<退院>

 退院後の注意点等についての指導です。
 退院の時に笠置先生は「やっぱり想像通り年を取っているから想像通り骨が硬くて大変でした。小さい子供なら本当に簡単に挙がるけれど、大人はなかなか力が要ります。」と二の腕にグッと力を入れて見せたところ、年齢の割に何とポパイの腕になりかけの様な腕でした。鋼鉄のようです。
 「私もこの年になって筋肉が育つなんて思わなかったけれど、何でも一所懸命頑張ると幾つになっても筋肉は付くものですね。出来れば子供専用の漏斗胸外科医になれれば良いのですが、私の病院は若い人は4歳から、年長者は57歳までのオールマイティですから、しょうがないのです。最近は年長者には特別に手術器械を開発しましたので、そんなに力は要らなくなりました。常染色体優生遺伝ですので、もしも漏斗胸の子供が産まれたら、なるべく早い内に連れてきて下さい。子供の方が年老いた時の私向きです。」と言われてしまいました。
 確かに骨が硬くなってからのナス法は大変そうです。笠置先生は沢山の大人の症例をこなしているそうで、【苦しみも楽しみのうち】という、何故か‘S’めいた世界に入っていました。

 退院日には松山における生活の仕方を、松山観光案内マップを頂き、ここに行くと診察券を出すと1品サービスがある『番々亭』(鰹のたたきが美味しかった)や、その他諸々を紹介して貰いましたが、最後に笠置先生がこれだけ食べる所を案内しながら、「余り食べないで下さい。前に食べ過ぎて救急車で運ばれた人が居たから。」との事でした。即ち目の前に餌の肉を用意されて、お預けを食らっている犬の様なものです。
 最後に、次回の受診の時には一杯食べても良いから。」との事でしたので、取り敢えず救急車には乗らない様に、適切な量だけ食べて、松山でゆっくりした2泊を『ファミリーハウスあい』や近くの喫茶店、また路面電車に乗って道後まで行って足湯をしたりしました。「松山城は体力が手術の後で落ちているから、登ってはいけない。」とも言われましたが、私は前回行っていますので、今回は行きません。
 言われた通り、月曜日の朝一番に病院に行ったところ、レントゲン写真や心電図、胸のCT、血液検査、呼吸機能検査を行った後に「検査結果が出るまで暫く近くで遊んでいなさい。」との事でしたので、その間松山市駅(病院の直ぐ側です)の上にある高島屋の喫茶店に行って、そこでお城を見ながらお茶していました。病院に帰ってきたところ「もうこれでお家に帰って良いよ。」と言われました。
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