コウノトリ症候群 その後ver.1

「私が妊娠したと思いこんだそうだな」
ベッドの端にすわって小さくなっているオレ。
腕を組み、いわゆる仁王立ちのクラピカ。
「すまねー、早とちりで」
「たいした狼狽ぶりだったな」
そりゃー身に覚えはしっかりあるけれど、失敗する覚えはそうそうないわけで。
あせったのは否めない。
「確かに学生の身分でそういう事態に遭遇すればうろたえるのもムリはなかろう」
・・・え?
「心配するな、たとえそんなことになっても、おまえに迷惑はかけん」
おい、こいつ何言ってんだ。
オレは立ち上がり詰め寄ると、まだ何か言いかけるクラピカの頬をぴしゃりと叩いた。
「見損なうな。オレをそんな男だと思ってんのか」
手をあげるのは本意ではなかったが。
クラピカは大きな瞳をいっそう大きく見開いて、信じられないような面持ちでオレを見あげた。
「そんな迷惑だったら迷惑なんかいくらでもかけろ。いや、オレは迷惑なんて思わねーぞ」
両の肩をつかみ、オレはその瞳をのぞきこむ。
「だが・・・」
「だが、なんだ。だいたいなー、自分の心配もできねーおまえに子どもの心配ができんのかよ」
「・・・ひどい言われようだな」
口の端がふっと笑った。
「おうよ、だからオレが必要なんだよ」
「・・・すまない」
「いや、オレの方こそ手をあげたりして悪かった」
オレは愛しいその身体を抱きしめた。
「コウノトリ」のにーさんのあわてぶりは、絶対一線越えてるよねと思いつつ、直後に書き散らかしてたのがコレ。
しかし、うちのふたりの基本ではないし、あまりにも短くて内容ないし・・・。
そのうち、あの狼狽には別な意味もあるかもと、身に覚えがないのもありえるかもと、作ってしまったのがver.2。
でも、話ともいえない話が2方向に分裂するのもねえと、やはり放置したままで。
やっと先月、思い立って「うらにっき」でひそかに公開してました。
月も変わったし、アップしないの?とのお言葉もいただき、ちょっと調子にのってページにしたててしまったり・・・。
どっちのver.の方が、らしいでしょう?

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