太山寺のねじれ竹
〜ねじれ竹にまつわる話〜

 その昔、筑紫より遍路を装った男女が第52番札所・太山寺の遍路宿にやってきた。この二人は青竹で杖を作り粗末に扱っていた。青竹を金剛杖代わりとして扱っていた。金剛杖は「弘法大師」の化身としての役割をもつとされ、金剛杖を持って巡拝することは弘法大師とともに歩くこと=「同行二人」(どうぎょうににん)と呼んでいる。
 この男女は、同行二人であることを、おろそかにして青竹の杖を扱っていたため、2本の青竹の杖は、不思議にも途中からねじれ合った。
 二人は、主人の目を盗み不義いたづら者であることを同宿の僧に話した。 僧は、「それではこれからは分かれて行け」と伝え、二人は別々に巡拝することとなった。 僧は、この杖を後世の戒めのため庭に挿し「大師のお許しがあれば根つき枝葉が生じて栄えん」と伝えた。

 この竹は「ねじれ竹」と呼ばれ、以来、遍路の金剛杖には青竹を使わなくなったと伝えられている。
 太山寺の参道脇の人家(昔は遍路宿)の庭に「ねじれ竹」がある。
 ねじれ竹(太山寺参道-布袋氏宅の庭)高さ約8メートル(ダイサンチク=熱帯性の竹の一種とも言われている)
ねじれ竹(太山寺参道-布袋氏宅の庭)
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