かなわぬ想い < 1 >

「レオリオ、その・・・」

なんだか、いつもとちがう思いつめたような様子で、俯いているので表情は見えないけれど、胸の前でかたく組まれた両の手が微妙にふるえていたりして。

な、なんかぞくぞくするほど、かわいい。

「どした?」
「・・・私をすきにしていいぞ」

――――――――へ?!

い、いま何かおっしゃいましたか、クラピカさん。
ものすごーく都合のいい幻聴が聞こえたような気がしたんですけど。

しばしの沈黙、そして突然我にかえり

「ク、クラピカーーー!!い、い、いま何て言った??!」

思わず両肩をつかんで問い直す。

「だから、私をすきにしていいと言っている」

ああ、もう空耳でもいいから、このまま押し倒したいのが本音だけど。

「??? おまえ、気は確かか、本気か」
「私では役不足か」

なんでそーなるんだ。

「そ、そんなわけあるかっ!!けど、ホントにいいのかよ」
「何度も言わせるな」

「遠慮しねーぞ」
「覚悟している」
「覚悟って・・・そんな悲痛なカオして言うな〜〜」

やさしくするからさ

そうして、細いあごに手をそえて上を向かせて・・・















っ痛ぇーー




気がつけば・・・枕を抱きしめて小汚ねぇ床とランデブー、もとい激突しているオレ。

・・・夢か。

ったりめーだよなー。あのお姫さまが、あんなおいしいセリフ言うわけねーって。
ま、いくら夢でも、かわいい声で「抱いて」なんて言わねーあたり、あいつらしいってか・・・って、感心してる場合じゃねーんだ。

夢なら夢でいいけどよ、なんだってあと1歩のとこで覚めんだーーー!!

<< TOP >>  NEXT >>


MEMO/050527