第33回 Special Feature T
4ッ切りの黒糖トーストを一枚食べた。バターと蜂蜜をたっぷりつけて、こんがり焼いたトーストだ。その後でアロエ入りのヨーグルトを食べるとあとくちがいい。新聞に目をとおした後、地獄のように熱いコーヒーをすすりながら、コンピュータに向かう。いつものようにメールをチェックしていると、「原稿執筆のお願い」という件名が目に入った。次のような内容だった。 「一条様 突然のメール、失礼いたします。 私は、 「EN」という月刊の時事英語雑誌を編集しております山咲有子と申します。 弊誌は、「音で聞くニュース英語雑誌」として、全国の書店と直販で 発売されています。 一条様のHPを拝見し、その授業内容の豊かさに感じ入りまして、可能であれば特集原稿のご執筆をお願いできないかと考え、メールを差し上げた次第です。 弊誌には、毎月付録CDが付いており、VOA Special EnglishやVOA News、CBS Evening Newsなどの ニュースを収録しています。 このたび4月号で、このEN誌とCDを使った 「リスニング上達の訓練法」という特集を組むことになりました。 この特集は、通訳訓練法を知らない、初心者向けの企画です。CDに収録されている ニュース音声とトランスクリプションを使って、音読・リピーティング・シャドーイング・ スラッシュリーディング(サイトラ)・ディクテーションなど 通訳者の基礎訓練をしてみようというものです。 つきましては、それらの訓練法を行う順序や、それぞれの効能、効果的なやり方 などについて、充実した授業をなさっている一条様にぜひ原稿執筆をお願いしたいと考えております。 しかし、なにぶん執筆期間がとても短いため企画の詳しいご説明や、正式なご依頼の前に、まずは 執筆が可能かどうか、ご都合をお伺いしたいと存じます。」 「で、一条サマとしてはどう返事したの?」 ヒカリが楽しそうに尋ねる。 「いまやっていることをそのまま書いたんで向こうの企画と合うんだったら、引き受けようかな。」 「ふ〜ん。一条サマの授業ってすごいのね。。充実した授業をなさっているんだって。」 いつものように先生と呼ばないで、メールにでてきた『一条サマ』を使う。ま、『一条サマ』も悪くないな。 とにかく、執筆を引き受けることにしたので、特集記事の原案を送ることにした。さて、これからどうなることやら。
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