先日フェイスブックで松山の「うどん」のことを紹介すると、思わぬ反響がありました。
私自身「うどん」大好き人間ですが、松山人の多くが「うどん」に、想像以上にこだわりを持っているということもよくわかりました。
「うどん」と言えば、国民の多くが「讃岐うどん」をすぐに頭に浮かべるかと思います。
確かに松山にも「讃岐うどん」のお店がたくさんあり、「讃岐うどん」以外は召し上がらないという人が多いのも事実です。
しかし、松山には、子供の頃から刷り込まれている松山特有の「うどん」の味があります。
その代表が、何と言っても昭和20年代に創業した「アサヒ」と「ことり」だと思います。
両店ともに「鍋焼きうどん」ですが、戦後間もない頃から70年近く、頑なに伝統の味を守っています。
食欲をそそる出汁の秘訣は、伊予灘のこだわりの「いりこ」と特上の利尻昆布だというお話を「ことり」の店の方から以前お聞きしたことがあります。
濃厚な出汁に、牛肉や油揚げなどの具材をアルミの鍋で煮込んだ素朴な味ですが、
出汁と柔らかめの「うどん」がうまくコラボして何とも言えない味を醸し出しています。
誰が何と言おうと、私は「ことり」派ですが、甘目が好きな人は「アサヒ」と言って一歩も譲りません。
フェイスブックでも、「ことり」派、「アサヒ」派共に甲乙つけ難く、フアン数も拮抗しています。
後継者の問題などがあるかもしれませんが、永年守ってきた伝統の味を松山から消さないでほしいと願っています。
20年近く前になるでしょうか、惜しまれながら廃業した道後の「としだ」、銀天街のL字のところにあった「かめや」、
この両店も、市民の多くが心を揺さぶられた「松山のうどん」を代表する忘れ難い味じゃなかったでしょうか。