十五郎は可哀想な生まれです。平成4年12月25日に生まれました。小さい時に両親と別れました。両親の顔もぼーとしか見えませんでした。
家族は兄姉3人に両親とで6人でしたが兄姉3人とも死にました。いや、殺されました。名前もないまま、死にました。十五郎は末っ子です。
甘えん坊です。結構我侭です。それでも、十五郎は元気です。
十五郎は小さい時から利口でした。ダンボール箱が我が家でした。外に出たいときは自分で箱を揺り動かして倒して自分で出ていました。
今では近所の子供たちの人気者です。遠くから十五郎を見付けると「十五郎」「十五郎」と呼ばれます。
年端もいかぬちっちゃい子供は宇宙語で「ジュゴロ」と呼びます。けっして「ジゴロ」ではありません。
それに応えて振り向いて尻尾を振り振り十五郎はご挨拶します。
私も「十五郎のおいチャン」で有名になりました。
十五郎が一緒でないと、「十五郎はどしましたか?」と上野のお山の西郷隆盛さながら、ペアーで初めて認識される始末です。
十五郎は一日朝夕2回、散歩の途中「十五郎」「十五郎」と呼ばれて嬉しそうです。
そばに駆け寄って匂いを嗅いだり顔や手や足を舐めるのが大好きです。(8m伸びるロープを使っています)
近くの土佐犬全国チャンピオンの飼い主に良い犬だと誉められました。これが十五郎の自慢です。
十五郎はもう、何人の人に誉められたことでしょうか。「元気な犬じゃ」「出来とる犬じゃ」「毛並みがえーのー」「可愛らしいなー」「利口そうな犬じゃ」
「こんな犬が飼いたい」「ええ秋田犬じゃのー」「体つきがえーねや」子供達は云います。「十五郎すきー」「十五郎怖い」
それでも、十五郎は元気です。
「十五郎」は名犬と呼ばれます。飼い主にとってこれ以上の誇りはありません。 |