高校1年生の指導(2003)   HOME
  
はじめに     テキストの活用法     指導の記録(随時更新)
はじめに
4月
 昨年(2002年度)高校1年生を指導して、中学校と高校の掛け渡しの難しさを痛感しました。高校では中学校での指導事項を前提として授業を進めますが、実際には中学校での学習内容が定着していない生徒が少なくないのが実情です。
 今年もまた1年生をメインに受け持つことになったので、高校の教科書と平行して、1学期は中学校3年生の総復習をしようと思います。音読や音読筆写を取り入れた指導で、全員に本文を暗誦させるのが目標です。

8月
 夏休みに入り、補習では定番の“What's Up?”で指導しています。エレメンタリーを使っていますが、英文、語彙、内容、ワークブックといずれをとっても手ごたえ十分。音声教材もあって、教材の方は申し分ないので、後は教師の腕しだいか。

中学3年の教科書活用法  -One World (教育出版)-
                  
 1 リスニング(3回)
   →メモ取りリプロダクション。
 
 2 スラッシュリーディングで内容を読み取らせる。
   →分からない箇所は、生徒同士で話し合わせる。
   →必要があれば、文法事項の説明をする。

 3 シャドーリーディング(3回)
  
 4 音読(3回)

 5 文単位音読筆写(2回)
 
 6 文単位リピーティング(2回)
   →ポーズ入りCDを使う。

 7 文単位リピーティングのデモンストレーション
   →発展的指導:シャドーイング

 8 @ レシテーション
     →生徒を指名して、デモンストレーションさせる。
   A メモ取り・リプロダクション
   B トピック・ベースの会話
   C 日英通訳

家庭学習
 1 文単位音読筆写(2回〜3回)
 2 音読(10回〜20回)
 3 暗誦

実践記録 2003年度


7月24日
 夏季補習で使うテキスト“What's Up?”の活用法を考えました。このテキストを読んで、時事問題に興味を持ってくれればと思っています。

家庭学習
 1. テキストの日本語の解説を読む。
 2. 『確認問題集の内容把握U』を読んだ後、CDを聴きながら『内容把握』の空欄を埋める。
   (下の語群を見ない)
 3. 新出単語を英日、日英で言えるようになるまで、しっかり覚える。
 4. テキストの本文を黙読し、『確認問題集の内容把握V』を解く。
 5. 本文の要約を段落ごとにノートにまとめる。
   (Key Sentenceを見つける)
 6. CDを2回聴きながら、センスグループ単位でスラッシングをする。
   (小声でシャドーリーディング)
 7. センスグループ毎にサイトラをする。
   (分からないところは下線を引いておき、授業中の説明を聞くか、質問をする。接続詞に注意しながら、読む。)
 8. 普通よりやや遅れ気味にシャドーリーディング(=フォローイング)をする。
   (ヘッドフォンで行うのが望ましい)2回
 9. 音読5回
   (重要:意味を考えながら読むこと)
 10. 音読筆写2回

授業
 1. 新出単語の読みと解説
 2. 『確認問題集』で単語チェック&文法・構文・表現の説明
 3. 『確認問題集の内容把握U・V』の答え合わせ
 4. 段落ごとの要約&Key Sentenceの確認
 5. サイトラ
 6. シャドー・リーディング&シャドーイング
 7. リスニング・テスト
 8. 個人読み
 9. メモ取りリプロダクション


6月26日
 今日の授業では、テンポの速い授業展開とレベルの高い活動にもかかわらず生徒がよくついて来てくれました(ホッ)。中学校の先生方にも、「声がよく出ていた」ことや「生徒の自発的な活動」に好印象を持っていただいたようです。
 この授業での指導法は中学校でも取り入られる部分が多いので、リピーティングや音読筆写など音読中心の指導を通して、生徒に教科書を暗誦させてもらえればいいなと思っています。

6月25日
 中学校の先生方に授業を見ていただく日が、いよいよ明日に迫りました。普段どおりの活動なのですが、デモンストレーションの側面もあるので2時間の授業内容を1時間に集約します。私の指示に生徒がいつものようにスムーズに反応してくれればいいのですが。以下に、授業の流れを紹介します。

 1. 新出単語→クイックレスポンス
 2. スラッシング
 3. オーバーラッピング(2回)
 4. 日本語要約(ボランティアに指名)
 5. 日本語訳を与えて、音読をさせる
 6. 文単位リピーティング(テキストを開いて)
 7. シャドー・リーディング
 8. 文単位リピーティング(テキストを閉じて)
 9. 文単位音読筆写(1回)
10. メモ取りリプロダクション、及びキーワード要約
11. 日英同時通訳(ペア・ワーク)

 6月22日
 今週の木曜日に、中学校の先生方が授業参観に来られます。通訳訓練法での授業を、1時間に凝縮した形でお見せするつもりです。中学校の授業でも役立つ指導法なので、参考になればいいと思っています。

6月20日
 プラスワン・アクティビティーとして、本文の内容が答えとなるような質問文を5つ作らせたところ、生徒は疑問文を作るのがとても苦手だということが分かりました。そこで、グループを作り、生徒同士でQ&Aの活動をさせ、疑問文の作り方を指導してまわりました。本文中の平叙文を例に挙げ、質問したい部分が、主語の場合、目的語や副詞の場合の語順について詳しく説明しました。
 また、読む時に疑問詞で始まる文の最後を上げる生徒が多く、イントネーションの指導もしておきました。

6月19日
 パッセージの内容をイラストでビジュアライズさせました。手順は以下のとおりです。
 まず、2回聞かせて、キーワードを書き取らせます。それをもとに、絵を描かせます。次に、キーワードと絵を頼りに、日本語と英語でリプロダクションさせます。
 さらに、いつもの手順で本パートを学習した後、絵を見ながらより正確な英語でリプロダクションします。

6月18日
 今日のレッスンでは、英文の意味を取らせた後に、「スラッシュ単位リピーティング」でしっかり英文を読ませておくことや、レシテーションの前には、テキストを見ないで文単位リピーティングさせておくことの大切さを再認識させられました。いずれにしても、リピーティングというのは効果的な指導だと思います。

6月17日
 7月のJALTで通訳訓練法を用いた指導を紹介することになりました。高校で実際に行っている授業実践をまとめて報告しようと思っています。

5月15日
 今日の授業では、「音読筆写と音読をさせる時は、日本語で内容をしっかり理解させておく必要がある」ことを再認識させられました。先を急ぐあまり、その指導がおろそかになってしまいました。反省。

5月14日
 今日は、発音に重点を置いた音読指導をしました。
 1 文単位で速く読もうとするのではなく、意味のまとまりを意識して読む。
 2 リエゾン、消音などの音声変化を意識して読む。
 3 自分で思い込んで発音するのではなく、CDをよく聴き、ネイティブの音声をまねて読む。

5月13日
 各レッスンの最後の活動として、レシテーションさせていましたが、メモ取りリプロダクションや日英口頭通訳もできるようになりました。また、レッスンで扱っているトピックについて私と会話ができる生徒もいて、定着の確認はバリエーションを変えて楽しめそうです。今後は、生徒同士で会話ができるように、質問の仕方を指導したいと考えています。

5月1日
 最近の中学校のテキストは会話文が多く、どちらかと言えば私の指導法には適していません。会話は飛ばそうかとも考えています。

4月23日
 明日から、1泊2日の春季合宿。合宿といっても勉強したり、集団行動訓練をするわけではなく、スポーツ、飯ごう炊飯、砥部焼きの絵付けなどをとおして、お互いの親睦を深めるのが目的。この後の連休も含めて、生徒たちは英語なぞすっかり忘れてくれるだろうなあ。まあ私も、「5月6日が始業式」くらいに考えてはいます。(それでも、音読筆写は継続して欲しい、と密かに期待したりして・・・。)

4月22日
 いきなり、メモ取りリプロダクション。ポイントとなる表現について解説した後、メモの取り方をアドバイス。次に、前時にカバーした英文を暗誦しているかどうかのチェック。何とか全員合格。英語がフラットなので、イントネーション、ストレスなどの指導を気長に継続する必要があるなと感じました。
 本時で扱った英文を、リピーティング、シャドーリーディング、音読、音読筆写という一連の活動で覚えさせました。時間内に、覚えた生徒は半数。
 授業の流れや通訳訓練法の説明と実際の演習が一通り終わったので、次回からは、「単語調べ、CDを聴いての音読練習、音読筆写」は家庭学習とし、授業では、暗誦チェック、リピーティング、シャドーイング、音読矯正、メモ取りリプロダクションなどの活動が中心になる旨、伝えました。

4月15日
 音読、音読筆写、シャドーリーディング、スラッシュリーディングなどの音声教材をフルに活用した指導は、1年生に好意的に受け入れられています。中学校の少ない授業カリキュラムの中では、なかなか音読に時間を割くことはできないようです。音読の効果や面白さを実感させ、「英語の勉強は、音読に始まり、音読に終わる」ということを理解させたいと思っています。

4月14日 
 1学期は、中学校の総復習に当てており、中学校の教科書(One World -教育出版-)で授業をしています。ところが、生徒が教科書の内容を十分に理解できていないので、思うように授業が進みません。そこで、初めて扱う教材のように懇切丁寧に教えています。焦りがないと云えば嘘になりますが、中学校の学習事項は高校の授業の土台となるので、生徒の理解度を確認しながら、じっくり指導したいと思います。


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