家の目の前に銭湯があった関係で、我が家には風呂はありませんでした。
小学校の頃は、毎日ではなく、経済的な事情だったのかどうかわかりませんが、3日に一度の割りあい位で銭湯にいっていました。
私は子供の頃から早寝早起きで、夕食が終わる頃にはいつも睡魔に襲われ、銭湯に行くのを愚図り母親によく叱られたものです。
自家風呂を持たない高齢者や独居老人にとって銭湯は、いうまでもなく日常生活に欠かすことができません。
そんな中で、今全国の銭湯の数が激減しています。
その原因として、銭湯の経営者の高齢化や後継者の問題、それに何といっても自家風呂の普及により、入浴客が減少したことなどがあげられます。
このような中、小学生や幼稚園児を対象に、銭湯での入浴マナーを通して社会性を身につけてもらおうと、愛媛県の浴場組合が「浴育」の教育を始めています。
銭湯に行ったことがない子供たちが大半で、脱衣所で走らないことや衣服をたたむといったルールや、かけ湯をして湯船に入ることなど貴重な社会勉強になると思います。
最近になって気がついたことですが、銭湯時代に育った私たちと、若い人たちとでは少しお風呂の入り方が違っていることを知りました。
私たちの世代は、かけ湯をして湯船につかり、少し温まってから体を洗って、最後に湯船に浸かりしっかりと身体を温める。
一般的な傾向ですが、若い人たちは湯船に浸からずにシャワーで身体を洗い、最後に湯船に浸かるというスタイルが多いようです。
どちらがいいとか悪いとかという話ではありませんが、銭湯が減少していく中で、昭和の時代が少しずつ遠くなっているような気がします。
どちらにしても、銭湯を必要としている方々がまだまだおられる以上、銭湯の灯を消すわけにはいきません。
国や行政にしっかりとした支援をしていただけるよう、積極的に働きかけていきたいと思います。