(えーと、ガイドさんはは右手を天に向けて生を受けて、左手を地面へ向けて死を現すとか言ってました)
 深い。深いねぇ。
 この教団は、アタチュルクによって解散させられて、現在この宗教はトルコでは禁止されているんだとか。
 でも、このセマーだけは毎月イスタンブールのガラタ・メヴラーナ博物館で見ることが出来る。コンヤでも、毎年メヴラーナの亡くなった12月にセマーが行われている。

 博物館の中は、棺がずらりと並び、神秘的な音楽(お経か?)が流れてる。金色に輝く棺や壁。
 ガイド氏によると、今でもエジプトあたりに信者さんがいるそうで、その人たちなのかな、熱心に経典や写本を眺めている人たちの姿も。
 衣服やじゅうたんも残されてる。マホメットのひげもあり。(←キリスト教の教会に置いてある、聖人の骨とか歯みたいなもんかしら??)      

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