1 | 手話との出会い | |
2 | HR活動で手話講習会を |
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3 | 講演 手話と私 ー講師 S・Cさんー | |
4 | 手話講習会を受けて ー感想文ー | |
5 | Sさんからの手紙 | |
6 | 交流会に向けてー全記録ー | |
7 | 交流会での授業案と場面設定会話例 | |
8 | 「1/42プロジェクト」最終報告 | H.9.7.26 |
手話との出会い |
HR活動で講師を招いて手話を学んだり、聴覚障害者との交流会の企画を立てたりと、個人的にもHR活動においても積極的にボランティア活動と関わりをもっていますが、そもそも私が手話と出会うきっかけはどのようなものであったのかをまず述べます。 |
ホームルーム活動 ー手話を学ぶー |
1 第1時間目(3週間前) 聴覚障害者トライアスリートである高島さん夫婦の記録番組を鑑賞する。 2 第2時間目(2週間前) (1) ボランティア体験の発表 ・独居老人訪問 ・老人ホーム、松葉学園、希望の森訪問 (2) 指文字と簡単な手話を指導 ・聴覚障害とは何か(資料) ・手話の歴史 (資料) ・指文字の指導と「しりとり」・「伝言ゲーム」 ・自己紹介の練習 3 当日までの2週間、SHRをできるだけ手話や指文字の練習に当てる。 4 第3時間目 講習会当日 講師 Sさん (1)手話との出会い (2)手話サークルの活動 (3)手話指導 ・挨拶 ・家族の紹介 ・職業の紹介 (4) 手話による歌指導・・・「岡本真夜のtomorrow」 (5) 手話講習を受けての感想文を書く(宿題とした) |
Sさんの手話による講話 ー手話との出会いー |
私が初めて手話を見たのは、皆さんと同じ高校生の時でした。偶然テレビで「NHKみんなの手話」を放送していたのです。そのころ、手話はドラマで使われたりすることはなく、今のようにブームでもありませんでした。むしろ、奇異な目で見られるということで、聴覚障害者の間でも隠れるようにして使っていた状況だったと聞いています。ですから、手話を目にするのはまったく初めてのことでした。手で会話ができることに驚くと同時にその手の動きのいきいきとした美しさに惹かれました。そして、いつかは覚えたいとの思いを強く抱きました。 その後、仕事のために松山で生活するようになりましたが、マンションの一階に聴覚障害のご夫婦が理容店を開いていました。私が仕事で留守の間に届いた荷物を受け取ってもらったり、野菜をいただいたりといろいろお世話になりました。感謝の気持ちを伝えたかったのですが、「ありがとう」と言うのが精一杯(もちろん手話ではありません)で、後は用件をまとめてメモに書いて渡さなければなりませんでした。もっとたくさん伝えたいこと、話したいことがあるのに・・・と思うと、とても残念でした。 一度は本を買って勉強しようとしたのですが、その方法も分からず、なかなか一人では覚えられるものではありませんでした。やがて結婚し、子供が産まれました。そのころ、3ヶ月コースで夜間に手話講習会があったのですが、子供と一緒に受けることもできずあきられました。でも、手話への思いは募るばかりでした。 一昨年、夫の仕事の関係で引っ越しました。この町は福祉の町で、聾学校もある。それに、子供も少しずつ手が放れてきた。今なら手話を勉強できるのでは・・・と思い、問い合わせてみました。そして、昨年、現在のサークルを紹介していただき入会したのです。念願の手話をようやく始めることができ、今はとても楽しく学んでいます。 |
手話講習を受けて ー生徒の感想より抜粋ー
( )内は担任のコメント |
Nくん ・・・けれど、障害者の人々と私たちが同じ社会の中で交流をし、生活していくために手話が必要であり、障害者に差別のない開けた社会を実現するためには、もっと手話の存在やその意義を知ってもらう必要があると思う。そのためには、国語や英語を学校で学ぶように、手話を教育の中に取り入れるべきだと思う。 (手話を学ぶことは、手話を通して、聴覚障害について、障害者が受けている差別について、聾文化について学ぶこと、そして聴覚障害者と関わっていく第一歩だと思う。) Kさん 私たちは普段、考えや思いを言葉で伝えますが、手で伝える方法もあることに感動しました。これをきっかけに、もっと手話の勉強をして聴覚障害者と交流を深めたいなと考えるようになりました。人間は、会話でコミュニケーションを図るものです。この手話を使って、聴覚障害者とのコミュニケーションを図り、友達をたくさん作りたいというのが私の気持ちです。だから、次回への希望として、交流会を開きたいです。 (手話を我々が用いる言葉と同じレベルでとらえ、自分の考えや思いを相手に伝えるコミュニケーションの一つであると言い切っているのは大きな成長だと思う。) Mさん. この講習を受けるに当たり、私たちは指文字の練習をしてきた。指の微妙な動きが何か特別なもののように思えて、一文字覚える毎に感動した。手話に何の縁もなかった私が指文字をすべて覚えられるとは思ってもいなかったので、このような機会をいただいて感謝している。 これから先、聴覚障害者に出会ったとき、自分をどう表現できるか、自分に期待してみたいと思う。 (「自分に期待してみたい。」この一言で、今回の企画は報われた。) Rさん 私もわたぼうしコンサートに参加したので、Sさんの手話通訳を見ました。その時は、「手話ができてすごいなあ。ベテランの人かなあ。」と思っていたのに、初めてから1年しか経っていないと聞いて、とても驚きました。 (たった一年でも強い目的意識さえあれば、通訳ができるまでになれるという見本をSさんが示してくれたので、生徒たちは大いに勇気づけられたと思う。) Mくん 今回の手話講習をうけて私と手話との距離が近づいたような気がします。私たちがこれから一生聴覚障害者にならないとも限らないし、今いる私たちが障害者の手助けをしていくことが大切だと改めて実感しました。 (障害者の問題は、病気や老いの問題と同様、だれもがいつか好むと好まざるに関わらず直面しなければならない問題だということによく気づいてくれました。) |
講師のSさんからの手紙 |
卒業して以来、14年ぶりにくぐる母校の校門。変わっていない風景に励まされながら玄関へと向かいました。こんな形で母校を訪れることになろうとは思ってもいませんでした。 当日は教室にはいるまで、「引き受けるのではなかった。」との思いが頭の中を駆けめぐっていました。おそらく、ほどんどの生徒さんが手話に触れる初めての機会であるだろうし、どのくらいの関心があるのだろう?と不安でした。それになにより私のような経験の浅いものが果たして講師としての大役を無事務めることができるのだろうかとの思いでいっぱいでした。緊張感で頭の中は真っ白、心臓もパンク寸前。 しかし、いざ講習を始めると、私のまずい手話に、話に、皆さんが真剣に目を向け、耳を傾けて下さいました。それまでの私の不安は一気に消えました。ちょっぴり照れながらも一緒に手を動かしてくれたことが忘れられません。そして、皆さんの笑顔も・・・。気がつけばあっと言う間に50分が過ぎていました。 私にとってもこのような形での講習は初めての経験でしたので、十分な準備もできなかったことを大変申し訳なく思っています。あれも言いたかった、これも教えたかった・・・と反省ばかりですが、これをきっかけに少しでも手話に興味を持っていただけたならとてもうれしく思います。 これから、皆さんも大学で、社会で、何らかの障害を持った方と接する機会があるのではないでしょうか。そんな時に、障害の有無にかかわらずともに歩める人になっていただきたいと心から願っています。私もそれを目標にこれからもがんばります。 最後になりましたが、皆さんと一緒に学ぶ機会を持つことができたことを感謝しています。ありがとうございました。 |
交流会に向けてー全記録ー |
5月25日(日) |
聾学校の生徒を迎えての交流会 「1/42プロジェクト」
1 目的
(2) モデル会話文の暗記にとどまらず、その場の状況に応じた会話を楽しむことができる。
(3) 英語を道具として使うことの楽しさを実感できる。
(4) 評価は生徒同士に任せる。
生徒自身がお互いの評価に基づいて反省し、達成できなかった点を次回の活動で生かせばそれで十分である。このような活動をしている時くらい、生徒も教師も気楽に英語を楽しんではどうだろう。要は、生徒に「英語を主体的に学ぼう」というインセンティブを与えられればいいのだから。 |
交流会で学んだこと
4月からSHRやHR活動の時間を利用して手話を学んできたが、この交流会でも大いに役立った。むろん、手話といっても生徒は自己紹介と歌ができる程度なので、手話を使ってコミュニケーションを図ることはできない。しかし、この3か月間手話を学んできたことによって、聴覚障害者との見えない壁も少しずつではあるが着実に取り除かれているし、この日初めて聾学校生と会った生徒がほとんどだったにもかかわらず、ごく自然に接することができた。手話を学ぶことは聴覚障害そのものを学ぶことであり、健聴者自身が持つ差別意識を打ち壊すことだと思う。
次に、彼を含めた参加者42人全員が主役だった活動であることに大きな意義を見い出したい。全員がそれぞれに役割を持ち、それぞれの持ち場で責任を果たすことができたし、幸いにも交流会の間生徒の動きが止まっている場面を目にする事はなかった。
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