中村知事が開講した「えひめ志高塾」に入塾させていただいた。
巷では、全国各地で話題になっている「政治塾じゃないか」と色めきたったが、知事は開講式で、「今は歴史の転換点であり、お互いに志を高めていこう」と述べ、あくまでも人間塾であることを強調した。
その関係からか、首長や県議、市議など党派を超えた政治関係をはじめ、経済人や学生など200人を超える方々が参加した。
「いい講師が見つかったので、もう間もなく開講しますから、楽しみにしておいてください」と知事からお聞きしていただけに、塾の開講が待ち遠しかった。
開講式では、塾名を「えひめ志高塾」と命名し、知事自らが、自らの政治経験や「国と地方の在り方」などを熱っぽく語った。
2回目は、未来工業(株)山田相談役の講演で、若い頃の演劇活動や失敗談を経験に、会社経営の一番の柱は、社員のやる気であり、これこそが会社を支えるという信念の下に、たった4人の零細企業から、日本一のスイッチボックスのメーカーに発展させた創業者の話であった。
未来工業(株)は、東海道新幹線の岐阜羽島駅から車で数分の所にあり、全国の中小企業経営者が、年間1万人以上訪れるという会社である。
しかも企業見学には2,000円が必要というから驚いた。
・年間140日の休日
(年末年始の休みは20日間・ゴールデンウイークやお盆休みは10日間)。
・勤務時間は8時半〜午後4時45分。
・ノルマ、残業は一切なし。
・提案制度
(どんな提案にも必ずその場で500円、採用されたら1〜5万円、
年間1万件を超える社員からの提案があるそうである)。
・工場では、ダサいと言って若者が嫌う作業服はなし
(その代り私服代を支給)。
・企業では常識となっているホウ(報告)・レン(連絡)・ソウ(相談)は禁止
(したがって、上司にお伺いを立てることはない)。
定年は70歳など他社から見れば、とても考えられないような羨ましい話ばかりである。
普段はドケチ道に徹する山田相談役だが、会社を支える社員のやる気を引き出すためには、惜しむことなく金をどんどん投入する。
その結果、厳しい経済状況の中でも、社員の士気が高まり右肩上がりの業績を続けているという。
未来工業もしかり、儲かっている企業の共通点は、社員のやる気が出るような制度やルールが、しっかりとできていることである。
企業経営者のみならず、地方政治に身を置く私も大いに学ばせていただいた。
自分の拙い文章で、感動がうまく伝わらないことが少々もどかしいが、久々に感動した1日だった。