ヒカリが手土産下げてやってきた。 「センセイが以前お気に入りだって言ってたから。」 と、クルミ入りの甘味を抑えたチョコレートケーキを差し出す。それも、ショートケーキじゃなくて、一本丸ごとである。なんの前触れもなく突然だったので、気の利いたジョークの一つも返す余裕なく、 「おっ、どうしたんだ。雨でも降るんじゃないか?」 と、うれしさの照れ隠し。のつもりだったが、今日は朝から断続的に強い雨が降っていて、『このところ女性からケーキなどもらったことがなく、ほんとは非常に喜んでます。』とわざわざこちらの胸の内をヒカリに教えるようなものだった。どうもこのままでは間が悪く、いつになく饒舌になってしまう。 「このクルミというのは、英語で"WALNUT"と言って、外国の(WAL)実(NUT)という意味なんだ。"WAL"というのは"Wales"のことで、訳すと、『ウェールズからイングランドに入ってきた実』といったところかな。」 などと、口からでまかせを言う。それでもなんだか落ち着かない。 そんな私の心の動きを察してか、 「一人で食べるには大きすぎるから、彼女とでも食べてよ。」 と助け舟を出してくれるヒカリ。私に彼女などいないこと知っているのに、大人だなあと妙に感心してしまう。せっかく出してくれた船だから、乗せてもらうことにした。 「彼女と食べるには小さすぎるなあ。なにしろ、片手じゃ足りないから。」 「ふ~ん。じゃあ、バレンタインにはおこぼれたっぷりもらお~っと。」 こうして無事オチがついたところで、レッスン開始。 「センセイ、昨日の準1、単語が全然わからなくてダメでした。」 |
運用語彙数 | リスニング | リーディング | ライティング | スピーキング | |
準1級 | 3,500語 | 国内バイリンガルニュース | 英字新聞 | 英文手紙 | 簡単な意見発表やディスカッション |
1級 | 5,000語 | CNN | タイムをなんとか | 英文アーティクル | アカデミックなディスカッションやスピーチ |
(参考文献:「発信型英語スーパー口語表現」ベレ出版)