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出版の思いつき
 ソレ狸コソハ、山野ニ生レ偽リヲ知ラヌ性ナリ。 一トタビ人界ト交ルヤ、カチカチ山ニテ命ニカカル水火ノ洗礼ヲウケテヨリ、世ノ易カラザルヲ識リ、因縁ヲ悟リ、破レ笠ヲ冠リ貧乏徳利ト通帳ニ身ヲ托シテ報恩感謝ノ道理ノタメニ時事精進ノ美シキヲ現ズ。ソモソモ狸ハ東亜ノ動物ニシテ東洋的デアリ日本思想ナリ。ソノ風貌タルヤ剽軽ニンテ男性的、諷教的ニシテ人情味アリ、ソノ為ストコロ、マタ無邪気ニシテ明朗ナリ、而シテソノ感得スルトコロハ禅味アリテ融通無礙トイウベシ。今ヤ吾人ハ梢々トモスレバ生クトシヲムズカシク考エスギルノ故ニ悩ミ多シ。斯ルガ故ニ狸ヲ観ジ常ニソノ飄逸ノ中ニ生マルル良識素朴ノ尊サラ識リ、決シブ分不相応ノ歓喜ヲ願ウコトナク耐エテ忍ンデ七変八化ノ世ニ処シテハ寛容ノ心ト肚ノカ”、笑イト潤イヲ失ワズ、心カラ打チ鳴ラス腹鼓ノ冴エタ音色ノ如ク明朗社会ノ建設ニツトメ文化生活ノ本質ヲキワメン。
 これが私の狸礼讃の偈である。この怪しき喝を感じたのは今から四十年前えの二十三才の時であった。以来狸、狸、狸と人間完成への目標を「タヌキ」にきめて今日まで「たぬきして」きたのである。その間に世紀を分つ世界大戦があって一八○度に転回した祖国の諸情勢を見守っているうちに、私はじっと考えた。これが本著出版の思いつきである。原稿の大部分は昭和三十五年の春から「愛媛タイムス」へ連載したものを多少推敲整理して、まとめをつけたものである。
 思いつきにあたり愛媛タイムスの久保社長を始め本文中にお名前を拝出し、ご教示とご激励を頂いた先輩、知友の諸彦に御礼を中上げると共に、この思いつきにいたるまでに、かねがね慫慂をおうけしていた故柳原極堂、影浦稚桃、前田伍健の諸霊に対し感謝の意を捧げ、併せてご冥福をお祈りする次第である。
昭和三十九年の早春
寝に通う ばかりの庵や  蓮枯るゝ
道後、順雅園にて 富田 狸通
著者紹介 本名 富田 寿久
明治34年2月1日生 大正13年 明治大学政経学卒
昭和2年 伊予鉄電会社入社 昭和32年 「伊予鉄道七十年の歩み」編集
仕事 いろいうある中でも今一番たのしいのは
    放送関係からタレント扱いにされていること
雅号 狸通、金鼓堂、順雅園主、常春庵主、狸窟洞山人
絶版 中古本のみ 坊ちゃん書房
 松山市銀天街中央 電話 931−3426
狸のれん
松山子規会叢書第3集
狸のれん ー俳面と句文
昭和53年4月24日発行
著者 富田 狸通
遺族 松山市道後湯之町13一18
富田 定由
発行所 松山子規会
松山市末広町正宗寺内
印刷 (有)青葉図書
発売 松山市小栗6丁目 3-23
(O899) 43-1165
実費頒価2000円
早生みかん日毎に温泉の街冷ゆる (昭和31年)
湯の町に一匹早き蛍かな (昭和27年)
 
俳画 狸ざんまい ・・・・・
俳句稿
狸の通(かよい) ・・・・・ 57
申(たぬき)の通 ・・・・・ 113
随 筆
狸人生 ・・・・・ 229
文芸随筆 ・・・・・ 245
道後の湯 ・・・・・ 289
松山の話 ・・・・・ 317
忘れられぬ人 ・・・・・ 347
自伝的随筆 ・・・・・ 367
句碑・狸碑 ・・・・・ 393
略年譜 ・・・・・ 397
あとがき ・・・・・ 402
◇790-0842 愛媛県松山市道後湯之町13-18
お店の概要
◇会社名 狸のれん
◇代表者 富田 えつ子
◇電話 089-921-5272
◇営業時間 AM9:00〜PM22:00
◇定休日 火曜日
趣味と民芸品の店 「狸のれん」
昭和三十八年十二月二十五日 印刷
昭和三十九年二月一 日 発行 著者 富田 狸通
電 A 五二七二
印刷所 愛媛タイムス社 松山市松前町五丁目
定価 ¥350−
発行所 有限会社 狸のれん 松山市道後湯之町13−18
「狸のれん」 とは 道後温泉の前にある店で、明治二十年代に三層楼の温泉建物より早く出来たという古い家である。黒光りのする天井や柱はそのままで、店の奥には大きな自在をぶら下げた炉が切ってある。その炉端で老夫婦の主人が道後温泉の昔話をしてくれる。まばらに並べられた民芸みやげ品は、その一つひとつが古い郷愁につながっているのも自慢の湯之町情緒である。
店番していた「ご息女」から直にお聞きした話
「遊びまわって「たぬき」ばーかりして仕事も禄にしてないのに」
「伊予鐵さんも よー やとて くれとった もんじゃ」
いえいえ そんな事はありません
素晴らしい狸通力(神通力)で仕事されてました
富田狸通さんに頂いた「団扇」
zanmai
表紙カバー 著者印譜の一 部
扉絵 桜井忠温翁と著者の合作
挿絵 宮尾しげを先生、前田伍健翁、著者
番外 他抜き・礼賛・金言
狸公八相狸礼賛
狸の十哲学酒買狸の由来
右上 白蔵主  桜井忠温(さくらい ただよし) ゑ
左下 狸     富田狸通(とみた りつう) ゑ
狸ずくめの二十八畳の部屋を「金皷堂」と名付けて
蒐集した狸千態にとりかこまれた著者
(金皷堂の一部)
白蔵主 桜井忠温ゑ 狸 富田狸通ゑ
目次
狸礼讃の動機 13
われらは東洋族 14
狸窟 17
狸念 20
狸弁護 23
狸は化けるか 25
伝説と人生 27
狸になった話 29
生マ狸の生態 32
狸の腹つゞみ 35
酒中狸 39
狸と八の因縁 42
八畳敷 44
心の狸に化かされた話 47
狸汁 50
千古に残る狸寝入りの恨事 53
狸裁判 56
松山騒動「伊予の八百八狸物語」 58
伊予狸大番附 66
狸と人の化かし合い 67
阿波の狸合戦 69
阿波狸大番附 74
伊予の銘狸伝
(一) 八股榎お袖狸の巻 明堂狸追録記 75
(二) 金平狸の巻 81
(三) 喜左衛門狸の巻 83
(四) 小女郎狸の巻 87
(五) 毘沙門狸の巻 89
(六) 銀杏狸の巻 91
(七) 六角堂の狸 94
お袖狸と安井産婦人科 96
証城寺の狸ばやし 98
狸と戦争 106
順雅園の怪 112
浪人ものと狸 117
昭和の狸怪異 121
劇場と狸 123
喜左衛門狸後日異譚 126
九洲亀岡城の狸櫓 128
順雅園の怪後日物語 133
芝居好きの芝右術門狸 137
佐渡団三と伊予団座 149
佐渡むじな大番附 143
伊予の狸文献 144
人間廃業の愚仏和尚 145
土佐の八洲狸神社 147
問答好きな佐渡の禅達狸 149
金宝大膳明神の奇蹟 150
時代を茶化すたぬき映画 154
狸会の今昔 158
大正時代
狸まつり 160
昭和の巻、松山
東京でも北海道でも
スマイル・ウイン
戦後の巻
懐古とお伽のお祭り記
他抜きお茶会
その時々の狸祭文と香語
毛並みの変わった狸友 175
妙な狸縁 179
隠神と犬神 183
狸憑趣きを落す法 185
浅草鎮護明神の狸 188
相洲狸菩薩の由来 192
茶の木、タヌキに通ず (川端龍子併題) 195
他抜き余話
渡辺華山の狸画 197
狸詠嘆の文献 202
和歌
狂歌
連歌(俳諧)
俳句
川柳
能狂言
長唄 お袖 狸はやし 狸まつり勧進帳
童謡及び民謡
狸と文字 227
たぬきの名称 228
狸の名のつく植物 230
狸が発見した温泉 232
狸の名のつく地名 232
タヌキ珍雑記
ヤミ米に化けた狸 233
狸と同棲した人妻
生マ狸と陶狸
狸に因む銘菓
こんがり狸いろ 239
狸西欧へ進出か 241
附録 他抜き世渡り哲学 243
初代 西川南雲 作 「思う壺」・「木魚狸」 道後温泉前通り 「狸のれん」
後は二代目西川南雲(隆一)の干支 「福申」「三番叟」「母さんと一緒」