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岡田十五郎翁が私財を投じて築造した新池の土手にある賞徳碑の辺りは、春になると桜の名所で、地元では有名です。
碑文 正面
帝暦文政年間ニ於テ本村ニ一人ノ義農老哲有リ姓名岡田十五郎ト唱呼シ
比老哲ノ素志剛邁ニシテ一村ノ安泰ヲ遠ク百世ニ布キ部落ノ繁盛増シ
以テ日ニ月ニ隆運ノ端緒ヲ開キ廣徳仰ゲバ愈々高云臨メバ愈云又深シ
一村擧テ其ノ鴻澤ニ浴セザル者ナシ若シ比人存シ在ラザレバ
本村ハ衰頽日ニ増シ農耕生活ノ道ヲ失ワント欲ス公田變シテ荒蕪ノ地迹ヲ呈出ス
其ノ惨状見ンニ忍ブヤ今日ノ繁盛全ク難カルベシ回顧スレバ文政午年ヲ以テ
旧藩主ノ聴許ヲ仰ギ普請奉行大川渡殿ノ命ヲ請ヒ俄ニ養水新池ノ地ヲ選ビ
忽然起工ノ式ヲ揚ゲ午年ヨリ申年ヲ以テ忽云落成ノ式ヲ告グ経営三年ノ久シキヲ過ル
首尾乃チ一千有余日ノ合力ヲ假リ県内無比ノ新池ヲ造リ尤モ江海ニ彷彿タリ
星霜三年ノ苦難唯一日ノ如ク義農ノ英邁奮心ヲ以テ身骨ヲ砕キ効ヲ積ミ労ヲ致シ
其ノ事業天理ニ適ヒ廣徳自ラ放ツ伴テ奉行代理杉浦勇助進テ一補助ヲ得ル
鳴呼共ニ不朽一千歳ノ亀鑑ヲ垂ル是ニ酬ルニ何ヲ以トウテ謝センヤ
今日己ニ時機投合村長乗松熊太郎十年ノ宿志ヲ以テ賞徳碑建設ヲ講ジ
一村ノ賛成ヲ得テ建碑ノ典ヲ擧ク尊霊ノ徳ヲ賞シ仰キ願クハ霊心之ヲ容シ給ヘ
村民謹言九拝
沙門鐵龍 書
碑文 裏面
新池工事 當時 建碑世話方
庄屋 内藤 林蔵 村長 乗松 熊太郎
組頭 岡田 十五郎 岡田 利平
同  遠藤 甚之助 岡田 貞五郎
同  畑中 嘉三次 岡田 助五郎
同  杉本 清左衛門 岡田 土五郎 明治三十一年四月 吉辰
立石 勇蔵 権律師  増田  時城
「一人ノ義農老哲有リ姓名岡田十五郎」とあるが「義農老哲」ではなく、
口伝によれば岡田十五郎は「歳30にして組頭」となった
四百年を超える由緒正しき家系を持つ岡田家の末裔にして郷士であり富豪であった。
久万の台ゴルフ練習所になっている新池 久万の台ゴルフ練習所入り口の賞徳碑
碑文 正面 碑文 裏面