H25 . 10

 お彼岸は、いつも妻と二人で墓参りをしている。
母が亡くなって9年、父は5年、時の経つ速さには驚かされる。
 朝目覚めると、仏壇に手を合わせるのが毎日の日課である。
殊更に墓参りをしなくても、亡き両親とは、毎日向かい合っている。とはいっても、お彼岸や法事の墓参りは別である。
 今年も自宅裏の畦道に、ヒガンバナが咲いた。
 この几帳面さにはいつも感心する。
 ヒガンバナの名前は、秋の彼岸の頃に開花することに由来するそうだが、曼珠沙華と呼ぶこともある。
これは法華経などの仏典からきているそうである。
 ヒガンバナは群生して咲く。花の色はほとんどが朱色だが、たまに白色の花を見ることがある。
 調べてみると異名も実に多い。 死人花(しびとばな)、地獄花、幽霊花、剃刀花(かみそりばな)狐ばな、捨て子花など、 ほとんどが忌み嫌われる名前で呼ばれている。
 少々気の毒なような気もする。
 そんなヒガンバナだが、お彼岸が来ると、いつも寄り添ってくれているような気がして、 私個人としては愛すべき花である。


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