コウノトリ症候群

別になにがどうってわけじゃなくて、ちょっとからかってみたかっただけなんだけど・・・

「おっさん、クラピカは?」
「ん・・・寝てる」
新聞から目をあげずに生返事。
「・・・ちゃんと避妊とかしてんだろーな」

!!!

ぼそりと言うと、コーヒーを思いっきりふきだしてあせりまくってこっちを向いた。
「キ、キルア、おめー、やぶからぼうに何言い出すんだ!」
「だってさー、あの年齢で赤ん坊できたら可哀想じゃん」

―――おっさんて勢いで押し倒しそーだし

そんなマネするかとか、ガキが知ったふうな口きくなとか、ひとりで大騒ぎ。
医者の卵がこれでいいのか?


「誰の赤ん坊?」


「誰って、クラピカ・・・・い?!」
パニクってるおっさんがおもしろかったから、つい背後の問いに何も考えずに返答してしまって・・・から声の主に気がついた。
あわてて振り返ると、ゴンが不思議そうな顔して立っている。
「た、た、たとえ話だよ。ほら、あれでもいちおー女なんだし」
おっさんのパニックが伝染したみたいに言い繕うオレ。
だけど、ゴンは眉をよせてまじめに何か考え込んでいる。

そ、それ以上悩んでなんか聞かれても、オレ困るんだけど・・・ゴン?

「・・・もしさ、クラピカがお母さんになったら復讐なんて思いとどまってくれたりしないかな」

ぽつんと呟いた。

―――え?

「・・・その方がうれしいけどな」
おっさんがまじめに、本気でまじめに返す。

「あっ、クラピカ」
ぱっとゴンの表情が明るくなったかと思うと、カフェの入り口に現れた青衣のひとの方へ走っていく。
「お、おい、ゴン。いまの話は」
大丈夫・・・と唇は読めたけど、ゴンの気遣いとオレたちの心配は多分違う。

「どーしたのクラピカ、顔色悪いよ」
「ああ、たいしたことはないのだよ。少し吐き気がするだけだから」


おっさんが再度パニックにおちいったのは言うまでもない。
思いつきはいったいなんだったのか・・・頭の中では一気にコマ割されたのだが、オコサマたちを描ける自信がまだないので頓挫している。
どういう状況で4人いっしょとか、いつ頃なのかとかは、深く考えないように。
にしても、にーさんの狼狽ぶりは身に覚えがあるからなんでしょうな。ピカさんの反応は、はてさて。
「彼方」のおふたりさんとは多分つながらないような・・・。

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