弘法大師見返りの杉(高縄山)

 高縄寺の昔の話。弘法大師が北条風早の里に行脚の途中、高縄山の頂上に高縄寺を訪ねた。高縄寺の門前で「頼み申す。」「頼み申す。」と二度・三度と声をかけたが何の応答もない。弘法大師は、はてな不在かなと思って本堂の縁側に回ってみると、住職は昼寝をしていた。そこで弘法大師は明日また訪ねることにしようとその日はそっと下山した。あくる日、また高縄寺を訪ね「頼み申す。」「頼み申す」と言っても、また返事がない。見ると昨日と同じ場所で住職は昼寝の真っ最中。この有様に愛想を尽かした弘法大師は札所開基をあきらめたという。下山する時に、七本杉の所から弘法大師は「惜しい寺じゃ」と言いながら見返ったという。それでこの杉を【弘法大師見返りの杉】と呼ぶようになったという。
高縄寺参道
高縄寺本堂
高縄寺案内看板
               高 縄 寺

この高縄寺は、高縄山頂(標高986m)から東へ300m標高
約900mに位置し、その昔、この地方を治めていた河野氏の戦勝
祈願所となったところで、木造の「十一面千手観音立像」が
安置され、八百年の歴史と共に残されている真言宗の名刹で、
河野氏の菩提寺となっています。現在の建物は1767(明和4)年に
再建されたものです。
寺の周辺には、本堂上手の「千手杉」のほか
「七本杉」「大師名残の杉」などの老杉、巨
樹があり、この寺の歴史を物語っています
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