出発前
★ ばたばた準備
ありがちだけれど、塩野七生さんの「コンスタンティノープルの陥落」を読んでから、トルコはもう、10年来の憧れの国!だったのだ。
スリリングでドラマティックなこの本に感動して、その後、トルコ関係の本を読み漁ったもんだった。
これまで3度トルコ旅行を計画したものの、なぜか行くことならず、なんかもう、トルコに関しては呪われてんのかしら。いったい、誰の陰謀なのかしら。夢は夢で終わるのか…。
と、あきらめかけた2003年7月。
当時、派遣社員で、わりと有給の取れる職場にたワタシ。その年の5月に、高校時代の友人さくらが、6月いっぱいで仕事をやめることを聞きつけほとんど無理やり誘って、トルコ10日間のたびに出ることに!
さて、4度目の正直なるか?!
7月9日
★ 台風到来?!
有給休暇もつつがなくいただくことが出来、準備万端滞りなく、旅行代金も全額振込み、さあ、後は明後日の出発を待つのみ!
時はおりしも、W杯の興奮も冷めやらぬ7月の蒸し暑い日。
ここで気になるのは、お天気のみ。
職場のテレビデお天気情報をチェックしていたら、「あさっては台風」。
ええーっ!まじですかい?!
一緒にテレビを見ていた職場の人が、
「こりゃあかんで。明後日関空に移動できんかったらどうするよ?明日のうちに大阪まで出といたほうがいいんじゃない?」と。
代理店に問い合わせても、「台風が直撃する恐れはないと思うけれど、直撃しないという恐れもないので、とにかく何が何でも明後日には関空にいるようにしてください」ときたもんだ。
ぬぬ~。4度目の正直ならず?!
台風ごとき出キャンセルしてはならじ。
上司に「台風来てるんですぅ。明日までには関空に行っておかないと、キャンセルになっちゃうんですぅ」と、涙声で訴えたら、「大丈夫だと思うけど~。でも、俺が大丈夫って言っても、台風がこないという確率はないしなあ~」と、快く(汗)、一日余分に休暇をくれました。
いやあ、いい職場でしたよ。(フォロー)
7月10日
★ 良い行い
普段の行いが良いので、台風は、無事、日本列島から太平洋へ。
良いことはたくさんしておくものですな。(?)
休みはしっかりいただきましたが。
7月11日
★ ブロイラー大作戦
ついに出発!
滞りなく関空に到着。昼過ぎには、トルコ航空の飛行機に乗り込んで出発♪
日本をあっという間に飛びすぎ、気づけば、眼下には中国大陸。広大なゴビ砂漠を目にして、さくらと二人、「ゴビ砂漠、ゴビ砂漠♪」とビデオまわして大騒ぎ。
お楽しみの機内食は、お約束でまずいけれど、いいの。二人ご機嫌だったから。
座りっぱなしでお腹すかないはずなのに、「まずーい」とかいいつつ、機内食を平らげてしまうのは何故?なんかこう、養鶏場の鶏になったような…。
それにしても、飛行機って、ほんとヒマ。ヒマなあまり、読めもしない、英文の機内誌を手にとってみたりして。
国際線の機内誌って、写真が美しい。
どれどれ、これから旅する国は、どんなとこかね、と、ぱらぱらめくってみれば、なにやら、数タイプのオヤジの頭部だけを写したページに遭遇。
増毛の広告らしい。いや、かつらかも…。さまざまなタイプのハゲがいろんな角度から撮影されていて、ふむ、男性の悩みは、世界共通なのか、と鋭く分析などしていると、
「お腹が痛い」
と、急にさくらが言い出した!
なんか、異常に痛いらしい。「ま、マジで?!」
なんだか、いやな予感が…。うわさに聞くエコノミー症候群?胃炎?気圧の関係でどうにかなったとか?
…ど、どうしよう。外国で病気になるのって、本人も不安だろうけれど、同行者もメチャ不安!…ってーか、まだその外国にも着いてないのに…。
とにかく、イスタンブールに到着したら、ガイドさんに言って病院に連れて行ってもらおうってことに。
ワタシもどきどきしたけれど、さくらはもっとドキドキしたことであろうよ…。
ワタシタチのドキドキをよそに、飛行機は無事イスタンブールに到着!ありがたや。
空港内のカウンターでちょびっと両替して、迎えのガイド氏も無事発見。これまたありがたや。
「さくちゃん、病院行っとく?」
「うーん、なんか調子よくなってきた」って。
ワゴン車に乗り込んで市内へ入るころには、「治ったみたい」。おい、なんじゃそら。
どうも長時間狭いシートに座ったままで、のストレスだったみたい。でも、たいしたことなくてほっとしたよ~。
窓の外は、すっかり日も暮れたイスタンブール。
憧れて憧れて夢にまで見た金角湾。ライトアップされて悠然と輝くブルーモスク。
ヨーロッパの町並みの中に、ぽんぽんとモスクが建っているような、ちょっと不思議な風景。
ホテルは、イスタンブール新市街のタクシム広場のすぐ近く。
ちょっと気の利いたビジネスホテルって感じかなあ。ま、お安いツアーだったので、期待はしてなかったけれど。
荷物をといて、タクシム広場前のイスティクラール通りまでお散歩。日本だと銀座ってとこかな。
夜9時近く、夜はこれからって感じで若者たちでにぎわってる。でも、日本の都会みたく、「あきらかに10代の学生」が「品なく座り込んで」いたりしないので、感じがいい。
店もまだたくさん開いていて、ウィンドウの中には、甘そうなお菓子たちが…。
横道にそれると、露店もたくさん並んでた。
フロントの人に聞いて、ホテル近くの小さなスーパー(っていうか、雑貨店)へジュースを買いに。
↑雑貨店で入手したファンタ
いったい、何味だったのかいまだ謎。
夜のイスタンブールは涼しい。海が近いからかなあ。湿気がないから、よけいそう感じるのかも。
雑貨店は、ホテルから歩いてほんの2分ばかり。近所のおっちゃんたちが集まって、サッカー見てた。
W杯終わったばっかりで、実はちょびっとトルコサッカーのファンになったワタシタチ。トルコの現地でのサッカーにちょっと興味アリ。
「ドコノチーム?」と、おっちゃんに聞いたら、「ガラタサライとイングランドのチームやで」とのこと。
??なんで、イングランドとガラタサライがやってんの???なんかの親善試合だったのかしら?
知っている選手もいなかったし、トルコ語もわかんないので、おとなしくジュース買って出る。
店の前に、桃を売っている店があって、あんまりおいしそうだったから二つ買って見た。
桃はトルコでよく見かけたけれど、全部黄桃だったなあ。黄桃って、缶詰でしか食べたことなかったから、すごい新鮮!
食べてみたら、しっかり甘くてしっかりすっぱい。
常々、ワタシが日本の果物に対して抱いていた不満は、甘いだけだってこと。
酸味が少ないから、食べやすいけれど、味がしっかりしてないのね。その点、トルコの黄桃は、味がしっかりしてて、すごくおいしかった。
果物で異国を感じた夜であったことよ。