先月、娘が初めての陶芸の個展を開いた。
今回はご祝儀相場ということもあり、たくさんの人にご来場いただいた。
終わってふと気がつくと、どっぷりと親ばかをしていたような気がする。
激励や辛口のご意見など様々なご批評をいただいたが、本人にとっていい勉強になったと思う。
いつのことになるかわからないが、次の個展が正念場だと思う。
3年余り前に東京のデザイン事務所に勤めていた時、大学時代に少し齧った陶芸への思いを断ちがたく、
岐阜の多治見にある陶磁器意匠研究所を受験した。
27歳の年齢制限があり、娘にとってぎりぎりのラストチャンスだった。
無事に試験をクリアーし、本人待望の2年間の陶芸三昧の学生生活を送ることになった。
志を同じくする仲間と、切磋琢磨しながらの勉強や交流は、社会人の時とは一味違い、充実したものだったろう。
そして、一昨年の3月末に松山へ帰ってきた。当初、陶芸の盛んな砥部での活動も考えていたようだが、適当な場所がなく、
両親が亡くなってからずっと空き家になっていた古家に、少し手を加え、窯を据えて活動を始めた。
今は亡き私の両親も、孫娘のことを天国で喜んでいることだろう。
陶芸の世界は、前途多難で想像以上に厳しいということは本人も重々承知している。
これからいろいろな壁にぶつかることが多いと思うが、焦らずに一歩一歩、自分で信じた道を歩んでほしいと思う。