かなわぬ想い < 2 >
「どうしたのだ」
空港で会うなり、テキはめざとくオレの「不名誉の負傷」に気がついた。
細いゆびが、すりむいた頬にふれる。
たったそれだけのコトで、まるでキスも知らないガキみたいに、オレの心臓がうろたえはじめる。
「こんなところをすりむくなんて。最近の子どもは転ぶ時にも手をつかない者が多いと聞くが、おまえもそうなのか」
「ちげーよ。けさ、ベッドから落ちて・・・」
「?!」
バカさかげんじゃ、かわりねーけど。
「・・・よほど、寝相が悪いのだな」
おまえにせまられたっつーか、据え膳いただけそーだった夢みた・・・なんてばれてみろ。
に、二度と来ねーに決まってるだろーが。
「私も落とされないように気をつけないと」
大真面目な顔してどれだけ意味深なセリフはいてるか、わかってんのか。
たまに帰ってくるこいつのためにちゃんと部屋も用意してるのに、子どもみたいによりそってやらないと眠らない。
ホントウは、キスして、抱きしめて・・・めちゃくちゃに犯したい・・・のに。
その安心しきった寝顔を見たら、誰が抱けるんだ。
「レオリオ?」
訝しげに見あげてくる瞳にキスをおとして・・・。
「おかえり、クラピカ」
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MEMO/050604