7月14日
★エフェソスで世界最古のキャリアウーマンについて考える
朝ごはんは、いつものエキメキに白チーズ、ハムとかキュウリとかトマトとかヨーグルト。このホテルの白チーズは、血圧が一気に200に上昇しそうなくらい塩辛かった…。
↓仕切りナシのおおらかな古代の大理石トイレ
イズミルからエフェソスへは75キロ。
エフェソスは、ギリシア時代にアナトリア(小アジア)で一番繁栄を遂げた都市(らしい)。
ここに、欧州からの観光客がうぞうぞいた。びっくり~。
そりゃ、いままでもいたけれど、一ヶ所にこんなにたくさんいなかったなあ。エーゲ海リゾートで有名な、クシャダスから足を伸ばしてきている人たちかな。ノースリーブの女性の肩が、日に焼けてまっかっか。
それにしても、さすがエーゲ海最大の遺跡群だけあって、遺跡の数は膨大!
古代のメインストリートやら、ヘラクレスの門、市公会堂跡、劇場跡。大理石のトイレの跡もある。
このトイレ、寒いときは、奴隷が座ってあっためておいたそうな。ってことは、トイレ役の奴隷は、ずーっとトイレに座ってたんだろうか。さぶそうだ。ってーか、仕切りは無し?…おおらかだねえ。中国文化を彷彿とさせるよ…。
ケルスス図書館までのびる道沿いのクレテス通りは、モザイク画がきれいに残ってる。その傍らに建つのは、エフェソスの田園調布。いや、芦屋か?
↓ケルスス図書館
もし古代に生まれるとしたら(って、文法が変だけれど)お金持ちの、大臣クラスの男性がいいなあ。(女性は不便そう)裏で国政を操ったりするのだ。楽しそう。(←暗殺されるかも?)
ここのケルスス図書館は1970年に修復されたもの。
見上げると見事なファサード!トルコブルーの青い空とあいまって、自然と人工の見事なファンタジアに圧倒されてしまう。
内部には何も残ってない。お土産屋が出てた。
どんなに美しい建築物であっても、人が住んでいたり、居住可能なほどに手入れがなされている建築物って、家であって物じゃない。
気が遠くなるくらいに年ふりて、崩れて風化して草生した建物だけが、遺跡という「物」になって、さらには、風景の一部になる。
その悠久の年月を思うと、言葉に出来ない、時間というものの捕らえどころのなさと、無情さ、無常観とともに、何だか胸が震えてくる…。ロマンだねえ…。
ケルスス図書館から大劇場に向かうマーブル通りには、有名な(らしい)娼館の看板がある。通りの途中に、柵で囲まれているところがあるのですぐわかる。足と女性とハートの絵が描かれている。
この看板にはいろいろな説があって、「女の子が待っている」とか「お金がある人は娼館へ無い人は図書館へ」とか。
「この館の女の人たちは、プロフェッショナルなビジネスウーマンでした」とはガイド氏の説明。
なるほどー。確かに、世界最古のキャリアウーマンかも。
「ふーん。じゃあ、貧乏人は図書館に行くしかないから頭が良くなるわけやね」と、さくら、哲学的な発言。
それもそうかも。
マーブル通りを抜けると、大劇場。
歌声が響いてきて、何事かと思ったら、黒いワンピースを着た白人女性が歌ってた。職業歌手の方なのか、声楽をやってる学生さんなのかはわからなかったけれど、オーストリアだかオーストラリアだかからきた女性らしかった。
後日、カトリック系の高校に行っていた友人にビデオを見せたら、歌っている曲は、賛美歌の一種だね、って言ってた。欧州の人にはすぐにわかる曲を歌ってたんだろうな。声が響いてすごくきれい。
この都も、昔は、現在より海が5キロくらい近かったので、劇場も、海からの風を受けて上のほうまで良く響いたとか。
今でもあれだけ響くんだから、当時はもっと響いたんだろうなあ。
★聖母マリアの家には宇宙人のカギ穴
↓聖母マリアの家
遺跡から7キロはなれたところには、聖母マリアの終の棲家、と言われている小さな家があり。内部は、聖母マリアを祭った小さな教会になっている。
欧米からの観光客で内部はいっぱいでした。もちろん撮影も禁止。
ぎゅうぎゅうづめなので、何があったのかほとんど覚えてない…。小さな祭壇と、マリア像があったのは覚えてるんだけれど。
太った坊さんがいて、僧衣の色(濃い茶色。カプチーノの由来になった色)からしてカプチン派かな、と思ってガイド氏に聞いたら、やっぱりそうだった。カプチン派が管理してるのかな??
それよりなによりワタシタチの興味を引いたのが、この、カギ型の穴。
こりゃ、いったいなんじゃい?
↑宇宙船の鍵穴(ほんとは洗礼場跡です)
なんかの遺跡跡?
宇宙船の鍵穴?
「こりゃ、宇宙人の鍵穴に違いない。ヤツらは空からやってきて、でっかいカギを差し込んで、ぐりっと回すのよ」
「そんで、ここが、ばかっとあくんだわ」
と、スカリーさくらとモルダーこまめは、鋭く検証したのであった。
★地母神を見て豊穣を祈る
↓右上のコップに入ってるのががアイラン
昼食はレストランで、スープ、ジャガイモのサラダ、チョップ・シシ、ピラウ(ごはん)、アイラン(塩味のヨーグルトドリンク)、ケマル・パシャ(トルコのお菓子。西洋菓子のサバランみたいなヤツ。カステラ生地をシロップでべちゃべちゃにしたもの)。
トルコはやっぱし野菜がおいしい!
ジャガイモも、味がこってりしてて、何もつけなくてもおいしい!
アイランは、ちょっと癖になる味。「ヨーグルトが塩味?!」って思うけれど、トルコのヨーグルトはこってり濃ゆくてすっぱくて、塩味にしてもなかなかいける。
そのままエフェソス考古学博物館へ行くのかと思いきや、
「では、この後パムッカレへ出発です」って。
ちょっと待ってよ~!予定表には「エフェソス考古学博物館」へ行くことになってたのに。この博物館に残されている地母神像を見るの、楽しみにしてたのに~!
↑チョップ・シシとピラウ
「あのう、予定表ではエフェソス考古学博物館に行くことになってますけど…」
おしとやかで奥ゆかしいヤマトナデシコな二人なので、人様に口出ししてはならぬとは思ったのよ、思ったけれど、だって楽しみにしてたのに~!
「そういえば、イスタンブールで地下神殿とグランドバザールにも行ってない」とは新婚さん。
そういや、そこも行ってなかったなあ。予定が変更になったのかと思ってた。
「ええっ!そうなんですか?私の予定表には無いです。予定表見せてもらえますか?」あわてたのはガイド氏。どうも、日本の旅行代理店とトルコの代理店との連携がうまく取れてなかったみたい。たまにこういうこともある…。
でも、そりゃそうよねー、博物館の料金だって、旅行代金に含まれてるんだもん。しっかり見なくっちゃ。
結局、地下神殿とグランドバザールは、8日目に連れて行ってくれることに。
ほてほて歩いていると、近くのモスクからアザーンが流れてきた。
トルコに残っているのは、欧州文化の礎になったギリシア・ローマの遺跡なのに、アザーンの流れてくる不思議…。
↑エフェソス考古学博物館の中庭
エフェソスの考古学博物館は、さほど大きくはないけれど、見るのに疲れないちょうどいい大きさ。人も少なくてほっとする。
こちらに本物を保管して、エフェソスの遺跡にはレプリカを置いてあるものもあり。
ゆっくり見たかったんだけれど…。
ここでどうしても見たかった地母神(アルテミス)を見ました!
ここの地母神像には、胸の周りに卵状のものがいっぱいついていて、乳房とも、いけにえに捧げられた牛の睾丸とも言われているんだとか。
でも、写真もビデオも撮っていない。ウカツ…。
★さくら嬢、スーパーモデルになる
パムッカレへ行く前に、お約束のお土産屋さんに連行された。革製品のお店。
繰り広げられるショーを眺めつつ、チャイなどご馳走に。
↑モデルのお兄ちゃん
きれいなおねえちゃんと、濃ゆい顔のハンサムなおにいちゃんが、なにやら音楽にあわせてくるくる回ってくれてた。
いやあ、おねえちゃんたちはきれいだから似合うけれど、それ、ワタシタチが着たらめっきりおばちゃんやで、っていうデザインが多い…。デザインの点では、日本人に合うもの少なし。
しょうがないので、おねえちゃんとおにいちゃんを眺めていたら、いきなり、ハンサムなおにいちゃんがステージから降りてきて、隣にいたさくらを連れて行っちゃった。
んん?これはもしや、お約束の「お客様をステージに」ってやつ?
おお、これはビデオに撮らねば。
ステージ裏に連れて行かれたさくらが、お兄ちゃんに連れられて、赤いレザージャケットを着てステージに現れた瞬間、「すてきよ~!」と、ステージママゴンのようにビデオを回しまくったワタシ。ビデオに夢中になるあまり、写真を撮っていない。またもやウカツ。
ファミリーのお父さんもステージへ。赤・白・青の革のパッチワークのコートを着せられ、ステージでおねえちゃんと踊る踊る。
…このショー、ちょっと馬鹿にしてたけれど、面白いじゃん…。
「暑くて汗びっしょりかいちゃって、『もしや、このジャケット買取になるかも…』って心配しちゃったよ」と、さくらがふーふーいいながら帰ってきた。おいおい…。
この後は革製品売り場へ強制連行。
そりゃ、安いのかもしれないけれど、このくそ暑いのに、いくら冷房がガンガン効いてたって、革製品なんて買う気もおこらなーい!
トルコの旅行会社さん、もちっと考えてくれい。