最近、家内との会話中などに、俳優や人の名前が出てこないことがある。
何かしら、気持ちが悪いものである。
何とか思い出そうと努力して、スーと出てくる場合と、そこまで出ているのに、名前にたどりつかないことがある。
そんな時は、まどろっこしいと思いつつも、あいうえお順に考えつく名字を、ハイスピードで頭の中で唱えてみる。
それでもどうしてもだめな時は、インターネットや電話などを使ってみる。
名前がでてきた時は、霧がサァーと晴れたような、胸のつかえがとれたような感じだ。
「まさに認知症まっしぐらだね」 「認知症になったら、私のことちゃんと面倒見てね」 「逆の場合は頼むよ」 そんな会話が我が家ではよく飛び交う。
先日、認知症患者と家族の関わりの番組が放映された。
認知症患者のいる家族の方は、介護が長期にわたるケースが多く大変な
ご苦労をされている。
認知症患者のご婦人が、家族から叱られ、温顔な顔から笑顔が消えてしまい、症状まで悪くなってしまったケースである。
叱られたり、責められたりすることは、本人にとって、悲しくつらいことであり、症状まで悪くしてしまう。
家族や周囲の者が本人の身になって考え、対応することで、自尊心を傷つけず、認知症の症状が回復すると言う。
後にご婦人の顔に、微笑みがもどった時は、私まで何か清々しい気持ちになった。
それにしても、
あきらかに数年前とは夫婦の会話の内容が変わってきたような……