2009年 3月 過去のジャーナル

 3月の目標・・・ディベート指導と英語を英語で教えるための下地作り。手書きの手紙を書く。
1日








 commencement(学位授与式)
 タイトルの単語はbeginningと同意語で、元来「開始、始め」という意味。「卒業=新たな人生と第一歩」と解釈すればいいのだろう。イタリア語でも「始める」は、cominciare(コミンチャーレ)と言うが、おそらく両者は同じラテン語から派生している語だと考えられる。
 卒業式後のHRや会場を変えての謝恩会は、思い出に残る楽しいものだった。生徒と保護者、一人一人と話ができ、メッセージをとおして私の思いを伝えることもできたし、じっくり別れを惜しむことができたのが何よりだった。HRや謝恩会後に、生徒が持ってきた卒業アルバムのメッセージボードに一言書くよう頼まれたが、頭がボーとしていて、あまり気の利いたことが書けなくて申し訳なかった。
2日















 time-wasting
 一つの仕事を成し遂げようとする時、残された時間の少なさを考えると、時間を少しでも有効に、役立つことに使わなければならない。だけど、それができない。実に無駄が多い。なぜなんだろう。歳のせいもあるだろう。とにかく、一つのことをしていても、集中力が持続しない。すぐに疲れる。ひとり勉強だけではなく、ワークアウトしていても同じだ。やるべきことははっきりしているのに、気力が湧かない。覚えたことが定着しないからだろうか。今こうして、愚痴を書いているのも、自分自身に対する苛立ちからだろう。感動が長続きしない。読んだり、見たり、聞いたりの感動だからだろうか。自ら体験しての感動ではないからだろうか。街へ出るべきなのだろうか。

 来年度のHRのテーマは、ディベートと心を育てる教育だ。後者の柱として考えているのが、松山聖陵高校の卒業生である吉岡大祐氏のネパールでの活動。その活動と精神からは、日本の高校生は多くのことを学ぶことができるはずだ。できれば、直接ネパールに赴き、彼の活動にじかに触れ、その後の支援活動に生かせればと考えている。
 吉岡氏の活動の一部を、ヒマラヤ青少年育英会のホームページから引用して紹介する。「ネパール癌協会パタン支部にあります小さな治療室で、末期がんに苦しむ人々や痛みに苦しむ人々へ無料の鍼灸治療を行っております。また、治療室へ来られない人々への往診治療、その他、友人の外国人医師らと共に僻地での医療キャンプへ参加しております。」詳細は次のサイトで。(http://www.ikueikai.org/kanrinin-yoshioka.htm)
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 ヒマラヤ小学校通信(http://www.ikueikai.org/himalayareport.html)
 昨日紹介した吉岡氏が支援者たちの協力の下、2004年建設したヒマラヤ小学校の活動と子供たちの様子を伝えるサイトだ。2月のニュースとして、次のような通信が載っていた。
 「昨年から病気療養中だった2年生のビンドゥ・サキャちゃんが1日、入院先のパタン市内の病院で、肺水腫により死亡しました。10歳でした。ビンドゥちゃんは、2004年のクラーク記念ヒマラヤ小学校開校と同時に入学。明るく、優しい性格で友達から慕われていました。昨年の春頃に感染症を患い、ヒマラヤ小学校を休学して闘病生活を続けていました。ヒマラヤ小学校教関係者一同、ビンドゥちゃんへ哀悼の意を捧げます。合掌」
 感染症による子供たちの闘病や死というものは決して珍しいことではないのだろう。死と直面する毎日を送っていることの厳しさ、重さをどう受け止めればいいのだろうか。
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 夢の扉
 吉岡大祐氏のネパールでの活動を紹介したTBSの番組で、2007年に放映された。松山聖陵高校にその番組のDVDが保存されていたので、HRで活用したい。
 松山で「ネパールの子供たちの里親普及活動」をしている池田さんに連絡を取り、ネパールまでの旅費や旅行社のことなどを尋ねた。彼女はこれまでに多くの人を連れて何度もネパールを訪れている。彼女によると、ハイシーズンを避ければ、往復10万円ほどで行けるとのこと。
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 英語で授業外活動
 英語を使って、課外活動をしてみたいと考えている。今日はこのことについて他の英語の先生方と話し合った。たたき台として私の考えているアイデアをいくつか出したが、議論を重ねる中でそれらのアイデアがしっかりとした形を為してくれればと思う。
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 イタリア語
 朝のラジオ講座「まいにちイタリア語」を聴いて、週末にはひと月前の放送一週間分を復習している。復習していると、実に見事に忘れてしまっていることにある意味感動を覚える。しかし、語学を身につけるには繰り返して勉強するしかないと思っているから、落ち込まむこともなく続けている。
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 「実践ビジネス英語セミナー」から
 ボタンひとつで→only a push of the button away
 一方的に流れてくる番組を受け取るだけjust sit back and watch TV that flows in a one-way path
 お金を惜しまない→ are willing to loosen their purse strings to live it up
 21世紀を牽引する→turn out to be an engine for economic growth in the 21st Century
 世界中の映像を手軽に入手できる動画共有サイト→share videos they can easily retrieve on the Internet from anywhere in the world with a click of the mouse

 最後の模範訳で、「手軽に」を"with a click of the mouse"としていたのには感心させられた。
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 スペシャルレッスン
 明日から、ポエムを使ったレッスンをする。一度も教えていないクラスでの飛び込み授業が続く。このレッスンの面白いところは、正解がないところだが、それだけに詩の訳に込められた生徒の想いや感受性を受け止める教師側の力量が問われる。もちろん緊張もするだろうし、最初からうまくいくとは思っていない。しかし、「ひとつの正解を探り当てる」というプレッシャーから解放された生徒の素直な感性を引き出してやることができれば、私の予想を超えた授業になるかもしれないという期待感はある。そこにこの授業をする価値がある。
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 Four Corners Game
 生徒間のコミュニケーションだけでなく、人間関係を促進する活動として定番のゲームだが、四隅に貼るイラストに英検面接用カードを使うと即英検2次試験対策になる(カードは過去問題集に収められているから、拡大コピーして使うとよい)。このゲームのポイントは、イラストのレベルに合わせて、リポーター役の生徒の数を調節することと、グループの生徒にリポートする際はジェスチャーを一切使わないという点を徹底させることだ。
 また、面接カードには数行の英文もあるので、3分程度の時間を与えて覚えさせ、自分のグループに戻ってリプロダクションさせるのも面白い。イラストの再生にしても、英文の再生にしても、教師が必ず評価してやる、つまり褒めてやることが大切だ。
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 詩の翻訳
 中嶋洋一先生の教え子たちが作った詩をまとめて一冊の本にしている。その中の数点を教材として使わせてもらった。
 Love
 Math questions are easy.
 Exams are easy, too.
 They don't trouble me.
 But I have one problem.
 It is love.
 Love is very difficult.

 I love her.
 But she loves another boy.

 I can't solve this problem.

 生徒の一人は、赤字の部分を英語にとらわれることなく、次のように簡潔に訳してくれた。
 でも、私を悩ませるのは
 恋の方程式
 片思い


 「数学だけに方程式と来たか。これは参った。」というのが、私の素直な感想。
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 間寛平氏ロスに到着
 ロサンゼルスのロングビーチに無事着いたというニュースを見た。これまでの行程は、大阪〜鴨川<691.9km>+鴨川〜ロングビーチ<12,710km>=13401.9kmだということ。お疲れ様です。アメリカ上陸記念のTシャツが販売されていたので、間氏を応援する意味も込めて購入した。彼は2年間かけてこのプロジェクトを成功させるそうだが、私が今やろうとしていることの期限は一年間。実際にやり始めると一年間というのは短い。一日一日があっという間に過ぎてゆく。

 間氏の太平洋横断は、プレス・テレグラムというロスの地元新聞に紹介されたそうだ。以下はその英文。
 [ACROSS THE PACIFIC]
 Japnese actor and comedian Kanpei Hazama waves to the media and fans Tuesday as he docks his boat in Alamitos Bay as part of his round-the-globe jorney. Hazama finished crossing the Pacific Ocean after leaving Osaka,Japan in
December. In a trip he is making as an ambassador for Tokyo's 2016 Summer Olympics bid.
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 春樹曰く
 Shut up and listen to what she has to say, tell her you like what she's wearing and treat her to really good food.
 これでダメだったら、諦めなさいって。
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 イタリア語 
 いつも週末にまとめて復習して定着を図っているが、毎日放送を聴いているときにもっとしっかり頭に入れておけば、週末が楽になるのにと思う。3月号は関係代名詞だが、文法が英語と同じだから助かる。whichがcuiで、場所を表す場合にはin cuiとなり、「〜と共に」ではcon cui、「〜に」ではa cuiとなるだけ。
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 整理
 職場の不要物を処分したり、文書類を整理しようと思っているのだが、これがなかなかやっかいだ。一人では無理で、全員が一斉にやらなければならない。まずは自分の机上の整理から始めている。シュレッダーが悲鳴を上げっぱなしだ。
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 WBC
 見事な采配で、キューバを破った原監督。名より実を取って侍ジャパンのチーム作りをしてきた。見事と云う他ない。だが、ここまでチームの足を引っ張ってきたイチローを、韓国戦の先発から外すことがでるだろうか。それができれば勝機はあると見ている(18日の韓国戦でイチローが活躍すれば、私の読みは完全に外れたということになるが)。
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 プロフェッショナル
 NHKの番組名だが、毎回各分野でプロと呼ばれるに相応しい活躍をしている人物を取り上げて紹介している。番組の最後に、「プロフェッショナルとは?」と問いかける。その答えはさまざまだ。プロフェッショナルといわれている英語教師たちはどのように答えるのだろう。プロフェッショナルには程遠いが、私なら「autonomous learnersを育てること」となるだろうか。
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 ディベート
 英語でディベートができるようになるには長期的な展望に立った指導が必要となるが、頭の中でシミュレーションしただけで余りにも多くの活動の組み合わせが必要となることが予想され、少し行き詰っている。つまり、ディベートそのものの指導である縦の軸とそれをサポートするさまざまな活動である横の軸との組み合わせをそのように組み立てるかだ。
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 イチロー
 やはり原監督はイチローを外すことができなかったし、イチローは活躍することができなかった−試合の大勢が決まってからヒットは出たが−。私の予想ではおそらく、この状態−イチローが先発メンバーから外れることはなく、甘いファーストストライクを見逃し、追い込まれてからの悪球打ちというバッティングスタイル−はこれからも続くであろうし、それでも日本が勝ち続け優勝を手にすることができたならば、それは本当に日本が強いということと、チームが一丸となって戦ったということを裏付けてくれるに違いない。そしてイチローは「打てなくても、侍ジャパンの精神的な支えであった。」と称えられることだろう。
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 英語を英語でするために
 まず、英語教師同士が英語でコミュニケーションする。このごく当たり前のことができなければ、生徒に「英語で話しなさい。」という言葉はまったく説得力を持たないだろう。今日は英語科会で、生徒とはもちろん、教師同士でも英語でコミュニケーションしようと呼びかけた。
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 ネイティブスピーカー
 私の勤務校には、ネイティブがいない。そこで、不定期ではあるが授業に参加してもらったり、教員の英語研修に参加してもらえるような体制を作りたいと考えている。
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 ビジネス英語 changing business landscape 1
 at a crossroads, get over it, big box retail chain, undercut speciality stores, drive south, amber brew, be saturated, wine and spirits, deal a severe blow to, niche market, stick one's head in the sand, diversification, think outside the box, sense of direction, sit back and do nothing, boost efficiency, human touch, what with …, look at the big picture 
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 ビジネス英語 changing business landscape 2
 survival of the fittest, evolve, meet new challenges head-on, go the way of the dinosaurs, forward-oriented thinking, employable, That's right on the money,, under one's belt, be better-placed, land top-paying jobs, chart-topping CDs, admin assistant, chief diversity officer, CXO, women delegates, wear different hats
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 イタリア マテーラ
 現在も使われている洞窟住居がある都市として世界遺産に登録されているイタリアのマテーラを扱った番組を観た。かつては劣悪な居住環境に置かれていたサッシ地区の住民は近代的な居住環境の整った街に強制移住させられた。無人化したサッシ地区の洞窟住居の歴史的価値が見直されて、洞窟のリフォームなどの一定条件の下、希望する人々に洞窟が解放されたという。歴史、文化、遺産を大切にするイタリア人の心が、世界遺産登録へと繋がったのだろう。
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 イチロー
 
私の予想ははずれ、イチローが決勝打をセンター前に弾き返し、日本が優勝した。それにしても、あの場面でツーストライクと追い込まれながらも、明らかなボール球に手をだしてファウルにするというのは、すごいことなのだろうか。凡人なら手を出さないよう心がけるのだろうが、そこが天才の天才たる所以なのかもしれない。
 (その後の独占インタビューで彼自身が語ったところによると、「あのワンバウンドしそうなボール玉をファールできたからではなくて、ヒットにできると思った自分がいたから、『この打席でヒットを打てる』と確信した。」そうだ。)
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 新聞を読む
 最近ほとんどの情報は、TVかネットで得ているから以前ほど新聞を読まなくなったし、HRなどで新聞を活用した指導をしていない。今年は少し新聞を使った情報分析をしてみようかと思う。たとえば、ここ一週間分の新聞を持ってきて、気になった記事をピックアップする。さらにネットで詳細な情報を収集し、グループ別に発表する。そこには、当たり障りのない新聞の社説のような評論ではなく、グループ独自の分析と見解を盛り込ませる。たとえ、社会通念や常識からは受け入れられないものであってもよしとする。「その分析は必要な情報と事実に基づいているか」、「TVや新聞の評論とは一線を画した独自の見解を導き出しているか」の二点を満たしていることが重要なのだ。
 また、他のグループからのあらゆる質問攻撃に答える「Ten Minutes Battle」を設ける。これは、将来的に考えているディベート指導の下地となるだろう。 
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 CF製作
 これは英語の授業の一環として考えているのだが、「こんなものがあれば便利だなあ」という商品を考えさせ、その製品をプロモートするためのCFを製作させる。最初は既存の製品からでもいい。例えば、ハイブリッドカーなどいいかもしれない。環境にまつわる表現や用語を多く使うことになり、長文読解に役立ちそうだ。携帯やコンピュータ、電子辞書なども、その機能を説明するのはハイレベルな英語力が要求されるから面白いと思う。
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 9法科大学院不適合
 法科大学院の認証評価期間「大学基準協会」が公表したところによると、14校中9校を不適合とし、5校を適合としたそうだ。適合の中に広島修道大学があり、かなり高い評価を受けているのは喜ばしいことだ。関東や関西の大学に負けない学内組織と教育カリキュラムが整っていることの証だと思う。隣県の大学なので、これからもがんばってもらいたい。

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