↓赤い河
  ★探検隊・奇岩の町を行く・2

 お昼は洞窟レストランにて。
 この地方の料理だというコムレク・ケバブ(素焼きの壷に牛肉を入れて煮込んだもの)、サラダ、スープ、ナスのひき肉のせオリーブオイル焼き(?)、アイラン、バクラヴァ(噂の激甘トルコ菓子。パイ生地を蜜でぺとぺとにしたもの)。
 バクラヴァは、想像してたほど甘くなかった。生地もさくっとしてておいしかった♪もともと甘党だからかな?
 ところで、このレストラン、デザートの最初の一口をウエイターのおっちゃんが食べさせてくれる。…はずかしや…。
 ←車窓から、漫画「天は赤い河のほとり」に出てくる(のか?多分そうだろう…)赤い河も見た!本当に鈍い土色だった。



 セルヴェ屋外博物館。
 三十年程前まで人が住んでいたんだけれど、岩が崩壊の危機にさらされたため、住民は近くに移住したんだとか。
 

↓ウサギ岩。
これ以上の拡大は無理でした。
「あの岩、何に見えますか?」
 と、ガイド氏が指差したきのこ岩。
 ワタシ「かえる」
 さくら「たいやき」
 ガイド氏「…ウサギです」
 ワタシタチ「ええっ?!ウサギ?!」
 ガイド氏「えーと、耳の垂れたウサギです」
 うーん、そう言われてみれば、ロップイヤーのウサギに見えないこともない。
 ガイド氏「ところでタイヤキって何ですか?」 
 さくら「えーっと、日本のお菓子で、魚の形をしていて、中にあんこが入っていて…」
 まったく、かたつむりだのタイヤキだの。さくらの目は、いったいどうなっとんじゃ。

 住居の内部は、細いトンネルで結ばれていて、2階部分に上がるには、はしごを使用。
 人一人通るのがやっとの細さ。岩がまたつるつるすべる!
 …これって、トルコのあのおっきいおばちゃんたちは通れたんか…?
 丸くくりぬかれた窓からは、景色が一望でる。
 なんていうか、ものすごく奇妙な気分。
 大自然を目の前にしたとき、ワタシは、広大な風景に圧倒されて、心が震える。美しさに心打たれる。と、同時に、自然の、人間に対する徹底的無関心を感じて、なんか寂しい気持ちになる。動物も魚も虫も、その世界の住人なのに、人間だけが枠から外れている。そんな気分になる。
 でも、ここではそんな気分にならない。
 奇岩の群れは確かにユーモラスで、一種の美しさがある。でも、心打たれる、ってのとはちと違う。
 緑と乾いた土色、バラ色、灰色の岩のコントラストと、にょきにょき生えている(としか見えない)岩の群れは、「こ、ここは地球ではないのでは??」ってな気分にさせる。
 自分は現実世界にいるのに、目だけが異世界をのぞいているような…。
 うーん、うまく表現できないなあ。きっと、写真や映像でも説明しきれない…。







              
↓カイマクル地下都市

   ★探検隊・地下都市を行く

 カッパドキアには、地下都市がいくつか残っている。今日訪れるカイマクルもそのひとつ。
 その発祥は謎に包まれているけれど、地下都市自体は紀元前4世紀の記録にもある。
 カイマクルは現在は地下8階まで発見されていて、地下5階まで見学可能。
 地下へ地下へとアリの巣のようにのびていて、ガイドさん無しじゃ、出られなくなりそう。
 ここには、一時、アラブ人から逃れたキリスト教徒が隠れ住んでいたこともあり、礼拝堂や厨房、トイレ、食糧庫や学校の跡、ワイン醸造所跡もあり。
 この地下都市の不思議なところは、1万5千人もの人が住居可能な都市でありながら、素焼きの壷やそのかけらが発見された程度で、その他、資料になるような生活用品、文献、落書き、壁画は一切発見されていない。
 誰が、何のために、どうして、かくも巨大な地下都市を作ったのか、正確なことは分かってない。
 
 かがんで通らなきゃならないところもあるし、坂道も急。つるつるすべる。電球もついてはいるけれど、暗いよう、狭いよう、怖いよう…。
 ワタシはこんなところに住めません…。
↑貯蔵庫跡
 洞窟だからひんやり冷たい。通気孔もちゃんと機能していたらしいけれど、全部の煙がちゃんと外に出たのかなあ。トイレの匂いがこもったりしなかったのかなあ。などと心配してしまうワタシでありました。
 さくらは、ひんやりと冷えたおかげで、再びお腹が…。
 ファミリーのパパさんも、隊長夫人も、どうやら体調不良のご様子。
 ワタシ?ワタシは元気。ツアーの誰かが調子の悪いときでも、一人元気。ごはんももりもり食べた。
 「あんたの腸はトルコ腸」と、さくらにわけのわからない褒め言葉を頂きました。 


 
 続いてウチヒサルへ。
↓ウチヒサル

 車から降りて、一言。
 ワタシタチ「なんじゃこりゃ〜」(つまり、この世のものじゃないみたい、と言いたい…)
 なんちゅうへんてこりんな風景なんでしょ。
 これが自然に出来たものだなんて。構図を狙った絵画のように面白い!
 そして、この空の青さ。
 暑いけれど、夏に来てほんとに良かった。  

               




カッパドキア写真館へ
←カッパドキアの写真をもっと見る!という方はクリックしてね。

   ★トルコ石に魅せられる

 トルコ石屋に連行される。
 トルコ石は、偽物も多く出回っていて、「偽物は割ると中身が白く、本物だと割っても中身が青いんですよ」と、店のお兄ちゃんが、ひとつ割って見せてくれる。
 『そんなん、本物かどうか確かめるには割らないとだめじゃん』『お客が来るたびにトルコ石を割って見せてるんだろうか。もったいない』とか、ひそかに心の中で突っ込みを入れていたワタシ。
 ところで、ワタシ、母にお小遣いをもらっていたので、トルコ石のネックレスをおみやげに買って帰ろうと思っていたのだ。
 でも、どれも高い〜。手ごろな値段のもあるけれど、デザインがイマイチ。金髪のおねえちゃんやおばちゃんがつけたらサマになるのかもしれないけれど…ってーなデザインが多い。
 ひとつ、いいなあ、と思ったのがあったんだけれど、ちょい高い。
 そんで、こういったとことにありがちな、一対一の接客。これ、ほんとプレッシャー。
 いらなきゃ、絶対、何があっても買わないけれど、欲しい物があるときは、めちゃめちゃプレッシャーになる。
 ワタシについて回ったのが若いお兄ちゃんで、ねちっこいセールストークで迫るせまる。うう〜、こういう売り方って苦手なんだよね。
ワタシ「でもね、今、現金これだけしか持ってないの…。(涙目)ほんとに今、これだけしかないの(←言い値のほぼ7割くらいの金額)」
にいちゃん「カードは持ってないの?」 
ワタシ「ホテルにおいてきちゃった」
にいちゃん「…チョッと待ってクダサイ」(ボスらしきおばちゃんのところへ走る)
女ボス「ほんとにないの?これだけ?」
ワタシ「ホントにないの(実は、さくらにちょびっと借りた。そして、『どーしても欲しい』オーラ)」
女ボス「オッケー、わかった。ママへのプレゼントでしょ?特別よ〜」
ワタシ「さんきゅー!ありがとー!てぃしゅきりえでぃるむ〜(トルコ語でありがとう)」
 というわけで、めでたくご落札。
 ボスと二人で、抱き合って商談成立を喜び合った。
  ★ヤマトナデシコ、カッパドキアをゆく
↓ホテルのレストランにて


 ヤマトナデシコなワタシタチは浴衣を持って行って着たのだ。(とかいいつつ、ワタシは一人で着られないのでさくらに着せてもらった。さくちゃんありがと〜)
 ホテルのお兄ちゃんも興味津々らしく、「一緒に写真とって〜」とやってきた。いろんな情報も教えてくれたんだけれど、英語が聞き取れない。ゴメンナサイ。もっと勉強しよう…。
 
 晩御飯は、トマトスープ、ナスとトマトの冷製サラダ、マントゥのトマトソースにんにくヨーグルトかけ、ピーマンとトマトのドゥルマ、フルーツ。
 どれも、ほんっとにおいしい!…おいしいんだけれど、量が多い〜。全部食べられない!残しちゃった。もったいない…。
 夕食後、ホテルの周りをお散歩。
 ホテルのお兄ちゃんが「ここから1キロくらいのところにディスコもあるよ〜」って教えてくれたんだけれど、遠いよ。それに、自分のいる場所がはっきりつかめないところで、あんまり夜の移動はしたくない。だから、ホテルの周りをちょろっとだけ散歩。
 ホテルのそばの坂を下っていくと、農家のおばちゃんが、牛の餌をほぐしてた。もう夜も8時過ぎなのに、働きもんだ。
 おばちゃんと目が合うと、さすがに浴衣姿が珍しかったらしく、ニコニコ笑いながら、「こっちおいで」と手招き。
 素直に近づくと、なんだなんだと、家の中から家族がわらわら出てきた。(以下、アテレコ)
↑ホテル中庭で
おばちゃんA「あんた、ちょっと手ぇ出しいな。ええもんやるで」
さくら「え?何?」(素直に手を出すさくら)
おばちゃんA「ほら、うまそうやろ。ちょっと食べとうみな」と、干草をさくらの手に載せる。
さくら「え?何これ?食べられるの?」
ワタシ「え?干草?でしょ?」
おばちゃんA「ええから食べてみいって」
おばちゃんB「あんた、ええかげんにおし。ほんまに食べたらどうすんの」
おばちゃんA「うはは。ところで、おもろいもん着てんねぇ。どっからきたん?」
ワタシ「うぃ けいむ ふろむ じゃぱん。 いっつ じゃぱにーず とらでぃしょなる くろす」
 と、二人、サービスでくるくる回ってみる。
一同「おおー!」
少年A「おー、じゃぱん。(両手を合わせてお辞儀しながら)ダンケ、ダンケ(そりゃあ、ドイツ語じゃ)」
ワタシ「このスカーフかわいいなあ(少女Aのスカーフをなでなで)」
少女A「これ面白いなあ(と帯をなでなで)」
 向こうは英語も日本語も通じず、こっちは英語もトルコ語も分からない。
 お互い笑顔でニコニコするのも限界がきたので「イイ・アクシャラム」と告げて、草の根交流はおしまい。
 「観光客相手の商売をしていないトルコの田舎の人」ってのに初めて出会った気分。トルコの人は、親切で人なつっこい、と聞いていたけれど、なるほどー、と納得したヤマトナデシコ二人でありました。