7月18日
 
↓さかさにされたメデューサの首

   ★地下宮殿でリサイクルメデューサに出会う

 イスタンブールのお宿は、ツアー初日に泊まったホテル。
 迎えにきてくれたガイド氏と共に、地下宮殿へ。

 ガイドブックなんかで見る地下宮殿は、怪しい明かりの中、さかさまになったメデューサの首も不気味なおどろおどろしい宮殿。
 なにも、こんな怪しいライトアップの仕方しなくても〜、なんて思うんだけれどさ。
 この地下宮殿は、4世紀から6世紀の間に作られた貯水池だといわれているもの。
 ガイド氏によれば、このメデューサの首は、他の場所で柱として使われていたのを運んできて、リサイクル使用したものだとか。
 …リサイクル都市イスタンブール…。
 それ聞いちゃうと、なんだか不気味じゃなくなってくる。
 それにしても、柱を据え置くのに逆さの方が具合が良かったんだろうか。それとも適当なんだろうか…。
 逆さにされた首はともかく、真横にされた首はなんだかつらそうだ。
 
↓横になったメデューサ。ちょっとしんどそう…。
ムードをかもし出すためか、アヤシイ音楽も流れていたりして。
 ひんやり冷たくて気持ちがいいので、暑さに疲れた体にはなかなかいいスポット。
 鯉(鮒?)もいた。





   
 




  ★トルコ警察から謎のメッセージ
↓グランドバザール入り口


 グランドバザールの入り口まで連れて行ってもらった。
 ここで、8日間お世話になったガイド氏ともお別れ。ここでひとまず解散で自由行動。
 なんかさびしい。
 説明も丁寧で、質問には時間がかかっても調べてきてくれるまじめなガイドさんだったなあ。お世話になりました。

 かつては庶民の市場だったグランドバザールは、今ではどこよりも高い、とか。どこの観光地もおんなじだ。
 でも、こういう市場は見るだけでも楽しい♪
 貴金属や布、陶器のお店をよく見かけた。中国語表記の店もあり。(←案の定(?)貴金属店だった)

 多分、一日いても飽きないだろうけれど、まずは、国立考古学博物館だ。国立考古学博物館に行きたいんじゃ。
 近くにあるはずなんだが、道がわからん…。
 ここは誰。ワタシは何処。
 ワタシは、道を聞くときは必ず、警察官か警備員、年配の女性か男性、なるべく目的を持って歩いていそうな人、みやげ物屋じゃない人、に聞くことにしている。
 んんー…。ここでは選択肢が狭い。
 ので、ポリスボックスを探すことにする。
 さすが歴史のあるバザールだけあって、建物も含蓄のある古さ。15世紀半ば、メフメト2世の建てた二つの市場が元になっている。その後、増殖を続けて、今のような巨大な市場へ成長。
 
↓謎のメッセージ
迷路のようではあるけれど、よく見れば、壁にちっこくポリスのマークと矢印が出てる。
 地図の読めない女なので、なんか周辺をぐるぐる回ったような気がするけれど、無事、ポリスボックス(ツーリストポリスだったのかも)に到着。
 ポリスのおっちゃんは、この忙しいのに一人しかいなくて、電話もじゃんじゃん鳴ってて、忙しそうでした。ごめんねー、忙しいところ、申し訳ない。
 ワタシ「ワタシ、ココ、イキタイデス」と地図を指差しながら聞いてみた。
 「国立考古学博物館」を英語でなんていうのか分からないし、トルコ語でなんていうのかはさらに分からん。そこで、旅人のバイブル、「地球の歩き方」を参照のこと。
 このガイドブックの優秀なところは、日本語と共に、現地語表記もしてあること。欠点は、目立つのと重いこと。
 なので、ワタシはいつも必要なところと地図だけコピーして持ち歩るくことにしている。
 おっちゃんは、ふむふむ、どれどれ、としばし「地球の歩き方(コピー)」を眺めた後、
 おっちゃん「うん、このバザールを抜けて前にあるモスクをつっきって、まっすぐまっすぐ行くとな、ブルーモスクがあるねん。それをさらにまっすぐや。ほしたらすぐやで」と説明してくれた。
 おまけに、わかりやすいように地図まで書いてくれたのだ。
 ←えー、……分かりません。これは何語?
 でも、おっちゃん、ありがとう。





   ★メデューサカフェでお茶する
 
 グランドバザールを抜けてモスクを通り抜け、さらにまっすぐまっすぐ。
 まっすぐなのになぜか迷う。あっちでこっちで、トルコの人々に道を聞きながら、なんとかさっきの地下宮殿近くまで到着。
 暑い。ってーか熱い。
 とにかく空気が乾燥しているから、日差しさえしのげれば結構涼しいんだけれど。
 さくら「…冷たいビールが飲みたい…」
 ワタシ「…冷えたコーラが飲みたい…」
 ふと見れば、そこには、あの愛らしいメデューサを看板に掲げたカフェがあるではないですか。
 あああ〜、あそこに行けば、きっと冷たいビールとコーラがあるに違いない。
 とにかく暑いのと一息入れたいのとで、その名も「メデューサカフェ」に飛び込んだワタシタチ。
 オープンテラスのカフェで、観光地のど真ん中にある割には、お客もほとんどいなくて、(午前中だったから?)気分良かった。
 ここのビールがキンキンに冷えていたらしく、さくらは涙ぐんでた。(さくらがトルコにきて何が不満だったかって「ビールが冷たくない」ことだったのだ)
 カフェのおっちゃんがニコニコしながら近寄ってきた。
おっちゃん「ジャパニーズ?」
ワタシタチ「いえーす」
 すると、おっちゃんはにやっと笑って、
 「ジャパン16。トルコ3。ふふふ」 
 …出たよ。
 ワタシ「おー、たーきっしゅ ふっとぼーる べりーないす。イルハン、ハサン、ぐっどぷれいやーね。うぃ びけいむ ぐれーと ふぁん おぶ たーきっしゅ ふっとぼーる」
 と言うと、おっちゃん、うれしそうだった。ハサンとイルハンについてなんかいろいろ教えてくれたけれど、ほとんどわかんなかった。
 トルコの人がサッカーを愛しているのは知っていたけれど、うぬぬ、道行く見知らぬ日本人を捕まえて自慢するほど愛しているとは…。うらやましいぞ。
 トルコの人々は、W杯3位が、よほどうれしかったんだね。でも、確かにトルコの試合は面白かった。
   ★魅惑のスルタン・アフメット

 「国立考古学博物館」は、かの有名なスルタン・アフメット地区に建っている。
 かの有名なスルタン・アフメット地区は噂どおりのところだった。親切なのかナンパなのか客引きなのかしらんが、この通りで3〜4組くらいの若いお兄ちゃんが声をかけてくる。みんな流暢な日本語だよ〜。そんでみんなハンサム。(道端の椅子に座ったひまつぶしのおっちゃんたちが「こーりあ?」と聞いてきたことも。賭けてたのかもしれないなあ。めんどくさいので「こーりあ」と言っておいたけど)
 こういった「世界的な観光地で」「日本語で」話し掛けてくる輩には赤信号。
↓スルタン・アフメット地区

 そりゃ、中にはほんとの親切さんもいるだろう。特にこういう世界的な観光地では見分けるのは難しい。
 でも、ふつー、日本の街中で歩いていて、軽々しく声をかけてきた人とお話したり(日本だって、そんなのたいていキャッチだ)、ましてやついていったりするだろうか?しないだろう。町に出かけて、「今日誰かと知り合いになれるかな」と思うだろうか。思わないだろう。
 なら、海外でも同じことでしょう?日本でしないことは、海外でだってしない方がいい、というのがワタシのポリシー。(たまに気が緩んで「なんであんなことしちゃったんだろう」ってなこともあるけれど…)
 旅先の人の親切って、ほんとうに身に染みてうれしい。でも、人の親切を期待して旅に出るのはおかしい。
 旅先の出会いもうれしい。よその国の人と知り合いになれるのも楽しい。でも、そりゃ、出会いはあったほうがいいけれど、短期の旅行ならば(長期は別)、それはまれなオプションだと思った方がいい。
 ほんとの親切さんって、困ってもないのに「教えてあげるよー」なんて近づいてこないと思う…。

 とにかくすばやくスルタン・アフメットを通り抜け…たものの、いったい国立考古学博物館はどこ〜?
 あの若者たちのいる通りには引き返したくないので、その辺でチャイ飲んでいるおっちゃんたちに聞いて、国立考古学博物館へ逃げ込んだのでありました。
↓アレキサンダー大王の棺と言われているもの
★続・わしらも天は赤い河のほとりで

 ここではまず、古代東方博物館へ。
 こちらはいわば付属棟。トルコはもちろん、中近東各地からの出土品や遺物が約20000点展示があり。
 バビロンのイシュタル門のレリーフ、エジプトからの出土品、そして、有名なエジプトとヒッタイトとの間に結ばれた世界最古の平和条約も。
 古代の大戦、カデシュの戦いで引き分けに終わった両軍の間で結ばれた条約。
 なんでも、エジプトの文献には「エジプト軍勝利」、ヒッタイトの文献には「ヒッタイト軍勝利」と書き残されているんだとか。
 せっかく見たのに、何を思っていたのか、写真をとるのを忘れていた…。おまぬけなワタシ。

 すぐ斜め前に本館、国立考古学博物館がある。
 こちらにはアレキサンダー大王の棺、といわれている棺が展示されている。よーく見ると少し色が残っているのがわかる。
ギリシア・ローマ時代の彫刻がたくさん。ワタシタチはざっと見ただけだけれど、じっくり見ていたら、一日つぶれる。

 同じ敷地内には装飾タイル博物館もあり。
↓装飾タイル博物館の展示物。うつくし〜

 イスラム美術の粋を集めた美しいタイル、イズニックやチャナッカレなどのトルコ陶器も展示。イスラムのモザイクやタイルって、本当にウツクシイ…。展示品は多くないけれど、人がほとんどいなくてゆったり鑑賞できる。こういう博物館が好きなのよ〜。
 
 どの棟もあまり人がいなくて、じっくりゆったり鑑賞できた。説明書きがトルコ語と英語表記なので、読める単語だけ拾い読み。「ガイド欲しい…」と思ったワタシタチ。英語勉強しよう…。(といつも思うのであった)
 




↓サバサンド売りの船。中央少し右、お兄ちゃんが
立っているところに塩、たまねぎ、レモン汁があって
すきなだけとります。
★名物・サバサンドを食らう

 スルタン・アフメットからトラムに乗った。
 トラムに乗るときは、切符売り場でジェトンを購入。ジェトンって、トルコ語でコインなのかな?コインになっていて、これを切符代わりにしてプラットホームの改札口を通る。なるほど、紙の切符みたくごみも出ないし、再使用しても傷まないし、これ、いいかも。やっぱりリサイクル都市??
 旧市街のトラムは、新市街のレトロなものと違って、車体も新しく、冷房も効いていて涼しい〜。
 ガラタ橋近くのエノミニュ駅で降りて、サバサンドを食べた!
 最初は、鯖のサンドイッチ?!と思ったもんだった。
 日本だと、せいぜい、白身魚をフライにしてサンドするか、ツナ缶をマヨネーズであえてはさむか、位しか思いつかないよね。ましてや青魚なんてえ。
 でも、これ、めちゃめちゃおいしい!鯖がおいしいからかな。
 エキメキに、鯖を焼いたものと、生のたまねぎのスライスをはさんで、自分で塩とレモンをかけて食べる。
 生のたまねぎと鯖がこんなに合うとは…。意外な発見。
 エキメキ2分の1本のサンドイッチ、日本女性なら、これだけで満腹かな。
 柵の台に腰掛けて食べてたんだけれど、隣に、トルコのばあちゃんとその娘さんらしき人が座ってて、そのばあちゃんが、
 「あたしゃ、歯が弱くってねぇ、こんなのが固くてたべられないんだよ。こういうパンが」
 というようなことをしきりに訴えてくる…。
ワタシ「そうかー、そりゃたいへんだねー」
ばあちゃん「まったく年取るといやになるよ」
 日本語とトルコ語なのに、なぜか会話が成り立っているのでありました。 
   ★エジプシャンバザールでしこたま買う

 トルコで、絶対買うぞー、と思ってたのが、陶器。
 ワタシは陶器にも弱い。大好き。砥部焼きも瀬戸焼も織部も伊万里も鍋島もアウガルデンもマイセンもバッチャンもベンジャロンも大好き。
 とにかく、人の手で作ったもの、というのを見るのが好き。
 エジプシャンバザールをぶらついて、目に付いた陶器屋に入ってみた。
 よっしゃー、買うでぇ。
 トルコの陶器は、見ているだけで楽しくなるような明るい色合いと、愛らしい花柄。
 どれもこれも欲しいよう〜。
 すごーくすごーく悩んで、絵皿一枚、小鉢9皿、小さな絵皿8枚を選択。(小鉢5皿以外は全部人様へのお土産だ)
 もちろん、値段ついていないから、値段交渉開始。
 でも、ここのお兄ちゃん、ちーともまけてくんない。ねばってねばって1割引までこぎつけました。あんまりねばったからかしら、チャイまで出てきた。
 そんでねー、あんたのお客はワタシなの。ワ・タ・シ。
 買い物が終わって他のお兄ちゃんたちと盛り上がっているさくらが気になるらしく、半ば上の空。
 そりゃ、さくらは美人かもしれんが、あんたの、今、交渉しなきゃならん相手はワタシでしょうが。わかってんの?!きいいーっ!(←ちょっとおかんむり)