TOEIC 900への道
 TOEIC900に至るまで、何度か伸び悩みを感じることがありました。一番大きかったのは、英検準1級の壁。準1級の一次試験を2回落ちた頃、TOEICは735程度、英語でのコミュニケーションはそこそこ出来るけど、ちょっと内容のある話になると読むことも聞くことも全く歯が立たないという状態でした。その理由は、今思えば非常に単純で、日常会話以上の語彙がなかったからです。大学受験程度の語彙もかなり怪しい...といったレベルでした

 その後、数年間、英語から全く離れ、テストを受けることも勉強することもなくなりました。そんなとき、DUOという単語集に出会いました。パラパラっと中身を見たときに、簡単だなと感じました。収録されている単語の7〜8割は知っているけど、かなり売れているみたいなので、試しにちょっと聞いてみようかな... というのがきっかけでした。ウォークマンで聞き始めると、英語の音に渇望していたのでしょうか、ひきこまれるように何度も何度も聞きました。家事や育児の間にただひたすら聞き流すだけ。けれども、テープが伸びてしまうんじゃないかというくらい聞きました。繰り返し聞いていると、聞こえなかった音が聞こえてきたり、前後の関係から知らない単語の意味が想像できたり、こんがらがったパズルが解けていくような、そんな不思議な感覚がありました。DUOを聞くのが嫌になったときは、ほとんど全てマスターできたときだったのでしょう。自然とより上級の語彙教材に手が伸びました。DUOで基本をしっかりと押さえていたおかげで、新しい教材もどんどん覚えられるようになり、ますますおもしろくなって、また次の教材へ。「とにかく大量に聞いて、単語を耳から入れる!」DUOのおかげで、今の勉強のスタイルが確立できたと言っても過言ではありません。

 それからは、自分の興味とレベルに合った音声付きの語彙教材を常に探して、楽しみながらボキャビルをしています。一つ一つの教材を完璧にする!というのは私には向いてないようなので、飽きないようにいくつかの教材をぐるぐるローテーションしながら聞いています。具体的には次の3種類の違ったタイプの音声教材です。

1.単語だけもの
英語、日本語と交互に吹き込まれたもの、もしくは英語のみ。
分野別に単語を整理してあるものがお勧め。単語を意味上のネットワークにして覚えられる。

2.DUOのように短文で効率よくボキャビルできるもの一文に重要語句がぎゅっと濃縮されているので効率よく覚えられる。

3.ある程度ボリュームがあり、かつ内容が楽しめるもの
速読速聴のようにあるテーマについて話されているもの、HPやTVからニュース・インタビューの音声を録音したもの、ビジネス英会話、Harry Potterなど小説の朗読細かいところはあまり気にせず、できるだけ新鮮な内容の素材をどんどん聞くのがポイント。

 私が一日に聞く量は基本的には2〜3時間です。毎日必ず!ではありませんが、何日も休むことはありません。自慢ではありませんが、私は記憶力は全然よくないんです。でも、さすがに飽きるほど同じものを聞いていたら、誰でも大抵のことは覚えられるものです。数回やって覚えられたら最高ですが、地道に時間をかけて、英語の音を毎日たくさん聞くことで、まるで英語のリズムや単語の意味が体に染み込むように覚えられます。遠回りのようでも、基本をきちんと固めることが大切だと実感しました。ですから、語彙教材はその内容や形式もですが、自分に合ったレベルを選ぶというのが何より大切なポイントでしょう。

 ボキャビルについて、かなり具体的に説明しましたが、TOEICと英検に話を戻します。集中的に英語の音を聞いたことは効果絶大で、3回目に準一級を受けたときは、かなりいい点で合格しました。あんなに難しく思えた語彙問題も長文も簡単に思えました。
ちなみに同じ時期にTOEICを受けましたが、そのときがL430、R380の合計810でした。
リーディングは最後まで解き終わらず。その理由は文法セクションに時間をかけすぎたことと、文章を読む速度がかなり遅かったことでしょう。

 その1年半後がL470・R380の850。やっていたことといえば、ラジオ講座「やさしいビジネス英語(現在のビジネス英会話)」だけ。休んだり、再開したりしつつ、ただ内容を楽しむために聞いていました。テキストを開いて、単語を覚えたり読んだりはしていません。このときはTOEIC受験5回目にして、初めて最後の問題まで解き終わり、しっかり見直しまでしたのに、Readingの伸びが全くありませんでした。その理由は明らかで、文法の知識があやふやなまま、適当に解いていたからです。しっかり文法をやり直した今、あのときのスコアは妥当な結果だったとつくづく思います。ある程度から上になってスコアが伸び悩んできたら、文法を一通りやり直すと効果的です。例えば、仮定法現在とか倒置構文とか、そんなこと習ったかな?というような必出文法項目もありますから、それに気付かずに点を落としてしまうのは本当にもったいないですよね。新しいことを覚えるというより知識の整理という意味で、絶対にやるべきです。文法を知っていると聞くのも読むのも、断然、楽になりますから。

 そして、この半年後にウィンランゲージサービスで、運命的な野上先生のレッスンと出会うわけです!レッスンがきっかけで、勉強時間の量と質、そして、英語への情熱がぐんとアップしたのを自分ではっきりと感じました。その後、LLIで翻訳訓練を受けたときは、課題のテーマに関連した英文をネット上で探しては手当たり次第読みました。当たり前ですが、「読めるようになるためにはたくさん読むこと」だったんですね。英文を読む速度が上がり、「必要な情報だけを探しながら読む」スキャニングのコツが少しわかったような気がします。そしてもう一つの苦手項目、文法語法については、自分が勉強会を主催することでクリアできました。自分より少し下のスコアの人たちと一緒に問題集を解き、大事なところは解説を加えていきました。これは非常に効果的で、やはり人に何かを教えようと思うとかなり準備もしますし、その分、理解も深まりました。

 語彙の強化、文法のおさらい、集中的に大量の英文を読んだり聞いたりしたこと、これらのいくつかの要因が相乗効果となって、今回L455,R445のジャスト900というスコアを達成できました。一生懸命努力して目標に何とか手が届いたことは大変嬉しく、大きな自信にもなりました。
 次の目標は英検1級です。そのために必要な勉強量と高いモティベーションを維持し続けるためにも、頼りになるペースメーカーであるウィンランゲージサービスでのレッスンにますます期待しています。今後共、バラエティに富んだ刺激的なレッスンをどうぞよろしくお願いします。

 最後に、第1回目のレッスン受講直後、本人から送られてきたメールを紹介します。

 昨日は初めてのことばかりのレッスンでドキドキ緊張しました。でも、それと同時に2時間にぎゅっと凝縮された内容の濃いものでとてもいい勉強になりました。有意義な時間を過ごさせて頂いてどうもありがとうございました。  『自分の頭の中で理解するとということ』と『人にきちんと伝わるように口に出す』と いうことの違いがこれほどまでに大きいとは!

 初めて通訳訓練というものを体験して その難しさに心底びっくりしました。日本語のシャドーイングなどはいとも簡単にで きそうなのに、それすらまともにできませんでしたし、少しの情報量であっても正確 にリテインするのは至難の技だと思いました。これらの通訳に必要な技能が一般的な英語力とは異なるもので、訓練次第で伸ばすことができるなんて、今の私にはにわかには信じ難いのですが、もし何とかなるなら絶対に身に付けておきたい技能だと思い ました。
 レッスンの内容は、いわゆる既存の英会話学校とは全く違うアプローチで質の高いレッスンだと思いました。通訳養成というよりも、まず
英語力を高めるために通訳訓練法を用いるという考え方に強く惹かれました。まずは自分の言いたいこと、つまり日本語の内容をきちんと英語に訳せることが先だと私も思います。この訓練法に従って勉強したら今の英語力が飛躍的に伸びる、そんな期待で胸がいっぱいです。市販の教材の紹介やその勉強の仕方も丁寧に教えていただいて大変勉強になりまし た。
 通訳の訓練法で英語を習うにしても、やはりその基本になる英語力はある程度揃っているとお互いに刺激になっていいと思います。その点、昨日のレッスンは皆さんレベルが高くとても居心地がよかったです。ありがとうございました。

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