コウノトリ症候群 その後ver.2

「私が妊娠したと思いこんだそうだな」
ベッドの端にすわって小さくなっているオレ。
腕を組み、いわゆる仁王立ちのクラピカ。
「すまねー、とんでもないこと言っちまった」
身に覚えはない。ないはずだ。けれど、あせった反応をしてしまったのは否めない。
「私はおまえにそんなふうに思われていたのだな」
・・・え?
顔をあげると、クラピカはオレから目をそらして呟いた。
「・・・他の男とそういう行為におよんでいると」
おい、ちょっと待て。
「そ、そんなこと考えるわけねーだろが」
「おまえでないのならそうではないか・・・私は処女懐胎などという器用な真似はできんぞ」
オレは立ち上がり両の肩をつかむと、まだ何か言いかけるクラピカの唇をオレのそれで塞いだ。
「・・・」
「心配なんだよ。おまえにその気がなくったって、おまえの周りは危なっかしい連中ばっかりだろうが」
「そんな心配いらない」
「ばかやろー、ほかに何もできないんだ。心配ぐらいさせろ」
つい、声を荒げてしまった。
「それにだ・・・万が一、オレが酔っ払ったかなんかで意識がぶっ飛んでる時に、その・・・日頃の願望でなんかしちまったんじゃねーかって・・・」
多分、その可能性はない。しかし、いっそ、そうであってくれと一瞬願ったのは事実。
「願望?」
クラピカは大きな瞳をいっそう大きく見開いて、信じられないような面持ちでオレを見あげた。
「おうよ、悪いか」
もういちど両の肩をつかみ、オレはその瞳をのぞきこむ。
「・・・悪くは・・・ない」
聞こえるか聞こえないかの声。
オレは愛しいその身体を抱きしめた。
一線越えてないver.
「17才の美少女」が身をおく環境じゃないですよ。
にーさんが心配するのも無理ないでしょうけど。
だから、前半の心配・勘違いはあってトーゼンなんですけどね、後半の思い込みは・・・。いや、多分、本人真剣なんでしょうけど、なんかツッコミいれたくなってしまいます(笑)。
ちょっとこじつけすぎたでしょうか?

<< ver.1  << BACK >>


050417/0317